壊せば、いいんだろ?

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思いの外、体力を消耗していたリュカは遺跡から少し離れた場所で休憩することにした。 その間、放送が流れたが自分の知っている名前は呼ばれなかった。フクザツな気分だ。 そして、体力もある程度回復したし動こうかと考えた矢先。 前方からゆっくりと歩いてくる血塗れの男――ガッツが目に止まったのである。 「やぁ」 リュカは声をかける。始まりは軽い挨拶だった。 挨拶は大事だ、人間様のコミュニュケーションとして重要なものである。 「どうしたんだい? そんなに身体を汚して?」 それは、親しい親友に語りかけるかのような日常の一ページ。 リュカからするとヘンリーに、ガッツからするとパックに。 「……」 ガッツからの返答はない。 何も語らず、何も聞かず、何も見ず。 ただ、歩いているだけ。 ただ、生きているだけ。 そこに意志はない、ただの虚ろな抜け殻しか存在しないのだ。 (…………放送で、壊れちゃったのかな?) リュカは思考する。この大男をどうするべきか。 別に放っておいても構わないのだが、間引ける時に間引いておかないと後が辛い。 殺して、壊して、忘れて、嘆いて。 そんな絶望の果てに掴むものは――なんだというのか。 考えるな、と自己暗示しても塞げない自分の頭にイライラしてしまう。 (ま、いいか。今は――殺す) そんなイライラを押し殺し、リュカは掌に魔力を装填する。 余計なことは考えるな。 ただ、目の前の外敵を肉塊にすることだけを頭に入れろ。 「……せぇ」 「バギ――クロ……!?」 だから、直前まで気づかない。相手が無防備の壊れた参加者と勘違いしてしまったが故に。 ガッツの目に宿る、暗い意志。 純然たる殺意を。 「 う る せ ぇ 」 それはあまりにも適当で、一直線で、強い閃光だった 魔神の一撃が迸り、リュカの身体を食い潰し――。 「あ、ぁぁアアアアアアアアァァああああああああああああああああっっっ!!!」 咆哮。それはこの壊し合いに巻き込まれて一度も発したこともない、リュカの叫び声。 迫る死の臭い。一瞬先には、自分の体がぐしゃぐしゃになっているヴィジョンが浮かぶ。 どうする? ここから挽回の一撃でも叩きこむか? 無理だ。明らかにこちらの方が出が遅い。 ならば、躱すしかこの窮地を切り抜ける術はない。 最も、それが出来ていれば苦労はしない。 躱すにしても、リュカは遅すぎたのだ。 仰け反っても、足を動かしても。 金槌の一撃はリュカを真っ二つに分断するだろう。 (そんなこと、認められるか) 何の意味もなく、無意味と無価値の中で死ぬことなど、リュカは認めない。 例え、避けられない死が目前にあっても、その意志は変わらなかった。 明晰な頭脳が死を退けようと必死に動いている、足掻いている。 「バギッ!」 その頭脳が導き出した最良の答えは普段のリュカなら決してやらないことだった。 自分にバギを唱え、無理矢理に回避するといった無茶苦茶な方法だ。 改めて考えても、馬鹿としか言いようがないが、死ぬよりはマシである。 「死んだら、終わりだからな」 加えて、ガッツの持つ武器に救われた。 魔神の金槌、それは命中率を下げる代わりに会心の一撃を増やすもの。 大振りの一撃は単純な回避動作で空振らせることに成功した。 さぁ、どうする? 今の一撃で目の前の男が、楽に事を進められないとリュカは気づいてしまった。 逃げるか、向かうか。 自分の命を賭けた選択肢が迫る中、幽鬼のように立っているガッツは――。 ######### うるさい。うるさい。うるさい。 何もかもが煩わしかった。 目の前で我が物顔で闘っている竜二匹が目障りだった。 だから、潰した。バケモンは壊す。殺す。 それが――――を護る手っ取り早い方法だ。 なら、――――が死んだ今は? 殺しても、意味が無いんじゃないか? 誰かを護る必要なんてない、もうここで止まってもいいんじゃないか? くたばっても、いいんじゃないか? 「……うるせぇ」 そんな腑抜けに誰がなるものか。 ――――が死んでも、やらなくてはいけないことが。 