ミカエル
彼──否、彼等天使は人を救うための手段を選ばない。
故に、救われるべき一人の少年に天使達は否定された。
殺戮の場にて蘇った彼は、だからといって己を曲げはしない。
彼は考える。
天の使いである我々ではなく、神直々に人間を裁くことにしたのだ。
そして不甲斐ない私にも、また慈悲を下さった。
殺戮の場にて、彼は問われた。
「なぜ、お前は戦う?」
彼は答えた。愚かな人間共を導き、永く生き長らえらせるため。
再び彼は否定される。
「人間は一人でも歩いて行ける」
故に、彼は死ぬ。
彼は必要ではないのだから。
恵魅
戦術鬼である彼女の生きる意味は、献愛<ボランティア>である。
女性関係に恵まれていなさそうな哀れな男に、
己の魅力を恵んでやることに生きがいを感じていた。
殺戮の場所でも、それは変わらない。
彼女は献愛<ボランティア>を行う。
献愛するということ、それは対象を自らの下に置くこと。
楽しくてしょうがない。
だから、彼女は笑う、嗤う。
故に、彼女は無償奉仕の代償を己の命で支払うこととなった。
見下す者は、頭上への死に気付けない。
モズグス
登場作品:【ベルセルク】
登場話数:2
死亡話:
天を仰いで
僧侶たる彼は断罪を躊躇わなかった。
故に、彼は血の経典と呼ばれた。
今日も彼の手で血の雨が降る。
殺戮の場に呼ばれた彼は、
早速一人の神敵を断罪した。
彼の知る由もないことであるが、その男は悪魔召喚士であった。
同じ場所にて彼は、迷える三千の魂を成仏させた。
彼の手は血塗れで、そして暖かさを持っていた。
そんな彼の死は突然であった。
己の死に気づく間もなく、一瞬にして燃え尽きた。
皮肉にも彼を葬ったのは悪魔の力を持った少女だった。
彼は悪魔を殺し、悪魔に殺された。
最終更新:2012年11月19日 15:15