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新にとり計画 ◆J/0wGHN.4E







河城にとりは急いでいた。

理由は先ほどの定時放送にある。

まず死者の放送で聞き知った名が呼ばれてないのは幸運であった。
だが本題は禁止エリアにある。
今時分が居るエリアは恐らくE-03、2時間後に禁止エリアに指定されている、
しかも何故か今回からエリアごと爆発する仕様になった様だ。
こうなっては首輪を解除できても意味は無い。
とにかく早く此処から離れなくてはならない。

しかし、この移動方向というのが厄介であった。
南には先ほどの危ない男が、北には厄介な少年が、西は此処より一足早く禁止エリアとなり、東にはヘルメットがまだうろついているかもしれない。
出会わなければどうという事は無いのだがこちらの損傷が小さくない以上当然接触は避けたい。

その上ヘルメットやあの肉付きの良くて美味しそうな女は光学迷彩で見えないにもかかわらず気配でこちらの存在に気がついていた。
つまり光学迷彩があれば安心というわけでもない。
こうなると隠密行動は決して簡単とはいえなくなる。

加えて「ゲーム」が始まってから20時間が経とうとしている。
既に参加者は半分を切り、その分殺し合いに乗った者が大きく動いている事になる。
恐らく、非力で襲いやすい人間のいくつかもそれらの牙にかかってしまったのだろう。

もっと早くから積極的に動いておけば良かった。
そうは思っても全ては後の祭り。
自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。




(でも何所に行けば良いかなぁ…)

北や西は学校を避けるとしてもヨコハマ埠頭という場所も一応見てはおきたい所があるがそれ以外に目欲しいところは余り無い。
何より埠頭は禁止エリアになるD-02を迂回して通るとどうしてもE-02の街に近づいてしまう。
南へ行くだけならE-03を通れば良いかもしれないが。
ただ街の方も一応調べてはおきたいので次の放送の時間の頃には向かっておく事にした。

閉ざされた世界、幻想郷の住人であるにとりは必然的に現実世界の知識に疎い。
故に、施設に対する固定的な認識は人間のそれと異なる。
例えば幻想郷には海が無いため、にとりは埠頭の名前こそ文献などで見る機会はあるかもしれないが実際に目にした事は無い。
施設が人より面識が狭く、身を休めそうな施設が何所なのかはわからない。
だがそういった場所で人間が潜み、身を休めている可能性は十分に考えられる。

まず最寄りのMOCO'sキッチン収録スタジオという場所はすぐ禁止エリアに指定されてしまうので論外。
同様の理由でアザディスタン王宮、冬樹市ハイアットホテルも却下。
そうなれば残っているのは少し遠いがこの木なんの木、ロイドの店、光写真館である。

館だとか店だとかいうものには一応聞き覚えがある。
館と言うとあの吸血金の姉妹が居るという紅魔館。
店と言えば香霖という男の経営する香霖堂を思い出す。
木に関しては一本松や一本杉のようなシンンボルマークめいた存在なのだろうか。
だとすれば行く価値があるのはロイドの店か光写真館の二つになる。
とちらにしても此処から禁止エリアの端を通り抜けながら向かえばあの化け物と鉢合わせする事は無いだろう。


(それにしても何でまたあの人間は呼ばれてるんだろう…)

