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未来を選択する意思 ◆FTrPA9Zlak



鹿目まどかと暁美ほむら。
道をゆくちょっと(?)危ない魔法少女の二人。

まどかがこの場に来て気に食わないと感じた存在。門矢士とメイトリックス。
その存在が近くにあると感じ取ってはいたものの、3人という集団で動かれている以上警戒は必須。
ゆえに巴マミもといパシリ先輩と合流するまでは襲撃は見送るつもりだった。
遠くとはいえ彼らが移動するのを目にするまでは。

「あーもう!!ムカつく!!あいつら■■な■■で■■■しちゃえばいいのに!!」
「ま、まどか、落ちつい―きゃ!」

未だ生きている実物を見て苛立ちを抑えられなくなったのだろう。
声を張り上げ、年ごろの女の子が口にしてはならないような言葉を発するまどかとそれを抑えようと必死なほむら。

とはいえ、先ほど例のパッチをもってしても殺すことができなかった以上、そこからさらに不確定要素(イーノック)の増えた面々への襲撃をするのは躊躇われる。
隣にいる下僕がどれほど信用するかによって変わってくるものの、まだ自分で世紀末パッチを使用して戦ったほうがマシに思える。

(今持ってるのはこれに変な道具ばっかりだし、この動物もうっとおしいし、う~ん……うん?)

ふと思いついた。
こんなのでも有意義に使い切る手段を。今ある支給品で最大限の戦闘を仕掛ける手段を。


「ねえほむらちゃん。ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」


そんなやり取りがそう離れていない場所で行われていることなど知らない3人、士、メイトリックス、イーノックは海の家れもんを出発して北を目指していた。
道なりに進んでいったほうが早いが、そっちは禁止エリアに指定された場所なのだ。まだ先のこととはいえあまり通りたいと思う道ではなかった。

「それにしても確かイーノック、それとルシフェル、だったか。正直俺みたいなアメリカ人にはちょっと思うところもあるんだが…」
「気にすることはないと思うぞ。こんなところに呼ばれてる以上、神様も何もないだろう」
「士は日本人だからそういったことも気にしなくていいものなのかもしれないがな、俺たちにとっては――」
「大丈夫だ、問題ない」
「こいつ自身もそう言っているんだ、気にするな」

そんな会話を続けつつ、アザディスタン王宮に向かって歩いていた。
何でもない会話をしているだけではあるが、その中でイーノック、メイトリックスは士の様子を気にかけていた。
先の放送で名前を呼ばれた士の仲間。それを聞いたときの士の表情。

士自身も大丈夫だと言っており、気にしている様子は見せないようにしてはいるようだ。
逆に言えばそれを気にしているのは二人には一目瞭然なのだが。

ちなみに当初は武器のほとんどをメイトリックスが持っていた。
しかし持ちすぎていても宝の持ち腐れということでれもん出発前にはイーノックにその中の毘沙門天の槍を渡している。
士のほうは「あっても使いこなせるようなものはない」とのことでディケイドライバーと例の腕を持っているのみだったが。

そろそろエリアを超える辺りまで差し掛かっている。その先にあるのは士の始まりの場所、光写真館もある。
目の前には木々が生い茂った森が広がっている。

その時だった。

「にゃー」「ニャー」「オレハアンタニハナシガアッタンダ」
「!?」
聞こえてきたのは猫の鳴き声。そして士からすればどこかで聞いたことのある声。

下を見ると、白くてずんぐりとした猫、しましま模様の子猫、黒と白の滑舌の悪い猫がいた。

「…なんだ、猫か」
「一番いいのを頼む」
「どうしたんだお前たち?」

ずんぐりとした白猫を抱き上げる士。

「ほ~らよしよし」
「ウェェェェェェィ!!」
「この猫は何だ?何か喋ってるぞ」

と、その猫が謎の奇声を上げたと同時に士の腕の猫が暴れ始めた。

「ナズェミテルンディス!!アンダドーゥレハ!アカマジャナカッタンテェ゙…ウェ!」
「おい猫!どうした!?」

何か様子がおかしい。
猫はそれぞれ体を丸めて足をバタバタさせている。
もし滑舌の悪い猫の声がなければふつうに微笑ましい光景だったのだろうが、士は嫌な予感を感じた。
と、ふと空を見上げた時、一瞬桃色に光る何かが見えた。

「?!避けろ!!!」
「ギニャー!!」「ンナヅェダァ!ンナヅェダァ!ナヅェダァ!」

と、次の瞬間、猫の体が膨れ上がり―――


キ ン グ ク リ ム ゾ ン ! !



