『おおきくブッパなして』


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前回までのあらすじ


あ…ありのまま 今起こった事を話すぜ!

『俺は 嬢ちゃんの同居に反対したと思ったら いつのまにか賛成していた』

な…何を言っているのかわからねーと思うが 俺も 何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか誘導尋問だとか そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


誠人『…自分の発言に責任持たずに思い付きでモノ言うからそうなるんだよボケナス…』(呆れ)

ルァン『ふふ♪ これから忙しくなるわね…w』

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…舞台は前回終了直後の事、ひとまずルァンせんせはB.J.の嬢ちゃんの検査の準備の為に近所の病院まで交渉に出向き…
…その他一同はいまだ台所で顔を突き合わせていた…

B.J.「…私、これから…どうすればいいの…?」(一同を見回しながら)

誠人「どうすると言われてもな…お前はどうしたいんだ…?」

リオ「そうだ! まずはB.J.ちゃんの着替えや日用品、買出しに出ましょ♪ 女の子が一張羅なのもあんまりでしょ?」(前回での嬉しさを隠そうともせずに提案)

悠慈(…なんだよ、このホームドラマみたいなノリ…俺っち、引越ししようかな…?)

誠人「引越しするのはかまわんが…溜まった家賃を完済してからにして貰おうか…」(悠慈の顔見て一発で感付く)

悠慈「居候の中で家賃を滞納するヤツがいてもいい。 自由とはそうゆうモノだ…。」(遠い目)

誠人「そんな自由捨ててしまえっ! B.J.の保護自体、お前が言い出した事だろうがっ! 少しは責任持てっ!!」(怒)

リオ「そうですよ悠慈さん…もっと『お兄ちゃん』として自覚持ってくれないと…」

悠慈「誰がお兄ちゃんだ! わ~ったよ! 家賃完済するまでだかんねっ!」(ココでようやく折れる)

B.J.「・・・。」(何が原因で言い争いしてるかわからずキョトンとしてる)

誠人「何はともあれ、だ…買出し出るなら荷物持ちが要るだろ? 全員で行くか?」


そんなこんなで散歩がてら徒歩で買出しに出る一同…
『女の買い物は時間が長いし荷物も多い』を地で行く買出しも一段落つき…
帰路につく頃には、リオの趣味(?)なのか黒を基調としたゴスロリ服に身を包むB.J.の姿と…
…そんなB.J.とリオから一歩引いたところで【重装型】と言って差し支えない量の荷物を担いでいる誠人と悠慈の姿があった…

ふとB.J.が足を止め「…あれ…何をしてるの…?」と道端の空き地に目をやって指差した。

指差した先では大の大人達が草野球に興じているようだ。


誠人「ん…? B.J.は野球を見るのが初めてなのか…?」

リオ「あれはね、皆で野球で遊んでるみたい♪」

悠慈「…ってか、やってる連中アグリーんトコの作業員たちじゃね? アレ…」(アイツら、そんな健全な趣味持ってたっけ?)


空き地の方から見ても【重装型】な買出し一同は目立つらしく、すぐに片方のベンチから誠人たちに選手が詰め寄ってきた…。


作業員ズ「ご無沙汰しておりますアニィっ!」「 どうか助けてくださいっ!」(誠人を見て涙目で懇願)

誠人「子供の前だぞ…ンなヤクザみてぇな挨拶してんじゃねぇ…!」(作業員ズの言い回しにやや不機嫌)

悠慈「あぁ、やっぱり。 相手に2点取られてヒィヒィ言ってんのお前らだったんだ。」(スコアボード眺めながら)

B.J.「・・・? どうして泣いてるの…? この人達、どこか痛いの…?」(リオを見上げながら、不安そうに呟く)

リオ「違うよ。 負けたくないから一生懸命に頑張ってるのよ♪」(B.J.に目線を合わせて説明)

悠慈「コイツらが一生懸命になんのはゼッテ~博打絡みだぁよ…正直に吐け。 今回は何を賭けてんだ?」(作業員ズを呆れながら一瞥)

作業員ズ「何って…」「…次回の事業の入札権…」「相手チーム、ウチの足元見やがって…」(互い違いに説明)

誠人「身から出た錆だ。 なぜ俺らが責任(ケツ)持ってやらねばならんのだ…?」(子供の前で教育悪そうな事並べ立てる連中にキレかけてる)

悠慈「だいたい、相手チームがどんな腕っ扱きだろぅがねぇ…ランナー溜め込んでアグリーが一発あてりゃ逆転すっだろ? あの子、ジャストミート率高ぇし長打力あんだし。」(アイツのコーディネイター能力、野球向きなのかね?)

