烏賊の見る夢は 墨よりも暗い暗闇じゃなイカ? ◆UOrG1KjxxY
「えっと、これってど、どうすればいいのかな~…」
暗闇の中、一人の少女がとぼとぼと歩きながらそう呟く。
お団子に結ったおさげを二つ乗せて、七森中学の制服に身を包んでいる。
少女は影が薄いとかキャラが弱いといったような心ない日本語に、日々心を痛ませている。
だから、同年代の少女に比べてそういう類の話題にはちょっと敏感だ。
その点を除けばどこにでも居そうな少女の名前は赤座あかりと言った。
お団子に結ったおさげを二つ乗せて、七森中学の制服に身を包んでいる。
少女は影が薄いとかキャラが弱いといったような心ない日本語に、日々心を痛ませている。
だから、同年代の少女に比べてそういう類の話題にはちょっと敏感だ。
その点を除けばどこにでも居そうな少女の名前は赤座あかりと言った。
「とにかく、京子ちゃんに会わないと~」
あかりが呟くのは一人の少女の名前、歳納京子。
年齢は14歳であかりの一つ上。あかりの幼馴染。
そして、あかりにとって――やがて視界に一つの人影が見えたことで、彼女の意識はそちらに向いた。
咄嗟に茂みに飛び込み、あかりは目を丸くする。
別の参加者が居る、と思いきやあかりは自分の目をちょっと疑うことになった。
年齢は14歳であかりの一つ上。あかりの幼馴染。
そして、あかりにとって――やがて視界に一つの人影が見えたことで、彼女の意識はそちらに向いた。
咄嗟に茂みに飛び込み、あかりは目を丸くする。
別の参加者が居る、と思いきやあかりは自分の目をちょっと疑うことになった。
「え、え!? なにあれ!!?」
あかりの前方に、水色に光る人影が映る。
だが、その人影からは、生えていた。
クネクネと、触手のようなものが何本も。
辺りを物色するかのように蠢く触手らしきものは、タコやイカのそれを連想させる。
タコイカ人間。思わずそんなフレーズが浮かんでしまう。
だが、その人影からは、生えていた。
クネクネと、触手のようなものが何本も。
辺りを物色するかのように蠢く触手らしきものは、タコやイカのそれを連想させる。
タコイカ人間。思わずそんなフレーズが浮かんでしまう。
(まあ…そんな単純すぎる名前はないよね。)
などと、くだらない事を考えながらもあかりはどうしようかと考える。
人影はどうやらこっちの方に歩いてくるようだ。
声をかけると危険だろうか。あいにく今の段階では判断がつかない。
そうしている間にも人影はどんどんと近づいてくる。
考えている時間はもうなかった。
人影はどうやらこっちの方に歩いてくるようだ。
声をかけると危険だろうか。あいにく今の段階では判断がつかない。
そうしている間にも人影はどんどんと近づいてくる。
考えている時間はもうなかった。
(そうだよ、あかりは今までのあかりじゃないんだから!!)
意を決してあかりが茂みから飛び出す。
この時点で人影はあかりの存在を気にとめてくれるだろう。
なにせこの暗がりで急に女の子が飛び出してくるのだ。
少しくらい影の薄い子でも、きっと、きっと気づいてくれるはずだ。
仁王立ちに構えるあかりは、さらに追撃の手を緩めない。
この時点で人影はあかりの存在を気にとめてくれるだろう。
なにせこの暗がりで急に女の子が飛び出してくるのだ。
少しくらい影の薄い子でも、きっと、きっと気づいてくれるはずだ。
仁王立ちに構えるあかりは、さらに追撃の手を緩めない。
「ゆるゆり主役の赤座あかりだよ! よろしくね!!」
親指から中指までを立て、おまけにバチコーンとウインクも決めてあかりは確信した。
決まった。これ以上にない強烈な自己紹介だ。
中学校での自己紹介もこれの10分の1くらい印象に残るものをしたかったな。