「うるせぇ」 この一振りで叩き潰さなければならない奴が。 「う る せ ぇ」 復讐が! グリフィスが! この消えない刻印が! 殺せと! 目に映るバケモン全部をぶっ殺せってよォ! 運命なんか知るか! 失ったものなんか知るか! あァ、もうめんどくせェ。 全部、ぶっ潰して、壊して。 その果てにテメェがいるんだろ? なァ、グリフィスッ! 「俺が、何度でも……! ぶっ壊してやるよ!」 結局、俺は――壊すことしかできないんだからよォ。 なら、壊すだけだ。全部、何もかもを壊して、グリフィスを――――。 【E-7/1日目/朝】 【リュカ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 [状態]:ダメージ小、魔力消費中 [装備]:アームターミナルC(空)、空飛ぶ靴@DQ5 [道具]:基本支給品、不明支給品0~1 [思考・状況] 基本行動方針:情が湧く前に全員を殺し、元の世界に帰還する [参戦時期]:石化直後 【ガッツ@ベルセルク】 【状態】:気になるか? 気にしていられると言うのか? 【装備】:魔神の金槌@DQ5 漆黒の鎧@真・女神転生Ⅰ、ホークマスク@メタルマックス2:リローデッド      タイガーグローブ@メタルマックス2:リローデッド、ホッパーブーツ@メタルマックス2:リローデッド 【道具】:基本支給品×2、回復カプセル(残り2個)@メタルマックス2:リローデッド、不明支給品0~2(武装の類ではない?) 【思考】 基本:復讐 1:壊す。 【備考】 ※放送など、聞いているわけがない |059:[[はだかの王様]]|投下順|061:[[取らぬ狸の皮算用]]| |059:[[はだかの王様]]|時系列順|061:[[取らぬ狸の皮算用]]| |056:[[なんとも醜い復讐劇の序章]]|ガッツ|:[[]]| |053:[[螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]|リュカ|:[[]]|
思いの外、体力を消耗していたリュカは遺跡から少し離れた場所で休憩することにした。 その間、放送が流れたが自分の知っている名前は呼ばれなかった。フクザツな気分だ。 そして、体力もある程度回復したし動こうかと考えた矢先。 前方からゆっくりと歩いてくる血塗れの男――ガッツが目に止まったのである。 「やぁ」 リュカは声をかける。始まりは軽い挨拶だった。 挨拶は大事だ、人間様のコミュニュケーションとして重要なものである。 「どうしたんだい? そんなに身体を汚して?」 それは、親しい親友に語りかけるかのような日常の一ページ。 リュカからするとヘンリーに、ガッツからするとパックに。 「……」 ガッツからの返答はない。 何も語らず、何も聞かず、何も見ず。 ただ、歩いているだけ。 ただ、生きているだけ。 そこに意志はない、ただの虚ろな抜け殻しか存在しないのだ。 (…………放送で、壊れちゃったのかな?) リュカは思考する。この大男をどうするべきか。 別に放っておいても構わないのだが、間引ける時に間引いておかないと後が辛い。 殺して、壊して、忘れて、嘆いて。 そんな絶望の果てに掴むものは――なんだというのか。 考えるな、と自己暗示しても塞げない自分の頭にイライラしてしまう。 (ま、いいか。今は――殺す) そんなイライラを押し殺し、リュカは掌に魔力を装填する。 余計なことは考えるな。 ただ、目の前の外敵を肉塊にすることだけを頭に入れろ。 「……せぇ」 「バギ――クロ……!?」 だから、直前まで気づかない。相手が無防備の壊れた参加者と勘違いしてしまったが故に。 ガッツの目に宿る、暗い意志。 純然たる殺意を。 「 う る せ ぇ 」 それはあまりにも適当で、一直線で、強い閃光だった 魔神の一撃が迸り、リュカの身体を食い潰し――。 「あ、ぁぁアアアアアアアアァァああああああああああああああああっっっ!!!」 咆哮。それはこの壊し合いに巻き込まれて一度も発したこともない、リュカの叫び声。 迫る死の臭い。一瞬先には、自分の体がぐしゃぐしゃになっているヴィジョンが浮かぶ。 