Himmlisch Atem

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神はいる。 現に、自分を今試しているのだ。 腐りきった世を救う救世主としての素質があるかどうか。 自分にそれに相応しい技能があるかどうかを調べられている。 神から与え賜った鋼鉄の処刑車を駆使し、全てを裁くことが出来るか。 これは、試練なのだ。 どこか自分に言い聞かせるように、彼は二人の人影に狙いを定める。 裁きの雷が二つの螺旋から、無数に飛び出して行った。 突然の遭遇、それは最悪の遭遇。 どこかへ向かおうとするキャスカに惹かれるように、その歩みに合わせていた。 丁度その時、無数の雷が覚悟たちを襲ってきた。 幸い早めに反応することが出来たので、初撃を浴びることは避けられた。 しかし、避けれど避けれど雷は尽きることなく覚悟たちへ向かってくる。 覚悟一人ならともかく、キャスカを守りながら戦闘するには流石に部が悪い。 単騎ならば速攻も視野に入れていたのだが、その一瞬の間に無数の雷の一部が彼女を焼き払ってしまうだろう。 彼女を守りつつ、襲撃者を撃退する。 これを可能とする最善の手段を、覚悟は最短で弾き出す。 「ふんっ!」 絶えず襲い掛かる無数の雷に対し、キャスカの前に立ちふさがるように仁王立ちをする。 そして素早く支給されていた「零式鉄球装着砲」を構える。 両足を地に着け狙いを済ませる覚悟の身に、一本、二本、三本、次々に雷が覚悟の体へ襲い掛かる。 その全てを受け止めながらも、覚悟は眉の一つも動かさない。 「ふん……ぬっ!!」 裁きの雷は絶えず打ち込まれる。 それらを全て受け止めながらも、覚悟は大の字を崩さない。 受け止めた雷の力を殺さず、己の体を導体として装着砲へと吹き込んでいく。 「おおおおおおおおっ!!」 覚悟の全身から目を覆うほどの眩い光が放たれたとき。 数本の光の筋が、飛び出した。 神の雷に裁けぬものは無い。 分かってはいるというのに、何故こんなにも抵抗する者が多いのか。 神の雷に焼かれれば、裁きを受ければ。 神は全ての罪を許そうというのに。 自分が手を下すのはあくまで最終手段。 自分が裁いても、神は人の罪をお許しにならない。 神自身が与えたもうたこの雷で、裁かれる事によって人は許されるのだ。 愚かな人間の一人に、雷を打つ、雷を打つ。 裁くのは、全知全能の神なのだから。 自分はその力の一部を借りているだけ。 単なる神の代行人なのだから。 しかし、目の前の人間は裁かれることを良しとしない。 それならば、神の雷をひたすらに打ち込むだけ。 神の雷を受けて、立ち続けていられる人間などいないのだから。 「さあ! 懺悔なさい!」 そう叫びながら、何度目かの引き金を引いたとき。 救いをもたらすかのような光が、彼の視界に飛び込んできた。 激痛。 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。 馬鹿な、なんだというのだ。 胸が、腕が、足が、全てが痛い。 痛くて痛くて全身が引き裂かれそうだ。 あの光を見てから、あの白く輝く光を見てから痛い。 神はお怒りだというのだろうか、自分が神の名を騙って"裁いて"いたことを。 では、なぜ神はこの戦車を与え給うたのか。 わからない、わからない、わからない……。 答えは、見つからない。 牙を持たぬキャスカを守りながら、キャスカの剣となる最善の方法。 覚悟が弾き出したのは「あえて雷を受ける」という事だ。 そして、支給された零式鉄球装着砲へと電力を巡らせて行く。 無限に湧き出る雷の力を限界まで溜め込みながら、キャスカを守り続けていく。 そしてその雷がこの体に最大限まで溜まりきったとき、引き金を素早く引き鉄球を数発射出した。 無数の雷撃をかき消すように、零式鉄球が突き進んでいく。 そして覚悟は装着砲をその場に投げ捨て、その後を追うように即座に飛び跳ねる。 小さな穴を数点空けた戦車の元に辿り着き、息をつく間もなくその車体に触れ。 「超振動」 零式防衛術の内の一つの名を呟き、雷神と呼ばれた戦車を粉々に砕いていく。 