その瞬間のことをメイトリックスは後にこう語る。


  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『いきなり猫が膨れ上がったと思ったら、
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  触手の化物が現れたうえにいきなり光の矢が降ってきた。』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 催眠術だとか悪魔召喚だとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________

まどかの考えた作戦はこうだ。
AVセットに入った動物を媒介として3体の海魔を呼び出す。
しかしただ呼び出すのではなく、その術式のみを猫に組み込み、時間差で発動させるという形で。

そして猫が弾けたところでグロ映像規制としてキングクリムゾンを発動。
さらにその隙に大量の光の矢を一斉掃射する。

自身は呼んだ海魔の操作に意識を費やさねばならない。しかし乱射制圧であれば操作に意識を向けつつ無意識下で弓を引けばそれでいい。

当然これで生き残ってしまった時のことも考えてある。
いや、むしろこれは相手を分断するための奇襲。本命はここからだ。

「ほむらちゃん、せっかく信用してあげたんだから、もし壊したり無くしたりしたら殺すからね♪」


「おい、大丈夫か!」
「…大丈夫だ」
「メイトリックス!おい!どこだ!!」

突如降り注いだ光の矢と出現した怪物。
それらの対応を一瞬のうちに、状況把握を後回しにしてまで行った3人。

しかしその結果分断されてしまったようだ。メイトリックスの姿が見えない。

「クソ、ディケイドライバーは…」

とバッグに手を入れるが、ドライバーが出てこない。周囲を見回すと、地面に落としてしまっているのが見えた。
それを取りにいこうとしたところで、落ちている方角から何者かの気配を感じ取った。

「お前は…、トキ?」
「あなた達に恨みはないけど、死んでもらうわ」

そこに立っていたのは黒髪で筋肉質な長身の男。
しかしその声は不釣り合いな女のものだった。

「その声、まさか…暁美ほむらか?!」

色々とおかしいが、まどかがラオウになったのだ、ほむらがトキになっていてもおかしくはないのかもしれない。
その後ろから来るのは、先ほどの触手の化物が二体。

「なるほどな。メイトリックスの方にも何か送ったってことか?」
「全てはまどかのため。死んでもらうわ」
「来るぞ!」
「一番いいのを頼む!」

飛び掛かってくる暁美ほむらの声をしたトキ。
イーノックは毘沙門天の槍を構えた。

「クソ、何だ!何が起こった!!」

士の声と自分の直感に任せて光の矢を回避したメイトリックス。
だが状況把握は間に合っていなかった。

いくらコマンドー部隊相手に無双の戦いを繰り広げたメイトリックスとて、突如目の前に現れた触手の化物相手にはまともに戦えるはずもない。
彼自身がアメリカ人であり、蛸を忌み嫌う文化の中過ごしてきたのも一因であろう。

3体の海魔はメイトリックスを狙って追跡を続ける。

「士!イーノック!!無事か!!!」

大声で二人の無事を確かめようとするが返事はない。
と、次の瞬間さらに光の矢がメイトリックスの元に降り注いだ。

「ぐおお!!」

直撃こそ避けるが、体の端々を無数の傷が覆っていく。
が、休んでいる場合ではない。後ろからは海魔が迫ってきているのだから。

起き上がって一度深呼吸。そして焦りや恐怖を抑える。

(…はぁ、落ち着け俺。大ショッカーだの神だの、信じられないことばっかり起きてきているんだ…。
 今更触手の怪物が何だってんだ…)

