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 さて、世はバレンタインデーとかいうお菓子会社の販売競争大会のシーズンである。

チョコはもらえるけど、これだけは言わせて欲しい。
 「バレンタインデーってなんなんだああああああああああああ」
「うわ、てんろくん、どうしたよ?」
「知るか、こっちはモテやしねえ組だ、だまってこたつでみかん食ってりゃいいんだよ。」
 とりあえず武蔵に不満をぶちまけてみる。こいつはいい相談相手だ。
 「ふーん、そうか、俺今日ちょっと用事があるから」
 ・・・あれ?今こいつなんて言った?
「えーっと、キミ今なんて言った?」
「いや、だから用事があるから、ちょっと出かけるから、シャワー浴びてくる」
・・・はい?
俺は自分の耳を疑った。まさか通学意外は外にでないあいつが、自主的に外を出るだなんて・・・まさかあんな奴に、彼女が・・・?
 いやいやいや、そんなことは無いはずだ、あんなヒッキー状態なあいつを相手にする奴など誰もいないはず・・・おい、これは、どういうことだ、どういうことだ。
 「どういうことだああああああああああ!!!!!」
「うわ、びっくりした、どうしたんだよ?」
うわ、紀伊に聞かれてたようだ、まぁいい、とりあえず質問をしないことには何も始まりやしない。
「なんで、なんで武蔵に彼女が・・・?」
「ああ、よくわからんけど、可愛い女の子から告られたってよ」
「怪しい、こりゃ罠の匂いがプンプンすんぞ!!!」
「いや、どうもマジらしい、女の子の方も前から好きだったらしくてな、前々から噂は聞いていたが、まさかマジだとはな」
はぁ、あんなやつのどこに惹かれるんだか、何に惹かれたんだ、『半ひきこもり』という自由な生き方にズキューンされたのか?意味がわからねえぞ。
 「ちなみに俺も彼女ができました」
 わざわざ報告すんじゃねえ、なんだちなみにって、俺に殺されてもおかしくないぞ。
それより問題なのは今の状況である。女子共は今誰もいないし、男子共も俺を除いて既に恋人持ち。この状況、どう打破する・・・? おい、俺!答えろ!俺エエエエエエエ!!!
 
・・・そして、家に俺しかいなくなって1時間が経過した。なんだ、なんなんだ、この圧倒的なまでのアウェー感は!!
 なんでだ、こんな状況だったらまだドッキリ大成功のプラカードを見せられるほうがまだマシだ、それなのにこうなって、俺はどう生き方を間違えたんだ。
 ・・・GPSで探ってみよう、今彼らはどこで何をしてるのか。
 ・・・紀伊は今は電車で移動中、どこへ行くんだあいつは。
武蔵はと言うと、池袋あたりか・・・なんなんだ、俺は家にいるしかないのか。
 とりあえずパソコンでもたちあげて、顔の見えないみんなと傷を舐めあうことにするか。
 
 ・・・あれ?俺、寝てた?
ああ、やけになりすぎてこたつからでて、そのまま(モノを壊さない程度に)暴れてたら疲れて眠りについてたのか。
 さて、今の状況を整理してみよう。いま時刻は二十三時、まだ誰も帰ってきてない、俺は今パンツ一丁である。
 ・・・いやいやいや、全然整理できてない、できてないから俺。
 「ただいまー」
!?
武蔵が帰ってきた。やばい、こんな姿見られたら俺はこの噂を広められて恋愛とは無縁になってしまう。この事態だけは何としてでも回避せねば・・・!
 「おーい、てんろくーん、いるかー?」
「いるに決まってんだろこのヒキ充(引きこもりなリア充、リア充の基準はとにかく恋人がいたらである。)めが!!」と、服を着つつ答える。
「あーあーいるならよかった、実はキミに報告があるんだ」
「なんだ!!デートレポートなら絶対に聞かないぞ!!」着替え終わったところで叫んでみる。
「とりあえず居間降りてこい」
 くっそ、なんでだ、なんでこうならなきゃならないんだ。
 
~居間~
 「なんだ、話とは!さっさと言え!!」
「まぁまぁ落ち着け、今からこの家が爆発するわけでもないんだからさあ」
「いいからいえっつってんだろ!!」
「まぁまぁ、そう熱くなるなって、お前は家をサウナにするつもりか?」
 うざい、なんだ、彼女ができたから調子にのってるのか、俺が熱くなってるのはお前のせいだ、俺がこんな屈辱を味わうなんて・・・おれはそこにいるホリデー引きこもりバカに負けていると言うのか。
 
 「まぁ、よく聞け、実はな・・・」
 ・・・そして報告が始まる、こういう物語としては『フラれました』っていうのが普通だろうが、どうして何も起きてないんだ、というかなぜ進展してるんだ、お似合いなカップルで幸せですね、祝ってやる。
 「どうだ、羨ましいだろ?」
「ああ、恨めしいくらいに羨ましいね。」
「おいおい、上手いこと言ったつもりか?」
 うるさい黙れ、こいつ本当にむかつくぜ。
もう、なんだ、この現実・・・俺は負け犬か・・・

