第百一回農工落語会の合宿最終日のことである。

期待の1年生綾家 遊桂は自前の寝袋を持参していた。この寝袋に目をつけたのが同じく1年生の翔亭 松青、布団と共に中に詰まり息を潜めていた。
我々はこの中に1年生の女の子の生姜家 えるが入っていることにして、遊桂の反応を楽しもうとしていたのである。

そして獲物はやってきた。
「える、そろそろ出てきなよ…あれ、寝ちゃった?」と用意していたセリフを我々が言う間もなくである。
遊桂が何かが詰まっている自分の寝袋を見るや否や、あろうことか思いっきり蹴り上げた!

予想外の出来事に戸惑いつつ、

我々「…え、える、大丈夫?」

苦し紛れに言ったつもりだったのだが、

遊桂「えっ……しまったぁああぁあぁ!!」

崩れ落ち、全力で土下座をする遊桂。えるが本当に入っていると思い込んでいるのを見て我々は抱腹絶倒。中の松青も笑いを噛み締めるのに精一杯である。
そして女性を蹴ってしまったことを笑われていると思ったのか、遊桂のテンパり方に拍車がかかる。

遊桂「ごめん、える!松青かと思って!ほんとごめん!……怖いよそろそろしゃべってよ!」

「…もーしょうがないなー」

……おもむろに寝袋から出てくる松青氏。

我々「やーいやーいwwwwwww」
我々「ドッキリ大成功~!!」

遊桂の可能性を見いだせた一件であった。



因みに、この件での一番の被害者は

寝ているのに周りで騒がれた、1年生の格子舎 詰襟である。