無題9


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一人の少女が歯車の並ぶ城の中で途方に暮れていた。それもそのはずで、彼女自身、ここには望んで来たわけではない。

「兄さんのせいで散々な目に遭ったわ」

呆れるように少女、遊璃が漏らした。遊璃は兄に無理矢理、ゲームに参加させられて、妙なイベントに巻き込まれたのだ。
遊璃の呟きを目ざとく聞いてカードから声が聞こえる。

〔二人暮らしでたった一人の兄なのだろ。そこまで目の敵にする必要はなかろう〕
「あんたはあの変態を見たことないからそう言えるのよ。あ~あ、心配だな」
〔目の敵にはするが、心配もするのだな〕
「あのね。私が心配するのは兄さんが他のプレーヤーに迷惑をかけていないかどうか。女とみたら、ところ構わず声かけるんだから」

普通に会話を続けていたが、遊璃はふと気になった。気になっていたのはデッキが変わったときからだが、ずっと無理矢理気にしないことにしていたのだ。

「ところで、あんたってさ。結局、何なの?」
〔『クリスタ』だ〕
「いや、それは分かるんだけどさ。声がそのカードから聞こえるから」

カードと話しているという状況が、遊璃にはどうにも理解できない。

〔このカードの精霊だ〕

アニメの世界だ……
でも、遊璃も今まで、散々、そんな狂っている人たちに出会っている。
カードに精霊がいることなんて、その人達と比べれば、大したことないのかもしれない。

「で、あんたは元々別のプレーヤーのカードな訳?」
〔その通りだ。できれば、早く合流したいのだが〕
「私も兄さんと合流したいし、まぁいいわ。あんたのパートナーも探してあげる」
〔かたじけない。それにしても兄妹か。仲がいいんだな〕
「仲なんて別によくないわよ。これが普通」
〔だが、互いに心配しあって〕

クリスタのその言葉を聞くと同時に遊璃は真っ赤になって反論した。

「ばっ、バカ!私が心配してるのは、兄さんじゃなくて、兄さんに言い寄られてるであろう不特定多数の女の人!何回、言えば分かるの!?」
〔ははっ。まぁ、そういうことにしておこう〕
「うぅ~」

遊璃はさらに赤くなって、クリスタをにらんだ。

「あれ?」
「あっ」

誰か廊下の向こうから歩いてきた。それは一人の少女だった。
こんなところで他のデュエリストと出会うなんてついてない。

〔デュエルするのか?〕
「できればしたくないわよ。兄さんならともかく、私は慣れないデッキを使いこなせない」

ルール上、好戦的なプレーヤーが相手では、すぐデュエルを吹っ掛けられかねない。
しかし……

「よかった。やっと他の人を見つけられた」

少女からは遊璃に対しての敵意を感じなかった。

「この城、無駄に広いし、迷路みたいになってるしで心細かったの」
「心細いのは私も同じ。そうだ。こんなところで出会ったのも何かの縁よね。私たちで組まない?」
「うん。私は御堂美玲って言うの」
「よろしくね、美玲。私は新谷遊璃」

歩いてきた少女には不思議な感じがある。その気配を感じたクリスタが具現化して怪訝そうに言った。

〔ん?〕
「っ!?精霊!」
〔そなたも精霊だな〕
「え?カードの精霊って持ち主がいなくても具現化できるの?」

クリスタが言うからには彼女が精霊というのは間違いないのだろう。

「うん。デッキ交換の時に私自身はここに残ったみたい。他のみんなは交換させられたけど」

美玲は1枚のカードを見せる。そこには『JK-希望のミレイ』というカードだった。

「精霊がデュエルするって不思議な感覚だけど」
「精霊だからって人とそんなに変わらないよ。だから、仲良くしてほしい」
「その辺は大丈夫だけどね。私にも変な友達が多いから」
「よかった。せっかくチームを組むんだから、仲良くしないと損よね」
「じゃあ、ひとまずはここからの脱出を目指すわよ」

新谷遊璃@遊戯王Symphonic
【場所・時間】g-3(城内)、0:35
【デッキ】ジェムナイト
【時間軸】大会前夜
【状態】普通
【思考・状況】
1.兄さんが心配(本人的には兄の周りの女性が心配ということになっている)
2.美玲と仲良くなりたい
3.自分のデッキ探し

御堂美玲@遊戯王soul link
【場所・時間】g-3(城内)、0:35
【デッキ】タイムルーラー
【状態】遊璃に出会えて安堵
【思考・状況】
1.遊璃と仲良くなりたい
2.自分のデッキ探し
3.城を脱出したい

【備考】
JK-希望のミレイは美玲本人が持っているってことにしました。もし、彼女が【JK】のデッキを取り戻せたら、デッキに投入できます。