がらがらと大きな粒になり、新緑の御神体が崩れる。 そして、次にさらさらと粉状に空を舞い始め。 襲い掛かる危害を全て排除し終えたとき。 かぶりと、肉がちぎれる音がした。 がぶり? キャスカは見た。 恐ろしい光景を。 キャスカは見た。 飛び交う雷達を。 キャスカは見た。 輝く一筋の光を。 キャスカは見た。 砕け行く鋼体を。 キャスカは見た。 吹き上がる血を。 キャスカは見た。 逃げろ、逃げろ、逃げろ。 あれは、見ていいものではない。 突然現れたアレは、恐ろしいものだから。 存在を察知される前に、逃げなくてはいけない。 逃げろ、逃げろ、逃げろ。 震える足を無理やり動かし、走る。 声にならない声が、腹の底から漏れる。 ただひたすらに、走る。 ふと、どこか覚えのあるような物が目に映る。 あまりにも大きすぎて、あまりにもぶ厚くて、あまりにも重くて、あまりにも大雑把すぎる鉄塊を。 そして、うっすらと思い出す。 何時も、傍であの鉄塊が守ってくれていたことを。 それを思い出してから、無意識の内にその鉄塊の方へ足が進む。 「あー」 そして助けを求めるような、一声は。 その鉄塊によって押し潰された。 家族も何もかもを奪われ、その身をも"復讐"の刃に変えた一人の復讐者。 その身に宿した"復讐"を滲ませないように。 その身に宿した"復讐"を忘れないように。 その身に宿した"復讐"を消さないように。 この地でも、憎き人間を殺す。 "復讐"は建前だ、それは分かっている。 本当は人が殺したくて殺したくてたまらないだけである。 だが、"復讐"を誓わねば刃を振るう理由が無くなる。 刃を振るう理由が無くなれば、この快楽に溺れることも出来なくなる。 それは、困る。 だから"復讐"を忘れてはいけない。 だから"復讐"を成し遂げてはいけない。 だから"復讐"を刻み付けるように。 カイムは、鉄塊を振り下ろす。 己に、刻み込むように。 ぐしゃりと肉が潰れる音がする。 ぱきりと骨が砕ける音がする。 どろりと血と脳漿が飛び散る。 ああ、これだ。 この体を埋め尽くしていく快楽。 人が人でなくなっていく光景。 この手で命を奪っていく感触。 この感覚が忘れられないから。 "復讐"はやめられない。 だが、そんな気持ちのいい酔える時間も。 あるものを見て、一気に冷める。 復讐なんて、したくない。 この心から湧き上がる、殺せるんだという気持ちを殺したい。 こんな黒い感情に支配されるなんて、真っ平ゴメンだ。 だから、終わらせる。 この身に宿した"復讐"を滲ませるために。 この身に宿した"復讐"を忘れるために。 この身に宿した"復讐"を消し去るために。 全ての感情の大本を断ち切るために、全てを殺す。 コレは復讐ではない、防衛だ。 いつか見た美しき日々達を"復讐"で汚さないために。 どんな建前を使ってでも、人を殺す。 しかし、防衛の為に人を殺すということは。 殺人の快楽に身を染めるということでもある。 "復讐"の快感、それに身を汚さないために人を殺す。 どこまで感情を押し殺せるか、分かったものではない。 何時しか殺人を"復讐"に置き換えてしまうかもしれない。 それは、困る。 だから"復讐"を忘れる。 だから"復讐"を消し去る。 だから"復讐"を吐き出す。 リュカは、足を進める。 己に、刻み込ませないように。 これからどんな人間を殺そうと、何の情もわかない、何の気力もわかない。 足で踏みつけてみても、なんら思うことは無い。 そうだ、それでいい。 無を保てば、"復讐"など思うことも無い。 人を殺しながらも、何も抱かない。 それでいい、それでいいのだ。 それで、救われるのだから。 永遠とも思えるその葛藤の時間。 それも、あるものを見て一気に現実へ引き戻される。 はじめのばしょでみたはねのはえたいきものは、おいしかった。 でも、はらもちがすごくわるくてすぐにおなかがすいてしまった。 たべてもたべても、おなかがすいてしまう。 これじゃだめだとおもって、あるきだした。 かばんにはいってたひとつぶのじょうざいをのみこむ。 くろいかみのおにんぎょうさんですこしだけあそんでから、ごはんをさがしにいく。 