作業員ズ「アグリーのヤツ、試合ドタキャンした…」「…この工務店の一大事に『デートがあるから後ヨロシクっ!』って…」(一同・遠い目)

リオ「アグリーちゃんにボーイフレンドって初耳なんだけど、皆は知ってたの?」

悠慈「なワケないでしょっ!むしろ居た事にオドロk…クソッタレ…いっそ…みんな結婚しちゃえばいいのに…」(トラウマ再発して遠い目)

誠人(…間違いねぇな…相手は直人だ…。 二人が出会った原因、悠慈の依頼すっぽかしだからな…この助っ人、今回ばかりは断れんか…?)

B.J.「…みんな…助けてあげないの…?」

リオ「誠人さん、悠慈さん。 私…試合に参加してもいいでしょ…?」

誠人「気が変わった…俺も今回は手を貸そう。 おら悠慈、逃避してないで現実戻って来いっ!」(悠慈に向かって一喝)

悠慈「だぁもうっ! しゃあねぇな…で、状況説明しろ お ま え ら っ !! 」(自暴自棄気味)

作業員ズ「これから九回裏で」「オレらの攻撃です」「相手のピッチャー、マイナー(リーグ)崩れらしくて」「オレらじゃバットに掠りもしませんでしたっ!」

誠人「OKわかった。リオ、悠慈。野球の経験は?」(目付きがすっかり参謀のように)

リオ「学生の時、ソフトボールやってました。」

悠慈「ルールと裏のかき方は知ってる。実経験はほぼない。」(即答)

誠人「充分だ。 おまえら、今すぐ主審呼んで『三人分、纏めて代打出すがOKかどうか』確認とってこい」(作業員ズに軍人口調で指示)


審判&相手チームと交渉する事に少々時間が掛かったモノの、相手ピッチャーが元プロとゆう事もあり『三連続代打』が認められる運びとなった。


誠人「一番手、悠慈! やり方は問わんからお前はとにかく塁に出ろ。 二番手はリオ! 悠慈が三塁盗るまでカウント稼いでから塁に出ろ。 三番手は俺が二人纏めてホームベースまで生還させる。 チンタラ延長と言わず、ココで決めるぞ!」(もはや作戦の立て方・指示の出し方が軍人のソレ)

相手投手「…変な連中…調子狂いそうだ…。」(呆れ)

ピッチャーが呆れるのも当然、最初に打席に立った悠慈からして『俺はド素人です』と構えが物語っている。
正直、真剣に投げるのがアホ臭くなった。
『適当にボール球振らせて三振取ってやろう』そう思って外角低めに第一球目を放った時…ソレが起きた。

ボールがピッチャーの手を離れた瞬間、悠慈の構えが野球のバッターではなく…例えるならビリヤードのキュー突きにチェンジしたのだ。
呆気にとられる暇も与えずバットの先端でボールを突き、呆気に取られた頃には全力疾走で一塁を駆け抜けていた。

相手投手「なんだよそれっ!」(悠慈と審判にクレームつける)

悠慈「あんだよっ?!ファールライン越えなかったろ、打球!俺っちがインチキしたってかっ?!」(逆ギレ)

相手投手「そうじゃない!打ち方だよ打ち方!あんなのアリかっ?!」

主審「打ったとゆうより突いたとしか言いようがない…まあバットにしか当たってないからプッシュバントが崩れたと見るべきなのか…」(過去になかった事なので頭抱える)

悠慈「あんなボール球、目いっぱいバット伸ばさなきゃ届かなかったろゼッタイ。」

誠人「…まずは一塁…。」(してやったりな表情を浮かべる)

リオ「誠人さん? こうなる事知ってて悠慈さんを一番手に?」

誠人「塁に出るまでがネックだったが…出てしまえばこっちのモノだ…。悠慈の逃げ足なら、ほぼ確実に三塁まで盗れる…! そんな事より、次はリオの番だ。 作戦どおりに頼むぞ…。」


あんなデタラメで『内野安打』をしてやられたピッチャーは気を取り直す事もなく逆にイラつき始めていた。
二番手に出てきたリオを見て、今度は野球の経験が有りそうだと判断できたが…ここまでイラつかせる張本人、悠慈が「いつでも二塁が盗れる」といわんばかりにまったく一塁からリードを取ってないナメた態度が冷静な判断力を奪っていった…。

ここでは目の前の打者に集中するべきだった。
ストライクゾーンを狙い続けていたハズなのに、ことごとく配球を読まれてるとしか思えないリオのスイングでファールを量産され…気づけば10数球ムダ弾を投げさせられて疑心暗鬼に陥っていた…。

相手投手(おい…リードが筒抜けになってるぞ…! どうにかしろ…!)

相手捕手(なら指示は出さん。そっちの判断でキメ球投げろ!)

相手投手(だいたい…ランナー出たら送りバントするだろ、普通…!)

リオ(やっぱり…こんな時に『心に触れる』のは反則だったかな…?)

