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小さな狼煙――人恋し妖怪―― ◆FbzPVNOXDo



「良いぞ……もっと殺し合え」

16人だか17人だか分からないが、いいペースで死んでいる。
この様子なら、一日で参加者の大半は死ぬんじゃないか。
しかし現実は非常とでも言うか、こう喜んでばかりも居られない。

「本当なのかベネット?」
『ああ、情報が漏れた』

かなり面倒な事になった。
誰か知らないけど、本部の情報を勝手に盗み見た奴が居るらしい。
今のところ、主催連中を全員調べているらしいが……。

「まっアイツしかいないだろうけどね」

さて処刑に向かうとしよう。
反乱者は生かしておかない。この宴は始まったばかりなんだ。
無粋な真似をして水を差すのは忍びないからね。

「また僕の名前が……嫌がらせかな」
「さあ、だとしたら随分と性格の悪い主催も居たものですね!」
「こんな殺し合いを開く時点で、性格も何も無いと思いますけどね」

権兵衛の背で勝治とシャーロックは、先程の放送について各々思った事を話し合う。
まず最初に話題になったのは知り合いの死についてだが、少なくともこの場に居る三人の知り合いの名は呼ばれなかった。
その事に安堵するも、やはり最期に呼ばれた勝治の名前については如何に権兵衛の頭脳を以ってしても、真意を見切ることは出来なかった。

「参加者の混乱を招く為でしょうか? いやそれにしても……」
「他にもっとやりようはありますよね。何で僕なんだ?」
「分かりませんね~」

呑気に会話を続ける三人を余所に辺りは随分と悲惨な状態になっていた。
倒壊したMOCO'Sキッチンスタジオ。抉れた地面、薙ぎ倒された木々。
瓦礫が散乱し、嫌でもこの辺りで大規模な戦闘があった事が分かる。

「……リュウセイ君、無事ですよね」

シャロは先程までの元気が嘘のように静かな声で呟く。
やはり、この惨状を見て気が滅入っているのかもしれない。

「大丈夫だよ。リュウセイ君は強い。
 なんたって最強のボーグバトラーだからね」
「そう、ですよね。御免なさい、私……」

励ます勝治だが、その当人も顔こそ笑ってはいるが内心は違う。
不安だらけの筈だ。
こんな時に、気の効いた台詞の一つも言えない自分に権兵衛は嫌気がさす。
それを振り払うように、ただ自分は走るだけだ。何もかもが手遅れになる前に。

「やあ、譲治だよ」

男の声をしたドレスに身を包んだ女だった。
瞬間移動でもしたかのように、突然現われたその女に二人と一匹は警戒する。

「実はルシフェルという参加者を探していてね」

女はただ淡々と探し人を聞き。二人と一匹は聞き慣れぬ名に首を傾げる。

「知りませんよ」
「そっか、じゃあ――」

男声の女が質問しそれに勝治が答えた直後、飛んできたのはナイフ。
突如現われた銀色の物体。
先端をこちらに向け、風を切り突き進んでくる。
文字通り突然だ。遠くから狙いを着けて投擲したのではなく“突然”男声の女と共に現われた。
三つのナイフが二人と一匹の脳天目掛け飛んでくる。
二人と一匹は、そのナイフの動きがとてもゆっくりと見えるのに、体が反応しない。
これが俗に言う走馬灯とでも言うのだろうと、何処か他人事にように思える。

「やれやれだな」

ふと視界が元に戻ったと思えばナイフは消え、男声の女が謎の爆発に巻き込まれ二人と一匹の前には黒い服を着た男が立っていた。

「あ、貴方は?」
「権兵衛だな? 悪いが自己紹介をしてる暇は無い。
 さっさと逃げてくれないか?」

怪訝そうな顔をする権兵衛。
だが、この男が自分達を助けてくれたのだろう。
一先ずは信用しても、問題は無いと判断した。

「ちっ、クマでも大した時間稼ぎにはならないか」

爆煙の中からカブトボーグを持ったクマが吹っ飛ばされてきた。
更に今度はあの男声の女がゆっくりと姿を現す。

「何の真似だ? 自分からのこのこ出てくるなんて」
「別に。ただ彼らを泳がせた方が面白いと感じたのでね」
「ハッ。知ってるぞ? お前だろ。首輪の情報を漏らしたのは」

譲治がスイッチのような物を持ち。
同時にルシフェルが指を鳴らし自らにかせた首輪を外す。
瞬間、何処からか爆音が聞こえた。

「首輪を……面倒な」
「どうせ爆破に来るだろうと思ってね」

譲治は舌打ちし数本のナイフを手に取る。

「なら、直接殺してやるよォ。ルシフェル!!!」







―――


譲治がルシフェルに気を取られている内に権兵衛達はヨコハマ埠頭近くにまで来ていた。
辺りに人の気配は無く、ここならば多少は安全だろうと権兵衛は急かす足を止めた。
暫くの休憩の後勝治が口を開いた。

