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141 名前: ('A`) [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 19:04:44 O
「くそイラッてーな!!誰も平和に出来ないなら俺がやってやんよ!!」
俺は母ちゃんにそう告げた。母ちゃんはそんなの無理だって言ってたけどもう我慢ならん!!
今まで自分の部屋に閉じこもって外のことなんてどうでも良かった。
でもこないだ僕の好きな娘がモンスターに食われた話を聞いたんだ。

学校?んなもん関係ねぇ!!勉強したって死んだら意味ねーっつーの!!
勉強するなら平和にしてからしろやクズ共がぁぁ!!

俺は準備を整えた。
おにぎりを蓄え、武器は包丁、トンカチ、防具は鍋の蓋、これで十分だろ。

さっそく俺は学校に乱入した。

「おいテメエら!!ミカちゃんがモンスターに食われたんだろが!!
 何のんきに机に座ってられんだ!!ブッ殺すぞテメエら!!」
久しぶりに見たクラスメイトの面々。
予想外の出来事に奴らはぽかーんとしてただ俺を見ているだけだった。
俺のことなんて忘れてると思ってたが一人が俺の名を口走った。
「ジュン!!」
「うるせぇ!黙れ!先公!てめえも動くな!いいから黙れ!!」
静かになった教室。俺に注目が集まる。緊張する。

「テメエらいいか!?俺は今日モンスターに復讐しに行く!!一匹じゃねぇ!!全殺しだ!!」
俺はテンションを上げるために教壇を思い切り叩いた。バシン!と静まり返った教室にその音は鳴り響く。
手が痛かった。

142 名前: ('A`) [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 19:12:53 O
「テメエらには失望したんだよ!!ムカツクっちゃねーぞこの野郎!!お前だお前!!」
俺は一番前の中央の席に座っている一人の男を睨み付けた。
そいつの名はアルス。かつてこの国の勇者と呼ばれたオルテガの息子だ。
「おい。テメエはこんなところで何やってんだ!」
「…何が。」
「何がじゃねえだろ!!悔しくねえのかお前!!お前の仲間が死んでんだろが!!」
「だから…なんだよ。」
俺はそいつの胸ぐらをつかみかかる。
「それでも勇者の息子かお前?」
その前に先公が止めに入ろうとしたので俺はアルスを吹っ飛ばした。
「動くなつったろうが!!ブッ殺すぞお前!!」
俺が先公に包丁を突き付けた瞬間だった。

「メラ!!」

誰かが唱えた。
包丁を握っている手に火の球を浴びせられてしまい、反射的に持っていた包丁を落としてしまった。
すぐさま替えの包丁を取り出した。
「誰だ今やりやがった奴は!!熱いじゃねえか!!」
全員が座っている中、右端列の2番目の席で立っている女がいた。
「悔しくないわけないじゃない!!いきなり何しに来たのよアンタ!!」
そいつは俺が大好きだった娘の親友だった女だ。
名前はミハル。家系は魔法使いらしい。ついに魔法を覚えやがったようだ。
「てめえも魔法が使えるならこんなところで勉強してんじゃねえよ!!」
「うるさいわね!!私だってやろうとしたわよ!!でも…私一人で戦えるわけないじゃない!」
「あぁ!?一人だぁ!?いるじゃねえか!!ここに仲間が!!」
俺はアルスに向かって包丁を差し向ける。
「テメエ勇者の息子だろうが!なんか言えコラ!!」「僕は…。」
口ごもる勇者の息子。その姿を見るのは非常に腹立たしかった。昔の俺を見ているようで。
「ったく!久しぶりに会ったら少しは勇者らしくなってんのかと思えば!!相変わらずだなテメエは!」
俺は今度はミハルに包丁を差し向ける。
「俺は行く。俺は変わったんだ。お前らとは違う。お前はどうすんだ?」
「…行きたいけど…。でも無理よ。今みたいな魔法しか出来ないもの。私だけじゃあ…」
「へっ!!来て失敗だったぜ!!じゃあな糞共!!」
「待てやテメエ!!誰が糞だ!」
そいつはクラスで威張りくさってる調子こき野郎だった。俺はそいつに言ってやったんだ。
「テメエなんか学校でいきがってるだけの糞野郎だっつったんだ。」
「あぁ!?お前みたいなヒキ野郎がモンスターと戦って死ぬだけだろーがよ!」
「死んだら死んだだ!!テメエらはただ怯えてるだけの俺以下じゃねえか!!」
「テメエちっとこいや!!」
その調子こき野郎が俺に向かって椅子を投げ付けてきた。
体に当たってとても痛かった。
さらに俺をボコにしようととんでくる。でも俺には包丁がある。勝てる!!
「待ってよ!!」
一人の男が割って入ってきた。
「んだよアルス。」
「先生。僕、モンスターやっつけに行ってきます。」
「アルス君。あなた…」
「テメエどけよ今それどころじゃ…」
「だったら君もジュン君とモンスターやっつけに行こうよ。」
「あぁ?……だっ誰が行くか!テメエらみたいな特殊人間じゃねぇんだよ俺は!」
「私は行くわ!!」
ミハルだった。カバンの中に入っている教科書類を投げ出しカバンだけを持って駆け寄ってきた。
「ミハルさんごめん。今まで僕は…」
「ううん。私も同じよアルス。これもあなたのおかげだわ、ジュン。ありがとう!」
「う、うるせえな!!さっさと行くぞボケ共!」