ちょっとそんな事を思っていたあかりは――気がつけば宙を舞っていた。
そして右頬がじんじんと痛い。
決まった。これ以上にない強烈な自己紹介だ。
中学校での自己紹介もこれの10分の1くらい印象に残るものをしたかったな。
ちょっとそんな事を思っていたあかりは――気がつけば宙を舞っていた。
そして右頬がじんじんと痛い。
「わ、わあああああああああああ!!」
あかりはようやく自分が殴り飛ばされたことに気づいた。
殴り飛ばしたものは青い触手。タコではなく、紛うことなきイカの触手だ。
それがあかりの右頬にクリーンヒットし、彼女の華奢な身体は軽く数十メートルは飛んで行った。
殴り飛ばしたものは青い触手。タコではなく、紛うことなきイカの触手だ。
それがあかりの右頬にクリーンヒットし、彼女の華奢な身体は軽く数十メートルは飛んで行った。
「す、すまんでゲソ! 急に飛び出してきたからびっくりしてしまったじゃなイカ!」
発光を解き、人影は流石に悪いと思ったのかあかりの方に駆けよっていく。
あかりの身体を抱き起こし、軽く揺さぶってみる。
やがて人影の腕の中であかりの身体が動いた。
あかりの身体を抱き起こし、軽く揺さぶってみる。
やがて人影の腕の中であかりの身体が動いた。
「へ、平気だよ。だって、あかりはサーヴァントだもん」
「!?」
「!?」
人影の反応を見て、あかりは密かにほくそ笑んだ。
サーヴァント、それはある者は清浄の花を咲かせ、毒の鼻を咲かせ――るわけではない。
聖杯戦争と呼ばれる戦争に駆り出される、唯一無二の英霊の事である。
そして影が薄いと言われ続けたあかりが最近手に入れた、絶大的な個性の一つ。
もう特徴がないのが特徴とは言わせない。
ちょっと不思議な触手を持った少女では、サーヴァントたる自分の個性には及ばない。
そこまで考えてあかりはふと思い止まる。
サーヴァント、それはある者は清浄の花を咲かせ、毒の鼻を咲かせ――るわけではない。
聖杯戦争と呼ばれる戦争に駆り出される、唯一無二の英霊の事である。
そして影が薄いと言われ続けたあかりが最近手に入れた、絶大的な個性の一つ。
もう特徴がないのが特徴とは言わせない。
ちょっと不思議な触手を持った少女では、サーヴァントたる自分の個性には及ばない。
そこまで考えてあかりはふと思い止まる。
(……触手って、もしかして結構凄い個性じゃないかな?)
そもそも触手がついていること事態が可笑しい。
もっと目の前の少女をよく見てみる。
触手以外にも、頭にはおばけがつけるような帽子を、両腕には青色のちょっと変なリングをつけている。
服装は白のノースリーブ、靴はヘンテコな白いサンダル。
触手だけでなく、少女は普通とはとても言えない要素を沢山持っている。
すなわち、個性があった。
もっと目の前の少女をよく見てみる。
触手以外にも、頭にはおばけがつけるような帽子を、両腕には青色のちょっと変なリングをつけている。
服装は白のノースリーブ、靴はヘンテコな白いサンダル。
触手だけでなく、少女は普通とはとても言えない要素を沢山持っている。
すなわち、個性があった。
「それは良かったでゲソ。ちなみに私は海の使者、イカ娘でゲソ」
「う、海の!?ってイ、イカ!?」
「う、海の!?ってイ、イカ!?」
おまけに名前もびっくりだ。
イカってあのイカだよね、そもそも日本人じゃないの、などなど様々な疑問が過る。
だが、なによりもあかりが思った事はたった一つ。
イカってあのイカだよね、そもそも日本人じゃないの、などなど様々な疑問が過る。
だが、なによりもあかりが思った事はたった一つ。
(せ、せっかくサーヴァントになったのに、あかりよりも特徴あるよ~!)