そんなこんなで悪夢の日は明け、何事もなかったかのように、世間は来月の雛祭りの雰囲気づくりに勤しんでいる。こんな雰囲気の変わり様の早さにはいつも驚かされる。
 この国はいつからキリスト教の国にシフトチェンジしたんだ。いや、バレンタインデーって女から男にチョコをあげるっていうのは確か日本独特のはずだ。くそ、こんな状況を許してもいいはずはない、ここはいっそ俺だけ北海道行って独リア充してくるか。
 
 
 場所は変わって北海道は函館市。まぁいいところだ、結構寒いけど、あんな暑苦しいところから離れるにはちょうどいいだろう。
 さてと、ヤツらがここにくるまでのんびりするか。
~神奈川県のどこか・自宅(?)~
「あれ?てんろくんは昨日からどこに行きやがったんだ?」
「どこにもいないからどっか出かけてるだろう、それよりあいつマジでどこに行きやがった・・・」
「あれ、書き置きがある、今時書き置きって・・・」
「えーっとなになに、『ちょっと北海道行ってくる、お前らはそのままハッピーライフでも楽しんでろもう嫌だこの世界 p.s.帰って来いっていうんなら直接俺を連れ戻しに来い、函館にいるからあとはよろしく』だって・・・」
「なんだあの気分屋ぁ!!こんな横暴許されるとおもうのかァ!!」
「いやいや武蔵くん、あなたがてんろくんにいろいろなこと自慢しすぎたから、こんな事態になったんじゃないの?」
「実際にそうだとしてもこんな思い切った行動するやつなかなかいねーぞ!!ここは俺が責任を持ってあいつを連れ戻す!!」
「・・・そうか、君がそういうんなら、私は止めない。さぁ行くんだ、あいつが死なないうちに。」
 
~北海道函館市・どっかのホテル~
 はぁ、やっぱりベッドの上は落ち着く。いろいろなことを考える必要もなく、ただこの柔らかさを感じるだけでいいから、俺はこういう空間が好きだ。
 ・・・着信音だ、武蔵からだろう。やっとあの書き置きを見てくれたか。
『おいてんろくん!!キサマいまどこにいるんだァーッ!』
「知るか、お前の方は今どこにいるんだよ。」
『お前は質問を質問で返すタイプなのか!?どこぞのジョ○ョみたいなこと言わせんじゃねーよ!!
俺が言いたいのはそうじゃなくて、お前はどこにいるんだって話だ!!』
「だから知るかってさっきから言ってんだろ、函館だということくらいわかってるはずだから」
『いや函館のどこだ!!一口に函館っつっても五稜郭とかあるからよくわかんねーに決まってんだろ!!』
「駅前だ駅前、そうとだけ言っておく。」
『おまえどんだけいい加減なん』ツー、ツー、ツー・・・
 ああ、なんで俺の周りは熱血の意味を間違えた暑苦しいやつばかりなんだ。そう思いながら、俺は昼寝をすることにした。

・・・夕方、目覚まし替わりの着信音が鳴り響く。もう出るのもめんどい・・・
「なんだ、もう12時間くらい寝かせろよ」
『今すぐエントランスだかなんだかしらんけど、そこにこい』
「はぁ?いま起きたから歩く気力が起きないんですけど」
『いいからくるんだ、さぁget up!!』ツー。ツー、ツー・・・
まさかあいつ、俺のいるところが分かったのか、さすが武蔵だ、おれと同居してるだけのことはあるな。
 
 「探したぞてんろくん!!今から帰るぞ!!」
「めんどい、もう俺はこの函館に永住するから」
「そうは問屋が卸さん!!さぁスーパー白鳥にご乗車だ!!」
「うわ、ちょ、待て、袖引っ張るんじゃねええええええ!!!」
・・・とまぁ、そんなこんなで、おれは帰ってきたのだった。
~神奈川県・自宅(!)~
 「ただいまー、というわけで俺は寝るぞ」
「待て待て早い早い。女子3人からチョコが来てるぞ」
「ああわかった、冷蔵庫でダイナミックに冷やしとけ。」
「どうすりゃダイナミックに冷やせんだよ、まぁいい、寝とけ寝とけ。」
ダイナミックな冷やし方なんて、言った本人である俺も正直わからん。それよりわからないのはこの展開の早さだ。わずか2行で自宅についたからあんまりなくらいに手を抜いていることがよく分かる。
まぁいい、もうバレンタインデーは終わったんだ、来年は俺の手でバレンタインデーを悪い思い出にでもしてやる。
 俺はそのまま部屋に行き、テレビの番組表で面白いものがやってないことを確認してから、眠りに就くことにZZZzzz…..
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