俺、勇者の息子アルス、魔法使いミハル。
俺たち三人は学校に別れを告げ、旅に出る。


143 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 20:09:58 0
しかし主人公はなんもないんだろ。

145 名前:('A`)[] 投稿日:2008/03/04(火) 20:51:27 0
>>142
おつだお
つづきまってるお

146 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 07:10:47 O
アルスとミハルは一旦支度を整えに家に戻り、それからルイーダの酒場で落ち合うことになった。
俺は先に酒場に行って待つことにした。

ルイーダの酒場。こういう人々が集まる場所にはあまりきたくは無いが待ち合わせ場所だ。仕方ない。
俺は店内に入った。にぎあう店内。見渡したがテーブル席はいっぱいだったのでカウンター席に腰掛けた。

「あら少年。今日は学校はどうしたのかな?」
店の人か。カウンター越しに小綺麗なお姉さんが話し掛けてきた。
「別に…。」
ったく、だからカウンター席なんて嫌なんだ。
「その格好、家出かなぁ?ダメヨ少年。お母さんが心配してるわよ。」
心配?まさか。でもそんなもの関係ない。俺は大好きだったミカちゃんがいないこの世に未練などない。
「とりあえずなんか飲みもん頂戴。」
「そこにメニューあるから、なんでも頼んでね。」
「じゃあオレンジジュース。」
「ふふ。わかったわ、ちょっと待っててね。」

なんだ。なぜこいつは笑いやがったんだ。

147 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 07:18:10 O
(親との別れに涙でも流してそうだなアルスの奴は…。ミハルはどうだろうな…。)
出されたジュースを飲みながらそんなことを思い、俺はただひたすらあいつらを待っていた。

「おまたせ~。まだアルスは来てないみたいね。」
そう言いながら隣の席に見覚えの無い一人の女が腰掛けてきた。
言動から察するにミハルとしか考えられないが聞かずにはいられなかった。
「…誰?」
「誰って失礼ね。アタシよアタシ。」
「ミハルかよ!なんだその魔法使いみたいな格好は!」
「みたいな、じゃなくて魔法使いよアタシは。どう?」
とんがり帽子に黒マントにとんがりブーツ。ついでにやや短めなスカートに黒めの網タイツの組み合わせが実に妖しい。
「み、見た目だけは大まどうしだな!」
「なっなによその言い方ぁ!」
くそっ…、何をドキドキしているんだ俺は。俺はミカちゃん一筋だったハズじゃないか。
それがどういうことだ。ちょっとミニだからって、黒の網タイツだからって…。
「あっあんまりヘンナとこジロジロ見ないでよねっ!」
「み、見てねーよ!」

俺はジュースを一気に飲み干してしまった。

148 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/03/05(水) 07:37:54 O
未投下の長文削除してしまったorz

レス㌧。主人公にも付加価値考えてますが、まだ考えてないので曖昧な感じになってしまいました。
文才無くてスマソ

149 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 09:27:25 O
>>141
おもしろい

154 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 18:39:34 0
>>148
主人公は何もなくてもいいよ

155 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 22:46:35 O
>>148
面白い!

