らき☆すたSSスレまとめ@ ウィキ
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らき☆すたSSスレまとめ@ ウィキ
ja
2018-12-08T16:08:53+09:00
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IDtkcstJKX0氏:母の夢の戻り道
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―――背はわたしに似ず、性格はそう君に似ませんように。
わたしを抱いたひとが、そんなことを言う。
そこには、とてもやさしい、親愛のこもった微笑の表情が浮かんでいた。
「――……?」
ベッドのうえで息を漏らす。
わたしをのぞき込んでいた女性の顔から、白い天井へと、いつ、視界が変わったのか。
もう一度、目を閉じてみても。夢に、立ち戻るなんてことはなく。
白だか青だか緑だか、なんともいえない色の粒子がまざる、暗い世界が広がるだけ。
母親の夢をみていたのか、と。自分を振り返った。
夢に出てきたのは、わたしに似ているひと。
おかあさん、やっぱり若いひとだなあ。おとうさんには、苦労させられたんだなあ。
と、ニヤニヤするいっぽうで、珍しいなとも思った。
さっきまでみていた、夢の内容。それを、目を開けたあとでも、鮮明に覚えている。
「……まあ、あれだよね。あの父(おや)にしてこの娘あり」
夢の内容を反芻して。自分と父を、省みてみる。
わたしの将来を想い、しあわせそうに微笑むおかあさん。
だけれど、現実に、おとうさんが施した情操教育の結果。できあがったわたしはこんなんで……。
よくよく考えてみると、おかあさんへの良心が、痛まないでも、ないような。しないような……?
苦笑いとともに、ふう。と息をついた。
……線香あげておこうか。
ベッドから足を降ろしながら、わたしはひとりごちた。
リビングにて朝食。
おかあさんは、どんな娘が欲しかったんだろう。そんなことを、考えてみる。
はむはむとトーストをかじる対面のゆーちゃんに目を移しつつ。
もしも、わたしがゆーちゃんのようであったなら。そんな、ifがあったなら。
病弱は、わたしにとっては萌え要素だけれど。現実に、母の立場から見た病弱の子、なんてのは。
そんなふうに茶化していいものではないだろうと察することは容易いもので。
だから、おかあさんの理想にしっくりくる娘像が、なかなか、できあがらない。
それはゆーちゃんであっても。
――――わたしで、あっても。
「……うん、家系かな」
ひとことで言い表せる、性格・外見のことだ
2018-12-08T16:08:53+09:00
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ID:2BcYWkhw0氏:こなたの旅(ページ7)
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1801.html
31
今日は休日。かがみと約束した日。珍しく出かける準備をを終えて迎えにくるのをまつばかり。
私にかがみに旦那さんの話をする事が出来たっていったいなにが切欠なのだろうか。
私に会わせたい人。かがみのあの言い方だと私の知っている人。
やっぱり筆頭に上がるのがつかさかな……
現につかさは告白を誰の力を借りずにしている。
でも改めて会ったとして私が変わるはずない。変わるならとっくに変わっている。
つかさは職場で毎日のように会っているし……今更っ感じだよね……
かがみはつかさと会わせて私にどうしろって言うのだろうか。
分らない。
考えれば考えるほど分らなくなる。
それともひよりとかゆたかだとしたら……
ひよりやゆたかがいのりさんやまつりさんとどんなやり取りをしたのか少し興味はあるけど私の場合と
状況が違うと思うし参考になるかな……
結局今日までこんな事ばっかり考えて過ごしてしまった……
『ピンポーン』
呼び鈴の音。時計を見ると約束の時間ピッタリ。かがみに違いない。
私は玄関に向かって扉を開けた。
かがみ「オッス、こなた!!」
そこには私服姿のかがみが立っていた。私服か。そういえば最近見てなかったな、かがみの私服姿。
かがみはジロジロ私を見回した。
かがみ「出かける準備はできていそうね、行きましょ」
かがみは玄関の前に停めてある車に乗り込んだ。かがみは車できたのか。私は玄関を出てかがみの車の助手席に乗った。