にとりはふと先刻戦闘する事になった少年の事を思い出す。
途中乱入してきたもう一人の少年は確かにあの美味しくなさそうな奴を勝治とよんでいた。
おそらく参加者の名簿からして松岡勝治の事なのだろう。
だが松岡勝治という名前は奇妙な形で聞き覚えがある。
一度目の定時放送で何故か二回も名前を呼ばれ、二回目、そして先ほどの三回目の定時放送でも一回ずつ呼ばれていた。
一回目の連続呼びぐらいであれば手違いで片がつく話だが流石に三回も四回も呼ばれては誰だって違和感を覚える。
放送機器の故障、運営の確認ミス、原因はいくらでも考えられる。
だが状況からすれば、やはり主催とやらが意識的に行っているのではないか。
だがそうだとしたら何故そんな事をする必要があるのか。
問題の趣向が少し変わってくるが、もしかすると実際に勝治は死んでいるのかもしれない。
そしてその度に蘇生する。いわばほぼ不死身の存在。
突飛な考え方ではあるがこれならあの勝治の容姿にも説明がつく。
不健康で不味そうな顔立ちもあれが吸血鬼やゾンビの類いだとすれば合点が行くという物。
少なくとも人間でないのはほぼ確実であろう。光学迷彩も効いていなかった。
だがそれで良いのだろうか。
あれだけ主催者は殺し合えと言わんばかりの姿勢をとっているのに関わらず不死身の存在を参加者に入れている。
そんなチート同然の存在を何故許しているのか。



よくよく考えてみれば勝治は意外と重要な協力者になれたのかもしれない。
食欲に負けて彼らと敵対などしなければもう少し有利に事が運べたのかもしれないのだが。
これも今考えた所でやはり手遅れである。
もうしばらくは隠密行動を強いられるだろう。




  •  -




「!?」

一人夜の森を駆け抜けるリュウセイは驚嘆した。
遠方から何かが崩れ落ちるような轟音が響き渡る。
恐らく光写真館の方角からであろう。

ケンとの熾烈な戦いの後、辛くも勝利したリュウセイ。
そして大幅に遅れながらもアルセーヌや遊星達の後を追わんとした矢先の出来事である。

嫌な予感しかしない。
せめて自分が辿り着く頃には手遅れ、という事になっていなければ良いのだが。

正直言って自分としてはこんなことは考えたくない物である。
だが、アルセーヌが言っていたように自分も常に最悪の事態を考えておいた方が良い。
ケンも、勝治も、今はもう居ない。
自分にはもう心から頼れる人間などいないのだ。

例えばもし、彼らが死んでいたら。
あるいは散り散りになってしまったら。
自分は何所へ向かえば良いか。
彼らに何を伝えれば良いのか。


そして、自分が本当に死んでしまったら。


何を伝えるべきなのか。


つい、そんな事を考えてしまった。
人は死という概念に囚われるとつい深くのめり込んでしまう。
多くの宗教家や哲学者がそうであったように。
リュウセイもそんなボーガー哲学の世界に足を踏み入れてしまった。
そしてこういった深い思索は周囲への注意を殺し、視界を狭くする。
故に


「ッ!」


否。
しかしと言うべきか、リュウセイは不意打ちを見切った。




「ファッ!?(驚愕)」


にとりはついそんな声を漏らしそうになった。




にとりが施設に向かう途中で単独行動している人間を見かけたのはこの上無い不幸中の幸いであった。
それが黄色と茶の髪をを持った幼子。
さっきの本物の妖怪じみた生命力の少年の会話から察するにあれがリュウセイなのだろう。
出会った事のある者ならある程度隙の作りようはあるというもの。
それに自分の技が有効な相手だとわかるのも有り難い。
あの会話の流れからして彼には自分の光学迷彩が通常通り発動していたからである。
この機会をみすみす逃す手が何所にあろうか。




(…やるなら今しかないよね)


獲物を見据えたにとりは再びユキアネサを構え、走るリュウセイの足音に合わせて歩み寄る。

半歩ずつ、半歩ずつ、そしてまた一歩。
風の動きにも等しく聞こえるほど自然な足取りで。


あと5メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あと4メートル。

まだリュウセイは気がつかない。
にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。
にとりの顔が歪む。