気長に続き待ってます。


180 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/04/06(日) 06:14:44 O
147の続きです。

ミハルがルイーダの酒場に来てから10分も経っていないだろうか。飲み干したオレンジをお代わりしようかどうか迷っている時だった。
アルスが酒場に入ってきた。辺りを見渡し俺達のことを探している。俺はその動向をただ黙って見ていた。
それに気付いたミハルが手を挙げここだとアルスに合図を送る。
「あんた何黙ってんのよ。教えてあげなさいよね。」
「いや、あいつアルスっぽくねーからさ。違う奴かと。」

髪をおっ立て背中に剣を差しマントを纏った姿は、いつも見る頼りなさそうなアルスでは無くそれはもう勇者だった。

つーかなんだよコイツら。ミハルも完璧魔法使いの格好だし。実は旅に出る気満々じゃねーか。
…でも何かは知らんが独りで背負い込んでた物がすっと外れたような気がした。

「お、おまたせ。待たせちゃったかな?」
「あぁ。1時間は待ったぞコラ。罰として後でオレンジおごりな。」
「何言ってんのよ。そんなに待ってないわよ。」
「つーかオマエラなんだよその格好は。俺普段着だろが。自重しろよ。」
魔法使いと勇者に挟まれた一般人の俺は明らかに浮いている。
「アンタが普通すぎんのよ。」
「そういえば手を振ってくれなきゃミハルさんて気付かなかったよ。」
「ふふふ。驚いた?アルスも似合うわよその格好。」
「そ、そうかな。」
「お前そのマントよこせ。格好付けやがって!」
「え?ちょっ!ジュン君やめてよっ。ちょっ、痛いってば!」
「ほれっ!どうやって外すんだこれ!っく!もういい!脱げ!」
「ほらほら何してんのアンタ達。皆揃ったんだしさっさと行くわよ。」
席を立つミハル。こいつやっぱりスカート短けぇな。って何見てんだよ俺。そっち目線やんな馬鹿。
「んぁ?お前が仕切る気か?」
「別に。リーダーはアルスでしょ?」
「それもそうだな。」
「ぼ、僕が?」
「ふぬけた返答してみろ。そのマントと剣は俺のものになるからな。」
「…わかったよ。」
意を固めアルスは握りこぶしを作り俺達を沸き立たせた。
「行こう!ミカさんの仇を討ちに!世界の平和を取り戻しに!」

俺達はついにアリアハンに別れを告げ未知なる世界に足を踏み入れる。

181 名前:('A`)[] 投稿日:2008/04/06(日) 13:20:39 O
なんかドタバタ具合がおもしろいw

182 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/04/08(火) 11:29:33 O
軽いエロがいい


187 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 07:28:05 O
180の続きです。レスくれたかた感謝です。


町の外へ出た俺達。
まずはここから北にあるレーベの村を目指す。その村に住む老人が魔法の玉を持ってるからどーたらこーたらとミハルは話し出した。
なぜそんなことを知っている?
と、聞こうと思ったがミハルは話し続けているので最後に聞いてみるとする。アルスはしっかり聞いて胸に刻み込んでるようだし。
だが思うに、その前にまずモンスターだ。モンスターを殺せなければレーベの村に行ったところで意味はない。
しかし俺はまだモンスターと戦うどころか生で見たことすら無い。
図鑑などで見たことはあるが実際見てみないといまいち形や大きさが掴めず、どんなに狂暴そうなのが載っていても恐怖は沸かなかった。
まぁこのアリアハン大陸では狂暴なモンスターは生息してはいないようなので、命の危険をさほど感じてはいないが。