かがみは私がシートベルトを付けるのを確認すると車を走らせた。
かがみ「この前は何勝したかしら……」
こなた「ほえ?」
少し考えたけどこの前、ゲーセンに行った時の話しをしているに違いない。
こなた「64戦32勝32敗……」
かがみ「どうよ、以前の私と違うでしょ?」
こなた「確かに違うけど……バージョンが上がっていたし操作性が以前のと違っていて……」
かがみ「おいおい言い訳かよ、こなたらしくない、私が強くなったって認めなさいよ」
そう言えばあれからゲーセンでかがみと格ゲーで弊店まで対戦していたっけな……
こなた「かがみが強くなったって言うより私が弱くなった……最近ゲームしてなかったし……」
かがみ「そう言うのを負け惜しみって言うのよ……」
確かにその通りかもしれない……
こなた「それより誰に会わす
2021-12-03T22:13:26+09:00
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ID:YwJEPO0Eo 氏:7月7日の、蒸し暑い初夏の日に
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1800.html
蒸し暑い初夏の夜。着信メロディが鳴る。
今となっては、古くさいと言われる曲。自分にとっては、そんなに古いとは思ってはいないけれど。
この曲を良く聴いていたあの頃と、現在との年月の隔たりを考えると、まあ、やっぱり世間的には古くさいのだろう。
携帯端末――もう携帯電話などと呼ぶ人もいない――樹脂製の機械の画面をタッチして。
「はい、もしもし」
「あ、もしもし、おねえちゃん?」
なつかしい、妹の声を私は聞く。
産まれた頃から一緒だった双子の姉妹。
進学して。就職して。結婚して。子供たちを産んで。
幸運ながら、大過なく、姉妹揃ってそういう人並みの幸せを歩んでいる。
――おたがい、別々のばしょで。
進学とか、就職とか、結婚のあいだには、引っ越しなんていうものがあったから。
住む場所が変わる。遠くの場所へ移り住む。それもまた、よくある話しで。
「ひさしぶり、変わりない?」
「うん、なにもないよ、そっちは?」
こっちも、なにもないよ。
――だったら、それはなにより。元気でいるのなら、なにも言うことはない。
お互いの、他愛のない近況報告。
子供のころのように、長電話は、もうしなくなった私たち。
ある程度、話しが区切れたら。
もう家事や家族のこと、自分の居る家のことに意識が行ってしまう。
お互い変わりなく元気なら、もうそれでいいと思えるのだから。
だから、電話で話すことも、そんなに多くはなくなっている。
今日。この日に、私に電話をかけている彼女の顔を思い浮かべる。
てるてる坊主をつくったり。
おひな様を飾ったり。
月見団子をつくってみたり。
クリスマスツリーを飾ってみたり。
私たちの住む場処には、そういうお祭りごとや、おまじないごとをする機会が、一年のあいだにいくつかあって。
そして今日も、そんな日だから。
――7月7日の、蒸し暑い初夏の日に、お互いの声を聞きたくなる。
天の川の隔たりを越えて、いつか出会うふたりのお伽話というわけではないけれど。
お互いの距離は離れていても。同じ空に浮かぶ天河を見上げて。
「プレゼント、ちゃんと届いてる?」
「うん、ありがとう。そっちには、届いてる?」
「う
2014-07-06T08:38:51+09:00
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ID:jN24m8os0:七夕
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1799.html
今日は街に出てお買い物。
外は梅雨で生憎の天気。こんな時は天気を気にしないデパートで買い物をするのが一番。
こなたお姉ちゃんは買い物を済ませて先に帰った。これだったらひよりちゃんやみなみちゃんと一緒に来た方が良かったかな……
なんて最初はそう思ったけどたまには一人で気兼ねなく、時間も気にしないで買い物をするのもたまには良いかな……
普段寄らないような店をちょっと覗いてみよう。
少しアンティークっぽい装飾品店を見つけた。値段も手ごろで私でも買えそうな物がいくつもあった。
何気なく手を伸ばした。丁度その時同じ物を取ろうとしたのか他人の手が重なってしまった。
ゆたか「す、すみません……」
手を引っ込めて相手の方を向いた。
かがみ「ゆたかちゃん?」
ゆたか「か、かがみ先輩?」