「な、何だったんでしょうか。さっきの?」
「恐らくは仲間割れでしょうね」
「仲間割れって……どうして?」
「さあ理由までは……」

あの二人の対話を見る限り、仲間割れである事は間違いない。
彼らの内部事情までは把握していないが、何かあったということか。

「うーん。あのルシフェルって人が主催者なら、何で私達を助けてくれたんでしょうか……」
「僕達が殺される事で、何か都合の悪いことがあったとか……」
「分かりませんねー」

権兵衛は立ち上がりシャロへと近づいてきた。

「どうしたんですか?」
「シャーロックさん……良いですか? これからは勝治君と二人でリュウセイ君を探してください」
「え?」
「私はあの男声の女の方へ戻ります」
「そんな、馬鹿な! 自殺行為だ!」

勝治が声を荒げ叫ぶ。
当然だ。あの男声の女はただの人間じゃない。
権兵衛一人では死にに行くようなものだ。

「ですがまたとない好機であるのも事実です。
 そう、連中から主催側の情報を上手く聞き出す、ね」

今まで禄に有益な情報の入らなかった彼らにとっては主催側との接触はまたとないチャンスだ。
権兵衛の言いたいことも分かる。

「なら尚更僕らが……」

けれどもそれはとてつもない危険を孕んでいる事も事実。
権兵衛一匹に行かせる訳にはいかない。

「……勝治くん、シャーロックさん。貴方には貴方方にしか出来ない事がある。
 そして今、私は私にしか出来無い事を見つけただけです」

それでも優しげに権兵衛は笑う。

「シャーロックさん。誇ってください、貴方はあの名探偵シャーロックホームズの孫だ。
 必ず全ての謎は解けるはずです」
「権兵衛さん……」
「勝治くん、後は頼みます」
「ま、待って……」

会話を一方的に切り駆け出す権兵衛に、二人はただ見送る事しか出来なかった。








「ふっ……流石に、魔女とクマの二人を相手取るのは無茶だったか……」

胸に飽いた赤黒い穴、クマに開けられたものだ。
そこから血が抜けていく。
手懐けたと思っていたが、やはり所詮は畜生か。餌で簡単に譲治に寝返ってしまった。

(まあ、いい……。目的は達した)

主催者として殺し合いの進行を進める上で、首輪や殺し合いに関する情報を掻き集め、殺し合いからの脱出を志す信頼にたる人物に渡す。
何人もの参加者を見て、厳選し、そして見つけた。本来ならば時期を見てイーノックに渡したかったが、まあいいとしよう。
やっと終わりだ。ここから先は彼らの仕事。自分はもう眠りの時間だ。

『馬鹿な奴だ。適当に命令に従っておけば命は助かったものを』

どうやら、まだルシフェルに着けてある通信機は生きているらしい。
それをいい事にベネットが野次を飛ばしてきた。

「そう、だな……。だが一つ大事な事を忘れていないか?」
『何?』
「私は大天使だ。君達人間に縛られる道理は無い。……そうだろ?」
『そうかい』

身体が冷たくなる感触。なるほどこれが死か。
今まで何年、何百年、何万年と生きてきたが初めてだ。

「……中々悪くない」

死んだら私は天国に行くのか……あまり前と変わらないような気もするな。
まあいい。イーノック、もうすぐお前と同じ場所に行けそう、だ……。







驚いた。
私のディバックに違和感を感じたので中身を確認してみたら、見覚えの無いUSBメモリーがあったのだから。
どんな手品を使ったのかは分からないが。恐らくは、あの黒い服の男がやったのだろう。
彼が何の為に私にこれを渡したのかは分からない。
ただ殺し合いの破綻を願っている者というのは薄々だが分かった。

(すみません。シャーロックさん)

推測だが敢えて殺されることにより、あのルシフェルという男は自分自身をフェイクとして使ったのではないだろうか。
首輪の情報を盗み出したとなると主催から追っ手がくる。それに殺され情報を回収したと見せ掛け参加者へと流す。
その参加者の役として私が選ばれたのだろう。

(多分……貴方を悲しませることになるでしょう)

だが、ルシフェルの考えには一つ誤算があった。
いや慢心ともいえる。
彼が人では無い、圧倒的上位の存在だというのは一目見て分かった。
故にだ。ルシフェルは自らの力を過信し、あの男声の女を侮っていた。

