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激戦の!ソウル・バーニングバトル! ◆FbzPVNOXDo



体が冷たくなっていく……。
死ぬってどんな事なのか、今まで考えた事も無かったけど。
こんな寒くて、寂しくて、悲しいんだ。

――嫌だ。

死にたくない。

どうして、私が死ななくちゃいけないの?

私が何かしたっていうの?

顔が怖いから、容姿が醜いから、生きていちゃいけないというの?

何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
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私は何もしてない。

何もしてないのに、死ななくちゃいけない存在なの?

そんなのって、無い……。

酷い……。私は、生まれてなんてこない方が良かったの……?

『このゲームで優勝すればいい。ここで勝ち残るだけで美しい容姿が手に入る』

ああ、なんて甘い誘惑。

もし人を殺せば、私は、皆から……。

死ななくて、住むの……?


「死に、た、くない……」


必死にもがいて、届くかも分からない手を伸ばす。

その手を、しっかりと握り締められた。

体が楽になる。

体に温かさが戻ってくる。

生きているんだ。私、生きているんだ。

「今回ばかりは特別だよ? そら、弾幕でも撃って体の調子でも確認してごらん」

地べたに倒れこんでいた体を手で浮かせ立ち上がる。

凄い、あの傷が一瞬で治るなんて。

弾幕も……撃てる。しかも、私が思っている以上に調子もいい。

これなら、優勝できるかも。

「ふっ。早速、獲物が近くに居るみたいだよ?」

そんな私を見て、譲治さんは笑った





―――――――




「うーん、もこみちさんに、有野さん達と逸れてちゃったなあ」

頭を掻きながら研は呟く。
こんな事になるなら、もこみちに首輪を外して貰うべきだった。
まあ、間違いなく頭の中に爆弾はあるのだろうが、この首輪も外さなければ意味が無い。
しかし、今更中学校に戻るのも得策とは言い難い。
あの透明の恐らく、ジュラル星人が居るし、考えたくは無いが、そいつが聖達を殺害し待ち構えている可能性もある。
普段なら、スカイロッドで正面突破をするという手もあったが、そのスカイロッドは手元に無い。

「しょうがない。僕自身で首輪と頭の爆弾を外せるように調べよう」

となると、先ずはオリーブオイルの探索になるか。
にわかには信じがたいが、もこみちはオリーブオイルで首輪を外したらしい。
一体、どんな理屈なのだろう? 算数の苦手な研には、皆目分からない。
やっぱり、科学に詳しい人を探して、その人に首輪と爆弾は任せよう。

「何処に行こうか」

地図を広げ、オリーブオイルがありそうな場所を探す。

最初に目に付いたのは、MOCO’Sキッチン収録スタジオだがあそこは既に倒壊している。
この目で確認した、当事者なのだから間違いない。

次に目に付いたのは学校だが、これも無し。
家庭科室に行けばあるかもしれないが、さっきも言った通り戻る気は更々無い。

「適当な民家に行ってみるか」

この島には、地図に載ってない民家がちらほらある。
それらの中にオリーブオイルが置いてある家庭があるかもしれない。

地図を仕舞い、ついでに時間を確認する。
スペクトルアローの変装制限は解けた。戦闘になっても問題ない。

「おいガキ」

大柄の赤い衣服にヘルメットの男。
只者ではない。
その身に纏う雰囲気から、研は瞬時にそう察した。

「何です?」
「支給品を置いてきな。命が惜しかったらな」

この言いよう、殺し合いに乗った危険な参加者か。
多分、彼の言うとおりにしたところで、どちらにせよ殺されるだろう。
元より研は、そんな戯言を聞く耳など持たない。

「断る!」
「じゃあ、死にな!」
「それは僕の言う言葉だ!!」

太陽の光を吸収しスペクトルアローが輝く。

「チャージングGO!!!」

閃光の中から姿を現すチャージマン研。
それを合図に戦いの火蓋が切って落とされた。

ヘルメットの男、ジャギはその手に奇跡の部屋で入手した刃物を握り締め、研へと接近する。
対する研は、アルファガンの狙いをジャギへと定め光線を発射。
先手必勝とばかりに、互いの最初の行動は単純明快な攻撃。
しかし、一撃でケリを付けようと振るわれた刃物は空振りに終わり、必殺の光線アルファガンもジャギの肩を掠めただけに終わる。