ハヤク、ハヤクタベタイ。

ーだが、ここでバレては戦闘は避けられない。
そうなってはさすがに人間とはいえ自分の命が危ない。
此処は我慢と言わんばかりに表情をぐっと引き締める。



あと3メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。

息遣いが聞こえぬようにそっと息を止める。



あと2メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

にとりはリュウセイとさらに距離を縮める。



あとすこしで1メートル。

まだリュウセイは気がつかない。

今なら襲える。

そう思い、にとりがユキアネサの刀身を斜め上段に挙げる。

後は斬りつけるだけ。


だから、それを振り下ろす。


それで、この命を頂く。


振り下ろされたその刃は。




「!?」






その細い首を、リュウセイの首を、

かき切らなかった。


「ファッ!?」


にとりは困惑した。


理由は不意打ちが失敗した事ではなく。

また始めから自分の存在がリュウセイに気付かれていた事でもなかった。


何故?
一つ、それはにとりの攻撃が空振った事。
そして二つ、"自分の攻撃は空振ったのにも関わらず"リュウセイは背後からの攻撃を受け止めた事。
つまり、にとりはリュウセイを襲ったが、別のそれがリュウセイを先に襲ったのである。



ーー「それ」は



ーー青かった。



「危ねーな!何だお前」

咄嗟にトムキャット・レッド・ビートルを取り出し、青い腕を弾いた。


「闇討ちするヤツが最強になっちまったら世も末だぜ!」

リュウセイの襲撃者に対する反撃の言葉。
その言葉は、にとりに向けられた物ではない。
そのリュウセイの眼前にあるのは、

ブルーベリーみたいな色の青いツナギを着たいい男であった。


「YA☆RA☆NAI☆KA」

(やらないか)



そんな声が聞こえてきそうな程に、いい男だった。

「YA☆RA☆NAI☆KA」



その男は不気味な程ただの一言の言葉も発さず、じっくりと舐めるようにリュウセイを見ていた。
負けじとリュウセイも対抗してにらみ返す。
暫し静寂が続く。


その静寂はリュウセイによって破られる。


「おまえは…まさか、マンソン!?」


人違いなんだよなぁ…



だがリュウセイの見たその鬼の貌は阿部さんのそれではなく、かつて共に戦った仲間。




そう、シドニー・マンソンのものであった。


それはリュウセイの幻覚であろうか。
実際ケンとの戦いの消耗は決して小さくなく、疲れからそういったことが起こっていても大異は無い。
だが、そのリュウセイの目はしっかりと目の前の敵に焦点を合わせていた。



「マンソン!?俺たちは仲間じゃなかったのか?」

リュウセイが問う。
マンソンは応えない。

「くそっ… なんで… なんでこんな事になっちまったんだ!」


リュウセイは困惑を露にする。
だがマンソンは沈黙を続ける。


シドニー・マンソン。
嘗ての自分の仲間であり勝治やケンらと共に「いつもの四人」として悪の組織ビッグバン・オーガニゼーションに立ち向かった掛け替えの無い存在。
そんな仲間が何故自分にボーグを向けているのか。

いつの間にか鬼のその手には一つのボーグが握られていた。
彼の愛機である緑色のクワガタボーグ、「ハウリング・ロデオ・ドライブ」
嘗て共に戦った仲間として、忘れようの無い物である。

本来の阿部鬼はただ野性的に男を襲うだけの存在なのだが、このクワガタボーグを手にした事によって鬼にも知能が芽生え始めていた。
ボーガー補正とは凄まじい物である。


「…いや、違う…当然なんだな」

何かを悟ったような表情。
それはリュウセイの心の中の動かぬ決意。(端から見れば謎会話だが)

「…勝治も、ケンも、みんな今はもう居ない」

「…マンソン、俺はもう一人でも…迷わない!」

常に最悪のパターンを想定して行動する。
例えば仲間が敵になった時でも。
リュウセイの決意は揺らがない。
マンソンはその言葉に対し、一瞬だけ目を伏せた。
それが自らの行いを恥じての事なのか、或は自分の意志に敬意を払っての事なのかはリュウセイに知る由はなかったが。


「…あくしろよ」


「ボーグバトルだよ!俺にはもう余り時間はないんだ!」


「俺には頼りたい奴はいない、でも頼られるのは上等なんだ!」


それを聞き入れたのか、マンソンは歩き出した。
偶然設置されていたボーグ台に向けて。
続いてリュウセイも相手側の場所に立ち、お互いに愛機を掲げる。

一体この島にボーグ台は何個あるんですかねぇ…
この島、なんか呪われてんじゃないの?