「~以上よ。」
「んでなんでそんなことを知っている?」
「調べたの。私だってミカが殺されてただ悲しんでただけじゃないの。」
「あ、ああ…そうか。」
「なにか?」
「なんでもない。」
ただただモンスターをぶっ殺そうと思っていた俺とは違って冷静沈着に物事を考えられるようだ。

「んじゃ行くかレーデの村へ。」
「レーベの村ね。」
「どれくらいで辿り着けそう?」
「そうね、半日くらいかしら。日が沈む前には着けると思うわ。」

半日か。まぁ1時間も歩けばモンスターと遭遇出来るだろう。まずはそれからだ。

188 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/04/13(日) 07:51:36 O
地図上ではレーベの村はここより北東よりだが真正直に進むと森の中に入ってしまう。
さすがに初めて外の世界に出たばかりの俺達にそんな勇気はない。比較的平地で辺りが見渡せる草原を迂回しレーベの村へと向かった。
遠くからモンスターを発見出来ればいろいろと準備が出来る。そう考えていたがまさにその通りだった。
離れた茂みの影で何かが跳ねたのが見えた。スライムだ。
「ついに出たな!」
「どどどこ!?」
「ほらあそこ!スライムだろアレ!マジでぷにぷにしてんのな!」
「小さくてよく分からないよ。」
「こっちへ来るわ!」

その距離まだ約15メートル。数は1匹。リンゴ大くらいの大きさだが初めてのモンスターとの対面に俺は身体の奥底から興奮した。包丁を持つ手が震える。
こんな相手に命の危険は無いだろうが、目の前にいるモンスターは俺達を殺そうと言うのかその弾力性のある体を弾ませながら向かってくる。
「俺がやる。お前ら下がっとけ。」
「気をつけなさいよね。」
包丁で刺すか足で踏み潰すか蹴飛ばすか。考えている間もスライムは不気味に笑みを浮かべながら坦々と近づいてくる。
こいつ何も考えていないのか?感情は?恐怖は?情は?本当に悪い生物なのか?いやいやいや何考えてんだ俺。今の今まで憎んできたモンスターじゃねえか。
逃げてんのか俺。今更にもほどがある。
スライムとの距離約2メートル。
斬り殺そうと決めた瞬間。今まで一定のリズムで跳ねてきたスライムが立ち止まる。正確には地面に体全体を沈み込ませ、反動をつけ俺の顔面に体当たりをしてきた。

「ジュン!」

……!?なんだ?

ドッヂボールで顔面に球を受けた時に一瞬何が起こったのかわからなくなるような衝撃を受けた。鼻から出血していた。だがそれだけだ。
「何も痛くねえ。やっぱ殺すぞ。」
躊躇いは無くなった。今の一撃で相手はモンスターだということを再認識させてくれた。
スライムはまた反動をつけて体当たりしてくるのがわかった。
俺は鍋の蓋で体当たりしてくるスライムを弾き飛ばし、体勢を崩した所を包丁で切り裂いた。
飛び散るスライムの眼、体液。原形が無くなるほどドロドロと流れ出た所でようやくスライムが死んだことを確認した。

「殺っちまった。」
「…やったじゃないのよ。」
「ジュン君怪我は?」
「大丈夫だ。ちょい鼻血でてっけど。」
俺は鼻から垂れる血を手で拭った。その時包丁にスライムの体液が付着していることに気付き草の葉で拭き取った。

ついさっきまで跳ねていたスライムが今は見るも無惨な姿で横たわっている。
蝦や蝿でさえ殺すことを躊躇する俺がモンスターとは言えリンゴ大ほどの生物を殺した。
あれほど殺したがっていたモンスターというのになんだこの感情は。……本当今更だな。なにが全殺しだ。馬鹿じゃねえのか俺。

「馬鹿ね。」
「何?」
「鼻血、止まってないわよ。はいコレ。」
ミハルがハンカチを取り出し俺に差し出す。
「随分可愛いらしいハンカチだな。」
「うるさいわね。いいから早く使いなさい。」
「あ、ああ。ありがと。」
「洗って返しなさいよね。」
「ああ。」
俺はピンクの花柄の可愛いハンカチで鼻を押さえた。ハンカチからは甘い香りがした。


