『迷子のB.J.』


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前回までのあらすじ

…私、山久悠慈は親友に愚痴られています…
…なぜ、愚痴られているのかはわかりません…
…ただひとつ判る事は、ヒデアキの育児と関係がggg

誠人『 ち ょ っ と 待 て 。 お前、ソレ前回も言ってただろうが…』(汗)

ポール『ネタの使い回しとは関心しませんな。最近の悠慈は横着で困る。』

悠慈『うっさいわぁ!お前らばっかり修羅場ってたと思うなチクショー!!』(涙)

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…場所は工房内の台所…

…テーブルには見慣れない女の子と、その子にできたてのアップルパイを振る舞うリオの姿があった…。


リオ「味の方はどうかな? お口に合えば良いんだけど…」

B.J.「…歯ごたえがあって…美味しい…。」(顔色ひとつ変える事無くパイを頬張っている)

リオ「良かったぁ♪ 沢山あるから、好きなだけ召し上がれ♪」(気に入ってもらえて上機嫌なようだ)


そんな微笑ましいやりとりが交わされる中…表の方がにわかに騒がしくなってきた…


悠慈「たっだいまぁ~!って、なぜにリオが台所占拠してんだ?」

リオ「おかえりなさい悠慈さん。って…もう忘れたの? この前の健康診断、誠人さんと二人揃って引っ掛かった事…」(汗)

悠慈「まぁ、俺っちとマコっちんが大飯喰らいなのは認めるが…こうも最近、毎日【幼馴染みキャラや通い妻】みたく食事作りにこなくても…。 俺ら、いちおう自炊は出来るんですよ?」

リオ「うん、知ってる。 悠慈さんが鍋物しか作れない事と…誠人さんはスパゲッティをキロ単位で茹でる事は…。 そんな食生活してたら、ルァン先生だって頭を抱えるわよ…」(とか言いつつ、自分も頭を抱える)

悠慈「話の流れをヴッタ斬りにかかるが、その娘だれよ? リオっちの妹か何かか?」(今頃気づいてB.J.を指差して質問)


悠慈の【伝家の宝刀】に、一瞬リオの表情が凍りついた…


リオ「えっ? うっそぉ?! この子、誠人さんか悠慈さんの知り合いじゃなかったの?!」(驚愕)

悠慈「常識的に考えろっ!! そんなちっさい子と【お友達】になろうものなら、最悪の場合サツ呼ばれるわぁ!!」(逆ギレ)

リオ「いや、だって…ずっと、独りぼっちで工房の中覗いていたのよ? 最近、この街も治安が良くないし…そのままだと危ないからココに招いたのよ。」

悠慈(腹の底からツッコミ入れたい…治安が悪い原因、マコっちんが一枚噛んでるからだろ~が…)

B.J.「・・・。」(よほどアップルパイが気に入ったのか、我関せずで黙々と食べてる)


噂(?)をすればなんとやら、事態が収集する兆しをみせないまま今度は家主まで帰宅してきた…


誠人「…ただいま…。 リオ、来てたのか…。 その子…誰だ?妹か…?」(B.J.が居る事にすぐ気づいたようだ)

リオ「…誠人さんの反応が悠慈さんと同レベル…」(またも頭を抱える)

悠慈「そこっ! 頭抱えるなっ! それ以前に頭抱えるトコ間違えてるっ!」(リオ指差してツッコミ)

誠人「ガタガタぬかすな悠慈…誰でもいいから、順序立てて説明してくれ…」


…そこで初めて、全員が席に着きリオから仔細を聞くのであった…
…リオがお菓子作りに精を出している頃にB.J.が独り、ポツンと工房を覗いていた事…
…最近の街は物騒だからと(自宅じゃないのに)その子を中に招き入れた事…
…お菓子の出来を褒められて嬉しくなり…独りぼっちの理由はおろか、その子の名前すら聞くのをド忘れしていた事を…(爆)


誠人「…OK,よくわかった…。 つまりは、だ…。 迷子が居たから急場しのぎで保護したのはいいが、何ひとつ質問していないって事だな…」

悠慈「お前さんもツッコミどころ間違えてるぞ。 他人ん家私物化したのはスルーかよ…」(汗)