「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

リュウセイが高らかに宣言する

「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」

流石にこの時だけはマンソンもルールの復唱をした。
その声は当然ながら良い男のそれではあるのだが、リュウセイは気づいていない。



「うおおおおおおおおおお!!!!」

二人がチャージホイールを回す。
三回のチャージはボーグバトルにおいて最も良く使われる形式だ。
そのチャージの力が強すぎても、弱すぎてもいけないのだ。
だがマンソンもリュウセイもそんなミスをする事はまずない。
リュウセイとて、生まれながらにしてのボーガーである。
伊達に出生後間もない頃、産婦人科の先生を相手に初ボーグバトルを申し込んではいない。
マンソンもまた天才ピアニストでもあり、その才能を惜しげもなく発揮した戦闘スタイルの持ち主。



「チャージイン!!」

そして、フィールドへボーグを同時に投擲する。

放たれたボーグは直線、時に奇妙な弧を描き、或は規則的に曲がり、フィールドを駆け巡る。
そして機械の角と顎が激しく衝突し、(何故か)火花を散らす。
その姿こそ、正にボーグバトルである。



「マンソン!」


そう簡単に倒せる相手ではない。
リュウセイは相手に反撃を与えないように常に攻撃の手を緩めないように戦うが、それでもマンソンはどこかで隙を見つけてバランスに揺さぶりをかけてくる。
こちらが攻めているはずなのに、いつの間にか攻められている。
攻められるたびにどうしても攻撃の手が緩み、そのペースはやがて頻繁になっていく。

(いつものリズムだ!リズムを忘れるな!)

マンソンはこんな状況でもいつものリズムを忘れていない。
リュウセイもマンソンから教えられたいつものリズムは覚えているはずだった。
だがさっきのケンとの戦いによる疲労やダメージ、先ほどの異変による不安や焦り。
それら単体では微々たる物だが、積もり積もった結果としてリュウセイのいつものリズムを乱す元になっていた。

さすがは自称ではない天才ピアニストと言った所だろう。
自分はこうしてチャージやスピード、小回りに僅かな乱れを作ってしまった。
それは力だけではどうにもならない致命的な戦力差を生み出す要因になっていた。



「お前のいつものリズム、完璧だな!」


「だけど、リズムが乱れたからといって、勝ち負けが全部決まるわけじゃない!」



例え乱れてもリズムは絶対に忘れない。
そして勝負を決めるのはリズムじゃない。



自分のーー



「行っけぇ!!!俺のトムキャット・レッド・ビートル!!!」



       V





そのとき、何かが光った気がした。
実際にはトムキャット・レッド・ビートルが金色に光っていた。



その姿こそトムキャット・レッド・ビートルの強化体。

「「トムキャット・レッド・ビートルV」」であった。


…本来ならばそこらへんの謎ショップに売っていた物なのだが。




突如として起こったリュウセイのカブトボーグの進化。
だが、それでもマンソンはいつものリズムを崩さない。
その中でマンソンのリズムはフィナーレを迎えようとしていた。

