概要
本項目で説明される第三次世界大戦は、世間一般においてはロシアを中心とする東側諸国同盟軍と、米英独仏を中核とする西側連合軍の武力衝突を指し示すが、同時に日本の学園都市とロシアの戦闘も内包している。
軍事衝突サイド(時系列順)
ヒロシマ・ナガサキ神話の終わり
21世紀も0年代の終わりが近づきつつあるある日、ボスニア、パキスタン、インドの3か国で突如として小型核兵器が爆発、30万人近い死傷者を出す大惨事となる。のちの調査により、爆発したのは冷戦時代にロシアが開発したスーツケース核爆弾だと判明。CIAやMI6の発表により実行グループは旧東欧過激派組織のメンバーであり、現職ロシア陸軍人とGRU係員数名が関与していたことが明らかとなる。
さらなる調査の結果、ロシア領内に保管されていたスーツケース爆弾が何者かにより保管施設から奪取され、警備兵7名が殺害されていた事件が発覚。事件に使用された核爆弾は4つ。奪取されたスーツケース核爆弾は8つであり、残り4つは依然行方知れず。
この事件によって冷戦以降忌避されてきた核は「十分使用可能な」兵器であると認知される。
VXロメオ事案
冷戦中に開発され、米ロ両国で保管されていた化学兵器VXロメオのロシア側保管施設が、スーツケース核爆弾奪取事件と同日に強襲を受け、合計8ケース分のVXロメオが紛失していた。酸素中で平均270時間という非常に強い生存性を持つVXロメオだが、その唯一の解毒剤である強化テルミット爆薬「Tプラズマ」も40L分が奪取されており、行方知れずとなっている。
なおTプラズマは2Lで半径100mを8000度で焼きつくすことができる非放射能の準核兵器であり、VXロメオ神経ガスは酸素と結合して300万倍にまで体積を増加させる最悪の化学兵器である。
国際テロ組織の活性化
上記の2事案以降、その成果を目の当たりにしたテロ組織の活動が活発になり、中東などでのテロが頻発。欧州では爆破テロ、要人暗殺、暗殺未遂などが頻発し治安が悪化。ロシア領内ではソ連時代への帰化を目論むスターリズム主義と呼ばれる過激派が、政治家や企業家を巻き込んで大規模な反政府デモを展開し、国内が内戦に近い様相を呈し始める。
第二次湾岸戦争
中東で悪化の一途をたどるテロに対応するため米軍が進駐を開始するも、展開区域の一つである中東亡国にて突如米軍を巻き込む形で核兵器が炸裂する。海兵1万2000人、民間人推定7万人の被害を出したこの爆発は現地過激派主導によるものと結論付けられ、ここに中東全域を舞台にした米軍対過激派ゲリラとの戦争が始まる。
クーデターを支持してイラン、イラクの政府機能を奪取した過激派組織LRAと米軍の交戦が激化すると、英国や独仏伊などの欧州国家群も派兵を開始。国連軍が組織される。
901事件
9月1日午前11:24分、合衆国ワシントンDCで核爆発が発生。爆発直前、爆心地中心では突如として現れたロシア系の武装集団と警官隊の激しい銃撃戦が行われていたことが判明しており、ロシア領内で現政府派と内戦を続けるスターリズム主義者の関与が疑われる。同日夕刻、米政府宛の犯行声明が何者かによりホワイトハウスへ投函される。その犯行声明により、ボスニア・インド・パキスタンでの核爆発、第二次湾岸戦争の核爆発テロ、ワシントンDCの901事件がすべてEmethを名乗るテログループの犯行であることが明らかとなる。実行犯は現役ロシア陸軍人とGRUなどの諜報機関要員数名を含んでおり、アメリカ国民の反ロ感情が劇的に高まる。
モスクワ転覆
901事件に関しての緊急会談に向けてモスクワを発とうとしたネヴチェンコ大統領の車列がEmethの指揮下にある過激派グループに襲撃され、大統領が負傷する。当時ロシア領内の内戦はスターリズム主義派が優勢であり、政府、軍内にも多数の内通者を確保していたと思われ、本来大統領の警護に当たるはずのSPのうち数名が離反。事態に危機感を覚えたネヴチェンコ大統領は諜報活動のためにロシア国内に潜伏していた米国海軍SEALsチーム6の手引きを受けEU圏へ逃亡、亡命政府を樹立する。
同時にロシアではクーデターが発生し、スターリズム主義へ傾いた軍幹部が傘下部隊に指示を出して国会を掌握、わずかにのこった現政府派勢力を抑圧しつつ、新政府樹立を宣言する。
血の憲法記念日(12月12日)
スターリズム政権による国内の情報統制が進捗し、反政府的発言の弾圧が行われる中、祝祭日でにぎわっていたモスクワ市内の繁華街で武装集団が蜂起、休日の利用客に向けて軍用銃器や爆発物を使用し、400を超える死者を出す。当局発表によると、武装集団は元米軍人を中核とするテログループであり、901事件の報復が目的であったとされているが、スターリズム派による工作活動と言われている。情報統制されていたこともあり、瞬く間にロシア国内で反米感情が高まる。
米露開戦前夜
スターリズム主義政権の指導者であるロボコフ・ジノビエフ大統領は合衆国へ厳重な抗議を名目に会談を申し出し、合衆国側はジェンキンス外務大臣を代理に立てて会談に臨む。しかし会合場所への移動途中、ロボコフ大統領の車列が何者かに襲撃され、スターリズム主義政権側は即座に米国の陰謀説を主張。これを契機として開戦論がロシアの世論を席巻する。
開戦
100年に一度といわれるほど大規模な磁気嵐が地球全域を覆ったその日、磁場のゆがみにより麻痺していた米国の戦略通信網やレーダー、衛星監視網を潜り抜け、ロシア軍が合衆国東海岸および北部から奇襲をかける。アメリカと同じく通信網の麻痺の影響を受けていたロシア軍だが奇襲は完全に成功し、虚を突かれた合衆国軍はたちまち海岸線を占拠されてしまう。これが第三次世界大戦の初戦である。
魔術VS科学サイド
魔術師フィアンマが己の目的のために引き起こした世界大戦。
世間的にはソールジエ=I=クライコニフが宣戦布告をすることで発生した、
ロシアと学園都市による戦争。
実際には科学サイドの総本山、学園都市・その協力関係にあった十字教三大宗派の1つイギリス清教と、
三大宗派の残り2つであるロシア成教・ローマ正教とがぶつかり合った、
科学も魔術も巻き込んだ激戦である。
神の右席、聖人、天使、最先端科学兵器、超能力者など様々な戦力が入り乱れ、わずか十二日で終結した。
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