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「これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ」(2015/04/14 (火) 22:20:09) の最新版変更点
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*これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo
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「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」
第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。
『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』
もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。
「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
必ず滅ぼしてやる!!」
研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。
「勝治くん……」
そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。
「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」
地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。
「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」
シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。
「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」
怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。
「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」
そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。
「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」
「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――
「こマ?」
リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。
「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ
真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。
「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ
次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。
「アッ!」
「おっ、外れた」
リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。
「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」
そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。
「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」
「実は、私もその説を少し考えていました」
アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。
「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」
リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。
「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」
何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。
(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)
「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」
意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。
(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと)
まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。
(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)
ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。
「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」
「……」
かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。
(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)
首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。
「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」
リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。
「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」
その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。
(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)
しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。
「水」
四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。
「水? 支給されてますよ―――え?」
シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。
「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」
赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。
「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」
トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。
「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」
相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。
「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」
唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。
「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」
ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。
「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」
そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。
「み、水……」
そしてすっぽかされ行き倒れた。
【D-3/一日目・夜】
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。
【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。
そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。
「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。
「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」
色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。
あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。
【D-02周辺 /一日目・夜】
【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。
|sm159:[[第三回放送]]|[[時系列順>第四回放送までの本編SS]]|sm161:[[友【さいかい】]]|
|sm159:[[第三回放送]]|[[投下順>151〜200]]|sm161:[[友【さいかい】]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|天野河リュウセイ|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|泉研|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|シャーロック・シェリンフォード|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|アルセーヌ(アンリエット・ミステール)|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm154:[[殺し合いやめますか?人間やめますか?]]|ケンシロウ|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
*これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo
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「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」
第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。
『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』
もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。
「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
必ず滅ぼしてやる!!」
研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。
「勝治くん……」
そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。
「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」
地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。
「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」
シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。
「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」
怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。
「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」
そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。
「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」
「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――
「こマ?」
リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。
「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ
真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。
「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ
次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。
「アッ!」
「おっ、外れた」
リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。
「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」
そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。
「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」
「実は、私もその説を少し考えていました」
アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。
「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」
リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。
「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」
何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。
(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)
「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」
意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。
(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと)
まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。
(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)
ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。
「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」
「……」
かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。
(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)
首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。
「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」
リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。
「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」
その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。
(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)
しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。
「水」
四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。
「水? 支給されてますよ―――え?」
シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。
「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」
赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。
「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」
トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。
「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」
相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。
「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」
唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。
「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」
ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。
「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」
そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。
「み、水……」
そしてすっぽかされ行き倒れた。
【D-3/一日目・夜】
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。
【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。
【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。
【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。
そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。
「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。
「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」
色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。
あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。
【D-02周辺 /一日目・夜】
【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。
|sm159:[[第三回放送]]|[[時系列順>第四回放送までの本編SS]]|sm161:[[友【さいかい】]]|
|sm159:[[第三回放送]]|[[投下順>151〜200]]|sm161:[[友【さいかい】]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|天野河リュウセイ|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|泉研|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|シャーロック・シェリンフォード|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|アルセーヌ(アンリエット・ミステール)|sm:[[ニコロワγ流星群(前編)]]|
|sm154:[[殺し合いやめますか?人間やめますか?]]|ケンシロウ|sm:[[]]|
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