突然、マンソンがピアノを弾きだす。
必殺技の時間である。
類稀なマンソンのピアノの才能を生かしたあの技。



「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!」



リュウセイはもう揺るがない。
トムキャット・レッド・ビートルVが光を増した。

「行くぞマンソン!」

「スーパー・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!!」




              _.。ャぁて丕刀フ7ゎ。._
           ,.ィ炙ヲ㌍≠┴⇒弍j込ス>。
.        ,ィ升ヲナ'´           `゙'<弖心、
.        ;夕フア´                \ホi心.
       んfiУ                ▽ij∧
       从j'Y                   ∨iハ
.       斤W                      ㌣い
     |友カ        謎メーター       }ソ川
.       い叭                   仄ガ
.     Wi从                  从ノリ
.      ∀t△                 ∧fリ/
       ゙マじへ、             /リiУ
        \夊i㌧、_             ,.イ!刋/
         `マ才i[[≧ェ。。.。。っ夭テ少'゚
           `゚'' ミ芝玉竺壬云=‐'´




「行っけぇぇぇぇぇええ!!!」



トムキャット・レッド・ビートルVが紅のオーラをより厚く纏う。
爆風とも言える風がフィールドに吹き荒れる。
その衝撃は凄まじく、周囲の木を数本幹から折り曲げた。


旋律はかき消され、グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモのエネルギーをハウリング・ロデオ・ドライブごと弾き返した。
マンソンもその風に耐えきれず、数十メートル程吹き飛ばされた。



ーー

ーーー


勝敗はついた。

戦いが終わったからなのか、既にトムキャット・レッド・ビートルは元の姿に戻っていた。





「流石に…疲れたぜ…」

軽く息を吐き、トムキャット・レッド・ビートルを回収する。
早く光写真館に行かなくては。




そう思い、踵を返そうとした。

「ん?」


背中から腹部にかけての部位に違和感を感じた。
見ると腹になにか金属が刺さっていた。
何故か痛みは感じなかった。
代わりに全身を一瞬にして凍り付かせてしまいそうな程の寒気がリュウセイを覆った。
後から刺された、そう思った時には手遅れで。



「…やっと人間を捕まえられたよ」

「特段美味しそうじゃ無いけど食べられるうちに食べておかないとね」

リュウセイの腹を貫いたのは、にとりのユキアネサであった。

にとりの不意打ちが失敗した後、リュウセイとやらが知り合いらしい乱入者と突然謎バトルを繰り広げた際には完全に置いてけぼりになっていた。
だが諦めたというわけではない。
幸い、リュウセイはまだ自分には気付いていない。
ならばまだ隙を狙う機会はあるだろう。
人間の隙として一番多いのは戦いの後。
勝者でも敗者でも戦いが終わったと思えば必然的に気が緩む。
そう思い、にとりはこの謎バトルが一区切りつくまで待っていた。

それが何とか功を奏した様だ。

さてこれをどう調理しようか。
他の参加者に見つかっては厄介なのでできるだけ早くできる調理法が良い。
まあでも取り敢えずは生で頂いた方が良いだろう。






にとりはやっとまともな食べ物が手に入ったという高揚感からか気が緩んでいた。
にとりは妖怪だが欲しい物が手に入れば浮かれるのは人間と同じである。
紫やレミリアのような位の高い妖怪であればそうではなかったかもしれないが。



故に「それ」ににとりが気が付く事はなかった。

「え?」

にとりが最初に感じたのは背中の違和感であった。
遅れてやってくる尋常ならざる痛みによってそれが不意打ちだと知覚した瞬間、にとりは命を壊された。

心臓を握りつぶされた。
にとりにはそれを理解する事はできなかった。
正確にはその暇がなかったのかもしれないが。


「…あっ…」



ーーー此処で私、終わっちゃうのかな?