体にできた傷はメイトリックスの思考を返って冷静にさせた。
そう、あんなもの、その気持ち悪い外見に慣れさえすればどうということはない。

さらにもう一つ、さっきの光の矢が降ってきた方向。
どこにいるのか詳しくは分からないが、おそらくそっちに向かえばこいつらを操る何者かがいるはずだ。

と、次の瞬間、三たび矢が降り注ぐ。
が、今度ははっきりとどこからきているものかを視認することができた。

「あそこだな…!」
冷静に、矢と矢の隙間を縫って移動する。今度は一発ももらうことはなかった。
が、矢が降り終わった瞬間、頭上の樹から海魔が飛び降りてきた。

「舐めるなよ化け物ども!!俺を殺したきゃこの10倍は持ってきやがれ!!!」

メイトリックスはもう逃げることはせず、バッグから取り出したゲイボルグとGUN鬼の銃を手に、海魔達の中に突っ込んでいった。



ほむトキとイーノックの戦い。それはイーノックの劣勢を示していた。
いくらイーノックが戦い慣れしており、槍と素手という間合いの差もあったとしても、それがトキとの戦いに通用するものではない。
トキといえば北斗の拳においてはあのラオウが一目置くほどの実力をもつ男。そしてMUGENでは未だ狂キャラとして現役の存在である。
中身は違うと言っても、彼女自身長いループの中を戦い続けてきたベテランの魔法少女。トキの肉体であろうとそこそこ使いこなすことは可能だった。

加えて、

(もう、失敗は許されない。今度こそ必ず――)

レア様の時とは本人の気概が違いすぎた。

突き出した槍は当身で返され、そのまま有情断迅拳を放たれる。

「ぐあああああ!!」

イーノックの纏っていた鎧が1/3ほどまで砕け散った。

士はというと、ディケイドライバーを回収することに必死だった。
いくらなんでも生身で戦うことなどできない。そんな状態で突っ込んでも足手まといになるだけだ。
だがイーノックがトキと戦う一方で、こちらは2匹の海魔に襲われている状態である。

「くそっ!近寄れねえ!」

いくらメイトリックスにとっては大したことのない蛸野郎だとしても、生身の士にとっては脅威だ。
其為右手で触れればおそらくは消滅するであろう怪物。だがそれで触れようとすると、遠くから触手を伸ばしてくるようになった。
時折トキの方から地を這ってくる衝撃波も非常に鬱陶しい。

そして今異形の声を上げる海魔の触手に足を取られ、地面に倒れ伏す。
イーノックはトキとの戦いで膝をついて息をしている。

「イーノック!ここは逃げ――」
「逃がさないわ」

と、次の瞬間イーノックの傍にいたはずのトキは目の前に現れ士の胸に手刀を繰り出していた。

「ぐはぁ!」
拳に吹き飛ばされた士は海魔の蠢く近くに放り込まれる。
もしこの時まどかがメイトリックス側の海魔に集中していなければおそらく士は死んでいただろう。

「…どうして君は殺し合いに乗った?」

膝をついたままのイーノックは珍しく声を発しトキ、もとい暁美ほむらに問いかける。
拳をその身で受ける中で、彼女に幾度も触れることがあった。
だが彼女の心には浄化が必要な悪意を感じなかった。
いや、それだけならばまだいい。問題は、彼女自身の意志がかなり小さくなっているように感じたことだ。

「あなた達が生きていると、まどかは喜んでくれないの。だから殺すのよ」
「…まどか。あいつに会ったのか、あいつに何をされた!」

士は暁美ほむらが殺しあいに乗る可能性自体は考えていた。彼女ならば鹿目まどかのために乗らないとも限らないのではないか、と。
だがこの暁美ほむらは違った。’あの’鹿目まどかに乗せられ、殺し合いに乗り、人を殺そうとしているのだ。

「あいつなんて言わないで。まどかは私の全てなのよ、まどかのためなら、この手が血に濡れてしまおうとも構わない」
「違う!そんなものはお前の意志なんかじゃない!」

暁美ほむら。
鹿目まどかを救うこと、それだけのために己をループする時間の中に閉じ込めた少女。
その決断をするまでにはどれほど辛いことがあったか、どれほど傷ついたのか、士には測り知ることはできない。
だが、その決断を下す意志は、思いは何ものにも代えがたい大切なもののはずだ。
断じて、鹿目まどかが自分のために利用していい思いなどではない。

「暁美ほむら、お前はまどかを救うために戦い、繰り返してきたはずだ!お前の救いたかったまどかは本当にそんなやつか!?」
「うるさい!まどかは私を必要としてくれたのよ!私はそのために戦う!そのためなら私は強くなれる!」
「それは違う」

