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*夜のG-03を行く/逝く ◆nVZ6p0TCus
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ジュラル星人である星君が奇襲を仕掛けたことに驚いた読者はそう少なくないと筆者は考える。
というのも、ジュラル星人の特徴の一つに「行動が無駄に回りくどい」点があるのだ。
例えば、地球侵略の障害になりうる研を直接殺せばいいのに「わざわざ富士山まで呼び出した」り、
妹を洗脳させて研を暗殺させようとしたり、研を凍りづけにしながら家族を処刑しようとした(これは泉一家が持ってるロボットがきっかけで阻止されたが)、などなど。
他の話を見るとジュラル星人が何かしているところに研が現れて倒したり、結果的に戦うハメになるパターンが多く、直接研をおびき出すことはかなり稀だ。
今回は、そんなジュラル星人である星君がなぜ奇襲に走ったのか、彼が会場に飛ばされてからの思考と行動を追っていくことにしよう。
時はさかのぼって数十分前…………
ホールのような場所で目覚めた時、星君は周囲を見てすぐに分かったことがあった。
ここにいる大半は人間だ。そして今の自分は人間形態だと。
彼が目覚めたのは全体でもかなり遅い方で、自分の今の状況を把握した数秒後には正面に男女が現れて殺し合いを執り行うとの説明があった。
知り合いを探す余裕はなかった。が、数歩歩けば届くところに泉研がいた。
聞けばなんでも、この殺し合いに優勝すれば願いを叶えてくれると言うではないか。
真偽はわからない。ただ、最後の一人にさえなれば身の安全、というか最低でも殺し合いからは解放されるだろうと考えた。
僕がやるべきことは、生き残る、ただそれだけだ。
もしも願いの件が本当ならば、殺し合いの最中に魔王様の身に何かあったとしても地球をジュラル星人のものにできるし、
ひょっとしたらジュラル星を元の通りにすることもできるだろう。
気をつけるべきはチャージマン研だ。
そこまで考察した時、今度は森の中に自身はいた。
周りに誰もいないことを確認、すぐに屈んでデイパックの中の支給品を確認を開始。
奴らが言っていた基本支給品は全て揃っていた。ランタン、時計、コンパス、異常なし。
すぐさま基本支給品をしまう。後に残るはランダム支給品と呼ばれていたアイテムが3つのみ。
その中の一つの金属バットを見て安堵する。これで殺害の手段に困ることはない。
と、自分から見て右のほうに人の気配を感じその方を目視する。
10メートル弱は離れているところに紫色の髪の少年がボーっとつっ立っていた。
そいつは石のように動かず、後頭部を丸出しにして、こちらの様子を伺う動きもない。
そうだ、今ならやれる、
ここには魔王様もいないから命令もない。無駄な動きをしなくてもいい。殺せる。
直ちにバット以外の支給品をしまう。軽くて小さいものでよかった。
そうすると今はもはや、自身とともにある者は命を奪うためだけに使われる棒が右手にあるのみだ。
一歩近づく。気づかない。
10メートル、9メートル、8メートル、微動だにしない。
7メートル、6メートル、こいつひょっとしたら耳が聞こえないんじゃないのか?
5、4、
3、
2、…………………
踏み込み、バットを掲げ、思い切り力のままに振り下ろす!