ーーーこんな事になるなら食欲を我慢して人間と本当に仲良くしてれば良かったかな。


ーーーでも、もう遅いんだよね。



自分にできる事はせめて今をより良い未来に繋げていく事だけ。
しかしそれもできなかった。

不意打ちばかりしてきた妖怪は、鬼に不意打ちを喰らいその生を終えた。
皮肉ではあるが、それもまたバトルロワイアルである。




【河城にとり@きゅうり味のゆっくりしていってね!!! 死亡】




  •  -




下手人たる鬼はその手に付いた女の血をさも恨めしそうに拭い払った。
その表情は、正に悪鬼羅刹の如く。
反対の手で既に事切れたにとりの頭を掴み、乱雑に投げ捨てる。

リュウセイの体からユキアネサが抜けたが、血は吹き出さなかった。
ユキアネサの魔力により傷口が凍り付き、出血がおさえられたのだ


(マンソン…?)

体温が奪われ意識が薄らいでゆく。
崩れ落ちるリュウセイの体をマンソンが支える。
その顔は既に鬼から優しさで包み込んでくれそうな雄々しくも慈悲深い父の顔になっていた。
舐めるようにマンソンはリュウセイの体をさする。


リュウセイにとってそれは一瞬、介抱だと思っていた。
だがその手が下半身に向かっていくにつれ、自分の大切な何かへの危機を感じた。

リュウセイその真意を知ったとき、既にリュウセイのズボンは下ろされ、そして服は乱され、




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''           llll''''




【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V GAME ♂VER】


此処まで述べるのが遅れてしまったが、何故この鬼が阿部鬼へと姿を変えていたのか。
理由は単純である。
見た目や思考まで殆ど同じな同名の参加者が居ては当然変化に欠ける。
その分、参加者の個性が失われ面白みが薄れてしまう。
それに同じ名前で同じ姿では参加者だけでなく、主催側まで混乱する原因となるからだ
こうした理由から青鬼の外見はいい男になった。
なおあくまで外見的な部分を弄っただけなので体の構造は青鬼と大差無い。

ともあれ性欲を満たした鬼は、また新たな男を求めて放浪を始めた。







【F-04/一日目・夜中】



【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩と背中に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除、肛門裂傷、仮死状態
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
    キー・オブ・ザ・グッド・テイスト、エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグV×V      
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:たいせつなものをうばわれた。
1:光写真館へ急ぐ。
2:もこみち死んだのか。
3:勝治、ケン、権兵衛…… 。
4:早苗達と合流。
5:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
※海東、ムラクモ、星君が危険人物と聞きました。
※またしても生きてました。
※幸い刺し傷は急所を外したようですが長く放置すれば命に関わるでしょう。
※光学迷彩スーツ@東方Project、氷輪丸@BLEACH
デイバック(基本支給品×2(食料少し消費) お米@現地調達品、きゅうり@現地調達品、刀剣@現地調達
工具一式@現地調達、改造半田鏝@現地調達、肉焼きセット@モンスターハンターシリーズ)が付近に落ちています。

【阿部鬼@阿部鬼】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、不明支給品0~2、ハウリング・ロデオ・ドライブ
[思考・状況]
基本思考:???
1:すまない、ホモ以外はかえってくれないか!
※増殖♂能力は削除されています。
※男性を見かけると襲い♂ますが、女性には基本的に興味を示しません。
※ただし自身の補食(意味深)を妨害された場合は女性であっても殺害対象となり得ます。
※基本的に言葉は発しないようです。


【支給品解説】
「ハウリング・ロデオ・ドライブ@人造昆虫カブトボーグV×V」
いつもの四人としてリュウセイとともに活躍したシドニー・マンソンの愛機。
緑のカラーリングをメインとしたクワガタボーグである。
必殺技は「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ」







ーで、マンソンって誰だよ。



sm166:ニコロワγ流星群(後編) 時系列順 sm168:現人乱舞
sm166:ニコロワγ流星群(後編) 投下順 sm168:現人乱舞
sm166:ニコロワγ流星群(前編) 天野河リュウセイ sm:[[]]
sm154:殺し合いやめますか?人間やめますか? 河城にとり GAME OVER
sm147:大きすぎる…修正が必要だ… 阿部鬼(青鬼3) sm:[[]]




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