超融合


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

【1】

 連立するビルは、現代社会の象徴。
 コンクリートの床は、人間が踏んできた進化の証。
 人類という種族が持つ技術の集大成が、そこには映し出されている。 

 テッドブロイラーは、それらには何の関心も抱きはしなかった。
 「大破壊」が起こる前は、国の首都はどこもこんな感じだった事を知っていたし、
 何よりも、テッドは「大破壊」後の荒れ果てた世界の方を気に入っていたからだ。
 "力"こそが全てであり、"力"さえあれば例え無知でも支配者になれる――そういう歪んだ世界を、テッドは誰よりも好んでいた。

 整えられた樹木達は、この街がいかに暴力と無縁であったかをテッドに教えている。
 まったく可笑しい話である――何の力も持たない癖して、こんな小綺麗な街で暮らしている奴がいるのだ。
 装備した炎の爪を樹木達の列に向け、爪先から火炎を放つ。
 焔は瞬く間に木々を食い尽くしていき、辺りは徐々に赤色に侵食されていく。
 圧倒的な火力によって平和ボケした空間が蹂躙されていく様を眺めるのは、実に愉快だった。
 これだ――この暴力こそが、世界で最も優れた"力"なのだ。
 下らない話し合いよりも、馬鹿馬鹿しい友情ごっこよりも、もっとずっと世界に必要なもの。
 面倒な諍いも起こらず、何より一撃で相手を屈服させられる最強の権力。
 そして、テッドは宣言してもいい程度には"それ"を有している。
 だとすれば、こんな"ボケた"世界を食らい尽くす資格だってある筈だ。

 何度も言うが、"力"こそが世界の真理なのだ。
 それを否定する者は弱者に過ぎず、そんな奴らのなど"力"を持つ者の餌になるのがお似合いである。
 殺し合いというルールで動くこの世界が、それを証明する一番の証拠だ。


        O        O        O        


 テッド・ブロイラーの最後の支給品は、「COMP」と呼ばれるハンドヘルドコンピュータであった。
 説明書きによれば、これを使うと「悪魔」と呼ばれる異形の存在を使役できるらしい。
 普通の人間がそれを手にしたのならば、当たりだと喜ぶだろうが、テッドはそれほど良い反応はしなかった。
 彼としては、こんなコンピュータよりも、自前の火炎放射器か、
 頻繁に使っていた「まんたんドリンク」の方が価値があるものだと思っているからである。
 それに、このCOMPとやらに入っている悪魔は、「屍鬼」という能無しの化物というではないか。
 そんな肉の壁にすらならない死に損ないなど、一体誰が好き好んで戦場に出すというのだ。

 そういえば最初に出会ったあのガキもモンスターを使役していたな、
 などと思い出しながらも、テッドは平和ボケした街をメラの炎で焦がしていく。
 そうしている内に、あるものが彼の目に止まった。
 「邪教の館」と書かれた、それといって特徴のない看板が立てられた施設である。
 そういえば、COMPの説明書きには「邪教の館」なる場所で仲魔の合体ができるなどと書かれていたか。
 物のついでだ――遊んでみるのもいいかもしれない。


【2】


 その悪魔の名前は、ゾンビアーミーという。
 「屍鬼」の称号を有するそれは、本来ならば人間に捨て駒の様に扱われる悪魔の一体に過ぎない。
 ――しかし、テッドに支給されたゾンビアーミーは、例外だった。

「……俺は……」

 ゆっくりと、まるで老人が喋るように、それは言葉を発した。
 紡がれた言葉は、誰がどう聞いても、人間の一人称だと判断できるだろう。
 そして少し経った後に、彼は自身の名前を確認するように呟いた。 

「俺は……アドラー……」

 そのゾンビアーミーは、己を「アドラー」と名乗った
 どういう訳かこの悪魔、自分の名前を持っているのだ。
 それが自称なのか、はたまた他者によって命名されたものかを知る由はない。