189 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 12:18:28 O
>>188
おもろい、待ってて良かった。
気長に待ってます、焦らないでじっくり頑張って下さい。

190 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/04/13(日) 20:46:44 O
なんと言うか、テンポが好みだ
大槻ケンヂと町田コー足して半分引いたみたいな


221 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/05/07(水) 00:25:05 O
お久しぶりです。ペース遅すぎですすみません。俺もやりますです。

188の続きです。

「おい!どうみてもアレやっぱり村だろ!常識的に考えて!」
なだらかな小高い丘の上を歩いていた俺達は、はるか遠くに見えた集落らしき所に
段々と近づいて行くに連れて期待が確信へと変わった。
「どうやらレーベの村に間違いないようね。」
「僕ちょっと疲れたよ。早く休みたいな。」
「だな。村着いたら早いとこ宿探そうぜ。魔法の玉は明日でいいだろ。」

アリアハンを出発して約6時間ほどで村にたどり着くことが出来たが、思った以上に疲労していた。
常にモンスターを警戒しながら歩き、戦い、神経を擦り減らした俺達は心身共に限界に近かった。
でもまぁ、旅に出た初日はこんなもんだろう。
俺もアルスもミハルも、最低レベルのモンスターだろうけどなんとか倒すことが出来た。
これから少しずつ強くなっていけばいい。


レーベの村着。
村の中に入る頃には陽が沈みかけていた。
村の入口にいた女性が「レーベの村へようこそ。」なんて言ってたから間違いないようだ。
それとあの村人の態度、旅人なんて別に珍しくないって感じか。
宿の場所を聞くまでも無く、俺達はこの小さな村でただ一軒の宿屋で今日の疲れを癒すことにした。

…。

で、今日はもう後は寝るだけだと言うのに突然ミハルが怒りだす。
「あんたたちなんかと同じ部屋で一緒に寝れる訳ないでしょ!絶対嫌よ私!出ていってよね!」
「冗談だろ。疲れてんだからゆっくり休ませてくれ…。」
「知らないわよそんなこと!男共がいたら私がぐっすり眠れないじゃないのよ!」

つーわけで部屋を追い出された俺とアルス。
と言っても別の部屋に泊まる金も無いのでミハルが中に入れてくれるまで部屋の前で座り込みだ。
「おーいミハル。疲れてんだ。いい加減開けてくれ。」
「イヤ。」
「イヤってお前なぁ…。他に休むとこ無ぇんだぞ。ここで寝ちまうぞ。この冷たい床で。」
「どうぞ~、おやすみ~。」
「ったく。だれもお前なんか襲うわけねーのに。女と旅に出るとこれだから困るよな。アルス。」
「え?え、えと…。」
突然扉が力強く開いた。
ミハルの手の平から溢れ出さんばかりの火の玉が、表情を伺うまでもなく怒り度合いを現していた。
つーかまだそんな余力あんのかよと。
「なにする気だお前、家の中でメラなんて放ったらあぶねえだろ。落ち着け。」
「うるさいぃぃぃぃ!!!」
なだめる間もなく発狂したミハルはメラを放っていた。
疲れきってくたくたの俺は避けることも出来ずに直撃。熱い、だめだ、死ぬ。
「なっ何しやがんだお前!!死んじまうだろが!」
「ふんだっ!気絶くらいしたら部屋に入れてあげなくもないわよ!」
「なっ何様だおま…っく、やっぱだめだ…。死ぬ…。」
その場に倒れ込む。意識が遠のいていく。
まさかモンスターではなくミハルに殺されるとは思いもしなかった…。

222 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/05/07(水) 00:36:59 O
気が付くと俺はベッドの中にいた。
(あれっ…、どこだここ?あぁ…確かレーベの村の宿屋にいたんだっけな。それで…。)