どうする? ここから挽回の一撃でも叩きこむか? 無理だ。明らかにこちらの方が出が遅い。 ならば、躱すしかこの窮地を切り抜ける術はない。 最も、それが出来ていれば苦労はしない。 躱すにしても、リュカは遅すぎたのだ。 仰け反っても、足を動かしても。 金槌の一撃はリュカを真っ二つに分断するだろう。 (そんなこと、認められるか) 何の意味もなく、無意味と無価値の中で死ぬことなど、リュカは認めない。 例え、避けられない死が目前にあっても、その意志は変わらなかった。 明晰な頭脳が死を退けようと必死に動いている、足掻いている。 「バギッ!」 その頭脳が導き出した最良の答えは普段のリュカなら決してやらないことだった。 自分にバギを唱え、無理矢理に回避するといった無茶苦茶な方法だ。 改めて考えても、馬鹿としか言いようがないが、死ぬよりはマシである。 「死んだら、終わりだからな」 加えて、ガッツの持つ武器に救われた。 魔神の金槌、それは命中率を下げる代わりに会心の一撃を増やすもの。 大振りの一撃は単純な回避動作で空振らせることに成功した。 さぁ、どうする? 今の一撃で目の前の男が、楽に事を進められないとリュカは気づいてしまった。 逃げるか、向かうか。 自分の命を賭けた選択肢が迫る中、幽鬼のように立っているガッツは――。 ######### うるさい。うるさい。うるさい。 何もかもが煩わしかった。 目の前で我が物顔で闘っている竜二匹が目障りだった。 だから、潰した。バケモンは壊す。殺す。 それが――――を護る手っ取り早い方法だ。 なら、――――が死んだ今は? 殺しても、意味が無いんじゃないか? 誰かを護る必要なんてない、もうここで止まってもいいんじゃないか? くたばっても、いいんじゃないか? 「……うるせぇ」 そんな腑抜けに誰がなるものか。 ――――が死んでも、やらなくてはいけないことが。 「うるせぇ」 この一振りで叩き潰さなければならない奴が。 「う る せ ぇ」 復讐が! グリフィスが! この消えない刻印が! 殺せと! 目に映るバケモン全部をぶっ殺せってよォ! 運命なんか知るか! 失ったものなんか知るか! あァ、もうめんどくせェ。 全部、ぶっ潰して、壊して。 その果てにテメェがいるんだろ? なァ、グリフィスッ! 「俺が、何度でも……! ぶっ壊してやるよ!」 結局、俺は――壊すことしかできないんだからよォ。 なら、壊すだけだ。全部、何もかもを壊して、グリフィスを――――。 【E-7/1日目/朝】 【リュカ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 [状態]:ダメージ小、魔力消費中 [装備]:アームターミナルC(空)、空飛ぶ靴@DQ5 [道具]:基本支給品、不明支給品0~1 [思考・状況] 基本行動方針:情が湧く前に全員を殺し、元の世界に帰還する [参戦時期]:石化直後 【ガッツ@ベルセルク】 【状態】:気になるか? 気にしていられると言うのか? 【装備】:魔神の金槌@DQ5 漆黒の鎧@真・女神転生Ⅰ、ホークマスク@メタルマックス2:リローデッド      タイガーグローブ@メタルマックス2:リローデッド、ホッパーブーツ@メタルマックス2:リローデッド 【道具】:基本支給品×2、回復カプセル(残り2個)@メタルマックス2:リローデッド、不明支給品0~2(武装の類ではない?) 【思考】 基本:復讐 1:壊す。 【備考】 ※放送など、聞いているわけがない |059:[[はだかの王様]]|投下順|061:[[取らぬ狸の皮算用]]| |059:[[はだかの王様]]|時系列順|061:[[取らぬ狸の皮算用]]| |056:[[なんとも醜い復讐劇の序章]]|ガッツ|:[[戦火を交えて]]| |053:[[螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]|リュカ|:[[戦火を交えて]]|

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