暁美ほむらの攻撃を躱しつつ、イーノックは静かに否定する。

「人の持つ唯一絶対の力、それは自らの意志で進むべき道を選択すること。
 他の人間に考えを任せて進むことじゃない。それは君の意志ではない」

その言葉はいつだったか、ルシフェルがイーノックに向けていった言葉だった。

如何に困難があろうと、自分の意志で進む道を選ぶ。
それはたとえ何ももたらさなかったとしても、何も成さなかったとしても。
その思いはきっとそれを選んだ人間自身の意志となり、力となる。

失った八代藍に誓い、全ての世界の全ての笑顔を守ると言った小野寺ユウスケのように。
正義の味方を目指して戦い、未来の自分すらも認めさせた衛宮士郎のように。
ふと、士の伸ばした手がディケイドライバーに触れる。ようやくであり、最高のタイミングだ。

「暁美ほむら!俺たちがお前の目を覚まさせてやる!
 だから、お前自身の戦いの意味、もう一度思い出せ!」
「黙れぇ!あんたは一体なんなのよ!!」

「俺か?俺はな――――

 通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!!!」

宣言と同時に、その手に握ったカードをドライバーに差し込む。

「変身!!」

KAMEN RIDE

D E C A D E ! !

ドライバーの音声が響き、襲いかかる触手を、暁美ほむらを光が弾く。

世界の破壊者、仮面ライダーディケイド。それが再びこの会場に現れた。

鎧をほとんど失っているイーノックがその隣に並び立つ。
と、次の瞬間、士のライドブッカーから3枚のカードが飛び出す。
ドヤ顔をしたイーノック、3つの武器の絵が描かれたもの、そしてEl Shaddaiとロゴの入ったカード。

「これは…、なるほどな。
 おい、イーノック」
「ん?」
「ちょっとくすぐったいぞ」

FINAL FORM RIDE EEEENOCH!!!!

「大丈夫だ、問題―うぉ!!」

背中に手をかざした瞬間、イーノックの姿は白く神々しい弓のような形に変化した。
それはアーチ。神の作り出した英知の一つ、いや、武器だ。

『これは…』
「行くぞ、あの悪ガキのお尻ペンペンをするまで付き合ってもらうからな」
『ああ。だが、そんな装備で大丈夫か?』

その問いかけは、かつて彼の友が問いかけてきた質問。
それに士は、

「一番いいのを頼む、だろ?」

そう返した。
目の前に飛び掛かってくる海魔の触手。それをアーチで切り払う。
レーザーのような光で切り刻まれた触手の破片は本体から離れた瞬間に消滅する。
神の光が異形の生き物を浄化したのだ。

それを見た瞬間、ほむトキが瞬間移動で攪乱しつつ接近してきた。
背後に現れたと同時、海魔の攻撃と同時に砕破拳を繰り出す。

「イーノック!」

次の瞬間弓状の武器、アーチは姿を変え、両腕に盾のようになって装着される。
ベイルとなったそれは両側から迫る触手を、砕破拳を防ぐ。

と、そのまま触手を掴み、海魔を引き寄せナックル型にしたその拳を叩きつける。
海魔は光と悲鳴をあげながら、ガラスのように砕け散った。

返す体で背後のほむらの攻撃を防ぐ。同時に反撃、しかし酔舞撃により返されてしまう。
吹き飛ばされるディケイド。しかし―――

『士』
「おう!!」

空中でベイルはさらに姿を変える。弓でも盾でもなく、今度はリング状の武器。
イーノックがガーレへと変化した瞬間、ディケイドの態勢が持ち直される。
空中制御をガーレにて可能にしたディケイドは、そのまま小型の弾を展開する。

6つのそれを同時に射出。海魔を、ほむトキを襲う。
3つにそれに撃ち抜かれた海魔は消滅。ほむトキは襲いかかる3つを流弧陣にて返そうとして吹き飛ばされる。
ガーレの判定は飛び道具ではなくいわば伸びるパンチ。それを流弧陣にて返すことはできない。

