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「こいつらは最初からずっと一緒に行動してただろ!いい加減にしろ!」(2012/06/24 (日) 00:18:57) の最新版変更点
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*こいつらは最初からずっと一緒に行動してただろ!いい加減にしろ! ◆/cS70rty7s
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ようやく昇ってきた朝日が木々の間から射し込む。
木漏れ日の溢れる森林を一匹の妖怪と三人の人間が喋りながら歩いていた。
「それにしても…随分とアンバランスな外見になりましたね。」
「私だって好きでこうなった訳じゃありません!」
「それでその男はどうなったんですか?」
「そのまま川に流されていったよ。そういえば、川の水も何かヤバイことになってるみたいだから気を付けた方が良さそうだな。」
森の中を歩きながら互いの出生やこれまでの状況を和気あいあいと話し合ういつもの四人。
ある程度の情報交換を終えた所で、宣言するかのようにリュウセイが口を開いた。
「それで、これからどうするんだ?俺は人殺しなんてしたくないけど死にたくもないぜ?」
「やっぱりこの殺し合いを開いた犯人を捕まえるべきでしょう。私達ミルキィホームズの手に掛かればすぐに…は無理かもしれませんけど必ず捕まえて見せます!」
「権兵衛さんはどうするべきだと思いますか?」
「そうですね…犯人の逮捕はシャーロックさんにお任せするとして、まずはリュウセイさんの言う通り、これからのことについて考えた方が良いでしょう。先程の男もここまで来れば追いかけては来ないでしょうし。」
「あいつか…あいつは手強かったな…」
~謎回想~
今から遡ること数時間前。
いつもの四人は立ち寄った博麗神社にて恐ろしい程の殺気を放つ男と遭遇したのだった。
「おい女とガキと犬、おとなしく支給品全部置いていきな。でないと「おみゃーらとバトルだぁ!」先に言うんじゃねぇ!」
(権兵衛さん……)
(どうする?ボーグバトルには持ち込めそうにないぞ。)
(あの人も捕まえておきたい所ですけど危険過ぎますね…)
(駄目です皆さん。あの男は、支給品を渡すか否かに関わらず、こちらを見逃すつもりはない)
「聞こえねぇのかぁ? 見逃してやるって言ってるんだよ、この北斗神拳伝承者『ケンシロウ』様がな!」
(こうなれば…これを使うしかありませんね…)
「それっ!!」
-‐ ´ ̄ ̄ ̄`丶、
/ \
/ ,, //-─ ヽ
/ ,.-ヽ / , ─ 、 ヽ
l / `ー‐ '´ ヽ _ |
| { -‐ _‐- ノ = |
_| }∠二_フ ゞr==ミ、、{ , ー┴‐ァ
イ´ fヽ」,,.ノ五 r' ゝl|t五ゝ-!|´ヽ/ニヽ `ヽ
ノィ | } { ‐- r j ゞー__.ソ|) }.|{r j ヽ、 < お菓子好きかい?
| ゞI_ト、 ,.-ゝ!_'r' ̄、 イ / | ソ.} ト
レチ ゝ|_ノ_ _ ___ゝ、||イ_ノ リ
ゝL |!、 `ゝ二ノ´ モイ | メ
ソ \_>─< __/ 戈w彡ソ
_ -‐ノ  ̄ l ゞノト、
フ ,{ } ゝ.| | ` ー <
/イ { 、、 j ト || `
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「……権兵衛さん、なんですかそれ。」
「…誰なんですかそのお爺さん。」
「勝治の爺ちゃんとは違うな。」
三人が謎の老人に気を取られていた瞬間、権兵衛の耳が不審な音を捉えた。
チッチッチッチッチッチッチッチッチッ
「!?皆さん、早く逃げて!」
「「「えっ!?」」」
そして周囲に響き渡る爆発音。爆発から何とか逃げ切ったいつもの四人は安堵の表情で話し合う。
「これであの男も無事じゃ済まないだろう。…助かったな。」
「あれじゃ神社も無事じゃ済みそうにないですよー。」
「ともかく助かりました、皆さん。私ひとりでは逃げきる事は出来なかった。」
「皆が注意したおかげですよ。四人合わせて九死に一生です。」
「俺達いつもの四人が一緒なら、倒せない奴なんていないぜ!」
「そうですね!リュウセイくんや早苗さん、権兵衛さん。いつもの四人が一緒なら恐いものなんてありません!」
そして堅い絆で結ばれたいつもの四人は声を合わせて笑い合うのだった。
~謎回想終わり~
え、何?早苗さん達とリュウセイさん達はこれが初遭遇話?そもそもリュウセイさん達はその時もこみちと戦ってた?