いまはまだいいけど、すぐにおなかがすいてしまうから。 やっぱりにんげんをたべないと、いけないなあ。 おなかがやっぱりはやくすいてくる。 あしがふらついてきて、うまくあるけない。 こまったなあ、こまったなあ。 でも、ちょうどいいところににんげんがいた。 まよってるばあいじゃない、いっしゅんでくびもとにとびつく。 がぶり。 なんだかいつもよりちからのでるあごをつかって、のどぶえ(だっけ?)をかみきる。 くちのなかにちのあじがひろがって、ぐにぐにとしたおにくのだんりょくをあじわう。 うーん、やっぱりこれだね。 そのままとびついたいきおいをいかして、りょううででくびをひきちぎる。 とびついたいきおいで、じめんにどすんとそのままたおれこんだとき。 びくびくとうごく、おとこのこのからだがあった。 ちょっととおくには、がれきをかぶったおとこのしたいもある。 てまえのおとこのこのむねに、いつもよりちからのでるてをつきさしてあるく。 そして、おくでがれきにうもれているおとこのこをひきずりだす。 めのまえには、ふたりのおとこのこ。 やった、これだ。 これをまっていたんだ。 もう、がまんできない。 「ごちそう、いっぱい!」 ばり、むしゃ、ばり、がり、むしゃ、ごくん。 むしゃ、ばり、がり、ごきゅ、ぶち、むしゃ。 ぶちぶち、がりっ、ばり、ぱきっ、ごくん。 ああ。 おいしいなあ。 &color(red){【葉隠覚悟@覚悟のススメ 死亡】} &color(red){【キャスカ@ベルセルク 死亡】} &color(red){【ロウヒーロー@真・女神転生 死亡】} ※覚悟の支給品、零式鉄球装着砲@覚悟のススメ、斬車刀@MM2R、ギガスマッシャー@真・女神転生、メデューサの弾@真・女神転生  以上の物資が付近に放置されています。 【ゲパルト(ゲパルトヘクセS)@メタルマックス2:リローデッド 崩壊】 ※粒子レベルまで分解されたので復元は不能だと思われます 【C-2/中央部/1日目/黎明】 【リュカ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 [状態]:ダメージ小、魔力消費大 [装備]:アームターミナルC(空) [道具]:基本支給品、不明支給品1~2 [思考・状況] 基本行動方針:情が湧く前に全員を殺し、元の世界に帰還する 1:愕然 [参戦時期]:石化直後 【カイム@ドラッグオンドラグーン】 [状態]:健康 [装備]:ドラゴンころし@ベルセルク [道具]:基本支給品、不明支給品0~1 [思考・状況] 基本行動方針:生き残り復讐する 1:愕然 2:レッドドラゴンを探す [備考] 会場内のどこかに、カイムと契約したレッドドラゴンが身動きの取れない状態でいます。 契約相手同士以外の“声”の伝達に制限がかかっています。 【アリオーシュ@ドラッグオンドラグーン】 [状態]:ゲドーピングタブ適用中 [装備]:不明 [道具]:基本支給品、コーラたん@MM2R、サラマンダーとウンディーネ [思考・状況] 基本行動方針:食事 [参戦時期]:契約以降 |035:[[狩人]]|投下順|037:[[Dragon Hello]]| |035:[[狩人]]|時系列順|038:[[鏡の中のあの日の私]]| |004:[[Messiah]]|ロウヒーロー|&color(red){GAME OVER}| |008:[[剣であった者/剣である者]]|葉隠覚悟|&color(red){GAME OVER}| |008:[[剣であった者/剣である者]]|キャスカ|&color(red){GAME OVER}| |010:[[奪う者/奪われる者]]|リュカ|053:[[「螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]| |013:[[心閉ザセシ鉄棺]]|カイム|053:[[「螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]| |024:[[食性]]|アリオーシュ|053:[[「螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]|
