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正義の在処 ◆czaE8Nntlw



男の死体を前に、ありがとウサギは倒れるように座り込んだ。

「はぁ……」

安堵とも後悔ともつかぬ溜め息。“生き残る”という目標には確実に近づいているはずなのに、ありがとウサギの心には何故か拭い切れないモヤのようなものが浮かんでいた。

それはかつて自分があいさつの聖霊であった時に抱いた正義感なのか。そうだとすれば、これほど自分勝手な正義感もないだろう。殺人の瞬間には心の奥底に隠れていた癖に、時間が経ってみれば何食わぬ顔で己を責める。
なんという偽善だ。今までこんな偽善を抱きながら正義の味方を名乗っていたのか。

「……あんたは、どうなんだよ」

意味もなく、目の前に倒れている男に問いかけた。
この男を殺したのは自分だ。胸を貫く時の柔らかな手応え、小骨の折れる音。それら全てを感じた。
だからこそ、名前も知らないこの男に聞いてみたくなった。“あんたはどうして死んだんだ?”と。

「あんたは、それで満足なのか?生き残りたくないのか?自分が死んでも、仲間が生きていれば満足なのか?それが正義だと思っているのか?」

何故かは分からない。
ただ次々に疑問が湧いて出て、ひたすら目の前の男であったモノに問い続けた。

「おい……」

何度も、何度も問い続けた。それなのに男は何も答えない。

「答えろよ!!」

ありがとウサギの叫びにも男は答えない。
それが物凄く気に障って、ありがとウサギは男の腹を突き刺した。
怒りなのか、嫉妬なのか。そんな訳の分からない感情に支配され、男の身体中をありがとウサギは刺し続ける。

気が付いた時には、男の死体はもはや人間かどうかさえ判別出来ない程に損傷していた。

「……クソッ、なんてザマだ!」

その肉塊を目にしたありがとウサギは強烈な嫌悪感を抱いた。
男の死体を只の肉塊にした自分に、何も答えなかった男に。
殺し合いに乗ると決めておきながら、いざ人を殺せば後悔する。
殺し合いを否定し、あっさりと殺される。

詰めが甘いのだ。自分も、この男も。

目的の為には犠牲が必要だ。
犠牲にするのは命か信念か、と問われれば自分は信念を犠牲にする。
だから、もう止めよう。
あいさつの聖霊の誇りも、安い正義…いや、偽善も役には立たない。
生き残りたいなら、それらを犠牲にしなくてはならない。

ありがとウサギは地図を広げ、歩き出した。
目指すのは、「あいさつ広場」。
あいさつ坊やとありがとウサギの出会いの地であり、あいさつの聖霊としての出発点。
そこで、別れを告げる。
あいさつの聖霊としての誇りに、己の偽善に。

迷いを捨てる為に歩き出したありがとウサギの足取りは、何故かとても重かった。


【E-07/1日目・昼】

【ありがとウサギ@あいさつの魔法】
[状態]:疲労(中)、通常状態
[装備]:必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、ウォーロック@ストライクウィッチーズ、ランダム品(0~1)
[思考・状況]基本思考:優勝し生き残る。
1:迷いを捨てる為、あいさつ広場へ向かう。
2:遊星、研、もこみち、ムラクモを探し殺す。
3:生き残る事で、自分の正しさを証明する。





sm114:邪神×ウィッチ×騎士、泉にて 時系列順 sm117:(そのときふしぎな事が起こっちゃ)いかんのか?
sm114:邪神×ウィッチ×騎士、泉にて 投下順 sm116:只のお酒です、まったく問題ありません!
sm102:もげ!もげ!もげ!【プラシドの半身を】……もげ! ありがとウサギ sm118:あいさつの決闘者




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