バカ、お前もう一度最初から見直してみろよ。な、この四人はバトルロワイアルが始まってからずっと一緒にいただろ?分かったらさっさと話を続けるぞ。
取り敢えずは目的を定めようと、いつもの四人は手近な場所に腰を下ろす。そこで権兵衛が突然口を開き、シャロに語り掛けた。
「シャーロックさん、貴女は推理がお得意だそうですね。」
「ええ、何と言ってもミルキィホームズのリーダーですから。」
「そこでお願いしたいのですが、少し私の考察をお聞きいただけませんか?無論、リュウセイさんと東風谷さんも。」
頭に疑問符を浮かべながらリュウセイが口を挟む。
「考察?」
「ええ、シャーロックさんの最終目標である主催者の逮捕…その為にはいくつかの疑問を解決しなければなりません。」
「例えばどんな疑問だ?」
「そうですね…これはあくまで私の憶測に過ぎませんが…おっと、誰かメモを取っていただけると助かるんですが東風谷さん、お願いできますか?何分私の手では筆記具が持てませんので。」
いきなり名前を呼ばれたことに早苗は驚いた顔を見せるが、直ぐに笑みを浮かべて快諾する。
「ええ、もちろんです。…えっと、イラストとかは不要ですか?」
「…文字だけで充分です。」
彼女のこのどこか能天気な所は凄惨な殺し合いの場における一服の清涼剤になりえるかもしれないな、と思いながら、権兵衛は口を開いた。
「まず、基本的な疑問は
・ここが何処なのか
・主催者は何者なのか
・殺し合いの目的は何か
といったところですね。しかし現時点ではこれらの事柄に対するヒントとなりえるものがあまりに少ない。
よって、まずは小さな疑問、
・主催者が参加者へ情報を伝える手段
・参加者の人数
・参加者の選出方法
・放送の時間
・禁止エリアの選定方法
といったことから解決していくべきですね。特に情報伝達の手段は重視すべき事項です。
私が見てきた限り、この島にはスピーカーのような通信機器の類は一切設置されていませんでした。
もし通信機を使用した我々の知る“放送”以外の手段、例えば私や東風谷さんのよく知る“魔法”や“妖術”、シャーロックさんの言う“トイズ”が用いられていた場合、最大の疑問である“主催者は何者か”という疑問に対するヒントとなりえます。
その場合に重要になってくるのがパラレルワールドという考え方です。
少なくとも私や東風谷さんのいた幻想郷では“トイズ”や“ボーグ”といった概念は存在しなかったはずです。新しく幻想郷にやって来た私はともかく、東風谷さんでさえその存在を知らなかったというのが何よりの証拠ですね。
そこで、です。ヒュー・エヴェレットの唱える多世界解釈…いわゆるパラレルワールドという奴ですが、つまり複数の異なる世界が存在するという考えをあてはめれば全てに説明がつきます。」
「じゃ、じゃあ私から見たリュウセイさんやシャロさんは異世界人てことですか?」
「私の仮説が合っていればそういうことになりますね。」
何故かガッツポーズをしている早苗には触れずに権兵衛は話を続ける。
「放送の手段を見極め、主催者がどのような方法を使ったのか知ることが出来れば彼らの存在していた世界がどのようなものか解ります。存在していた世界が解れば主催者が何者なのか解ったのと同義です。…まぁ本当はこの様な手段を取るよりも最初に彼らと接触していた男性を探し出す方が確実で手っ取り早いのですが、彼が何処にいるのか現状では把握出来ていませんからね。」
講義を聞き終えたリュウセイが期待を裏切られたような表情を浮かべながら質問する。
「その…パラソルなんたらが分かればあの男達の素性が解るっていうのは解ったが…俺はそれよりこっちの方が気になるぜ。あいつらの正体が解っても殺られちまったら…。」
「頑張るんですよリュウセイくん!頑張ればどうにかなりますって!」
そう言いながら自分の首を指差して見せるリュウセイをシャロが励ます。
その可愛らしい光景に和みながらも、間髪入れずに権兵衛は告げる。
「そうですよリュウセイさん。“努力すれば何とかなる”私の母もそう言ってましたからね。それに…その首輪についても策が全く無い訳ではありませんし。」
「「「えっ!?」」」
予想通りの反応を見せる三人を前に、とっておきの考察を披露する。
「これはあくまで希望的観測…ライプニッツも呆れる程の楽観的な考えですが、この首輪…最初の説明とは違って反逆行為によって爆破されることはほぼあり得ない!」
ΩΩΩ〈な、なんだってー!?