神はいる。 現に、自分を今試しているのだ。 腐りきった世を救う救世主としての素質があるかどうか。 自分にそれに相応しい技能があるかどうかを調べられている。 神から与え賜った鋼鉄の処刑車を駆使し、全てを裁くことが出来るか。 これは、試練なのだ。 どこか自分に言い聞かせるように、彼は二人の人影に狙いを定める。 裁きの雷が二つの螺旋から、無数に飛び出して行った。 突然の遭遇、それは最悪の遭遇。 どこかへ向かおうとするキャスカに惹かれるように、その歩みに合わせていた。 丁度その時、無数の雷が覚悟たちを襲ってきた。 幸い早めに反応することが出来たので、初撃を浴びることは避けられた。 しかし、避けれど避けれど雷は尽きることなく覚悟たちへ向かってくる。 覚悟一人ならともかく、キャスカを守りながら戦闘するには流石に部が悪い。 単騎ならば速攻も視野に入れていたのだが、その一瞬の間に無数の雷の一部が彼女を焼き払ってしまうだろう。 彼女を守りつつ、襲撃者を撃退する。 これを可能とする最善の手段を、覚悟は最短で弾き出す。 「ふんっ!」 絶えず襲い掛かる無数の雷に対し、キャスカの前に立ちふさがるように仁王立ちをする。 そして素早く支給されていた「零式鉄球装着砲」を構える。 両足を地に着け狙いを済ませる覚悟の身に、一本、二本、三本、次々に雷が覚悟の体へ襲い掛かる。 その全てを受け止めながらも、覚悟は眉の一つも動かさない。 「ふん……ぬっ!!」 裁きの雷は絶えず打ち込まれる。 それらを全て受け止めながらも、覚悟は大の字を崩さない。 受け止めた雷の力を殺さず、己の体を導体として装着砲へと吹き込んでいく。 「おおおおおおおおっ!!」 覚悟の全身から目を覆うほどの眩い光が放たれたとき。 数本の光の筋が、飛び出した。 神の雷に裁けぬものは無い。 分かってはいるというのに、何故こんなにも抵抗する者が多いのか。 神の雷に焼かれれば、裁きを受ければ。 神は全ての罪を許そうというのに。 自分が手を下すのはあくまで最終手段。 自分が裁いても、神は人の罪をお許しにならない。 神自身が与えたもうたこの雷で、裁かれる事によって人は許されるのだ。 愚かな人間の一人に、雷を打つ、雷を打つ。 裁くのは、全知全能の神なのだから。 自分はその力の一部を借りているだけ。 単なる神の代行人なのだから。 しかし、目の前の人間は裁かれることを良しとしない。 それならば、神の雷をひたすらに打ち込むだけ。 神の雷を受けて、立ち続けていられる人間などいないのだから。 「さあ! 懺悔なさい!」 そう叫びながら、何度目かの引き金を引いたとき。 救いをもたらすかのような光が、彼の視界に飛び込んできた。 激痛。 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い。 馬鹿な、なんだというのだ。 胸が、腕が、足が、全てが痛い。 痛くて痛くて全身が引き裂かれそうだ。 あの光を見てから、あの白く輝く光を見てから痛い。 神はお怒りだというのだろうか、自分が神の名を騙って"裁いて"いたことを。 では、なぜ神はこの戦車を与え給うたのか。 わからない、わからない、わからない……。 答えは、見つからない。 牙を持たぬキャスカを守りながら、キャスカの剣となる最善の方法。 覚悟が弾き出したのは「あえて雷を受ける」という事だ。 そして、支給された零式鉄球装着砲へと電力を巡らせて行く。 無限に湧き出る雷の力を限界まで溜め込みながら、キャスカを守り続けていく。 そしてその雷がこの体に最大限まで溜まりきったとき、引き金を素早く引き鉄球を数発射出した。 無数の雷撃をかき消すように、零式鉄球が突き進んでいく。 そして覚悟は装着砲をその場に投げ捨て、その後を追うように即座に飛び跳ねる。 小さな穴を数点空けた戦車の元に辿り着き、息をつく間もなくその車体に触れ。 「超振動」 零式防衛術の内の一つの名を呟き、雷神と呼ばれた戦車を粉々に砕いていく。 がらがらと大きな粒になり、新緑の御神体が崩れる。 そして、次にさらさらと粉状に空を舞い始め。 