「あっ!気がついたっ!」
目を開けた俺に気付いたミハルは幾分離れたベッドから起きて声を掛けてきた。
俺はミハルの顔を見た瞬間思い出した。
「お前な!!!」
「ちょっと!大声出さないでよ。アルスもう眠ってるのよ。」
「あぁ?……っ。今何時だ?」
「夜中の1時回ったくらいよ。」
やっぱりそのくらいの時間か。疲労の取れ具合からみてもまだいくらも寝ていないと感じていた。
アルスも死んだように眠っている。
「アルスもついさっきまで起きてたんだけど、寝ちゃったみたいね。」
「そうか。夜更かしだなお前ら。お前はまだ寝ないのか?」
「え?ち、ちょうど今寝ようと思ってたところよ。ア、アンタも起きてないでしっかり寝ておきなさいよね。」
「あ、ああ…。ってかお前、野郎とは同じ部屋で寝ないんじゃなかったか?」
「気絶した人を廊下で寝させておくなんて出来るわけないでしょ?
 あんたが眠ったの確認したら私も寝るから早く寝てちょーだい。」
「わかった。んじゃ寝る。」
眼を閉じる。疲れきった体は睡眠を欲している。1分あれば眠りにつけるな…。
「…大丈夫なの?」
「何が?」
再び眼を開ける。
「だから、気絶したじゃないのよ。」
「疲れてただけだ。寝れば治るだろ。」
「そ、そう。ならいいけど。」
「なんだ?心配してくれてたのか。」
「ちっ違うわよっ。べっべつに心配なんて全然してないんだからっ。
 ただ私のせいで旅に出れなかったら困るじゃないのよ。」
「そうかい。んじゃマジで寝る。」
「ええ。」

………。

「くかー、くかー…。」
「…寝たの?」
「寝ました。」
「寝てないじゃないのよバカ!さっさと寝ないとメラ撃つわよ!」
「そんなすぐ寝むれっかよ!」


223 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/05/08(木) 08:16:19 O
GJ

相変わらずドタバタってるなw

224 名前:('A`)[] 投稿日:2008/05/09(金) 08:08:18 O
楽しいラブコメだw
久々に健全な笑い方をした

225 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/05/09(金) 14:53:52 O
こういう妄想するよなw

228 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/05/10(土) 15:53:38 O
>>222
相変わらず面白いな~。

是非最期まで読みたい。
このペースでも全く構わないです、続き楽しみに待ってます。


263 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/06/16(月) 02:52:41 O
お久しぶりです。
ペース激遅ですが完結出来るようがんばりますです。

222の続き
「ん…。んん…。」

朝が来た。
いつもと違うベッドの中。しかし目覚めて第一に思うことはいつもと同じだった。
死んだあの子のこと。その想いで俺は一気に目が覚め、飛び起きる。

「なんだ。お前らもう起きてたのか。」
「起きてたのか、じゃないわよ。寝すぎよアンタ。ナジミの塔へ行くわよ。さっさと仕度して。」
「あぁ!?」
というわけで(どういうわけだか分からんが)レーベの村を出て南西にある…え~っと、
ナントカって塔へ行くことになった。
魔法の玉を手に入れるにはその塔の最上階にある物をまず手に入れなければならない。

「盗賊の鍵?なんだそりゃ。」
「昨日説明したじゃないのよ。人の話し聞いてないのアンタ?」
「ヘヘヘ。」
「ヘヘヘじゃないわよバカ!」
「待ってよミハルさん。僕がジュン君に説明するから。落ち着いて。」
…まぁどうでもいい。冒険の行く先はミハルとアルスに任せておこう。
この旅がもし俺一人だけだったらどうするか考えるがこいつらは俺より頭がいい。
おバカな俺はただバッサバッサと現れるモンスターをぶち殺してやるんだ。そう、
少なくとも俺にとってモンスターは悪なんだ。昨日色々と考えちまったが馬鹿な俺は考えるだけ無駄だ。
復讐のために俺は殺る。それが俺の答え。

「~て、わけなんだけどジュン君。わかった?」
「ん?おkおk。そんじゃ行くか。ナ…ナントカの塔へ。」
「いい加減人の話し聞きなさいよアンタ!!」
「痛え!」
メラは飛んでこなかったが檜の棒でぶったたかれた。
(…こいつ魔法使いなんかより戦士の方が向いてんじゃねえのか?)
そう思ったが口に出しては言わないでおいた。