「良いですか、まず首輪の存在意義について考えてみて下さい。もちろん反抗的な参加者へ制裁を加える為の鎌という役割もありますが、それ以上の役割…」
「脅し、ってことですか?」
「その通りですシャーロックさん。この首輪に与えられた最大の役割は抑止力…あくまで反抗的な者の動向を抑止するだけです。いつ首輪が爆破されるやも知れぬ状況では嫌々ながらも殺し合いを選択する者も現れるでしょう。主催者の目的はそこにある。」
「だけど、本当に脅しだけなのかどうかは分からないぜ。最初の女の人みたいに…。」
「その通りです。しかし彼らはあの時点で重大なミスを犯した。それは彼女を殺害してしまった事です。それは確かに“脅し”を目的とするならば最善の策でしたが、皮肉な事にその行為によって反乱分子を生み出す事に繋がってしまった…
具体的に説明しましょう。まずシャーロックさん、貴女はあの光景を目の当たりにした時どう思われましたか?」
「え、えぇと…凄く、恐かったです。私も、殺されるのかなって…」
「嫌な事を思い出させてしまって申し訳ありません。では、貴女は何故殺し合いに乗らなかったのです?反抗すれば殺されるとは思わなかったのですか?」
「た、確かに凄く恐かったです。でも殺し合いなんて許せなかったし、そんな事を考える人を捕まえるのが探偵の仕事だとも思ったんです。」
「成る程、やはり貴女は強い人ですね。
“目の前で人が殺される光景を見せられながらも自分の志を失わない”」
それほどでもないですよーと頭を掻くシャロを優しく見つめながら講義を続ける。
「あの惨劇を見ておきながら反抗の意志を抱く者は皆、シャーロックさんに似た強い意志の持ち主と見て良いでしょう。早苗さんにリュウセイさん、そして他の反逆者の人々…皆強い方々です。
そこで仮定しますが、そんな強い志を持った人々が集まった場所で誰か一人が主催者によって殺害されたらどうなると思います?」
「仇を討つ為に一層反抗心を強めるだろうな。…あ!」
「そういうことです。次に反抗心を抱く者達全員を一気に殺害した場合どうなるか。人数が多ければ多い程、主催者にとって損失となるでしょう。何せ“殺し合い”の為に手間を掛けて集めた参加者達を望まぬ形で失ってしまう訳ですから。それは主催者の本意では無いでしょう。」
「つまり反抗心を抱く奴を集団の中でおおっぴらに殺す訳にもいかず、かといって集団全員を殺す事も出来ず…。結局主催者は首輪を爆破出来ないってことか。」
「その通り。よって反逆行為によって首輪を爆破される恐れはほぼあり得ない、という結論に至る訳です。最も、反抗心を抱く者が単独で行動している場合はこの限りではありませんが。」
自分の考察を一通り話し終えた権兵衛は意見を求めるように三人の顔を見回した。
目を輝かせているシャロに興奮した様子のリュウセイ、そしてメモを取るのに若干疲れた表情を見せる早苗。彼らは一斉に口を開き嬉しそうに話し出す。
「やったー!首輪の意味が分かれば恐いものなしじゃないですか!」
「さすが権兵衛だ!いつものペース通りだな!」
「メモ書き終わりましたよー。異世界人…(ワクワク」
三者三様の反応を見せる三人を見つめながら権兵衛はしみじみと思う。
彼らを守ってやらねば、と。
人間であった頃の記憶を失っている自分がどこまで力になれるかはまだ分からないが、やれるだけのことはやろう。
そう決意した権兵衛にはいつもの三人がとてつもなく強く見えた。
【F-02 森林/一日目・早朝】
【チーム:いつもの四人】基本思考:殺し合いを破壊し主催者を捕まえる
共通思考
1:殺し合いに反抗しようとする者を探す。
2:互いの知り合いの捜索。
3:メイトリクスの捜索。
※それぞれの世界及び知り合いについての情報を交換しました。
※幻想郷とミルキィホームズの世界、カブトボーグの世界がそれぞれ異なる世界だと気付きました。
※早苗と権兵衛は自分達が別の幻想郷から来ていることに気付いていません。
※川が危険な事に気付きました。
【権兵衛@幻想入り】
[状態]軽傷、やや疲労
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2個
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを止めるため東風谷さんと共に仲間を探す。
1:三人と共に行動。
2:男性(メイトリックス)の捜索。
3:チルノさんが心配。
4:博麗神社は後で改めて訪れたい。
5:かわいそうなボルガ博士……
※参戦時期は11話開始直後です。なお、この時点で面識のある東方キャラはチルノ、慧音、射命丸、妹紅、紫です。