それは誰にも聞いてもらえない、不憫な叫びだった。
◇ ◇ ◇
「なるほど。お主もよくわからない内に連れてこられたというわけでゲソか」
「うん。あかりも気がついたらここに居て…」
「うん。あかりも気がついたらここに居て…」
腕組をしながら青髪の少女、イカ娘がそう呟く。
何かを思案しているようなイカ娘の表情をあかりはまじまじと見入る。
顔立ちも人間のそれであるし、両腕両脚ちゃんとある。
変な触手に目をつぶって、同じ制服を着れば七森中に居ても可笑しくなさそうな気がする。
しかし、イカ娘は彼女の話からすれば人間ではないのだ。
何かを思案しているようなイカ娘の表情をあかりはまじまじと見入る。
顔立ちも人間のそれであるし、両腕両脚ちゃんとある。
変な触手に目をつぶって、同じ制服を着れば七森中に居ても可笑しくなさそうな気がする。
しかし、イカ娘は彼女の話からすれば人間ではないのだ。
「それにしても人間共は海を汚すだけでなく、自分達で自滅し合って…ほんとうに救いようがないじゃなイカ」
「そ、そうだね」
「まったく、やっぱり下等な人類を支配するのは、海の使者である私に相応しいでゲソね」
「そ、そうだね」
「まったく、やっぱり下等な人類を支配するのは、海の使者である私に相応しいでゲソね」
海からの侵略者と言っていたがあかりにはどこまでが本当なのかわからない。
人類侵略のための拠点で着実に活動しているらしいが、一体どんな恐ろしいことをやっているのか。
まさかこんな侵略者も居るなんて。
あかりは改めて世界の広さを思い知らされたような感覚を覚えた。
人類侵略のための拠点で着実に活動しているらしいが、一体どんな恐ろしいことをやっているのか。
まさかこんな侵略者も居るなんて。
あかりは改めて世界の広さを思い知らされたような感覚を覚えた。
「どっちにしろこんな事に付き合う必要はないでゲソ。このお返しは、あやつらにきっちりさせてもらおうじゃなイカ!それでお主……えーっとあかりよ」
「え、何かな?」
「え、何かな?」
出会ったばかりの人に、下の名前を呼ばれるのはあかりにとっては初めてだ。
しかし、不快感はなかった。
物騒なことを言ってのけるイカ娘には不思議な愛嬌をふりまいている。
あかりの両頬がほんのりと桜色に染まったことに、きっとあかり自身も気づかない。
イカ娘も同じように全く気づかずに話を続けた。
しかし、不快感はなかった。
物騒なことを言ってのけるイカ娘には不思議な愛嬌をふりまいている。
あかりの両頬がほんのりと桜色に染まったことに、きっとあかり自身も気づかない。
イカ娘も同じように全く気づかずに話を続けた。
「あかりの言う聖杯戦争とやらもよくわからないでゲソ」
「あ~…あかりもまだ参加したばっかでよくわからないんだ。京子ちゃんならもっとわかるかも」
「あ~…あかりもまだ参加したばっかでよくわからないんだ。京子ちゃんならもっとわかるかも」
聖杯戦争はサーヴァントとマスターの二人一組で行われる。
だが、色々あってやっと英霊として現界したばかりのあかりは完全に聖杯戦争について把握していない。
その点ではあかりのマスターである京子の方が、まだ望みはあるかもしれない。
だが、色々あってやっと英霊として現界したばかりのあかりは完全に聖杯戦争について把握していない。
その点ではあかりのマスターである京子の方が、まだ望みはあるかもしれない。
「わかったでゲソ。じゃあその京子とやらを捜そうじゃなイカ。私も、私の部下がどこかに居るのなら会いたいでゲソ」
要するにイカ娘は一緒に行動しようと言っているのだ。
あかりにとっても、わからないことが多すぎるこの状況では知り合いを捜すことは問題ない。
しかし、侵略者を名乗る人物と一緒に居てもいいのかと一瞬あかりは悩むが、すぐにあかりは決断した。
あかりにとっても、わからないことが多すぎるこの状況では知り合いを捜すことは問題ない。
しかし、侵略者を名乗る人物と一緒に居てもいいのかと一瞬あかりは悩むが、すぐにあかりは決断した。
「わかったよ。これからもよろしくね!えーっと…イカちゃん?」
「うっ、その呼び方はあやつを思い出してしまうが、別にいいでゲソ」
「うっ、その呼び方はあやつを思い出してしまうが、別にいいでゲソ」
少し話してみただけだが、あかりにとってイカ娘は悪い存在には思えなかった。
言葉遣いは少し威張った様子があるが、やはり実年齢は同じくらいだろう。
むしろどこか放っておけない雰囲気を漂わせている。
言葉遣いは少し威張った様子があるが、やはり実年齢は同じくらいだろう。
むしろどこか放っておけない雰囲気を漂わせている。
「あかりを、私の部下にしてやるでゲソ! 私達であやつらの総てを侵略しにいくでゲソ!!」
「は~い」
「は~い」
だからイカ娘の宣言に苦笑いではあるものの、あかりは応えることが出来た
なんだかこの子、可愛いなぁと思いながら。
なんだかこの子、可愛いなぁと思いながら。
◇ ◇ ◇
イカ娘。それは海の怒りの代弁者とも言える存在。
海を蔑ろにする人類へ侵略を誓い、海からやってきた使者である。
しかし、総人口約64億とその数は途方もなく多い。