「ちっ面倒だな!」

ガドロシューズによるジェット噴射による高速移動を用い研はジャギの刃物を避け
そのまま勢いを殺さず今度はジャギの真横へと移る。

「これで止めだ!」

再び放たれたアルファガン。回避するには時間が足りない。
ならばどうするか。否、悩む程の事ではない、簡単な事だ。防げばいい。
ジャギは刃物をそのまま光線へと叩きつける。
僅かに抵抗を感じるが構わず振り抜く。すると光線があらぬ方向へと逸れてゆく。

「馬鹿な」
「呆けてんじゃねえぞ!?」

一瞬にして間合いを詰め、肉薄したジャギの一閃が研の眼前を走る。
キンッという甲高い金属音と共に、刃物とアルファガンの銃身がせめぎ合う。
反応が僅かでも遅れていれば、今頃この刃物は研の体を抉っていたかもしれない。
だがそれも、少しばかり研の絶命への時間を稼いだに過ぎない。
ジャギと研の腕力は比べるまでも無く、ジャギの方が圧倒的に上。故にこの拮抗はすぐに崩れ去る。
迫り来る刃が、体に触れそうになろうかというところで、研のベルトが急回転し竜巻を生み出す。

「何だァ!」

突如生まれた、小規模の竜巻にも難なく反応し後方へ回避。
追う様に肉薄する竜巻。それを器用にかわしながら、ジャギは再び研へと攻め入る。

(まともに戦ってちゃ埒が明かない。ここは……)

ジャギが射程距離内まで近づいてくる。再び刃物を振り上げる。
同時に研のアルファガンも射出されるが、既にその攻撃は見切られている。
今度は肩すら掠めずかわし、振り上げていた刃物を力の限り振り下ろす。

「二次裏ベルト!」
「馬鹿が! 何度も同じ手が通じる……なっ?」

また同じ様に生み出された竜巻が、自分を襲うと予想したジャギだが、見事にそれは裏切られる事になる。
今度の竜巻は、ジャギではなく、ジャギの持つ刃物自身を狙っていた。
咄嗟の事に、流石のジャギも反応が出来ない。手の刃物は風に攫われ手放してしまい、無防備の状態に。
そして、ジャギへ向けられた、ガドロシューズのジェット噴射が襲い掛かってくる。

「がああああああ!!」

両腕をクロスし、皮膚を僅かに焼きながらも後退するジャギ。

「今度こそ止めだ!」

逆にその反動で十分な距離を取った研はアルファガンを構える。
この引き金を引けば、アルファガンの光線が敵を葬る。
研の勝利は確定した。










「――しまっ」









このジャギが魔法戦士として目覚めていなければ。




通常のジャギならば、ここで怒るなどして平静を保てず、軽いパニック状態に陥り、ここで研の手により脱落していただろう。
しかし、魔法戦士として目覚めたジャギは違う。冷静な分析で、すぐにに研の次なる一手を読んでいた。
故に後退しながらも、自分のディバッグから二本目の刃物を取り出し、それを投げた。
研の持つアルファガンへと向けて。

再度鳴らされた金属音。

研の手からアルファガンが零れ落ちる。

この好機をジャギは逃さない。

手放した刃物を回収し研へと振るう。

二次裏ベルトの竜巻も間に合わない。

刃物が、ゆっくりと研の体に触れ







「―――レッドアウト・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!!」






火を纏い宙を走り、ジャギへと突撃するそれはまさに隕石。


「何ィィ!!!」


刃物ごとジャギを圧倒的熱量パワーで弾き飛ばし、地面へと華麗に着地していったのはカブトムシを模した玩具。



「お前、確か最初に集められた時に居た……ケン? だったよな」
「君はあの時の!?」


遅れてやってきたその少年に研は見覚えがある。
あの赤いジャンパー、少し淀んだ瞳。
間違いない。最初に、それこそ殺し合いが始まる前に出会った、あの少年に違いない。

「何でここに?」
「オリーブオイル男を叩きのめしに来たんだよ。お前、知らないか?」

オリーブオイル……。恐らくしなくても、速水もこみちの事だろう。
今でこそ落ち着いているが、最初会った時など狂乱の極みで、危うく殺し合いに乗った参加者かと勘違いしてしまった程だ。
多分、この少年も自分と同じだろう。後で誤解を解いておいた方が良いか。