また、早苗の知っているチルノらとは性格が違っています。
※自身の能力に気付いていません。
【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、 疲労(極僅か)
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2個
VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード(2時間使用不能)、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:権兵衛さんと行動する。殺し合いには乗らない。
1:三人と共に行動。
2:神奈子様と諏訪子様が凄く心配。
3:守矢の巫女として信仰を集める。
4:博麗神社は後で改めて訪れたい。
5:\ /
6:● ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
7:" ▽ "
※出展の都合で天然度と神奈子&諏訪子に対する信仰度が増加しています。
※制限に気付いていません。
※ボルガ博士のことは、良く出来たロボット爆弾か何かだと思っています。
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(中)
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
1:とりあえず三人と行動するつもり。
2:勝治やケンも居るのであれば探す。
【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(中) 顔がムラクモ(後一時間程で、もどります)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、ランダムアイテム0~1
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:とりあえず三人と一緒に行動するつもり。
2:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
【権兵衛の考察メモ】
権兵衛の考察を早苗がメモしたもの。内容は以下の通り。
[基本的な疑問]
・ここは何処なのか?
・主催者は何者なのか?
・殺し合いの目的は何か?
★現状ではヒントが少ない為これらの疑問は保留。
[小さな疑問]
・主催者が参加者へ情報を伝える手段
・参加者の人数
・参加者の選出方法
・放送の時間
・禁止エリアの選定方法
★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
[首輪について]
・首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
・殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
・集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
・以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い
【いつもの四人@人造昆虫カブトボーグ V×V】
アニメ『人造昆虫カブトボーグ V×V』の主人公である天野河リュウセイ、松岡勝治、龍昇ケン、シドニー・マンソンの4人を指す言葉。
なお、一部で「シドニー・マンソンは41話だけのゲストキャラ」という噂が飛び交っているが、第一話を見れば分かる通り悪質なデマである。
参考動画
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8653899
ttp://www.nicovideo.jp/watch/1311560335
【謎回想@人造昆虫カブトボーグ V×V】
人造昆虫カブトボーグにおいてよく使用される回想シーンのこと。
視聴者が見た覚えのないエピソードだったり明らかに矛盾が生じていたりするが、カブトボーグではよくあることなので気にしてはいけない。
|sm66:[[恐怖!精神病院]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm68:[[異議アリ!カズマの鼓動!!―]]|
|sm66:[[恐怖!精神病院]]|[[投下順>00〜50]]|sm68:[[異議アリ!カズマの鼓動!!―]]|
|sm36:[[難儀を引き寄せる程度の能力]]|権兵衛|sm:[[]]|