次の投球、リオはワザとフルスイングで空振りした。
相手バッテリーの疑心暗鬼を逸らすつもりでの行動だったが、その隙を逃さない悠慈。
キャッチャーが捕球するまでには一気に三塁まで盗塁を成功させていた(ぉぃ)

リオ「そろそろ、かな…?」

相手投手「何がそろそろなんだよっ!」(すっかり怒りが頂点に達してピッチング)

リオ「…見える…!」(ボールが飛んでくる位置が判ってるとしか思えない鋭いスイング)

今度のフルスイングはジャストミート。
相手の守備、その間隙を突いた打球は外野まで飛んでいってリオは楽々一塁に進め…悠慈はM・ジャクソンばりの【月面歩行】でホームベースを踏んでいた。
もちろん、ホームベース上で「ポゥッ!!」と奇声を上げるのも忘れない(汗

野球のルールを知らないB.J.も、元気一杯な悠慈・リオの二人の姿に思わず拍手していた。

誠人「…さて…俺が決める…!! とっとと終わらせて帰るぞ…。」(やる気満々)

概ね、ここまでは誠人の読みどおり。
悠慈に散々挑発させて、リオの撹乱で相手の守備はすっかりガタガタになっていた。
唯一の誤算は…相手投手がラフプレーを辞さないトコまで怒髪天になっていた事である…。

相手投手(一発喰らわせてやる…!!次、顔面スレスレに内角高め行くぞっ!!)

相手捕手(待て!早まるな!)

キャッチャーの制止も聞かず投球ホームに入る投手…。
攻めっ気満々だった誠人には初球から危険球(ピーンボール)が飛んでくる事は計算外だった…。
間一髪、身を反らして地べたに倒れ落ちデッドボールだけは辛うじて避けられた。
倒れ落ちる姿を見て作業員ベンチからB.J.の悲鳴が上がる。

相手捕手「すまないっ! 怪我は無かったかっ!」(焦)

誠人「…気にすんな…俺は無事だ。 あれだけ力んでたら、ボールがスッポ抜けだってするさ…。」(意外と平静なようだ)

そうして何事も無かったように打席に立つ誠人…
しかし、その目付きは【狂犬古城】と呼ばれていた頃に立ち戻っていた。
バットを片手で肩に担ぎ、空いた手で人差し指を立ててクイクイと相手投手にガン飛ばしながら手招きした。

 『もういっぺん、内角高め(インハイ)やってみろ』

誰の目から見ても、それは宣戦布告だった。

相手捕手(頼むからっ!挑発に乗るなっ!)

相手投手(やってやろうじゃねえかっ!今度は正真正銘・顔面だっ!)

一塁にリオが居るのもお構いなしに大きく振りかぶるピッチャー。
渾身のストレートは要求どうりに誠人の顔面めがけ放たれた。

誠人「…零距離は…俺の間合いだっ!!」

 一閃…!! 
それはもう、打者のスイングではなかった。
剣術でいうところの八相の構え・その殺気を帯びた鋭い【太刀筋】はボールを切っ先に捕らえ、袈裟懸けに振り抜かれたバットから外野を越え、そのままスコアボードにボールが突き刺さっていた…。

誠人「逆転サヨナラ、成功だ…。 お疲れだったなみんな…。」(ホームラン打った安心からか、先ほどまでの殺気が消えている)

B.J.「…すごい…。」(何をしたのかよく解ってないが、それでも驚いている)

悠慈「礼より先に、リオっちと仲良くダイヤモンド一周してきたらどうよ?」

作業員ズ「やったっ!」「やったっ!」「勝ったどぉォォォォォォ!!」(一同・狂喜乱舞)

礼儀としてダイアモンド一周するリオと誠人の二人。
2対3の逆転勝利で幕を閉じた野球賭博。
さぁこれから帰ろうかとゆう頃になって、ようやく頭の冷えた相手投手が工房の面々のトコまで謝罪に来た。

投手が頭を下げる暇も与えず、相手の肩に手を乗せる誠人…。
罵声のひとつもなく誠人が「いい真剣勝負だったよ…ありがとう。」と簡潔に述べた事に投手は戸惑いを隠せなかった。

悠慈「やられた本人がこう言ってるんだしイイんぢゃね? チームプレーなんだし、いちいち挑発乗るのもアレだと思うが…打者にインハイ投げろと言われてフォーク投げるしたたかさがあっても良かったんじゃない?」

リオ(悠慈さんの挑発の方が…よっぽど酷かったような…?・汗)

誠人「…そろそろ帰るぞ…次の機会あれば、その時は健全な野球をしようぜ…。」

そう一言、投手に投げかけて工房の一同は再び帰路に着いた…

B.J.「…私も…野球やってみたい…。」(リオに手を引かれながら)

リオ「そうね…w B.J.ちゃんにたくさんお友達が出来たら、その時にソフトボール教えてあげるね♪」(B.J.の意思表示が嬉しそうだ)

悠慈「あの二人…完全に友達親子のノリだな、マコっちん…」(リオとB.J.見ながら呆気に取られる)

誠人「…あぁ…これから、家族ごっこが始まるだろうな…。」

…悠慈には、その誠人の一言が『そんな生活、まんざらでもない』と言ってるようにも聞こえた…。