 この悪魔――アドラーは、本来ならば別の者によって召還される筈だった。
 救世主などと謳われていた女の処刑を邪魔する、三人の少年達の行く手を阻む刺客として、
 他のゾンビアーミー達と共に戦場に旅立つ予定だったのである。
 それが、どうした事だろうか――外に出た筈なのに、アドラーは何故か室内にいる。
 それも、何やら宗教的な要素を感じさせる装飾がなされた不気味な部屋にだ。

「どういうことだこれは……何がどうなっている……」

 全く以って意味が分からない。
 一体全体、どういう経緯があってこんな場所に軟禁されているのだ。
 ふと魔法陣の方へ視線を送ると、陣の向こう側に大柄な男が立っているのが見えた。
 青いタイツらしきものを着たモヒカン頭のその男は、何故かにやつきながらこちらの様子を眺めている。
 実験動物でも見ているかのようなその瞳が、アドラーには堪らなく不快であった。

「なんだ貴様は――――」

 そう言おうとした、次の瞬間。
 突如として、カプセルの内部に液体が入り込んできたではないか。
 中の者など考慮せずに体積を増やすそれは、瞬く間にカプセルを満たしていった。


(な、なんだ!?一体何が起こっている!?)

 あまりに理解不能な状況を前にして、思わずアドラーは心中で叫ぶ。
 透き通っているとも、濁っているとも形容できるその液体は、彼から空気を奪っていく。
 水ではない、しかしスライムのようなドロドロとした感覚もないそれは、彼の全身を舐めまわす。
 そして、数秒した後に、アドラーの体に変化が訪れる。
 なんという事だろうか――彼の肉体が、徐々に服ごと溶解していくではないか!

 彼は必死の抵抗として、拳でガラスを叩き割ろうと試みる。
 しかし、透明な壁がそう簡単に砕ける訳もなく、ガラスが僅かに振動するだけに終わる。
 彼にもっと力があれば話は別だっただろうが、彼は所詮、非力なゾンビアーミーなのだ。
 全ての精神が誤作動を起こしているような感覚を味わいながら消えるしか、彼には道がなかった。

(Scheisse(クソッ)……!この俺が……が……こんな……形で…………)

 必死の抵抗も虚しく、アドラーの肉体は液体に変じていく。
 どれだけ足掻こうが、最早彼の運命は決まってしまったも同然なのだ。

 アドラーは知らないが、この施設は「邪教の館」と呼ばれる、悪魔合体を行う場所なのだ。
 カプせルの中にいたのは、彼が悪魔合体の"材料"にされようとしていたからである。
 隣のカプセルに居た悪魔もろとも、彼は新たな悪魔の誕生の為の生贄となるのだ。
 尤も、今まさに消滅しようとしているアドラーにとっては、そんな事関係のない話なのだが。

 二体の"悪魔"を液体が消化し終えてから数秒後、魔法陣からまばゆい光が迸った。
 そしてその直後、棒状のエネルギーの塊が魔法陣を覆い隠す――融合が完了し、悪魔が生まれでた合図である。

 ――こうして新たな悪魔が、この世に生を与えられたのだった。


【3】


 そこら辺にいた野良の悪魔を、"力"に物を言わせて半ば無理やり仲魔に加える。
 相手も少しばかり抵抗する素振りを見せたが、テッド自身の"力"に押されたのか、渋々COMPに登録される道を選んでくれた。
 ("暴力"の有効性が、また一つ証明された訳である。)
 そして、手に入れた二体の悪魔を引き連れ、邪教の館で合体を行う。
 老人の姿を象ったホログラムが説明したお陰で、案外すんなりと準備は整った。

        O        O        O        

 合体が終わった直後、合体事故が起こったと老人のホログラムが言った。
 「合体事故」とは、合体の際に偶然にも事故が発生し、
 本来の組み合わせとは全く異なった悪魔が誕生する現象こ事を指すらしい。
 一体どんな悪魔が新たに誕生したのだろうかと、中央の魔法陣に立った影に目を向ける。
 そこにいたのは――――。