|sm36:[[難儀を引き寄せる程度の能力]]|東風谷早苗|sm:[[]]|
|sm39:[[ムラクモの姿]]|天野河リュウセイ|sm:[[]]|
|sm39:[[ムラクモの姿]]|シャーロック・シェリンフォード|sm:[[]]|
*こいつらは最初からずっと一緒に行動してただろ!いい加減にしろ! ◆/cS70rty7s
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ようやく昇ってきた朝日が木々の間から射し込む。
木漏れ日の溢れる森林を一匹の妖怪と三人の人間が喋りながら歩いていた。
「それにしても…随分とアンバランスな外見になりましたね。」
「私だって好きでこうなった訳じゃありません!」
「それでその男はどうなったんですか?」
「そのまま川に流されていったよ。そういえば、川の水も何かヤバイことになってるみたいだから気を付けた方が良さそうだな。」
森の中を歩きながら互いの出生やこれまでの状況を和気あいあいと話し合ういつもの四人。
ある程度の情報交換を終えた所で、宣言するかのようにリュウセイが口を開いた。
「それで、これからどうするんだ?俺は人殺しなんてしたくないけど死にたくもないぜ?」
「やっぱりこの殺し合いを開いた犯人を捕まえるべきでしょう。私達ミルキィホームズの手に掛かればすぐに…は無理かもしれませんけど必ず捕まえて見せます!」
「権兵衛さんはどうするべきだと思いますか?」
「そうですね…犯人の逮捕はシャーロックさんにお任せするとして、まずはリュウセイさんの言う通り、これからのことについて考えた方が良いでしょう。先程の男もここまで来れば追いかけては来ないでしょうし。」
「あいつか…あいつは手強かったな…」
~謎回想~
今から遡ること数時間前。
いつもの四人は立ち寄った博麗神社にて恐ろしい程の殺気を放つ男と遭遇したのだった。
「おい女とガキと犬、おとなしく支給品全部置いていきな。でないと「おみゃーらとバトルだぁ!」先に言うんじゃねぇ!」
(権兵衛さん……)
(どうする?ボーグバトルには持ち込めそうにないぞ。)
(あの人も捕まえておきたい所ですけど危険過ぎますね…)
(駄目です皆さん。あの男は、支給品を渡すか否かに関わらず、こちらを見逃すつもりはない)
「聞こえねぇのかぁ? 見逃してやるって言ってるんだよ、この北斗神拳伝承者『ケンシロウ』様がな!」
(こうなれば…これを使うしかありませんね…)
「それっ!!」
-‐ ´ ̄ ̄ ̄`丶、
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/ ,, //-─ ヽ
/ ,.-ヽ / , ─ 、 ヽ
l / `ー‐ '´ ヽ _ |
| { -‐ _‐- ノ = |
_| }∠二_フ ゞr==ミ、、{ , ー┴‐ァ
イ´ fヽ」,,.ノ五 r' ゝl|t五ゝ-!|´ヽ/ニヽ `ヽ
ノィ | } { ‐- r j ゞー__.ソ|) }.|{r j ヽ、 < お菓子好きかい?
| ゞI_ト、 ,.-ゝ!_'r' ̄、 イ / | ソ.} ト
レチ ゝ|_ノ_ _ ___ゝ、||イ_ノ リ
ゝL |!、 `ゝ二ノ´ モイ | メ
ソ \_>─< __/ 戈w彡ソ
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フ ,{ } ゝ.| | ` ー <
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「……権兵衛さん、なんですかそれ。」
「…誰なんですかそのお爺さん。」
「勝治の爺ちゃんとは違うな。」
三人が謎の老人に気を取られていた瞬間、権兵衛の耳が不審な音を捉えた。
チッチッチッチッチッチッチッチッチッ
「!?皆さん、早く逃げて!」
「「「えっ!?」」」
そして周囲に響き渡る爆発音。爆発から何とか逃げ切ったいつもの四人は安堵の表情で話し合う。
「これであの男も無事じゃ済まないだろう。…助かったな。」
「あれじゃ神社も無事じゃ済みそうにないですよー。」
「ともかく助かりました、皆さん。私ひとりでは逃げきる事は出来なかった。」
「皆が注意したおかげですよ。四人合わせて九死に一生です。」
「俺達いつもの四人が一緒なら、倒せない奴なんていないぜ!」
「そうですね!リュウセイくんや早苗さん、権兵衛さん。いつもの四人が一緒なら恐いものなんてありません!」
そして堅い絆で結ばれたいつもの四人は声を合わせて笑い合うのだった。
~謎回想終わり~
え、何?早苗さん達とリュウセイさん達はこれが初遭遇話?そもそもリュウセイさん達はその時もこみちと戦ってた?