誠人「この中で一番私物化してるヤツが言えた義理か…?」(子供の手前、いくぶん言い草が穏やかになってる)

悠慈「リオもリオだぁよ…しっかりしてるのか、間が抜けているのかどっちか一本に絞ってくれないと…」

リオ「…ごめんなさい…」(汗)

B.J.「…ごちそうさま…。」(いつの間にやら、パイ完食)

悠慈「喰うの速っ!」

誠人「ちょうどいい区切りだな…。早速なんだが、いくつか聞きたい事があるんだが…?」(B.J.の方を向いて)

リオ「そうねぇ…最初に、貴方のお名前教えて欲しいな♪」

B.J.「…名前…? わからない…。 私、ホントの名前、なんてゆうの…?」(顔色ひとつ変えず聞き返す)

悠慈「偽名でも構わないって! どうせ、俺っちの名前も偽名なんだし」(爆)

リオ「え…?」(汗)

誠人「知らなかったのか? このバカ、人前では絶対に本名を名乗らん。 履歴書はおろか免許証にまで偽名を書く徹底ぶりだ…」(指摘するのも詮無いといった風に)

B.J.「…私…まわりからB.J.って呼ばれてる…21番目、だから…」

悠慈「犬や猫じゃねぇんだぞ…ぞんざいな名前つけやがって…」(何かに感付いたのか、日頃とは違うイラつきを見せる)

誠人「どうした?悠慈…?」(そんな居候のイラつきが癇に障ったようだ)

悠慈「嬢ちゃんのまわり、ネーミングセンスがなさ過ぎだぁよ。 21でB.J.とくればブラック・ジャックしかねぇだろ? 少なくとも、女の子に付ける名前じゃあねぇやいね…」

誠人「すまんな、俺は(金を賭ける)ギャンブルはやらん…。」(即答)

悠慈「あっ、そ…。」(同じく即答)

リオ「うぅん…B.J.ちゃん、でいいのかな? 私の名前はリオ・クルーズ、物静かなおじ様の方が古城誠人さん、賑やかなお兄さんの方が山久悠慈さん(偽名)ってゆうの♪ よろしくね♪」(優しく微笑んでみせる)

B.J.「…それが…貴方達のお名前…羨ましい…。」(相変わらず、表情が変わらない)

誠人「俺を呼ぶ時は…別に呼び捨てで構わないぞ。 よろしくな…」

B.J.「…でも、ごめんなさい…私、人の名前が憶えられないの…」


…それからとゆうもの…
…何を質問しても『わからない』『知らない』以外の答えが聞き出せない状況が続き…
…親身になって質問を続ける誠人・リオを横目に…
…日頃からは想像つかない顔つきで考え込む悠慈の姿があった…


悠慈「・・・。」(ど~考えても、この嬢ちゃんワケ有りだろ…孤児院かどっかから逃げたクチか…?)「なぁマコっちん、もしかして警察に届け出る?」

誠人「なんだ? このまま保護して警察に誘拐犯呼ばわりされたいのか?」

リオ「そうよ!この子だってきっと…ご両親の元に帰りたいハズよ!」

悠慈「この件には裏がありそうだって言ってるんだよ…だいたい、俺の親じゃあるまいし実の子にぞんざいな名前つけるか? この子には上の兄弟が20人も居るのか?」

リオ「それは…  って、悠慈さんが本名名乗らない理由って自分の名前が嫌いだから?」

悠慈「まぁねぇ…それには触れないで」(苦笑)

誠人「お前が言いたい事はわかる。 この子はワケ有りだから裏付け取ってから対処しろってんだろ?」

悠慈「そそ、そゆ事♪ この街の方々で顔が聞くマコっちん、モノは相談なのだが…」(確信犯のニヤニヤ)

誠人「わかっている、警察への根回し・この子の身元調査をしろ、だろ?」

リオ「警察への根回しって…」(汗)

誠人「口実はいくらでも作れる…B.J.がココに着くまで、ドコほっつき歩いていたかもわからないんだ。 まずは体調不良がないか診察するのが先だろ?」

リオ「それが警察と何の…」

悠慈「なぁるほど、ルァンせんせトコで診察やら検査するとゴネて警察に保護を認めさせるっと…♪」

B.J.「…検査…っ?! …痛いのは嫌…!! 痛いの嫌いっ!!」(今までの物静かな言動からは信じられないぐらい怯え出す)