襲い掛かる危害を全て排除し終えたとき。 かぶりと、肉がちぎれる音がした。 がぶり? キャスカは見た。 恐ろしい光景を。 キャスカは見た。 飛び交う雷達を。 キャスカは見た。 輝く一筋の光を。 キャスカは見た。 砕け行く鋼体を。 キャスカは見た。 吹き上がる血を。 キャスカは見た。 逃げろ、逃げろ、逃げろ。 あれは、見ていいものではない。 突然現れたアレは、恐ろしいものだから。 存在を察知される前に、逃げなくてはいけない。 逃げろ、逃げろ、逃げろ。 震える足を無理やり動かし、走る。 声にならない声が、腹の底から漏れる。 ただひたすらに、走る。 ふと、どこか覚えのあるような物が目に映る。 あまりにも大きすぎて、あまりにもぶ厚くて、あまりにも重くて、あまりにも大雑把すぎる鉄塊を。 そして、うっすらと思い出す。 何時も、傍であの鉄塊が守ってくれていたことを。 それを思い出してから、無意識の内にその鉄塊の方へ足が進む。 「あー」 そして助けを求めるような、一声は。 その鉄塊によって押し潰された。 家族も何もかもを奪われ、その身をも"復讐"の刃に変えた一人の復讐者。 その身に宿した"復讐"を滲ませないように。 その身に宿した"復讐"を忘れないように。 その身に宿した"復讐"を消さないように。 この地でも、憎き人間を殺す。 "復讐"は建前だ、それは分かっている。 本当は人が殺したくて殺したくてたまらないだけである。 だが、"復讐"を誓わねば刃を振るう理由が無くなる。 刃を振るう理由が無くなれば、この快楽に溺れることも出来なくなる。 それは、困る。 だから"復讐"を忘れてはいけない。 だから"復讐"を成し遂げてはいけない。 だから"復讐"を刻み付けるように。 カイムは、鉄塊を振り下ろす。 己に、刻み込むように。 ぐしゃりと肉が潰れる音がする。 ぱきりと骨が砕ける音がする。 どろりと血と脳漿が飛び散る。 ああ、これだ。 この体を埋め尽くしていく快楽。 人が人でなくなっていく光景。 この手で命を奪っていく感触。 この感覚が忘れられないから。 "復讐"はやめられない。 だが、そんな気持ちのいい酔える時間も。 あるものを見て、一気に冷める。 復讐なんて、したくない。 この心から湧き上がる、殺せるんだという気持ちを殺したい。 こんな黒い感情に支配されるなんて、真っ平ゴメンだ。 だから、終わらせる。 この身に宿した"復讐"を滲ませるために。 この身に宿した"復讐"を忘れるために。 この身に宿した"復讐"を消し去るために。 全ての感情の大本を断ち切るために、全てを殺す。 コレは復讐ではない、防衛だ。 いつか見た美しき日々達を"復讐"で汚さないために。 どんな建前を使ってでも、人を殺す。 しかし、防衛の為に人を殺すということは。 殺人の快楽に身を染めるということでもある。 "復讐"の快感、それに身を汚さないために人を殺す。 どこまで感情を押し殺せるか、分かったものではない。 何時しか殺人を"復讐"に置き換えてしまうかもしれない。 それは、困る。 だから"復讐"を忘れる。 だから"復讐"を消し去る。 だから"復讐"を吐き出す。 リュカは、足を進める。 己に、刻み込ませないように。 これからどんな人間を殺そうと、何の情もわかない、何の気力もわかない。 足で踏みつけてみても、なんら思うことは無い。 そうだ、それでいい。 無を保てば、"復讐"など思うことも無い。 人を殺しながらも、何も抱かない。 それでいい、それでいいのだ。 それで、救われるのだから。 永遠とも思えるその葛藤の時間。 それも、あるものを見て一気に現実へ引き戻される。 はじめのばしょでみたはねのはえたいきものは、おいしかった。 でも、はらもちがすごくわるくてすぐにおなかがすいてしまった。 たべてもたべても、おなかがすいてしまう。 これじゃだめだとおもって、あるきだした。 かばんにはいってたひとつぶのじょうざいをのみこむ。 くろいかみのおにんぎょうさんですこしだけあそんでから、ごはんをさがしにいく。 いまはまだいいけど、すぐにおなかがすいてしまうから。 やっぱりにんげんをたべないと、いけないなあ。 おなかがやっぱりはやくすいてくる。 