           ━┓“   ━┓“  ━┓“   ━┓“  ━┓“  ━┓“   ━┓“
           ━┛   ━┛   ━┛   ━┛   ━┛   ━┛   ━┛
                             、,ノl,、{ , _
                           }Vノ;:;:;:;:;:`'´{,    
                          、{;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:レ    
                         ミ,;:;:;:;:。...。:;:;:;ヒヾ     
                         )、┌┐;:;:.゙,..,゙:;:;:nゝ 
       /´〉     _               ///[二]  -┴―- 、
    , 、  } {     〈 ヽ      _, xz≦三三三≦┐く/ ̄ ̄`ハ
   .} |〈  ヽ     〉. 冫   /ニLfニ三三三O/./ /        !
  r.〈. \ヽ  ` ー- /  {     / ニニ0三三三/ //―- ミ     l
  }  \  ̄ヽ      }\  f ニニ三三三/≦≠      \  ,'
  〈ヽ__         /   \! ニニ0三三三 ∠__       ヽ/
  ヽ_>―-ミ     ./    } \三三三ニ≧彡   `ヽ、    /
        弋 、  /   /    `≧≦三ニニ     }≧/
         ヽ<    /      \ ヾ\     /ニ/
             ` <三≧            i}   /ニニ/
                >三三≧         ./ ニニ/
               f三三三三三≧x_x≦ニニニ/
             /三三三ニfY⌒Y |三三≧‐</
            /三三三三ニ{人__人}三三ニ   {
           /三三三三三三三三ニ 丁   ―-く
        ./三三三ニニイ三三三三ニ .{       ハ
       ./三三三三ニ//三三三ニ  |       }
      く三三三三ニ.//三三三ニ=≦彡       l
     ノ三三三三三ニ//三三三三ニ=‐  {       ',
    Ⅵテ三三三三ニ/ {三三三三ニ  彳}        ',
   ハヽソ三三三7 ̄  ハ三三三ニ  ニ三 |         ',
   〒三三三三/   ./三三三ニ ニニ三|          ヽ
   'ーt三ニ彡′ /三三三ニ ニ三三 {           {
     `´     /三三三三三三三三  }         \

「――――!」

 "それ"の姿を目にした途端、テッドは電撃に撃たれたような感覚に襲われた。
 これまで様々な敵を目にしてきたが、この「悪魔」はその中でもかなり強力な部類に入るだろう。
 何しろ、これから放たれる威圧感は尋常なものではない。
 テッドでさえも、一瞬ではあるものの、それの威圧感に飲まれてしまいそうになったのだ。
 出会って間も無いが、断言できる――今まで配下に置いてきた誰よりも、こいつは使える。
 気まぐれで行った悪魔合体が、まさかこんな形で利益を齎してくれようとは。
 テッドの傷だらけの顔が、喜びによって歪んでいく。
 強力な手下も、合体事故を起こせるような強運も手に入れている。
 あとは自慢の火炎放射器が手に入れば、テッドは本当の意味で"準備完了"となるのだ。

 焼け爛れていく参加者共の姿を幻視して、歪んでいた顔がさらに歓喜の色を帯びる。
 彼らを火炎地獄に叩きこみ、己が最も"力"を手にしていると証明してやろう。



「邪魔するヤツもッ!命乞いするヤツもッ!突っ立てるヤツもッ!
 このテッドブロイラーさまがッ!骨の髄まで焼き尽くしてくれるわッ!ががががー!」」



【テッド・ブロイラー@メタルマックス2:リローデッド】
[状態]:ダメージ(中)
[装備]:炎の爪@DQ5、モヒカッター@MMR2
[道具]:基本支給品、COMP(ハヌマーン) @真・女神転生
[思考・状況]
基本方針:皆殺し
   1:火炎放射器を取り戻したい。
[参戦時期]:撃破前

【ハヌマーン@真・女神転生】
[状態]:健康
[思考・状況]
基本方針:殺戮
※似てるけどベンじゃないと思います。
※悪魔合体に使用されたのはあくまで「アドラー」という名前の「ゾンビアーミー」であって、
 「アカツキ電光戦記」に登場する「アドラー」とは何の関係もありません、多分。


041:楽園の素敵な妖精と通りすがりのお侍の話 投下順 043:Love is Real?
041:楽園の素敵な妖精と通りすがりのお侍の話 時系列順 048:・・・の祈 上空
010:奪う者/奪われる者 テッド・ブロイラー 053:螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。