そこに立っていたのはかがみ先輩だった。
かがみ「奇遇ね、一人でお買い物?」
ゆたか「はい……あ、いいえ、こなたお姉ちゃんと買い物に来たのですけど途中で別れて一人で買い物をしていました」
かがみ「こなたも来ていたのか……」
かがみ先輩は辺りを見回した。
ゆたか「お姉ちゃんはもう帰りました」
かがみ先輩は呆れるように溜め息をついた。
かがみ「あいつは目的を果たすと直ぐ帰るからな……」
ゆたか「かがみ先輩もお買い物ですか?」
かがみ「私? そうね、そんな所かしら……この店感じがいいから何気なく入ったのよ」
かがみ先輩は店の周りをゆっくりと見ました。
ゆたか「そうでしたか、失礼しました」
私は会釈をして店を出ようとした。
かがみ「待って、これから予定はあるの?」
店の入り口で私は立ち止まった。
ゆたか「いいえ、特にありませんけど」
かがみ「こんな所で会ったのも何かの縁、どう、この近くに美味しいスイーツの店知っているけど寄っていかない?」
かがみ先輩の誘いに断る理由はなかった。
ゆたか「はい」
かがみ「それじゃ行きましょ」
『七夕』
かがみ「どう?」
ケーキを食べる私をじっと見るかがみ先輩。
ゆたか「……美味しいです……しつこくない甘さと程よい苦味がアクセントですね……」
にっこり微笑むかがみ先輩。
かがみ「でしょっ!!」
表情が少し誇らしげの様な気がした。
ゆたか「こんなに美味しいお店があったなんて……今度みな
2014-07-06T00:17:36+09:00
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ID:2BcYWkhw0氏:こなたの旅(ページ6)
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26
私は都心のとあるホテルの入り口に居る。丁度エレベータに乗ろうとした時だった。
「すみません、お客様」
後ろから私に声をかける人がいた。振り返ると女性だ、制服からするとホテルスタッフらしい。
スタッフ「恐れ入りますが御用はなんでしょうか」
こなた「このホテルに泊まっている人に会いに行くところだけど」
スタッフは大きく頭を下げた。
スタッフ「すみませんがそのお客様とお約束はしていますか」
私は頷いた。するとスッタッフはフロントの受付の方を向いた。
スタッフ「受付でサインをお願いします」
私は受付でサインをした。さすがにこのクラスのホテルになると受付の対応が違う。あのスタッフはコンシュルジュってところかな。
うちのレストランもあのくらいの対応をすれば一流って言われるのかな。
受付でサインを済ますと再びエレベータに向かった。
『コンコンコン』
ドアをノックした。ドアが開いた。
「¿Quién es usted?」
こなた「ほえ??」
見たことの無い男性が出てきた。髭を蓄えている。
「Váyase.」
何を言っているのか分からない。私はポケットからメモリー板を出して男性に見せた。男性はメモリー板を見ると溜め息をついた。
神崎「やはり無駄だったか」
こなた「もうこのホテルに入ってから居場所は分かっているからね、こんなに便利なのに何故今まで見つからなかったの?」
やっぱり神崎さんだった。このメモリー板を持ってからお稲荷さんの居場所は直ぐに分かるようになった。例え別の人に化けていても見破るのは簡単だ。
私は部屋の中に入った。
神崎「前にも言っただろう、起動しなければ只の箱に過ぎない」
こなた「自動で起動できるようにしなかったの、そんなのお稲荷さんなら簡単にできるじゃん?」
神崎「機械に判断と選択はさせない」
こなた「へ、分かんない、もっと簡単に教えて」
神崎「私達の母星で起きた事件だ、機械が我々に反抗してしまってね」
こなた「あ、それって、よくゲームとかで出てくるネタだね」
神崎「いや、実際に起きた、私達の星ではね、それで長い戦いが起きた……」
こなた「神崎さん達が今こうして居るって事は機械に勝ったんだね?」
神崎「勝ったっと言うより我々が機械の制御を自分自身に取り込んだ、だから機械は我々の意思なしでは
2014-11-23T14:40:51+09:00
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ID:2BcYWkhw0氏:こなたの旅(ページ5)
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1797.html
21.