が、一対一においてのトキの恐ろしさは変わらない。海魔の脅威など、トキに比べれば物の数ではないのだ。
空中からの飛び蹴り、両手を合わせての突き。それを重ね合わせた弾で防ぐ。

「なら、ショータイムだ。ちょっとした奇跡を見せてやる」

高機動を生かして距離をとり、カードを挿入する。

ATTACK RIDE ILLUSION

3体のディケイドに分身。さらに両端のディケイドのイーノックはそれぞれアーチ、ベイルへと姿を変える。
先頭をアーチディケイドが攻め込み、その後方からガーレディケイドが援護、ほむトキの当身態勢を崩す。
素早さと遠距離、それぞれの利点を持つ武器に対し、ほむトキはガード態勢で隙をうかがう。
が、そこをすかさずベイルディケイドが殴り込み、大きな打撃でガード態勢をも崩す。

「く…」

流石の連撃に膝をつくほむトキ。
そのタイミングでイリュージョンは解ける。制限下ゆえか、どうも時間が短いようだが、まだいける。
そして、最後のカードを挿入する。
FINAL ATTACK RIDE EEEENOCH!!!

電子音と共に、ディケイドの背後に赤い巨体が姿を現す。
それはアークエンジェルの一人、「神の炎」、ウリエル。

[力を貸そう]
「行くぞ、お尻ペンペンタイムだ」

そして、ウリエルの炎を纏ったアーチをもってほむトキに急接近、切りかかり―――





一つの戦いが終わった。


「見つけたぞ」
「ウェヒ?!」

声を聞いて振り返るまどか。
その背後に立っていたのは、まぎれもなく筋肉モリモリマッチョマンの変態、メイトリックス。

全身は海魔との戦いにおいて浴びた自身と海魔、それぞれの血が入り混じっている。
片手に携えたゲイボルグには、3体の海魔を重ねて貫いており、加えてもう一体、全身蜂の巣になった海魔を肩にぶら下げている。

「すご~い。動物たち全部使ったのにみんな殺しちゃうなんて。10倍っていうのも嘘じゃないんだね」
「……」

そう、まどかはあの後進撃を続けるメイトリックスの元に、全ての動物を向かわせたのだ。
ポメラニアンを、ハムスターを、生まれたばかりの小鹿を、巨大な猿を。
そしてそのことごとくを、メイトリックスの目の前で海魔へと変化させてきた。
当然まどか自身には逃げるという選択肢も存在したが、あまりの凄さに気まぐれを起こしたまどかは改めて直接会ってみることにしたのだ。

「でも残念だなぁ。どうせ私には協力してくれないんでしょ?
 ジェニー、だっけ?娘さんが捕まってて助けなきゃいけないんだろうし」
「一つ質問させろ。お前は、何だ?」
「何って?あ、名前かー。ここまできたご褒美だし、教えてあげるね♪
 私鹿目まどか。よろしく」

ここまで会話して、メイトリックスは確信する。こいつとは分かり合えないと。

ここにたどり着くまで、目の前で体をはじけさせて死んでいく動物を山ほど見せつけられた。
ほとんどかわいらしい動物ばかりだった。ジェニーに見せたら喜んだことだろう。
そんな動物を、こんな残虐な手段で死に追いやる。メイトリックスには助けを求めるかのような目をした小動物の姿が忘れられなかった。

おそらく残虐性においてはベネットに匹敵するかもしれない。このような少女が。
最初はお尻ペンペンでもしてやろうと思っていたのだが、気が変わった。
あまり気の進むことではないのだが、こいつはここで殺す。

ゲイボルグに突き刺さった海魔を落とし、槍を構える。

「どうやらお前は最後に殺すとはいかないようだ、今殺してやろう」
「ウェヒヒ、ねえおじさん、私あなたのような強い人をこんなところで待ってたんだよ?
 何の準備もしてないと思うのかな?」

唐突にバッグに手を突っ込むまどか。
そして出てきた何かを目の前に投げる。
それは、最後に残ったAV動画セットの動物。ゴールデンレトリバーの子供。
メイトリックスと目が合った瞬間、一瞬助けを求めるような視線を飛ばし、またその体が膨れ上がり―――

