オープニング


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         悪い夢……いや……
                       そうか…… 僕は……
         良い夢……だった……
                       いけにえに…… すぎなかったのか…… 
 それは人間が存在する限り                       
                     封印がなんだってんだよ!
 永遠に続く『感情』なのだ……
                     私を助けろよ!
 その感情の名を……                                       ……そう 
                     役に立たない男どもめ! 助けてください。
 『憎しみ』あるいは……                                      何千の仲間、
                     おねがい。助けて。抱きしめて。お兄ちゃん。
 『オディオ』というッ!!                                      何万の敵の中で
                     憎い、憎いよ、クソ野郎!
                                                     唯一人お前だけが
                     こんな世界滅びればいい!
                                                     唯一人お前だけが
           ほっほっほっほっ。
                                                     オレに夢を忘れさせた。 
           子を想う親の気持ちは いつ見てもいいものですね。
                                                                       ……げる。
           しかし心配はいりません。
                                           がはは!逃げろ逃げろ! 
           お前の息子はわが教祖さまのドレイとして
                                            早く逃げないとまっくろ焦げだががーーーっ!
           一生幸せに暮らすことでしょう。ほっほっほっ


一面の顔景色が広がっていた。
顔景色といわれても何のことだかわからない、と頭を捻ることがあるかもしれないが、
それは比喩でも何でも無く、文字通りそこにある世界には顔が溢れていた。
大地、踏みしめた地面は土でもコンクリートでも無く、苦悶の表情を浮かべた人間の顔であった、
顔顔顔顔、顔が延々と見えもしない地の果てまでも続いていく。
空、青い空も白い雲も無く幾ら記憶を漁っても無いであろう奇怪な光景、やはり顔が延々と続いていた。
見る世界に比べれば、まだ聞く世界は大人しいものだろう。
顔だけが言葉にもならない音を呻き、それに時折赤ん坊の嗤う声が混じる、
獣の咆哮、嘲笑、官能的な喘ぎ、怒鳴り声。
現実に侵食した悪夢、いやむしろ悪夢の世界に生身で飛び込んでしまったのだろうか、
そのような狂った世界が、彼らの目の前にあった。

さて、彼らに関して、詳しく説明することは出来ない。
まず性別に統一性は無い、年齢もまたそうである。
服装もまた、非文明人であるかのような毛皮を纏った者もいれば、
ナース服を身に着ける者もいる、鎧、スーツ、ローブ、中には服を着ない者すらいる。
顔立ち、皮膚色、身長、何一つとっても彼らに統一しているものはなく、
彼らが浮かべる表情ですら、動揺、憤怒、諦念、失意、悲哀、歓喜、恐怖と、
全員が同一ベクトルの感情を抱いているというわけではない。
少なくとも、外見から彼らが志を同じにした集団と判断するのは不可能であった。

では、彼らは何が目的でこの様な世界の中にいるのだろうか。
その答えはさして間を置かずに明かされることとなる。





『「今こそ、神の愛を知る時です」』

威圧するような野太い男の声
                   が同時に響き渡った。
幼女の鈴を鳴らすような声

闇の中の松明を目印にするように、彼らが声の方向を一斉に見たのは必然だったのだろう。
その二重の声ははっきりと彼らがここにいる目的を知っている響きだったのだから。

『「深い愛……偉大な愛……そして!」』

「慈悲深き鉄槌を愚かな人間にくだすもまた愛」

二重だった声は最後の言葉を発する頃には幼女のものだけとなっていた。
成程、と納得したものがいるかどうかはわからないが、
声の主、視線の先に居る者もまた、血で染められたかのような赤で纏った幼女であった。
声と主は、まるで聖書の一節を諳んじたかのような内容を除けば一致していた。


それは、これから放たれる言葉のためなのだろう。

顔の呻き声がある一つの目的を現す叫びへと変わった。

彼らの足を浸すほどの羊水が溢れだした。

幼女は微笑みを浮かべ、言ってしまった。

「今から、貴方達に殺し合いをしてもらいます」

言葉が終わると同時に、幼女に向けて駆け出す男が一人。
男の名はワット・ナーベ、
ルクレチア国武闘大会でベスト4入りの好成績を残した凄腕の剣士である。
息子を持つ身であり、普段ならばけして幼女に剣を向けぬ男であるが、
先程の幼女の言葉から、幼女を殺すことでこの異常事態から解放されると不幸にも確信してしまった。

ワット・ナーベは疾風の様に速く幼女へと接近し、首を刎ね落とさんとした。



「とうちゃ~ん!」
ワット・ナーベに涙とともに駆け寄る彼の息子の姿がその行為の顛末を語っていた。
剣が幼女に届くこと無く、ワット・ナーベは死んだ。

「あなた達は神様と契約したの!だからあなた達の命は神様のもの!
 でも安心して!神様の愛はあなた達にも注がれているの!
 ルールを守る限り、あなた達はこんな下らない死に方はしないわ」

先程のワット・ナーベの死、これが幼女を殺そうとする人間にとっての枷となった。
この場に居る全員が黙って彼女の言葉を聞いていた、ただ一人を除いて。

父親の剣、子どもにとってはけして軽いとは言えない鉄を少年は持ち、幼女へと振るった。
目は憎悪で赤々と燃えていた、ただ父親の仇を殺すという決意だけがあった。

目が更に見開かれ、剣が落ちた。
ワット・ナーベの息子、彼もまた死を迎えた。

「わたし愛されているの、神に愛される子は決して殺されたりはしないわ!
 だから黙ってわたしの話を聞きなさい!」

彼女はそう言って、殺し合いのルールを紡ぎ始めた。


今から飛ばす世界で思う存分殺しあえ、と。

禁止エリアというものの説明。

6時間ごとに行われる放送。

支給される名簿に名前が浮かび上がるのは第一放送後であること。

元々ある武器は没収し、用意した道具も併せ再分配する。

神との契約は不完全なものであること。

最後の一人となった者が神と完全なる契約を結ぶこと。


彼女の声と共に、顔の叫びがはっきりと「殺せ!」に変わっていく、
顔の苦悶の表情が嘲笑のソレへと変わっていく、
集められた彼らとは違い、周囲の悪夢は高揚していた。


何者かの呻き声と共に、羊水に血の涙が一筋垂れた。
それを皮切りに、その場にいた彼らの姿が消えて行く。

殺し合いが始まった。

「……ララララララララ……」

誰もいなくなった空間で、ただ幼女の声だけが響きわたっていた。

「天使、天使、天使は歌うよ。」

いや、正確に言うならば男と幼女の二重の声だろう。




「歌った、天使歌った、ララララララララララ…………」




「ララララララララララララララ…………」

「ララララララララララ…………」

「ラララララララ…………」

「ララララ…………」

「ララ…………」



「ラ……」





そして、誰もいなくなった。

【GAME START】

【ワット・ナーベ@LIVE A LIVE 死亡】
【ワット・ナーベの息子@LIVE A LIVE 死亡】
【マナ@ドラッグオンドラグーン 死亡】



投下順 001:ゴッドボイス(物理)
時系列順 001:ゴッドボイス(物理)
マナ GAME OVER
ワット・ナーベ GAME OVER
ワット・ナーベの息子 GAME OVER
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