『カチッ!!』
非常扉のドアが鳴った。鍵が開いたようだ。
あやめ「行くわよ!!」
私達はビルの中に潜入した。
私達が中に入ると神崎さんは素早く扉を閉めた。目の前には作業着姿のいのりさんが居た。
いのり「こっち」
小さく低い声で囁くと私達に背を向けてカートを押して歩き出した。カートには掃除道具が積まれている。
私達はいのりさんの後を付いて行った。
警戒厳重のはずの25階。銀行の中……だけど警備員が一人も居ない。
みゆきさんは私達から別れて一人で客として一足先にこの銀行に入った。融資の話を持ち出してVIP待遇で接待室にて交渉をしているはずだ。
PIV待遇の客がくると警備員のシフトが変わる。これはいのりさんが見つけた。それを利用していのりさんは警備員の居ない通りを歩いていく。遅くもなく速くもなく、でも確実に
歩いているいのりさん。たった一週間でこれほど構造内容を理解しているなんて。これも夫を想う心がそうさせたのか……
すすむ「まて……」
小声ですすむさんがいのりさんを引き止めた。私と神崎さんも足を止めた。
すすむ「感じる……この近くだ」
私達は周りを見回した。丁度扉があった。いのりさんは扉を確認すると懐から鍵の束を取り出しその中の一つを扉の鍵穴に差し込んだ。
いのり「この部屋は一度も入った事がないの……気をつけて、15分よ」
15分……そう、みゆきさんが銀行と交渉する時間がそのくらいだって言っていた。みゆきさんの事だからもっと時間稼ぎができるかもしれない。
だけど15分、いや、できればもっと早い方がいい。見つけられるかな……不安が過ぎる……
いのり「私は、もう、戻らないと……怪しまれる、帰りの道はわかる?」
すすむ「ああ、来た道を戻ればいいんだな?」
いのりさんは頷いた。
いのり「それじゃ……」
いのりさんはカートを押しながら去った。いのりさんがすすむさんに心配そうな顔で見つめていたのが印象に残った。
私達三人は部屋の奥へと足を進めた。
でもそこは部屋だと思っていたがそこは通路だった。そしてその通路には無数の扉がある。
どれが目的の部屋に通じる扉なのか……
いのりさんと別れてからはすすむさんが頼り。メモリー板の場所はすすむさんじゃないと分からない。
こなた「3メートル以内にあるんでしょ……見当た
2014-06-22T14:53:02+09:00
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ID:2BcYWkhw0氏:こなたの旅(ページ4)
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1796.html
⑯
かがみの会合は終わった。今はかがみ、ひより、ゆたか、つかさ、そして私だけが残った。つかさは自分の店だから最後まで残るのは当然だ。
かがみは帰り支度をしている。つかさは後片付け、ひよりとゆたかは二人で何かを話している。私は渡されたファイルをボーと見ていた。
つかさ「えっと、お姉ちゃんに用意した軽食がまだ残っているんだけど、みんな食べていかない?」
かがみ「私はさっき食べたからいいわ」
ひより「あ、直ぐに帰りますので、お構いなく……」
ゆたか「私も直ぐに帰るので……」
皆帰るのか、私は帰っても何かする事はないしな……残った料理は捨てられちゃうのは勿体無い。
こなた「私が食べるよ……」
つかさ「それじゃ暖め直すから少しまってね……」
つかさは厨房の方に向かった。それと同時にゆたかがかがみの近くに来た。
ゆたか「あ、あの、いのりさん達と言い合いになりましたけど……」
かがみは帰り支度を止めた。
かがみ「あ、ああ、あれね、別に気にしなくていいわよ、ただの姉妹喧嘩、あんなのは日常でよくやってるから、それともちょっとムキになりすぎたかしら?」
ゆたか「いのりさん達が途中で退出したのはすすむさん達を危険に曝したくないから……」
かがみ「それは分かってるつもりよ、かえでさんもそう言っていたでしょ……でも、教えればどうなるかは予測できた……」
ゆたか「神崎さんが協力するなんて言い出したら、きっと皆も協力するね」
かがみ「そうなるかもね……」
ゆたか「私は……」
かがみ「どうするかは自由よ、ゆたか、そしてひより、もう帰ったけどみなみは私達の関係者とまではいかない、ただ事情を知っているだけ、呼ぶかどうか最後まで悩んだくらい」
ゆたか「うんん、もし呼んでくれなかったから……一生かがみさんを恨んでいたかも……」
ひより「私も……」