イカ娘の力で人類侵略を行うのは正直無謀だろう。
そう、あくまでも64億総ての人間を一気に――という話しに限れば。
海を蔑ろにする人類へ侵略を誓い、海からやってきた使者である。
しかし、総人口約64億とその数は途方もなく多い。
イカ娘の力で人類侵略を行うのは正直無謀だろう。
そう、あくまでも64億総ての人間を一気に――という話しに限れば。
一般社会にある程度名を馳せた人間の何人かは、既に彼女の存在に目をつけている。
ある者は彼女の姿を一日中眺めることを望んだ。
またある私立大学では彼女の侵略を甘んじて受け入れた。
またある報道機関は進んで彼女の広報活動を行った。
他にも、彼女に心を奪われた人間、団体、機関は多数存在する。
それは、まるで夜空に広がる星の数のように多い。
ある者は彼女の姿を一日中眺めることを望んだ。
またある私立大学では彼女の侵略を甘んじて受け入れた。
またある報道機関は進んで彼女の広報活動を行った。
他にも、彼女に心を奪われた人間、団体、機関は多数存在する。
それは、まるで夜空に広がる星の数のように多い。
侵略の速度はあまりにも速く、それでいて強力だ。
この一瞬でさえも侵略の進行は計り知れない。
まさに侵略のカリスマ、侵略者としてなるべく生まれた存在と言えよう。
そして、その侵略の手は、個性のない少女にも届き、このバトルロワイアルにも伸びていく。
この一瞬でさえも侵略の進行は計り知れない。
まさに侵略のカリスマ、侵略者としてなるべく生まれた存在と言えよう。
そして、その侵略の手は、個性のない少女にも届き、このバトルロワイアルにも伸びていく。
――1日目午前零時過ぎより、侵略開始。
【E-09 中部/一日目・深夜】
【赤座あかり@ゆるゆり(Fate/Zeroにアッカリ~ン(アッカリ~ン出張シリーズ))】
【状態】健康
【装備】七森中の制服
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考・状況】
基本:ここから脱出
1:とりあえずイカ娘と一緒に知り合いを捜す。京子優先。
2:イカちゃん可愛い
【備考】
※一応サーヴァントです。詳しくは未だ不明。
【赤座あかり@ゆるゆり(Fate/Zeroにアッカリ~ン(アッカリ~ン出張シリーズ))】
【状態】健康
【装備】七森中の制服
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考・状況】
基本:ここから脱出
1:とりあえずイカ娘と一緒に知り合いを捜す。京子優先。
2:イカちゃん可愛い
【備考】
※一応サーヴァントです。詳しくは未だ不明。
【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】健康
【装備】いつもの服
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考・状況】
基本:総てを侵略し尽くすでゲソ!
1:とりあえずあかりを引き連れて部下を増やす。
【状態】健康
【装備】いつもの服
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3
【思考・状況】
基本:総てを侵略し尽くすでゲソ!
1:とりあえずあかりを引き連れて部下を増やす。
参考動画
【Fate/Zeroにアッカリ~ン】
あかりがFate/Zeroの動画に違和感なく出てくる動画。
あかりがサーヴァントである唯一の理由。能力はこの動画で想像してほしい。
ちなみに「アッカリ~ン出張シリーズ」のタグで色々なあかりが見れるぞ!
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm16006688
【Fate/Zeroにアッカリ~ン】
あかりがFate/Zeroの動画に違和感なく出てくる動画。
あかりがサーヴァントである唯一の理由。能力はこの動画で想像してほしい。
ちなみに「アッカリ~ン出張シリーズ」のタグで色々なあかりが見れるぞ!
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm16006688
【イカ娘の侵略実績のご紹介】
イカ娘の侵略の軌跡がわかる動画。
二期もやったのできっとこれ以上に侵略は進んでいるだろう。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12964870
イカ娘の侵略の軌跡がわかる動画。
二期もやったのできっとこれ以上に侵略は進んでいるだろう。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm12964870
sm16:北斗の三男を世紀末のおもちゃが見たぁ | 時系列順 | sm18:Rated-RKO |
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赤座あかり | sm62:攻略せよ呪いの館 第一章 | |
イカ娘 | sm62:攻略せよ呪いの館 第一章 |