ブォンと風切り音を聞いた瞬間、手応えと、バット越しに伝わる衝撃と、頭を強く打った時の独特の音を認知した。
殺害したと全身で理解し、少年のデイパックに手をかけようとした。
少年が見ていたのは一人の女だった。星君はその女を見た。
見た目は幼く見えたが、オーラを感じた。実力者が発するオーラを。
こいつは自分の手に負えない。そう直感した彼はかたわらのデイパックのことも忘れ、元いた方向へ逃げていった。
☆
さて、星君がここまで簡単に奇襲に及んだのには彼個人の特性がある(人間じゃないのに個『人』だって? 気にするな!)。
彼はどちらかと言うとジュラルの中でも一人で行動する傾向にあるのだ。
彼の登場する「謎の美少年」を見れば分かるが、作中研に倒されるまで他のジュラル星人と行動を共にすることはなかった。
また、この話ではフットボールの試合で幕を開けるのだが、
出だしの看板には校内対抗とあったこと、研の妹のキャロンが星君の名前を知っていた事から、学校にいた期間が短いとは考えにくい。
名前を知っていたのは噂の可能性があるという声も聞こえてきそうだが、1日や2日でキャロンのような低学年の層に広まったと考えるには苦しいものがある。
あの世界では、小学校から大学までの教育機関が集まっているからなおさらだ。
さらに、この文章の最初の方で書いたように、一人で行動する事があっても一人で直接おびき寄せるパターンはかなり稀で、星君はそのレアな方に属している。
このようにいくつか羅列すると星くんがジュラルとしてはややイレギュラーな存在なのが分かるだろう。
ちなみにラストの方で研が「星君はね、『また』転校してしまったんだ」と言っていた事から、元々転校生という名の侵入者だったのが想像できる。
☆
話は戻って今の星君である。道中他の参加者に合うこともなく、人気のないところまで辿りつけた彼は大きな建物の前に立っていた。
地図を見ると目の前の建物がアザディスタン王宮である事がわかった。
王宮……星君や研がいる日本ではお目にかかることの出来ない大型建築物。
これほど大きく強固な建物ならしばらくの間は安全は確保できるだろう。中には何か武器になりそうなものや身を守るものもあるだろう。
そう考えた彼は、扉の元へと歩み始めた。
【G-03 アザディスタン王宮前/1日目・黎明】
【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(小)
[装備]:金属バット@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品×2(確認済み。いずれも小型で軽い)
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:王宮へ入り、探索。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。
※ジュラルの魔王が参加していることを知りません。
|sm:39[[ムラクモの姿]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm43:[[Little Witch in Moonlight ~月の女神よ、どうか今だけは小さな魔女に月光の祝福を~]]|
|sm:39[[ムラクモの姿]]|[[投下順>00~50]]|sm42:[[グレートの魔法]]|
|sm:10[[勝治死す!ポヨヨン・ウェイ・スター]]|星君|sm:[[]]|
*夜のG-03を行く/逝く ◆nVZ6p0TCus
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ジュラル星人である星君が奇襲を仕掛けたことに驚いた読者はそう少なくないと筆者は考える。
というのも、ジュラル星人の特徴の一つに「行動が無駄に回りくどい」点があるのだ。
例えば、地球侵略の障害になりうる研を直接殺せばいいのに「わざわざ富士山まで呼び出した」り、
妹を洗脳させて研を暗殺させようとしたり、研を凍りづけにしながら家族を処刑しようとした(これは泉一家が持ってるロボットがきっかけで阻止されたが)、などなど。
他の話を見るとジュラル星人が何かしているところに研が現れて倒したり、結果的に戦うハメになるパターンが多く、直接研をおびき出すことはかなり稀だ。
今回は、そんなジュラル星人である星君がなぜ奇襲に走ったのか、彼が会場に飛ばされてからの思考と行動を追っていくことにしよう。
時はさかのぼって数十分前…………
ホールのような場所で目覚めた時、星君は周囲を見てすぐに分かったことがあった。
ここにいる大半は人間だ。そして今の自分は人間形態だと。
彼が目覚めたのは全体でもかなり遅い方で、自分の今の状況を把握した数秒後には正面に男女が現れて殺し合いを執り行うとの説明があった。
知り合いを探す余裕はなかった。が、数歩歩けば届くところに泉研がいた。
聞けばなんでも、この殺し合いに優勝すれば願いを叶えてくれると言うではないか。
真偽はわからない。ただ、最後の一人にさえなれば身の安全、というか最低でも殺し合いからは解放されるだろうと考えた。
僕がやるべきことは、生き残る、ただそれだけだ。
もしも願いの件が本当ならば、殺し合いの最中に魔王様の身に何かあったとしても地球をジュラル星人のものにできるし、
ひょっとしたらジュラル星を元の通りにすることもできるだろう。
気をつけるべきはチャージマン研だ。
そこまで考察した時、今度は森の中に自身はいた。
周りに誰もいないことを確認、すぐに屈んでデイパックの中の支給品を確認を開始。
奴らが言っていた基本支給品は全て揃っていた。ランタン、時計、コンパス、異常なし。
すぐさま基本支給品をしまう。後に残るはランダム支給品と呼ばれていたアイテムが3つのみ。
その中の一つの金属バットを見て安堵する。これで殺害の手段に困ることはない。
と、自分から見て右のほうに人の気配を感じその方を目視する。
10メートル弱は離れているところに紫色の髪の少年がボーっとつっ立っていた。
そいつは石のように動かず、後頭部を丸出しにして、こちらの様子を伺う動きもない。
そうだ、今ならやれる、
ここには魔王様もいないから命令もない。無駄な動きをしなくてもいい。殺せる。
直ちにバット以外の支給品をしまう。軽くて小さいものでよかった。
そうすると今はもはや、自身とともにある者は命を奪うためだけに使われる棒が右手にあるのみだ。
一歩近づく。気づかない。
10メートル、9メートル、8メートル、微動だにしない。
7メートル、6メートル、こいつひょっとしたら耳が聞こえないんじゃないのか?