264 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/06/16(月) 03:17:55 O
塔へ行くと言っていたのだがしばらくしてなぜか洞窟の中に入っていった。
しかしその洞窟を抜けると周りが海で覆われている小島に出た。そこに塔はそびえていた。
塔の中は人が住んでいるという雰囲気はまったく無く、獣やモンスターが散らかしばらまいた物の
臭いなどが漂うモンスターの塔と化していた。

警戒する間もなく奥からモンスターが次々と現れた。
「グギュルル…。」
距離を置いてこちらを威嚇しているのだろうか。オオアリクイ3匹が現れた。
長い舌を伸ばしながら時折、フンッ、フンッと息を荒げている。あれか。人間の臭いに興奮しているのか?
「ギコギコ。」
!!!!!!!!。
オオアリクイに気を取られていた俺達は、横の通路から馬鹿でかいカエルが跳びはねてくるのに
気づくのが遅れてしまった。そのまま突き飛ばされるアルス。
「アルス!!」
すぐに体勢を直し銅の剣を抜くアルス。
大の人間を簡単に一飲みにしてしまいそうな巨大ガエルの突然の出現にアルスは震えた。
「ま、まままけるもんかっ!」
とは言うものの、まったくそうは見えない。手足は震え相手を迎え撃つ構えも出来ていない。
「っ!おいミハル!お前のメラでアリクイ共よせつけるな!俺とアルスでカエルぶっ殺す!」
「え?ちょちょっと!なによ!?」
おおがえるは強張っているアルスに向かって飛び掛かっていく。
300kgはあろうかという巨体を軽々と弾ませるおおがえるを俺は全力で追っかけた。
「…っ!あぁもう!迷ってるヒマは無いわね!」
ミハルは手の平に魔力を集中させ、今にも突撃してこようとするオオアリクイに向かって呪文を放つ。
「メラ!!」

265 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/06/16(月) 03:34:38 O
一方恐怖で固まってしまっているアルスは、飛び掛かってくるおおがえるを避けることも
切り返すことも出来ずにただ振り回しただけの銅の剣は、その巨体にかすり傷をつけただけだった。
ドグッ!!
その巨体にのしかかられたアルスはあまりの苦しさにカエルの鳴き声のような声を上げる。
「げぇっ!!」
「くそっ!」
俺は鍋の蓋を投げ付け包丁2本取り出し、アルスにのしかかっている巨体に包丁を突き立てた。
グジュリと突き刺さる。鈍い感触。刺さった包丁を抜いては何度も突き刺した。
「さっさとどけよテメエ!!」
しかし人間をはるかに上回る巨体。数回突き刺しただけでは致命傷には至らない。
頭だ!頭を破壊してやれば!
そう思った瞬間、背中の痛みを覚えたおおがえるは暴れ出し俺を突き飛ばした。
痛みもがき苦しみ始めたおおがえる。暴れるうちに突き刺した箇所から血が大量に溢れ出した。
「くそっ、トドメを差して楽にしてやりたいけど包丁が刺さったままだ。観念してくれ…。」
「う…、うう、っく!」
それを見たアルスが起き上がり、痛みながらも渾身の力を込めて銅の剣をおおがえる目掛けて振り下ろした。
「はあ…はぁ…。大丈夫?ジュン君。」
「ああ。ってかお前が大丈夫かよ?」
「う、うん…。それよりミハルさんを!」
そうだ。振り返るとミハルはしっかりとオオアリクイを食い止めていた。
既に2匹仕留めて最後の1匹を仕留めるべくメラを放っていた。
しかし相手も仲間がやられる度にメラを見続けたことによりこれを避けた。
呪文を連発し疲労したミハルの隙をついて突進してくるオオアリクイ。
「いやぁぁ!!来ないでよばかぁ!!」
「ミハル!」
「ミハルさん!」
ダメだ。助けようにも間に合わない!
ボグッ!という鈍い音が響き渡る。
「…まじかよオイ。」
倒れたのはオオアリクイだった。
ミハルは檜の棒で突進してきたオオアリクイの頭を見事に粉砕していた。
その場に力無くぺたりと座り込むミハル。