あしがふらついてきて、うまくあるけない。 こまったなあ、こまったなあ。 でも、ちょうどいいところににんげんがいた。 まよってるばあいじゃない、いっしゅんでくびもとにとびつく。 がぶり。 なんだかいつもよりちからのでるあごをつかって、のどぶえ(だっけ?)をかみきる。 くちのなかにちのあじがひろがって、ぐにぐにとしたおにくのだんりょくをあじわう。 うーん、やっぱりこれだね。 そのままとびついたいきおいをいかして、りょううででくびをひきちぎる。 とびついたいきおいで、じめんにどすんとそのままたおれこんだとき。 びくびくとうごく、おとこのこのからだがあった。 ちょっととおくには、がれきをかぶったおとこのしたいもある。 てまえのおとこのこのむねに、いつもよりちからのでるてをつきさしてあるく。 そして、おくでがれきにうもれているおとこのこをひきずりだす。 めのまえには、ふたりのおとこのこ。 やった、これだ。 これをまっていたんだ。 もう、がまんできない。 「ごちそう、いっぱい!」 ばり、むしゃ、ばり、がり、むしゃ、ごくん。 むしゃ、ばり、がり、ごきゅ、ぶち、むしゃ。 ぶちぶち、がりっ、ばり、ぱきっ、ごくん。 ああ。 おいしいなあ。 &color(red){【葉隠覚悟@覚悟のススメ 死亡】} &color(red){【キャスカ@ベルセルク 死亡】} &color(red){【ロウヒーロー@真・女神転生 死亡】} ※覚悟の支給品、零式鉄球装着砲@覚悟のススメ、斬車刀@MM2R、ギガスマッシャー@真・女神転生、メデューサの弾@真・女神転生  以上の物資が付近に放置されています。 【ゲパルト(ゲパルトヘクセS)@メタルマックス2:リローデッド 崩壊】 ※粒子レベルまで分解されたので復元は不能だと思われます 【C-2/中央部/1日目/黎明】 【リュカ@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 [状態]:ダメージ小、魔力消費大 [装備]:アームターミナルC(空) [道具]:基本支給品、不明支給品1~2 [思考・状況] 基本行動方針:情が湧く前に全員を殺し、元の世界に帰還する 1:愕然 [参戦時期]:石化直後 【カイム@ドラッグオンドラグーン】 [状態]:健康 [装備]:ドラゴンころし@ベルセルク [道具]:基本支給品、不明支給品0~1 [思考・状況] 基本行動方針:生き残り復讐する 1:愕然 2:レッドドラゴンを探す [備考] 会場内のどこかに、カイムと契約したレッドドラゴンが身動きの取れない状態でいます。 契約相手同士以外の“声”の伝達に制限がかかっています。 【アリオーシュ@ドラッグオンドラグーン】 [状態]:ゲドーピングタブ適用中 [装備]:不明 [道具]:基本支給品、コーラたん@MM2R、サラマンダーとウンディーネ [思考・状況] 基本行動方針:食事 [参戦時期]:契約以降 |035:[[狩人]]|投下順|037:[[Dragon Hello]]| |035:[[狩人]]|時系列順|038:[[鏡の中のあの日の私]]| |004:[[Messiah]]|ロウヒーロー|&color(red){GAME OVER}| |008:[[剣であった者/剣である者]]|葉隠覚悟|&color(red){GAME OVER}| |008:[[剣であった者/剣である者]]|キャスカ|&color(red){GAME OVER}| |010:[[奪う者/奪われる者]]|リュカ|053:[[螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]| |013:[[心閉ザセシ鉄棺]]|カイム|053:[[螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]| |024:[[食性]]|アリオーシュ|053:[[螺!! 螺螺螺螺螺螺螺螺螺螺旋因果 大復活ッッッ!!]]|

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