キ ン グ ク リ ム ゾ ン !
「ハッ?!」

気が付いたら、目の前には海魔の死体が一つあるだけの光景。
鹿目まどかは遠く彼方の空中に飛び去っていた。
そして持っていたはずのゲイボルグもどこかへ行ってしまっている。
その遠くから叫ぶ声が聞こえた。

「またねー!!おじさんのことは生きてたら最後に殺してあげるからーー♪」
「クソ!!」

士からは鹿目まどかという少女は魔法少女なる存在と聞いていた。
どうもアメコミにでてくるキャラクターのような能力を持っているらしい。
もしそうなら、ここから追うのは難しいだろう。むしろこうやって相対して生きているほうがラッキーなのかもしれない。

ゲイボルグのほうはもう捨てていこう。血をあれだけ浴びても切れ味をかえない槍というのは貴重ではあったが、そこまで重宝することもない。

「士とイーノックも気がかりだ。早く合流をしないとな」

こうしてメイトリックスは、仲間との合流のため走り出した。

【H-05西部/一日目・午前】

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:アザディスタン王宮に向かう
1:士、イーノックと合流する
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。



「ふぅー、それにしても焦ったぁ~。まさか槍を投げてくるなんて」

ゴールデンレトリバーの子供を生贄にして魔力で飛んだまどか。
キングクリムゾンの方は、残り使用回数が3回と表示されており、使いどころを考えないといけない。
そして槍を慌てて回避したせいで首輪探知機も落としてしまった。
こっちは全体的に踏んだり蹴ったりだ。動物たちもみんな殺してしまったせいで召喚の餌は探す必要もある。
熱くなってしまうのも考えてものだ。

「まったく、ほむらちゃんはどうなってるのかな…。負けたりしてたら承知しないから」

と、まどかはほむらが戦っている辺りまで飛び続け、視認できる距離までたどり着く。

「……」

その光景を声もなく見守るまどか。そして―――

「ウェヒ」
笑った。

「ウェヒヒヒヒヒヒヒヒイヒ、ウィヒヒヒヒヒイヒヒヒヒャヒャヒャヒャ!!!!!
 やったねほむらちゃん、すごいよ!!!」

上機嫌に大爆笑を続けるまどか。その下に広がっていた光景は―――


――――――

士は、その時起こったことを瞬時に理解することができなかった。


ほむらは、ウリエルスマッシュで斬りかかるディケイドの一撃を受けた。
その一撃は手ごたえが少なかった。だがウリエルスマッシュは一撃で終わりではない。
さらなる連撃を掛けようとしたところで――――唐突に吹き飛ばされた。

