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一週間の間、葛西は『ジレッタ』を打ち続けた
『ジレッタ』は日によって違うモノを見せた
ある時は吐き気を催すようなナニかの下を潜り抜け、転がり込んだ
最後の日はトラウマを刺激するようなモノが出てきた
ついでに弾間に『ジレッタ』を打った時の様子を聞いたとき、葛西は驚いた
かつてあの施設ですれちがった連中の様子とよく似ていたのだ

『ジレッタ』を打ってから八日目、朝起きた葛西の枕元には無造作に封筒が置かれていた
中を覗いて見るときっかり二十万円が入っている
ただ辺りを見回してみても鞄はなくなっていた
寝てる間に持っていったのだろう、何も考えず再び横になって葛西は微睡み、再び眠りに落ちた

『ジレッタ』の影響だろうか、夢の中だが過去の情景が現れた
弟に借金を押しつけ、逃げ出した夜、引っ越し先の線路の側のボロアパートには弟が待ち受けていた
教えた筈はなかったのだが、それを聞く前に弟の蹴りが頭に当たる綺麗に決まってしまい、頭を抑え崩れ落ちる
だがそれでも弟は許さなかった
顔面を蹴りあげ、髪を掴むと窓ガラスに叩きつける
血が部屋中に飛び散り、ベランダから叩き落とされる
背中から地面に落ちた悶えていると上から弟が腹の上に飛び降りる
どこかしらの内臓が潰れたような気がしたが段々と葛西は怒りが込み上げてきた
胸ぐらを掴み、弟の顔を何発か殴ってやる
だが、とどめに力を入れて殴りかかった途端、弟は彼の手に噛みついてきた
指等を食いちぎるとまでは行かなかったが、手の甲の肉が手首より少し先まで剥がされる
絶叫を挙げている隙に弟は左側に回り込み、耳朶を摘まむと思いきり引きちぎった
鮮血がほとばしり、顔も服も血で染まっていくが、気にする様子もなく落ちていた棒を拾うと弟は葛西の左耳に思いきりそれを突き刺した
いきなり耳朶をちぎられたり鼓膜を突き破られた痛みが襲いかかり、葛西は気がついたら膝をつき笑い出していた
錯乱のためか、急に笑い出す葛西を弟は冷ややかな目で見下し、顔を蹴り倒すと左腕を引っ張った
向かう先は線路、未だに笑っている葛西の左腕を線路に置き、土を被せていく
踏切が閉じる時のあの音と共に電車が来た
上から土をかけられていたためか、それとも欠伸をしていたためか
運転士は葛西に気付かず、彼の左腕を引き潰しながらも電車を走らせていった

そこで飛び起きた、義手となった左腕以外から冷や汗を噴き出して、荒くなった呼吸を調える
まだ昼前のようだ、日射しは強く、遠くでは車が走る音が聞こえる
冷や汗をかきながらふらふらとコンビニへ向かう
袋を片手に歩いていると踏切が閉じる時の音が聞こえてきた
葛西は青ざめ、手で口許を覆い、袋を投げ出して駆け出し、あの時の激痛を思いだし胃液が出るまで吐いた
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