第一章 ここは毎日祭りです
辛い。
毎日が辛い。
別にこの人生に絶望してるわけでもない。
彼女と別れたとかではない、というか最初からいない。俺が辛いと思ってるのはそういう理由とは違う。
なぜなら・・・。
「あー・・・こたつが愛おしいぜ・・・お前もな・・・」
こいつは勝浦紀伊(かつうら きい)。十九歳で大学生で変態。こんなんでも一応東工大に在学している。意外と頭がいいやつである。
「うわ、あんた何言ってるの、キモいんですけえど」
こいつは天満橋関目(てんまばし せきめ)。十八歳で大学生。結構美人なんだけど、性格は寧ろ俺らの雰囲気にあってたりする。
紀伊と、あともう一人、天童にも付きまとわれている。
「ちょっと紀伊くん、関目ちゃんは私のものよ!」
こいつは百合気味な、上ノ山天童(かみのやま てんどう)。十八歳の大学生。関目のことが好きで、たまに夜這いをかけるが全て失敗に終わる、当たり前だとしか、言い様がないものである。
「おーい、私のファミリーの皆さーん、おゆはんができたぜー。」
そして飯を作っていたこいつは本宿美合(もとじゅく みあい)、十七歳の高校生。俺の幼馴染なので俺についてきた、身体能力が人間離れしていて、十五メートル地点から落下しても見事に着地できる程度の身体能力である。
「なに・・・飯だと・・・」
今の今まで寝ていたこいつは溝ノ口武蔵、この家をまとめる二十歳の大学生。皆でワイワイできる家を理想としていて、その理想がいまこんな感じでカタチになっていると言ってるが、これは少し違うんじゃないかと俺は思っている・・・。
ああ、面倒な晩飯がいまから始まるぞ・・・。
「おい!そいつはオレの分だぞ!!」「知るかボケ!んなこと気にするな!小学生じゃないんだからよ!!」「おい!くいもんが落ちたらどうすんだ!!」「ああ・・・私はこんなのより関目ちゃんを食べたいわ・・・(性的な意味で)」「私の飯がまずいとでも?許さないよ、そんなの」「とりあえず天童、あんたうるさい」「あああああ関目様に罵ってもらえたわ!!私嬉しくて死んじゃいそう!!」「うわ、あんなところにマゾいやつが一人いるぞ」