ほんの数瞬。一般人ならまず視認できないし、戦い慣れしていても思うがままにできる時間ではない。
その瞬間、ほむらは刹活孔を放ったのだ。

そうして吹き飛ばされた士は、胡坐をかくほむトキの姿を見た気がした。
そして手をかざした瞬間、彼女の背から生えた黒い翼に体を拘束され、そして―――

「……イ、イー、ノック?」

放たれた闘気を、アーチから戻ったイーノックがディケイドの全面に出ることで受け止めたのだ。

体が少しずつおかしな方を向き始める。

「だ、大丈夫だ、も、問題、ない」

その言葉は、今まで聞いた中で最も当てにすることができないものだった。

「お前、俺を庇って…――」
「士」

少しずつ体が膨れ始め、首の向きもおかしくなりだしている。
それでもイーノックの顔は、士のほうをしっかりと向いて、こう言った。

「ルシフェルを、頼む」

ちにゃっ メザメタコーコロハー

【イーノック@エルシャダイ 死亡】



「イーノックウウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

絶叫する士。そして同時に解ける変身。

無防備な士に対し、ほむらは、

『ほむらちゃん、ここは一旦退くよ』
「まどか?うん、分かった」

念話で聞こえてきたまどかの声に従う。
そうしてほむらは、パッチを外し、その脚に既に装着してあるストライカーユニットで飛び去った。

あとに残ったのは、周囲に撒き散らされた体を構成していたであろうもの、そしてそれを茫然と見つめる士だけだった。

【H-04南部/一日目・午前】

【門矢士@仮面ライダーディケイド】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、胸部に打撲、茫然
[装備]:ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド(1時間30分使用不可)、ライダーカード一式@仮面ライダーディケイド
[道具]:基本支給品一式(水残り僅か)、ライダーカード(スペランカー)@ニコニコワールド、ライダーカード(イーノック)
    其為右手@真夏の夜の淫夢
[思考・状況]
基本:この殺し合いを破壊する
0:??????
1:イーノック……
【備考】
※一部の参加者について、ある程度の知識を持っているようです
※参加者本人若しくは参加者に縁のある道具を見ると記憶を思い出します
※ニコニコワールドのことを知っていますが、特にニコニコワールド出典の門矢士というわけではありません
※ライダーカード一式の中身は、カメンライドディケイド、アタックライドスラッシュ、ブラスト、ファイナルアタックライド、イリュージョンとなっています。
※ディケイドライバーは一度使うと1時間30分使用不可になります。
※世界が融合を始めたかもしれません
※制限が軽く緩和されました
※イーノックと通じ合ったことでイーノックのカードを入手しました。他の参加者でもカードを作ることができるかは不明です


「よくやったねほむらちゃん!もう最っ高!!
 あの目の前で仲間が殺されて驚いてる顔とかさー」
「……」

飛行して移動するまどかとほむら。
例の本のおかげでまどかの魔力は減らないし、ほむらの魔力もこれで節約できる。まさに一石二鳥の移動方法だ。

「とにかくご苦労様。それじゃ、ほむらちゃん、例のパッチ返して」
「分かった」

と、パッチをまどかに返すほむら。
空になった自分の手を見つめる。

また、レアに続いて人を殺した。
だがまどかはこうやって喜んでいてくれる。それでいいのだ。
これが、私の喜び、私の―――
『お前自身の戦いの意味、もう一度思い出せ!』
バチッ
『私ね、あなたと友達になれて嬉しかった。あなたが魔女に襲われた時、間に合って。今でもそれが自慢なの』
『もし私に何かあったら、エイミィのことお願いしたいんだ』
『私、魔女にはなりたくない。嫌なことも、悲しいこともあったけど、守りたいものだって、たくさん、この世界にはあったから』

何か脳裏にノイズが走った気がした。

『ねえまどか、この動物たち、どうするの?』
『うん?みんなにはね、この怪物を呼び出すのに生贄になってもらおうかなって。
 私のために死ねるなら、この子たちだって本望でしょ?』

違う、まどかは子猫の命を救うために魔法少女の運命を背負ったのだ。
周りを滅ぼすくらいならと、自分の死を望んだのだ。
こんな私を救えたということを、心の底から喜んでくれたのだ。
そして、私はそんなまどかを――――

「ほむらちゃん?どうしたの」
「えっ?」
「いや、何か考えてるみたいだったから」
「なんでもないわ。きっと」
「そう?じゃ、このままマミさんのところまで急ごっか。
 マミさんも仲間に引き入れることができたら、きっともっと便利になるし」
「……」

何か大切なことを忘れている気がした。
決して忘れてはいけない、大切ななにかを。


【G-05/一日目・午前】


【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×2、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、不明支給品0?1
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:マミさんと合流。
3:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
4:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
5:海魔召喚のための餌も探す
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1?2
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:何か大切なことを忘れている気がする。


※H-04~05西部の間の何処かにゲイ・ボルグ@Fate/stay night、首輪探知機が落ちています(同じ場所には落ちていないでしょう)




sm97:保健室へどうぞ!! 時系列順 sm101:オリーブの恨みは恐ろしいって、ハッキリわかんだね
sm99:ケンはそっち側に行くの?俺はどっちでもいいけど 投下順 sm101:オリーブの恨みは恐ろしいって、ハッキリわかんだね
sm96:主催者特権もいい加減にしろ!! 鹿目まどか sm114:邪神×ウィッチ×騎士、泉にて
sm96:主催者特権もいい加減にしろ!! 暁美ほむら sm114:邪神×ウィッチ×騎士、泉にて
sm87:対主催SPIRITS イーノック GAME OVER
sm87:対主催SPIRITS 門矢士 sm113:ニコロワγ~破壊者と野獣と時々、使徒~
sm87:対主催SPIRITS ジョン・メイトリックス sm110:聖夜♂サイレント・ホーリーコマンドー




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