だが、それよりも先ずは――

「ガキがまた増えやがったかァ!!」

吹っ飛ばされながらも、見事な着地を決め、首をコキッと鳴らし叫びを上げるジャギ。

「ところでなんだ、あのおっさん?」
「ここは協力して、あのキチガイヘルメットを倒すしかないんDA!」
「断る。何故なら、俺には用事があるからだ!」
「逃げられると思ってんのか? このケンシロウから!!!」
「しょうがねえな。一緒にアイツ倒すぞ」
「まず名前を名乗るのが、礼儀だと思うんDA!」
「天野河リュウセイ。好きな物は、焼肉定食と銀ダラの粕漬けだ」
「アハハハッ、変な名前!」
「カッチーン。あったま来た」

「ふざけてんじゃねえ!!!」


横薙ぎへと走るジャギの一閃。

リュウセイが咄嗟にトムキャット・レッド・ビートルを盾にする事で、直撃こそ避けたがその衝撃は防ぎきれない。
堪らず研とリュウセイは吹っ飛ばされた。

「いってえ! あいつ……行け俺のトムキャット・レッド・ビートル!!!」
「くっそ……喰らえ、アルファガン!!!」

痛む体に鞭打ち、リュウセイと研のトムキャット、アルファガンに光線がジャギへと走る。
だが、遅すぎる。魔法戦士となったジャギを捉えるには、あまりにも遅すぎる。
向かってきたトムキャットを刃物で弾き、アルファガンの光線を体を傾けかわす。
そして、隙だらけになったリュウセイへ刃物を振るう。
しかしリュウセイも、ただの子供ではない。
十歳にして、ボクシング東洋太平洋チャンピオンを倒せる実力者にして、落下する軍事衛星すらも見切る程の動体視力を持つ。

「あっぶね!」

ジャンバーの端を僅かに切られながら、まさに紙一重といった回避を見せる。
その攻防の隙を研は見落とさない。舌打ちしながら、後ろへ下がるジャギへとアルファガンを発射。
忌々しそうに刃物で光線を弾くが、それも想定内。否、それが狙い。
研はアルファガンを持つ手を僅かに下へとずらす。刃物によって弾かれた光線が逸れ、再び光線がジャキへと向かって行く。
また刃物で弾こうにも、研が狙ったのは足元、間に合うはずも無い。


「甘いんだよ!」

だが、足りない。
魔法戦士QMZを倒すには、こんな小細工だけでは足り得ない。

ジャギが取った、次の行動は意外にもジャンプ。空高く飛躍したのだ。
確かに、それならアルファガンは回避できる。アルファガンだけならば。

「貰った! レッドレッド・メテオバースト!!!!!」

だが、いくら魔法戦士といえど空中では身動きが制限される。
故にそこを突き狙い撃ちされればどうなるか。
少なくとも、天野河リュウセイはそんな事が分からぬ程の馬鹿では無いし、それを見逃すほどのお人好しでも無い。

一旦手に戻したトムキャットを再度チャージし上空のジャギへと狙い投げる。
瞬間、トムキャットを炎が包み、その炎が紅き虎を形成し、ジャギを飲み込んだ。

「うっわーやっつけちゃったよー」

炎に包まれ、地へと落ちていくジャギを見て、リュウセイは勝利を確信し軽口を叩く。
だが、その軽口も次の瞬間、驚愕と、悲鳴へと変わる。

「いや、駄目だ。あいつはまだ――」
「え?」

研の声を遮るかのように、炎の虎の首が舞う。
同時にトムキャットが力なく地面へと落ちていく。

「!? うああああああああああああ!!!!」

更に炎の中から、一本の刃物が投擲されリュウセイの左肩を貫く。
激痛のあまり膝を突き、肩を抑えるリュウセイの前には、炎に包まれながらも以前変わりなくジャギが立っていた。
その手がリュウセイへと触れようとした時、研がアルファガンを放つ。