5、4、
3、
2、…………………
踏み込み、バットを掲げ、思い切り力のままに振り下ろす!
ブォンと風切り音を聞いた瞬間、手応えと、バット越しに伝わる衝撃と、頭を強く打った時の独特の音を認知した。
殺害したと全身で理解し、少年のデイパックに手をかけようとした。
少年が見ていたのは一人の女だった。星君はその女を見た。
見た目は幼く見えたが、オーラを感じた。実力者が発するオーラを。
こいつは自分の手に負えない。そう直感した彼はかたわらのデイパックのことも忘れ、元いた方向へ逃げていった。
☆
さて、星君がここまで簡単に奇襲に及んだのには彼個人の特性がある(人間じゃないのに個『人』だって? 気にするな!)。
彼はどちらかと言うとジュラルの中でも一人で行動する傾向にあるのだ。
彼の登場する「謎の美少年」を見れば分かるが、作中研に倒されるまで他のジュラル星人と行動を共にすることはなかった。
また、この話ではフットボールの試合で幕を開けるのだが、
出だしの看板には校内対抗とあったこと、研の妹のキャロンが星君の名前を知っていた事から、学校にいた期間が短いとは考えにくい。
名前を知っていたのは噂の可能性があるという声も聞こえてきそうだが、1日や2日でキャロンのような低学年の層に広まったと考えるには苦しいものがある。
あの世界では、小学校から大学までの教育機関が集まっているからなおさらだ。
さらに、この文章の最初の方で書いたように、一人で行動する事があっても一人で直接おびき寄せるパターンはかなり稀で、星君はそのレアな方に属している。
このようにいくつか羅列すると星くんがジュラルとしてはややイレギュラーな存在なのが分かるだろう。
ちなみにラストの方で研が「星君はね、『また』転校してしまったんだ」と言っていた事から、元々転校生という名の侵入者だったのが想像できる。
☆
話は戻って今の星君である。道中他の参加者に合うこともなく、人気のないところまで辿りつけた彼は大きな建物の前に立っていた。
地図を見ると目の前の建物がアザディスタン王宮である事がわかった。
王宮……星君や研がいる日本ではお目にかかることの出来ない大型建築物。
これほど大きく強固な建物ならしばらくの間は安全は確保できるだろう。中には何か武器になりそうなものや身を守るものもあるだろう。
そう考えた彼は、扉の元へと歩み始めた。
【G-03 アザディスタン王宮前/1日目・黎明】
【星君@チャージマン研!】
[状態]:疲労(小)
[装備]:金属バット@現実
[道具]:基本支給品、ランダム品×2(確認済み。いずれも小型で軽い)
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:王宮へ入り、探索。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
※参戦時期は不明。あとの人にお任せします。
※制限により姿は星君のままです。
※ジュラルの魔王が参加していることを知りません。
|sm:39[[ムラクモの姿]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm43:[[Little Witch in Moonlight ~月の女神よ、どうか今だけは小さな魔女に月光の祝福を~]]|
|sm:39[[ムラクモの姿]]|[[投下順>00~50]]|sm42:[[グレートの魔法]]|
|sm:10[[勝治死す!ポヨヨン・ウェイ・スター]]|星君|sm68:[[異議アリ!カズマの鼓動!!―]]|
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