ひよりもかがみの近くに来た。
かがみ「ふふ、どうやら恨まれなくて済みそうね」
かがみは笑いながら再び帰り支度をした。
ひより「この一件が済んだら……私とゆたかはそれぞれの道を進もうって決めました」
かがみ「独立するつもりなの……え、もしかして二人とも結婚……」
ひより「し~、まだ皆には内緒ですよ、泉先輩も」
こなた「へぇ、結婚するんだ」
ゆたかは厨房の方を心配そうに覗こうとしている。
こなた「大丈
2014-03-24T00:02:48+09:00
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ID:u9c3n+WX0氏:球磨川『陵桜学園…?』
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1795.html
球磨川『僕は悪くない』
早朝HR
黒井「おーっし!今日は転校生を紹介すんぞー!」
つかさ「こなちゃん、転校生だって」
こなた「どんな人が来るんだろ?フラグたつかなぁ~♪」
黒井「入ってきていいで~」
ガララッ
球磨川『はじめまして、週刊少年ジャンプから引っ越して来ました!よろしく仲良くしてください。』
クラス中………プッ…クスクス…ナンダヨソレッ
球磨川『笑うな』
球磨川の放った螺子がクラスのみんなを貫く。
球磨川『人の冗談を笑うなんて、人間として、生き物として最低だぞ。』
星屑にうごめく敗北の星 ep,1
こなた「ヤッホー、転校生くん。さっきの手品はどうやったの?」
私は、休み時間に恐る恐る謎の転校生に声をかけた。
彼はまるで澄んだ川のように濁っておらず、しかし負の側面を集約したような雰囲気を漂わせていて。
教室に入って早々、クラスの人全員を螺子伏せるという手品をみせた……
だからこそ、本当に恐る恐る話し掛けた。
球磨川『……………』ジーッ
こなた「……」
球磨川『……………』ブワッ!
こなた「!?ちっ、ちょっと!どどどどうしたの!?」
彼は私の顔を見るなり急に泣き出した。
球磨川『いやぁゴメンゴメン、生まれて初めて女の子から話しかけられたモンだから嬉しくって』
こなた「ずいぶんと暗い青春を歩んでたんだね……」
例の嘘っぽい、作りものみたいな口調で笑えない苦労を語る彼に 私は思わずそうツッコンだ。
星屑にうごめく敗北の星ep,2
ーーー結局、彼には何も聞き出せないまま。一日が終わった。一緒にお昼でも誘おうと思ったのだが次の授業から彼は早速サボりだした。
かがみ「へ~、そんな転校生がねぇ~」
私の友人である柊かがみは、さもどうでもいいような口調で返事をした。
こなた「って、かがみん!全然信用してないでしょっ!も~!」
かがみ「あったり前でしょうがっ!!人を刺しておいて元通りにするなんて、即興でできる手品じゃないだろっ!」
こなた「みゆきさぁぁん」
私は同じクラスの、いわゆるエリートな友人。高翌良
2013-09-22T02:24:43+09:00
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ID:MxroFafO0氏:なんかテキストが見つかったので供養(続き無し)
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1794.html
「ええっ、ゆきちゃん痴漢に遭ったの!?」
「つ、つかささん声が大きいですっ!」
昼休みの中庭、お弁当の包みを開けずに抱きかかえたまま、登校途中の電車内で痴漢された事を告白するみゆき。
午前中みゆきの様子がおかしいことにこなたが気付き、その理由を問いただした結果がこの答えだった。
他人に聞かれたくない、といつものB組の教室ではなく中庭まで出向いてきたのも納得できる。
そう思いながら、かがみは卑劣な行為に及んだ男へ嫌悪感を示し眉をしかめた。
「駅員に突き出さなかったの?あー……混んでて犯人がわからなかった?」
「はい、それもありますが……なにより、その……いきなりだったので混乱してしまって……」
歯切れの悪い返事をするみゆきに、かがみとつかさは『無理もない』と同情するが、こなただけは少しだけ難しい顔をしながらみゆきを見つめ続けている。
「……んー……みゆきさん、痴漢っていうけどナニされたの?」
「ちょ、こなた、あんたねぇ!やな事思い出させるような真似を……」
「痴漢ってのはすごいデリケートな問題なんだよ、かがみ。
女にとってだけじゃなくて、真っ当に生きようとしてる男にとってもね?