「アルh「遅ぇ!!!」

アルファガンを射出するよりも早く、研の鳩尾へジャギの拳がめり込む。
肺の空気が全て外へ絞り出され、カエルの泣き声の様な呻きを上げ、その場に倒れこんでしまう。
その様子を確認したジャギは、ぱっぱと両手を叩き、また何度か首を鳴らすと、リュウセイの肩の刃物を引き抜く。

「ぐっ……」

小さい悲鳴が上がるが、気にするほどの事ではない。
どうせ、全員この場で消すのだから。

「ったく、てこずらせやがって」

赤く染まった刃物をリュウセイと研に向け、ジャギはそう愚痴った。
だが、これで最後だ。散々てこずらしたくれた、ガキ共はここで死ぬ。
自分が殺す。この手でだ。

死だ。明確な形を持った死が二人に迫ってきている。

それを彼らは何処か、理性ではなく本能で、理解してしまった。

自分達はもう、ここで、終わるのだと。




『リュウセイ君、君はそんなところで終わるような、人間じゃ無いだろう?』
『そうだ、戦えリュウセイ!』
『☆HO★! リューセーイクーン、スッゴイ、イタソウー、ダイジョウブ?』
『天野河リュウセイ、我が息子よ。貴様が死んだお陰で、我が世界制服を阻む者はもう居ない』
『ノー!!セッカイ、セイフク? タッスケテー!!! リューセーイクーン!!!』
『タスケテー、タスケ・・・オーノー!!!!!!!!』
『リュウセイくん。私、貴方が辛い目に合うのは、もう耐えられない!』

(――ロイドさん、ウザい)




『そぉい!」
『あら西野君、まだ早いですよ?』
『お兄ちゃん! 頑張って!!』
『頑張れ頑張れ、研坊! これは殺し合いだど!」
『こんなところで死ぬなんて、パパは絶対に許さないからな!』
『研、お夕飯作って待ってるわ……』
『ちわーチントン亭ですが、チャーシュー麺三つ持ってきました』

(なんだぁ、ラーメン屋さんかぁ……)

『いったいなにがどうなってんの?』





これが、走馬灯という奴か。

この場に居ない筈の、友人が、家族が、恩師が、ラーメン屋さんが、次々の自分に語り掛けてくる。
それに嫌に周りの流れがゆっくりに見える。
ジャギの動きが、まるで止まっているかのようにスローに見える。

それでも、二人は動くことが出来ない。目に見えるスピードに体が着いて行かないのだ。
頭だけが、高速で回転しているせいだろう。




『そうか、所詮その程度の男だった訳だ。天野河リュウセイ』

(お前は……ジョ……山田一郎!!)



『研は亡き者となった。諸君! 我々、ジュラル星人の勝利だ!!』
『オー』
『オー』

(ジュラルの魔王!?)


ここで死んだら、どうなる?

死んだ勝治とケンの仇も討てないまま、最強のライバルとの決着も着けられず、ここで朽ちていくのか?


「……俺は、ここで負けるわけにはいかない! 何故なら、俺には絶対に負けられない理由があるからだ!!!」


リュウセイの叫びに応えるかのごとく、トムキャットの瞳に光が戻り、赤いオーラを包み再び車輪を回転させ走り出す。




ここで、死ぬわけにはいかない。

それこそ、ジュラル星人の思う壺。魔王と決着を着け、奴らを滅ぼすまで、自分は闘い続けなければならない!