バカ、お前もう一度最初から見直してみろよ。な、この四人はバトルロワイアルが始まってからずっと一緒にいただろ?分かったらさっさと話を続けるぞ。
取り敢えずは目的を定めようと、いつもの四人は手近な場所に腰を下ろす。そこで権兵衛が突然口を開き、シャロに語り掛けた。
「シャーロックさん、貴女は推理がお得意だそうですね。」
「ええ、何と言ってもミルキィホームズのリーダーですから。」
「そこでお願いしたいのですが、少し私の考察をお聞きいただけませんか?無論、リュウセイさんと東風谷さんも。」
頭に疑問符を浮かべながらリュウセイが口を挟む。
「考察?」
「ええ、シャーロックさんの最終目標である主催者の逮捕…その為にはいくつかの疑問を解決しなければなりません。」
「例えばどんな疑問だ?」
「そうですね…これはあくまで私の憶測に過ぎませんが…おっと、誰かメモを取っていただけると助かるんですが東風谷さん、お願いできますか?何分私の手では筆記具が持てませんので。」
いきなり名前を呼ばれたことに早苗は驚いた顔を見せるが、直ぐに笑みを浮かべて快諾する。
「ええ、もちろんです。…えっと、イラストとかは不要ですか?」
「…文字だけで充分です。」
彼女のこのどこか能天気な所は凄惨な殺し合いの場における一服の清涼剤になりえるかもしれないな、と思いながら、権兵衛は口を開いた。
「まず、基本的な疑問は
・ここが何処なのか
・主催者は何者なのか
・殺し合いの目的は何か
といったところですね。しかし現時点ではこれらの事柄に対するヒントとなりえるものがあまりに少ない。
よって、まずは小さな疑問、
・主催者が参加者へ情報を伝える手段
・参加者の人数
・参加者の選出方法
・放送の時間
・禁止エリアの選定方法
といったことから解決していくべきですね。特に情報伝達の手段は重視すべき事項です。
私が見てきた限り、この島にはスピーカーのような通信機器の類は一切設置されていませんでした。
もし通信機を使用した我々の知る“放送”以外の手段、例えば私や東風谷さんのよく知る“魔法”や“妖術”、シャーロックさんの言う“トイズ”が用いられていた場合、最大の疑問である“主催者は何者か”という疑問に対するヒントとなりえます。
その場合に重要になってくるのがパラレルワールドという考え方です。
少なくとも私や東風谷さんのいた幻想郷では“トイズ”や“ボーグ”といった概念は存在しなかったはずです。新しく幻想郷にやって来た私はともかく、東風谷さんでさえその存在を知らなかったというのが何よりの証拠ですね。
そこで、です。ヒュー・エヴェレットの唱える多世界解釈…いわゆるパラレルワールドという奴ですが、つまり複数の異なる世界が存在するという考えをあてはめれば全てに説明がつきます。」
「じゃ、じゃあ私から見たリュウセイさんやシャロさんは異世界人てことですか?」
「私の仮説が合っていればそういうことになりますね。」
何故かガッツポーズをしている早苗には触れずに権兵衛は話を続ける。
「放送の手段を見極め、主催者がどのような方法を使ったのか知ることが出来れば彼らの存在していた世界がどのようなものか解ります。存在していた世界が解れば主催者が何者なのか解ったのと同義です。…まぁ本当はこの様な手段を取るよりも最初に彼らと接触していた男性を探し出す方が確実で手っ取り早いのですが、彼が何処にいるのか現状では把握出来ていませんからね。」
講義を聞き終えたリュウセイが期待を裏切られたような表情を浮かべながら質問する。
「その…パラソルなんたらが分かればあの男達の素性が解るっていうのは解ったが…俺はそれよりこっちの方が気になるぜ。あいつらの正体が解っても殺られちまったら…。」
「頑張るんですよリュウセイくん!頑張ればどうにかなりますって!」
そう言いながら自分の首を指差して見せるリュウセイをシャロが励ます。
その可愛らしい光景に和みながらも、間髪入れずに権兵衛は告げる。
「そうですよリュウセイさん。“努力すれば何とかなる”私の母もそう言ってましたからね。それに…その首輪についても策が全く無い訳ではありませんし。」
「「「えっ!?」」」
予想通りの反応を見せる三人を前に、とっておきの考察を披露する。
「これはあくまで希望的観測…ライプニッツも呆れる程の楽観的な考えですが、この首輪…最初の説明とは違って反逆行為によって爆破されることはほぼあり得ない!」
ΩΩΩ〈な、なんだってー!?