「ふん、ルシフェルめ。無駄な小細工を……!」
「グオオ」

ルシフェルが思う以上に男声の女は優秀だった。
だからルシフェルの真意に気付き、胴長のクマを連れ私を追ってきた。
けれどこれではっきりした。
私に渡されたこのメモリーは何か殺し合いの破綻に繋がるものだと。

だからこそルシフェルが自身をフェイクとして扱ったように。

今度は私が囮になる。

「さて、持ってるんだろう? あれを」
「何の事でしょう?」

男声の女は笑う。
「お前など何時でも殺せる」と言わんばかりに。

「話の意図が読めませんよ」
「……消えて貰うよ。本当ならこんな事はしたくないんだけどね。――やれクマ」

――来た。
胴長のクマがカブトムシを模した玩具を投擲する。
あれは多分、リュウセイ君に見せてもらったのと同じカブトボーグだ。
確かにあれは変則的な動きをする。

「グォ!?」

ただし、それはあくまでチャージンをし地に車輪を着けてからの話。
その前の、僅かな滞空時間ならば直線的で単調な動きになる。
かわすのは難しい事ではない!

「何やってる! 早くこいつを――」

無駄なのかもしれない。
首輪の情報を流したのも、実はデマで我々の混乱が目的という可能性だってある。
仮に本当にルシフェルが裏切り者だとしても、主催者の圧倒的な力の前には屈してしまうかもしれない。

「や、やめ――」

私が取り出したのはバックから取り出し口に咥えているのは地球破壊爆弾。
名は物騒だが、威力は精々1エリアの半分を消し飛ばすのが精一杯らしい。
それで十分。既にピンは抜いた。後はただ待つだけ。
女の顔が歪み、やめろと問いかけるがもう遅い。もう私にすらこれは止められない。

――我侭ですね。シャーロックさん。
全て貴方に押し付ける形になってしまって。

――早苗さん。貴方にも涙を流させてしまうのでしょうね
謝っても許されることではないでのしょうが。謝らせて下さい。

――リュウセイくん、勝治くん
彼女達を守ってあげて下さい。貴方達は強い。


「ああ、もうそろそろか」


皆さん、後は頼みます。



「ふざけるなああああああああああこんなところでええええええええええええ!!!!」


消える前の蝋燭の様に大声を張り上げる譲治。
だがもう遅い。既に決着は着いた。
視界が真っ白に染まるなか……

「――戦人……」

一瞬だけ、あの男の姿を見た気がした。




E-3を眩い閃光が包み込む。
その場にあった全ての者は無へと帰る。
本部により、その様子を確認したベネットは爆破の影響で首輪の情報を記録したUSBメモリも消し飛んだと判断した。
事前の誰かに渡したという可能性もあるが。
少なくともあの“馬鹿”な探偵ごっこの雌ガキと貧弱小僧に渡すなんててことは有り得ないと考え、捜査は一旦打ち切りになった。

ルシフェルの過信と侮りが権兵衛がを死なせたのだとしたら。
今度はベネットの過信と侮りが彼らの首を絞めることになるのかもしれない。

ほんの僅かな一瞬。権兵衛は器用に口を使いこっそりとシャーロックのバックへある物を入れておいた。
小さな探偵のバックの奥底、静かに光るUSBメモリに気付く者はまだ居ない。









【ルシフェル@エルシャダイ】 死亡
【クマ@よもやま四方山】死亡
【権兵衛@幻想入り】 死亡
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】死亡

E-3の半分が消し飛びました。
権兵衛、譲治の遺体及び持ち物は一切残っていません。


【D-2/一日目・日中】


【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、USBメモリー@ニコロワγ(本人未確認)、ランダムアイテム0~1
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:リュウセイを追う。
2:リュウセイに勝治を会わせる
3:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
4:権兵衛さん……
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(中)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、ちょっと眠い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:リュウセイを追う
2:マミさん、リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。


【地球破壊爆弾@ドラえもん】
ドラえもんに出てきた数ある道具の中でもトップクラスのキチガイ兵器。
文字通り地球を消し飛ばせるが本ロワでは制限してある。




sm138:そうだ船に行こう 時系列順 sm142:私気になります!
sm138:そうだ船に行こう 投下順 sm140:きょうのわんこ
sm124:必ず無事で…… 松岡勝治 sm152:最期の戦い
sm124:必ず無事で…… シャーロック・シェリンフォード sm152:最期の戦い
sm124:必ず無事で…… 権兵衛 GAME OVER
sm119:激戦の!ソウル・バーニングバトル! 右代宮譲治 GAME OVER
sm130:何だ!ルシフェルっていい奴じゃん! ルシフェル GAME OVER
sm130:何だ!ルシフェルっていい奴じゃん! クマ GAME OVER
sm127:第二回定時放送 ベネット sm142:私気になります!




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