「そうだ、ジュラル星人を許すわけにはいかないんだ!!!」


アルファガンを握り締め立ち上がる。だが、光線を撃ってもこの距離では間に合わない。
いや、撃つ以外にも、使い方はまだある。


「まだ足掻く気か!」


研はジャギの刃物を、またアルファガンの銃身で受け止める。
しかし、腕力では研はジャギには及ばない。
今度は僅かな拮抗もせず研が押されていく。
そう、研はジャギには勝てない。


「行け、俺のトムキャット・レッド・ビートル!!」

そう研一人なら。

ここにはもう一人居るではないか。

一人で駄目なら、二人ならどうだろうか。

「ちっこの……」

リュウセイのトムキャットが地をはねジャギへと前進。
ジャギの手には、一人ではなく二人分の重みが圧し掛かった。
一人では軽かったそれは、今は何倍、何十倍にも膨れ上がっている。
1+1=2とは限らない。
彼らの、彼らの戦うべき理由、生き残らなければならない信念が合わさった時、それは無限の力を発揮する。

「ぬおおおおおお!!!」

耐え切れず、ジャギは遥か後方へと吹っ飛ばされる。
思わず、安堵の顔を浮かべたリュウセイと研だが、まだ油断は出来ない。
何故なら、ジャギは吹っ飛ばされながらも受身を取り、その両足で立ってまだ生きているからだ。

「リュウセイ君、次の一撃で決めよう」

もう、体力も変装出来る時間も、残り僅かだ。
次で仕留めなければ、こちらに後は無い。

「どうすんだよ? バラバラに攻撃しても、アイツには効かないぞ」
「だから、僕と君の攻撃を同時にアイツに当てるんだ。さっきのように」

さっきの様に、二人の力を合わせれば、ジャギにも勝てるかもしれない。
しかし、あれは謂わばまぐれのようなもの。
偶然が重なっただけに過ぎない。会ってから、大した時間の経過も無い彼らに、そんなコンビネーションは無い。
次、同じことをやれと言われても、出来るかどうか……。


「でも、それしかねえか」

トムキャットを自分の足元へ走らせ手に取ると、リュウセイはその場でチャージを始めた。
チャージ台ですらない、地面での不安定なチャージ。しかも、ジャギの様子を見るに三回が限度。
研もアルファガンの出力を更に上げ、標準をジャギへと定める。
この一撃を放てば多分変装は解け、また二時間置かなければ変装は出来ない。

「行くぞ!」
「うん!」

チャージインにより、リュウセイの手から離れたトムキャットが、弾丸の如き速さでジャギへと迫っていく。
それを追う様にアルファガンから発せられた光線が走る。

「これで終わりだ!」

眼前にまで迫った、トムキャットと光線を刃物で斬り付ける。
さっきは不覚を取ったが、落ち着いて対処すれば、こんなものに自分が負けるはずが無い。
それを証明するように、徐々にトムキャットとアルファガンが押されていく。
ジャギは勝つ。こんなガキ共に遅れを取ることなどもう二度とない。

「まだだあ!! レッドアウト・ゴールデンマキシマム・バーニング!!!!!」
「ビジュームベルト !!!!!!(二次裏ベルト)」

トムキャットの背後に、何かを測定している様なメーターが現れたかと思えば、炎を放ち加速する。
そして研が放つ竜巻が、その炎を更に燃え上がらせ勢いを増す。

「こんなものでえええええええ!!!!!」

荒ぶるジャギに反し、彼らはこれだけに留まらない。
トムキャットの発する炎にアルファガンの光線が加わることにより、パワーが上がり破壊力が増していく。
対するジャギは本体こそは、魔法戦士としての覚醒を果たしているものの、手に持つ刃物はただの刃物に過ぎない。
故に、この戦いに耐え切れず、砕け散るのは必然の道理とも言える。

「なっ馬鹿な……」

再び合わさった研とリュウセイの一撃は
眩き閃光でコンクリートを抉り、近くの民家、木々など全てを包み、燃やし尽くす、その姿はまさに灼熱の太陽。
武器が砕けたジャギは、すかさず刃物を取り出そうとするが間に合わない。
その灼熱がジャギを飲み込み、塵と化すにはそう時間は掛からないからだ。

「俺が、このジャギが、死ぬ?」

不思議と一度目と違い、二度目の死は落ち着いた気持ちで受け入れる事が出来た。
燃え逝く体を他人事のように思いながら――二度目の生を。

『ドラえもん、バトルドームも出たぁ』

(やかましい。死ぬ時くらい静かに)

『誰だぁ!』

(五月蝿い! 黙れ!!)