「良いですか、まず首輪の存在意義について考えてみて下さい。もちろん反抗的な参加者へ制裁を加える為の鎌という役割もありますが、それ以上の役割…」
「脅し、ってことですか?」
「その通りですシャーロックさん。この首輪に与えられた最大の役割は抑止力…あくまで反抗的な者の動向を抑止するだけです。いつ首輪が爆破されるやも知れぬ状況では嫌々ながらも殺し合いを選択する者も現れるでしょう。主催者の目的はそこにある。」
「だけど、本当に脅しだけなのかどうかは分からないぜ。最初の女の人みたいに…。」
「その通りです。しかし彼らはあの時点で重大なミスを犯した。それは彼女を殺害してしまった事です。それは確かに“脅し”を目的とするならば最善の策でしたが、皮肉な事にその行為によって反乱分子を生み出す事に繋がってしまった…
具体的に説明しましょう。まずシャーロックさん、貴女はあの光景を目の当たりにした時どう思われましたか?」
「え、えぇと…凄く、恐かったです。私も、殺されるのかなって…」
「嫌な事を思い出させてしまって申し訳ありません。では、貴女は何故殺し合いに乗らなかったのです?反抗すれば殺されるとは思わなかったのですか?」
「た、確かに凄く恐かったです。でも殺し合いなんて許せなかったし、そんな事を考える人を捕まえるのが探偵の仕事だとも思ったんです。」
「成る程、やはり貴女は強い人ですね。
“目の前で人が殺される光景を見せられながらも自分の志を失わない”」
それほどでもないですよーと頭を掻くシャロを優しく見つめながら講義を続ける。
「あの惨劇を見ておきながら反抗の意志を抱く者は皆、シャーロックさんに似た強い意志の持ち主と見て良いでしょう。早苗さんにリュウセイさん、そして他の反逆者の人々…皆強い方々です。
そこで仮定しますが、そんな強い志を持った人々が集まった場所で誰か一人が主催者によって殺害されたらどうなると思います?」
「仇を討つ為に一層反抗心を強めるだろうな。…あ!」
「そういうことです。次に反抗心を抱く者達全員を一気に殺害した場合どうなるか。人数が多ければ多い程、主催者にとって損失となるでしょう。何せ“殺し合い”の為に手間を掛けて集めた参加者達を望まぬ形で失ってしまう訳ですから。それは主催者の本意では無いでしょう。」
「つまり反抗心を抱く奴を集団の中でおおっぴらに殺す訳にもいかず、かといって集団全員を殺す事も出来ず…。結局主催者は首輪を爆破出来ないってことか。」
「その通り。よって反逆行為によって首輪を爆破される恐れはほぼあり得ない、という結論に至る訳です。最も、反抗心を抱く者が単独で行動している場合はこの限りではありませんが。」
自分の考察を一通り話し終えた権兵衛は意見を求めるように三人の顔を見回した。
目を輝かせているシャロに興奮した様子のリュウセイ、そしてメモを取るのに若干疲れた表情を見せる早苗。彼らは一斉に口を開き嬉しそうに話し出す。
「やったー!首輪の意味が分かれば恐いものなしじゃないですか!」
「さすが権兵衛だ!いつものペース通りだな!」
「メモ書き終わりましたよー。異世界人…(ワクワク」
三者三様の反応を見せる三人を見つめながら権兵衛はしみじみと思う。
彼らを守ってやらねば、と。
人間であった頃の記憶を失っている自分がどこまで力になれるかはまだ分からないが、やれるだけのことはやろう。
そう決意した権兵衛にはいつもの三人がとてつもなく強く見えた。
【F-02 森林/一日目・早朝】
【チーム:いつもの四人】基本思考:殺し合いを破壊し主催者を捕まえる
共通思考
1:殺し合いに反抗しようとする者を探す。
2:互いの知り合いの捜索。
3:メイトリクスの捜索。
※それぞれの世界及び知り合いについての情報を交換しました。
※幻想郷とミルキィホームズの世界、カブトボーグの世界がそれぞれ異なる世界だと気付きました。
※早苗と権兵衛は自分達が別の幻想郷から来ていることに気付いていません。
※川が危険な事に気付きました。
【権兵衛@幻想入り】
[状態]軽傷、やや疲労
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2個
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを止めるため東風谷さんと共に仲間を探す。
1:三人と共に行動。
2:男性(メイトリックス)の捜索。
3:チルノさんが心配。
4:博麗神社は後で改めて訪れたい。
5:かわいそうなボルガ博士……
※参戦時期は11話開始直後です。なお、この時点で面識のある東方キャラはチルノ、慧音、射命丸、妹紅、紫です。
また、早苗の知っているチルノらとは性格が違っています。
※自身の能力に気付いていません。
【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、 疲労(極僅か)
[装備]無し
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2個
VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード(2時間使用不能)、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:権兵衛さんと行動する。殺し合いには乗らない。
1:三人と共に行動。
2:神奈子様と諏訪子様が凄く心配。
3:守矢の巫女として信仰を集める。
4:博麗神社は後で改めて訪れたい。
5:\ /
6:● ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
7:" ▽ "
※出展の都合で天然度と神奈子&諏訪子に対する信仰度が増加しています。
※制限に気付いていません。
※ボルガ博士のことは、良く出来たロボット爆弾か何かだと思っています。
【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(中)
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはない。
1:とりあえず三人と行動するつもり。
2:勝治やケンも居るのであれば探す。
【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(中) 顔がムラクモ(後一時間程で、もどります)
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、ランダムアイテム0~1
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:とりあえず三人と一緒に行動するつもり。
2:居るなら他のミルキィホームズや知り合いを探す。
【権兵衛の考察メモ】
権兵衛の考察を早苗がメモしたもの。内容は以下の通り。
[基本的な疑問]
・ここは何処なのか?
・主催者は何者なのか?
・殺し合いの目的は何か?
★現状ではヒントが少ない為これらの疑問は保留。
[小さな疑問]
・主催者が参加者へ情報を伝える手段
・参加者の人数
・参加者の選出方法
・放送の時間
・禁止エリアの選定方法
★この内主催者が参加者へ情報を伝える手段が最も重要。
★この島にはスピーカー等の通信機器は無し→魔法、妖術、トイズ等の通常の放送とは別の手段を使う可能性がある。
★参加者はそれぞれ別の世界=パラレルワールドより集められた?(トイズやボーグといった概念の存在が証拠?)→★☆異世界人と出会った可能性有り!!★☆
★放送手段が解れば主催者の世界=主催者の正体が解る可能性大→最初に主催者と会話していた男性と遭遇出来ればそちらの方が単純かつ迅速
[首輪について]
・首輪を付ける目的は反乱の抑止と殺し合いの促進
・殺し合いに反抗心を抱く者達は一般的に意志の強い者が多い→反抗心を抱く者達が集団を組んだ場合、下手に一人の首輪を爆破すれば余計残った者の反抗心を掻き立てる恐れ
・集団全員の首輪を爆破するのは主催者の本意では無い
・以上の事柄より、主催者による反逆者の殺害はほぼあり得ない
★あくまで希望的観測
★反抗心を抱く者が単独行動を取っている場合はこの限りでは無い
【いつもの四人@人造昆虫カブトボーグ V×V】
アニメ『人造昆虫カブトボーグ V×V』の主人公である天野河リュウセイ、松岡勝治、龍昇ケン、シドニー・マンソンの4人を指す言葉。
なお、一部で「シドニー・マンソンは41話だけのゲストキャラ」という噂が飛び交っているが、第一話を見れば分かる通り悪質なデマである。
参考動画
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm8653899
ttp://www.nicovideo.jp/watch/1311560335
【謎回想@人造昆虫カブトボーグ V×V】
人造昆虫カブトボーグにおいてよく使用される回想シーンのこと。
視聴者が見た覚えのないエピソードだったり明らかに矛盾が生じていたりするが、カブトボーグではよくあることなので気にしてはいけない。
|sm66:[[恐怖!精神病院]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|sm68:[[異議アリ!カズマの鼓動!!―]]|
|sm66:[[恐怖!精神病院]]|[[投下順>00〜50]]|sm68:[[異議アリ!カズマの鼓動!!―]]|
|sm36:[[難儀を引き寄せる程度の能力]]|権兵衛|sm84:[[ほほえみの爆弾]]|
|sm36:[[難儀を引き寄せる程度の能力]]|東風谷早苗|sm84:[[ほほえみの爆弾]]|
|sm39:[[ムラクモの姿]]|天野河リュウセイ|sm84:[[ほほえみの爆弾]]|
|sm39:[[ムラクモの姿]]|シャーロック・シェリンフォード|sm84:[[ほほえみの爆弾]]|
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