痴漢冤罪のドラマだか映画だか、やってなかったっけ?つかさとか見てないかな?」
「あ、うん、見た見た。すごい辛そうだったよ男の人。職を無くして、友達も離れてって感じで……」
珍しく真面目な顔で正論を言うこなたを前にして、かがみは『うぐ』と言葉を詰まらせる。
「みゆきさんが男を陥れるなんて可能性はゼロだけどさ、勘違い、不可抗力って可能性はあるんだよ。
痴漢された~って通報するのは恥ずかしいの我慢するだけで済むけど、もしそれで無実の人が捕まったら人生オワタなんだよね。
たとえ無実を証明しても手に入るのは『勘違いでした☆』っていう手遅れのお墨付きだけ。
だから、慎重になるにこした事はないってこと」
そこまで言い切って一息つくこなた。
それを感嘆の目で見つめるつかさに、なんだかとても悔しそうなかがみ。
みゆきは、頬こそ赤いままだがその言葉に頷いていた。
「それにしても、こなたがここまで物事をしっかり考えられるヤツだとは思わなかったわ……」
「いやほら、ウチには
2013-08-14T14:14:02+09:00
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ID:2BcYWkhw0氏:こなたの旅(ページ3)
https://w.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/1793.html
⑪
次の日のお昼過ぎ……私は神社の前に車を停めた。
神崎さんは夕方って言っていた。随分早く着いてしまった。サービスエリアでもう少し時間を潰してくればよかったかな。
この前の時みたいに待っている必要はない。もうさっさとデータを渡しちゃおう。
このやり場のない気持ちでずっといるのは耐えられない。神崎さんがこれからどんな態度に出るのか……白黒つけてやる。
私は再び車を走らせ神崎宅を目指した。
この前来た時と同じ場所に駐車して車を降りた。そして神崎さんの玄関前に立った。
呼び鈴が押し難い……何故、約束の時間より早いから。データを渡して彼女の態度が豹変するのが恐いから……
やっぱり時間まで待とうかな。いや、もうここまで来て戻るなんて。
「はぁ~」
溜め息が出た。
私の秘密がバレた。神崎さんは私を記事にするのだろうか。いっその事あの時何もしないで帰っちゃえばよかったかな。
いや、神崎さんを助けないであのまま見捨てて私だけ逃げるなんて出来なかった。
記事にするとかしないとかそんな事を考えていなった。そうだよ逆に考えていたら助けられない。つかさがお稲荷さんを助けた時もそんな感じだったのだろうか。
つかさはあれこれ深く考えないからなぁ……
とか言っているけどこの私だって深く考えている訳じゃない。つかさと似たり寄ったりだ。でも、つかさはお稲荷さんと仲良くなったからある意味つかさの方が上かな……
それに引き換え私なんか……
人差し指が呼び鈴のボタンの前で止まったままだ。かがみに励まされてここまで来たのに……
「あの、何かご用ですか?」
こなた「ふぇ?」
声のする方を向くと正子さん?
正子「貴女は……確か泉さん?」
こなた「は、はい……この前は失礼しました……」
正子さんか。レジ袋を持っている。買い物の帰りだったみたい。
正子「娘に、あやめに用ですか? さっきまで一緒だったのですが生憎別れてしまいまして……夕方頃までは戻らないと思いますけど」
そう、約束は夕方だった……
こなた「そうですよね、約束もその頃だったもので……ちょっと早過ぎました、出直します……」
車を停めてあった場所に向かおうとした。
正子「折角遠い所から来たのですから時間まで上がって待って下さいな」
私は立ち止まった。
こなた「いや、悪いですよ、お邪魔になるか
2013-09-28T07:15:00+09:00
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