『あぁ!?』

(黙れ、黙れって言ってんだろうがアアアア!!!!)

何だ? この妙な苛立ちは何だ?
ここで死ぬ事が、それでケンシロウを殺せない事がそこまで悔しいのか。
いや、それもあるが、違う。ケンシロウの事など関係ない。
これはもっと違う。今まで、ジャギが感じたことの無い。未知の感情であり――それは

「クソがアアアアあああああああああ!!!!!」

ここで死ぬ? こんなちっぽけな太陽如きに包まれて、このジャギが!?

ふざけるな冗談じゃあない! 武器なんざ無くても、こんなもの素手で押しのけてみせる。

腐っても武道家であるジャギの最大の武器は、刃物でも銃でも無い、この鍛え抜かれた自らの肉体とそれに宿る、この拳なのだから。


「うおおおおおおおおおおおおおおおらああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

打撃の連打に次ぐ連打。一撃一撃毎に拳を炎が焼いていくが構わない。

ここで、こんな場所で負ける訳にはいかない。

本人は、絶対に認めないだろう。
だが、こちらにも背負っている物がある。引けない理由だってある。

ここで死ねばドラえもんの犠牲はどうなる?

あの姿を隠す卑怯者との決着は?

もしかしたら、ドラえもんを直す術だってあるかもしれない。

なのに、ここで倒れるなど有り得てはならない。


「トムキャット・レッド・ビートル! フルパワー!!!!!!!」
「アルファガン最大出力だ!!!!!!」
「舐めんじゃねえ!!!! ガキ共!!!!!!!」



三者の全力が放たれ、太陽は弾け、轟音と共に、目も開けられぬ程の閃光に包まれた。

















「――ん」


目を開け辺りを見渡す。

体は五体満足、トムキャットも自分の横で転がっている。

倒れた体を起き上がらせてみると、すぐ近くには研が五体満足で倒れていた。

「勝った……のか」

研の元へ近づき体を揺らしてみる。
死んではいない様だが、余程疲れたのか目を開ける素振りも無い。
仕方ない。目を覚ますまで、背負って運んでやるか。
放っておこうとも思ったが、一応共に戦った仲だ。

「しょうがねえな。こっちも疲れてるってのに」

「安心しな。すぐ楽になるぜ」

リュウセイの背筋に冷たい嫌な感覚が走る。

この声は、どうして、自分達は勝ったんじゃなかったのか?

「褒めてやるよ。この俺をここまで追い込むなんてな……。お陰でくたくただ」

戦う? 無理だ、もう体力も残ってない。

研を置いて逃げる? いや、こいつはしつこく追ってくる。

万事休す。手はもう無い。


「死ね」


ジャギの三本目の刃物が血に染まり、力なくジャギへともたれ掛かった。




「てめえ……」



「私って……どうして、こうなっちゃのかな……」


ただし、それはリュウセイでもなくれば研でもない。

少し前にジャギが殺したと思った筈の少女、風見幽香であった。


「でも、やっぱり駄目。人を殺すなんて……出来ないよ」


醜くてもいい。人に嫌われたっていい。

自分が綺麗になる為に、誰かを傷つけるなんて、耐えられないから。


「はや、く。逃げて……」

いくら大妖怪といえど、胸を貫かれれば長くは無い。

ジャギの腕を握り締めているが、すぐに彼は振りほどきあの子供達を襲うはずだろう。

それだけは何としても避けなければ。

「悪い。ありがとう、姉ちゃん」

リュウセイは、一言そう言い残すと研を背負い去っていく。

(フフ、心の底から、お礼を言われたのって初めてかも……)

