帽子少女大暴走!? まぁ、少し落ち着けよ。

「あ、あったあった。 私の大事な帽子♪――なんでこんなとこに」

そう言いながらリムは見つけた帽子を嬉しそうにかぶりなおす。
帽子を探して周囲を歩き回ったので自分が今どこにいるかわからない。
場所を調べようとDパッドに視線を送れば、現在地としてb-4とb-5の境目辺りに点滅があった。

「ふーん、結構移動したのかも。 ――あれ?」

近くで人の声が聞こえてきた。男性と女性の声で、少なくとも一人ずつは確認できた。
人の声に安心したのか、リムの表情は少し安堵したようにも見える。
それもそうだろう。何せ女の子が一人で墓地にいたのだから

人を確認できて安心したのと同時にリムの心に少し余裕が生まれたらしい。
喜んだ時や嬉しい時などに見せる笑顔とは違い、何かを企んでいる様な笑顔を浮かべていたからだ。

「ここは墓地か。 んで、近くに人がいるわけね。――良いこと思いついたよ」

そう言ってリムは何やら楽しそうに色々準備を始めた。
「良いこと」とは言っているが、リムにとっての「良いこと」であって万人にとって「良いこと」かはわからないが。

――さて、場所は変わってその近くのb-5エリア。
ここにはヴァン・アーネストと桃源郷の二人がおり、何やら会話しているらしい。

「――という訳で、オレ達は今こうしてこの世界にいるってわけだ」
「えぇ! そうなんですかー?」

どうやら状況説明らしき事を行っていたらしい。
突然の事態。状況が把握できない者がいたって何ら不思議ではない。
皆何かしらこの状況に対して疑問は抱いているだろうし、少なからず警戒は有るはずだ。

ヴァンが郷に状況説明をしている時だった。
すぐ近くから何やらガサガサと音が聞こえる。
次の瞬間、目の前に何かが飛び出してきた。

「…」「…」
「……アレ? もーリアクション薄いよー!私が滑ったみたいじゃん!」

眼前に現れたのは、キョンシーの様な恰好をしたリムだった。
リムは自分のいる場所が墓地ということを利用して少し脅かしてやろうと思ったらしい。
しかし、いきなりすぎて空振りに終わったようで、リムはどこか不満そうに額に張ったエントリーカードを剥がした。

――リム以外の二人は何が起きたか分からないのか反応が薄い。
いや、リムの行為に呆れているだけかもしれない。

「君は何者だ?」
「私はリムだよ。漢字で書いたら莉夢だね。 別に怪しいものではなくて、こういう性格なだけ」

いきなりキョンシーの真似をして現れたら何者かと聞きたくもなる。
リムもそれを想定していたかの様に怪しくないと釘を刺す。リムは元々こういった人間だ。
喋り好きに加え、とても積極的で活発だが空回りしやすい。

「そうか。 オレはヴァン・アーネストで、こっちが――」
「桃源 郷…です…」

互いに自己紹介を済ませていく。
生きる世界は違えど同じゲームに連れてこられた者は仲間であり敵でもある。
どちらにせよ名前くらいは知っておいた方が良いだろう。

「ヴァンさんと郷ちゃんか。 オッケーオッケー、覚えたよ。 でね、いきなり頼みがあるんだけど――」

大げさにアクションをつけながら言葉を発していく。これもリムの特徴の一つであろうか。
元々喋るのが大好きなので、喋っているとアクションがついていることがあるのだ。
しかし、いきなり何かを頼むあたり遠慮は知らないのかもしれない。

「頼みごと…?」
「ここに来たのは良いんだけど、私、この遊戯王…だっけ?のルール知らないから、教えてほしいなーって」

二人は唖然とした。
ここはOCGを使って行う場所なのに、まさかそれを知らない者がいるとは思わなかったのだろう。

「ふむ…。 ルールの説明くらいは任せてくれ。 …その代わり、交換条件としてオレ達と組んでもらいたい」
「それくらいなら喜んで。 戦力にはならないけど、ムードメーカーなら任せてよ」

リムは喋るのは好きだし、何よりこんな性格だ。ときに空回りはあるが盛り上げるのは得意。
ただし、OCGの知識は皆無なので戦力としては計算できないと本人も分かっている。
だったら自分は得意なことで力になればいい。
今だって、見ず知らずの二人の前にキョンシーの真似をして現れた。誰とでも積極的に交友出来るのは大きな武器だろう。

「さ、という訳でルールを学んで、これからの事を考えよう!」
「なんで君が仕切るんだ!?」

―リム―
【場所】b-5 AM1時
【デッキ】サイバー流@西院柚木
【状態】テンションあがってきた↑
【思考・状況】
1. 暫くはこの人たちについていこう
2. ムードメーカーは任せて
3. ルールを学ぼう
【備考】
とりあえず二人を疑ったりはしていないようです。
出来る限りデュエルは避けて、二人に任せたいとも考えています。
※ややキャラが定まっていないように見えますが、それがリムです
恐らく相手が信凪であっても同じノリで話しかけます

―桃源郷―
【場所時間】b-5
【状態】リムのテンションについていけず
【デッキ】宝玉獣(遊戯王-Night School菜崎 梨江)
【状況・思考】
1.状況を把握した
2.引き続き弥琴、紅規、デッキの捜索
3.リムにルール説明
【備考】
リムのテンションの高さにやや動揺していますが、悪い人とは思っていないようです。

―ヴァン・アーネスト―
【場所時間】b-5
【状態】リムによりやや披露
【デッキ】真紅眼(GSブレイド)
【状況・思考】
1.まだ仲間が必要か?
2.ルールを教えなくては
3.レッド・アイズの主人(ブレイド)捜索
【備考】
郷と同じくリムのテンションにややついていけていませんが、悪い人とは思っていない様子。
仲間が二人とも女の子な上、一人はど素人なのでもう少し仲間がほしいと思っているかもしれません。

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最終更新:2012年06月01日 09:57