リオ「どうしたのっ?! 落ち着いて! 大丈夫だからっ!!」(暴れだしそうなB.J.を抱きしめようとする)

誠人「悠慈…どうしてこう、お前の勘は悪い方にばかり的中するんだよ…。ワケ有りなんて一言じゃ…片付きそうもねぇな…」


…リオを手伝おうと誠人がしゃがみ込んだ次の瞬間、リオの口から押し殺した苦悶の声が零れた…
…B.J.の手には、暴れた拍子に手に取ったであろうパイを切ったナイフ…
…リオの腹部には、抱きしめた拍子に刺されたであろう傷と出血があった…


悠慈&誠人「「リオッ?! だいじょ…」」

リオ「…騒がないで…!! この子が…また怖がるから…!!」(押し殺した声で二人を制する)

B.J.「いい子にしますからっ!!いい子にしますから痛いのやめてぇ!!」(堰を切ったように泣きじゃくる)


…痛みを堪え、ふたたびB.J.を優しく抱き締めるリオ…
 「『もう泣かないで…大丈夫、ここには貴方を傷つける人は居ないよ…』」
…リオの優しい言葉がその場に居る全員の耳に…いや、心に届いたような気がした…


悠慈「っ?! リオの声っ?! でもどこから?」(何が起きたか飲み込めていないようだ)

誠人「久しぶりだな…リオが【心で語りかける】のは…」

悠慈「これが噂の【NTトーク】ってやつ?初めて体験したZE…」

誠人「よそで言いふらすなよ…? バレた時には…」(たとえお前でも殺す、と言わんばかりの殺気が眼に篭っている)

悠慈「誰にでも秘密はある。そのぐらいの理解、俺っちにもあるぞ?そんな事より…B.J.の嬢ちゃんは落ち着いたか…?」

リオ「え、えぇ…安心したのかしら…? 泣き疲れて…眠っちゃった…」(痛みを我慢して微笑んでみせる)

誠人「一安心、だな…悠慈、手伝え…」

悠慈「あいよ、消毒はウォッカでいいか?」(とか言いつつ、裁縫針やら絹糸を用意しだす)

リオ「…ちょっと…何する気…?」(脂汗)

誠人「応急処置、だよ…。 二人をルァンに診せるにしても、止血と傷口縫い合わせとかないとな…」(即答)

リオ「いいわよっ!自分で出来ます! レスキュー(見習い)なの忘れたの?!」

悠慈「ケガ人は大人しくしてなさいってっ!」


…そうやって、誠人・悠慈が二人がかりでリオのシャツを脱がそうとした矢先…
…勢いよくドアが開き、そこにはいつもと変わらない微笑んだルァンがいた…


ルァン「大人しくリオちゃんの手料理食べてるかどうか見に来てみたら…いくら野郎世帯だからって、なにガッツいてんのよ二人とも…?」(いつもと変わらない笑顔のまま、額には青スジが浮き出している)

悠慈「せんせっ?!待て、誤解だっ!」(焦)

ルァン「五回? まぁ…若いわねぇ~このケダモノっ!」(一喝)

誠人「俺(ら)の話を聞けぇ!」(必死)

ルァン「女日照りとはいえ…いい歳した分別盛りが!別のトコロで盛ってんじゃないわよっ!」(洪家拳独特の構えを取り、すでに殺る気満々)

誠人「悠慈…逃げるぞっ!」(ドアから脱兎の如く逃亡)

悠慈「いぇす・うぃ~・きゃんっ!」(窓から脱兎の如く遁走)


…こうして悠慈&誠人は、けが人ほったらかしでルァンせんせとの『リヤル鬼ごっこ』で半日ほど心地よい汗を流し、とっ捕まった後は二人仲良く誤解が解けないまま鉄拳制裁&お説教のフルコースを堪能するのでした…


余談・腹部の刺し傷、三人が鬼ごっこ中にリオ本人が処置しました…(汗)