心残りは無い。

最後に誰かの役に立てた。

生まれて初めて、お礼というものを言ってもらった

それだけで十分すぎる。

小さく笑みを浮かべながら、手のミニ八卦炉のスイッチを押す。

「なっ、これは――」

ミニ八卦炉の光を見て、ジャギも流石に不味いと判断するが、もう遅い。

光は爆発となり、幽香ごと全てを破壊し粉砕した。

彼女のフラワー伝説は幕を閉じた。

けれども、最後に一人の少年に、その真の優しさを刻み込んだ。







【風見幽香@フラワーマスター伝説】死亡






「つまらない展開だなあ」


譲治は舌打ちをしながら呟いた。

確実に幽香は殺し合いに乗った。そう思っていたのにやったのは、結局人助け。
何のために、彼女の傷を治してやったのか、これじゃあ意味が無い。

「ここのところ、ついてないね。まったく」

思えば堕辰子が帰ったり、ルシファーがまどかに殺されたりと碌な事が無い。
溜息を着きながら、譲治は、主催者として、知的な犯人として、次なる行動を考えるのだった。




【C-03 /一日目・昼】

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、気絶
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い、2時間変装出来ません)@チャージマン研!
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
0:……。
1:もこみちと組む。
2:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
3:変装できない間、身を守れる武器を探す。
4:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
5:頭の中に爆弾が!
6:ジュラル星人め許さないぞ!
※全てジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※頭の中に爆弾があると断定しました。(真相は不明)
※ジュラルの魔王が生きていると断定しました。(真相は不明)
※有野達、アルセーヌと情報交換しました。

【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、もこみちに怒り
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
1:逃げる。取りあえず、もこみちは保留。
2:ケン、勝治…… 。


【C-04 /一日目・昼】

【右代宮譲治(ジョージ・ベアトリーチェ)@譲犯シリーズ】
[状態]:健康  ベアトリーチェの姿
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、無線機、同行(アカンパニー)のカード@HUNTER×HUNTER×4枚、ランダム品3つ
[思考・状況]基本思考:主催者として行動
1:北西エリアの参加者を潰す。
2:さて、どうしようか。
※譲治の姿とベアトリーチェの姿、どちらにもなれることがわかりました。
※譲治も主催側、つまり犯人です。
※主催者側のため、ランダム品が五つ配られています。
※異界化に伴い、本来の力を取り戻したかもしれません。但し堕辰子が帰ってしまったので現在どうなっているかは不明です






「はぁ……クソ。あと、少し遅れてたら死ぬところだった」


近くの大木に背を預け、ジャギは体を休ませる。

ミニ八卦炉が爆発する寸前。既に幽香は事切れていた。
そこで力の無くなった拘束から逃れ、命からがら爆発を避けたわけだが完全に避けきれたわけでも無い。
僅かながら、ダメージも負ってしまった。
爆発に巻き込まれるのは、これで二度目だ。

「武器もあのガキに壊されたのと、爆発で消し飛んだので二本もなくなっちまった」

苛立ちに任せ、地面を殴ろうかとも思ったが、無駄な体力の消費を避けるために止めておく。

それよりも、これからどうするか。あの爆発を起した箱を取りに、あの場に戻ってみるか?
いや、あの様子じゃ箱も消し飛んでいるとジャギは思った。

「それに、あの箱より俺を影でコソコソ見てた野郎が気になるぜ」

丁度、幽香が現れた辺りからジャギは視線を感じていた。
一体何者なのだろうか? 確認してみる価値はあるかもしれない。

「だが、ケンシロウも気になる。さて、どうするか」



【C-04 /一日目・昼】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。





sm118:あいさつの決闘者 時系列順 sm120:A.O.青鬼は死なないのか? 最終鬼畜化け物青鬼
sm118:あいさつの決闘者 投下順 sm120:A.O.青鬼は死なないのか? 最終鬼畜化け物青鬼
sm112:渚先生「あらにちょり君。まだ早いですよ」 泉研 sm126:食戟のにとり
sm101:オリーブの恨みは恐ろしいって、ハッキリわかんだね 天野河リュウセイ sm126:食戟のにとり
sm107:損をするのはいつも優しい人ばかり ジャギ sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト)
sm107:損をするのはいつも優しい人ばかり 右代宮譲治 sm139:小さな狼煙――人恋し妖怪――
sm107:損をするのはいつも優しい人ばかり 風見幽香 GAME OVER




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