戦闘を無事に終え俺はほっとしながらも思った。
やっぱり魔法使いなんかより戦士の方が向いてんじゃねえのか。と。
口に出しては言わないでおいた。


266 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/06/16(月) 21:12:52 0
主人公熱いな。こういう奴結構好きだ。

267 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/06/16(月) 23:05:39 0
にしても戦闘がリアルに怖いな

268 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/06/18(水) 05:08:43 O
テンポがツボ
サクサク読めるし面白い

269 名前:('A`)[sage] 投稿日:2008/06/19(木) 18:01:12 O
いつも面白くていいね、
すっかり月一の楽しみになってしまった。
このままのペースで頑張って下さい。


286 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/07/05(土) 10:43:47 O
レスどうもです。
短いけど>>265の続き。

塔の何階まで来ただろうか。
大分登ってきてはいるのだが依然モンスターが現れ、とても人が住んでいるような所ではない。
本当にこの塔に人が住んでいるのだろうか。

「…ちっ。包丁一本折れちまったな。」
度重なる戦闘を続ける内、包丁が折れて使い物にならなくなってしまった。
残る一本も先端がかけている。
「アンタ包丁なんかじゃなくてちゃんとした武器買ったら?」
「あぁ、そうだな。村に戻ったらなんか買うわ。とりあえずまだ一本は大丈夫だ。トンカチもあるし。」
「そう。でもアンタ達魔法使えないんだから武器ぐらいしっかりした物使わなくちゃね。」
「つってもなぁ、俺としては包丁がしっくりくるんだ。」
銅の剣のような長くて重い武器よりかは、短い武器で身軽さを生かした戦い方の方が俺は好きだ。
俺はどちらかと言うと戦士向きでは無いようだ。大して力があるって訳では無いし。
「ま、いざとなったら俺の拳で戦ってやんよ。」
「力無いくせに、何言ってんのかしらね。」
「うるせぇ。殴るぞ。」
などと、いつの間にか軽い冗談を交わせるくらいの余裕が持てるようになっていた。
この塔を登り始めた頃は、買いためておいた薬草が足りなくなるんじゃないかと心配していたが、
このままでいけば十分余りそうなくらいだ。
現れるモンスターをパパッと蹴散らして階を進むペースも上がり、俺達はどんどんと登っていった。

287 名前: 141 [sage] 投稿日:2008/07/05(土) 10:51:47 O
次の階段を上るとフロアの雰囲気が一変した。
「なんだここは!?ここが最上階か?」
今まで上ってきた薄汚れたフロアとは違い、この部屋は綺麗でベッドやテーブルが備えてあった。
モンスターの巣窟と化したこの塔で、本当に人が暮らしている事をこの場でようやく信じる事が出来た。
「なんじゃお前さんらは?」
一人の老人がテーブルに座っていた。
この塔にわざわざ住むくらいの人だ。包丁や剣を手に持っている俺達を目の前にしても偉く落ち着いている。
俺達はすぐに武器をしまい、挨拶も早々に早速事情を話すミハル。
「ふむ…。そうか、よかろう。この塔を登ってきた勇気のある若者達じゃ。信じてみよう。」
老人はそう言うとあるものを手渡した。
「これが盗賊の鍵じゃ、これで魔法の玉も手に入るじゃろ。」
「ええ。ありがとうお爺さん。」
「気をつけてな。このアリアハン大陸は最も弱いモンスターしかおらんかった大陸じゃ。
 これからどんどんと過酷な旅となるじゃろう。」
「ああ、分かってる。だから俺達はそれ以上に強くなってみせるぜ。」
「ふむ、頼もしい言葉じゃ。では期待しておるぞ。」
「ああ。じゃあな爺さん。」

盗賊の鍵も無事に手に入り、魔法の玉を手に入れるべく俺達はレーベの村へと戻ることにした。



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