ID:Ny > B1sAO氏:田村ひよりの溜息

パティ「ヒヨリー!」
ひより「わっ! いきなりどうしたの!?」
パティ「コングラッチュレイション・・・! コングラッチュレイション・・・!」
ひより「ざわ・・・ざわ・・・」

こう「いや自分たちの世界入らなくていいから」
ひより「あれ? 先輩いつの間に」
こう「最初からいたって。はいこれ」
ひより「……? 何ですかコレ」
こう「ひよりん、今日が何の日かわかってない?」
ひより「へ?」
パティ「キョウはヒヨリのBirthdayデスよ?」
ひより「え……あぁそういえば!」
こう「たまにいるよねぇ、自分の誕生日忘れてる人」
パティ「デはアラタめて、Happy birthdayネ!」
ひより「あはは……恐縮っス」

ひより「というお話だったのサ、っと。そもそも学校休みだからみんなに会えるわけでもないしね……」
母「ひよりー、ご飯よー」(CV.くじら)
ひより「はーい。……はぁ」


ひより「あれ? お父さんは?」
母「急な仕事が入って、帰りは夕方だって」
ひより「……そうなんだ」

兄「食欲ないのか? 冷めるぞ?」(CV.立木)
ひより「あ、いや食べるよ」
母「元気ないわねぇ。どうしたの?」
ひより「……なんでもないよ」

ひより(そんなに存在感ある方じゃないってのは自覚してるけど……家族にまで忘れられてるってことはないよね)

兄「さて、と。友達ん家行ってくるわ」
ひより「あ、うん……」
母「あんまり遅くまでお邪魔するんじゃないわよ?」
兄「わかってるって。んじゃ行ってきます」
ひより「行ってらっしゃい」

母「ひよりは? 出かける予定あるの?」
ひより「……ううん。今日はない」
母「じゃあ留守番お願いね。お母さん買い出し行ってくるから」
ひより「わかった。……行ってらっしゃい」


ひより「……忘れられてるってこと、ないよね?」


*


ひより(……あ、28日って泉先輩の誕生日だっけ。
     何がいいかな。アニメのグッズとかはもう持ってそうだからいまいちだよね。
     自作の本プレゼントは――さすがに4日で描く自信ないしなぁ。
     女の子らしく服とか? けど泉先輩ってオシャレには興味ないっぽいし。
     となると……食べ物? お菓子が無難かなやっぱり)


 ぽつねーん


ひより「はぁ……自分が祝ってもらえないのに他の人を祝うってなんかバカらしいよ……」


???「ひよりちゃん」

ひより「え、だ……れ」

かなた「初めまして」
ひより「う、うううううう浮いてるぅ!?」
かなた「あぁ、これは私が――」
ひより「半重力シューズ!? 飛行ユニット!? ていうか泉先輩!?」
かなた「えぇと、とりあえず落ち着いて……」

 ・・・・・・

ひより「泉先輩のお母さんでしたか……」
かなた「ええ。娘がいつもお世話になっています」
ひより「とっ、とんでもない! むしろお世話されてるのはこっちの方っス!」
かなた「……幽霊が目の前にいるのに割と平気な顔してるのね?」
ひより「え? あー、話を作る側としてこういう経験は貴重なもので」
かなた(たくましい……というか考え方がそうくんに似てるのね……)

ひより「で、どうして私のところに?」
かなた「そうね、とりあえず。ひよりちゃん、お誕生日おめでとう」
ひより「!」
かなた「私がひよりちゃんのお誕生日を知ってるのが不思議かしら?」
ひより「あ、いえ……それ今日初めて言われたなって」
かなた「ご家族の誰もそのことに触れてくれなくて……寂しいのよね」
ひより「……」
かなた「大丈夫」
ひより「へ?」
かなた「大丈夫よ。何も心配いらないわ」
ひより「えと……どういうことっスか?」

 ピンポーン

ひより「あ、誰か来た」
かなた「噂をすれば、ね」
ひより「え……あ、ちょっ――」

ひより(……消えちゃったよ。結局何がなにやらさっぱり……)

 ピンポーン

ひより「っとと、はいはーい!」ガチャ
こう「やほ!」
ひより「せ、先輩!? どーしたっスか?」
こう「まーまー私のことはいいから。ひよりん、誕生日おめでとう!」
ひより「あ……ど、どもっス……」
こう「どーしたの? なんかあった?」
ひより「はは……その、色々とありまして」
こう「もしかして泣いてる?」
ひより「泣いてないっス! 泣いてないっス……」
こう「……いいよ、泣いても。胸くらい貸したげるよ」
ひより「ひっく……せんぱい、すいませ……っ!」

 ・・・・・・

こう「落ち着いた?」
ひより「……誕生日なのに独りにされて。結構つらかったんスよ。
    学校休みだから友達に祝ってもらえるわけでもないし……メールとか期待してたけど、来てないし。
    ほんと……寂しくて」
こう「じ・つ・は」
ひより「え?」
こう「家族の人もひよりんの誕生日忘れてるわけじゃないよ。パティたちもそう。
   ドッキリ気味にパーティ開こうって話になっててね。もちろんひよりんには秘密だったんだけど。
   ……まぁ、予想以上にこたえてるみたいでちょっと見ててかわいそうになっちゃったからこうしてバラしちゃうけどね」

ひより「な……なんだ。それじゃ私、泣き損じゃないっスか……」
こう「そんなことないよー? ひよりんにもかわいいトコあるってわかったのは大収穫だったし♪」
ひより「ちょっ、からかわないでくださいって!」
こう「にしてもアレだね。百合を好きになる気持ちがちょっとわかったって言うか」
ひより「……先輩?」
こう「いやぁ……泣いてるひよりん見てると心がキュンっと、ね」
ひより「わわわわわ私リアルにそういう趣味あるわけじゃないっスよ!?」
こう「わかってるわかってる! 私もそんな見境なくすような人間じゃないから!」

ひより(なんかここにきて身の回りの危険が増えつつあるような……)

 ガチャ

母「ただいま」

ひより「あ――」
こう「ほぉら来た。お邪魔してまーす」
母「いらっしゃい。ごめんねこうちゃん、わざわざ……」
こう「いえいえ、かわいい後輩のためですから!」
ゆたか「お邪魔します。田村さん、お誕生日おめでとう!」
みなみ「おめでとう……」
パティ「Happy birthdayデス!」
こなた「おめでとー。つかさたちも後から来るよ」
ひより「泉先輩まで! 大学忙しくないんスか!?」
こなた「心配いらないって。さぁてパーティの準備始めるとしますか!」
一同『おーっ!!』
ひより「あ、私も手伝うっス……」
こう「だめだめ! 主賓はゆっくり待ってればいーの!」

母「ふふ、本当にいい友達に恵まれたわね」
ひより「……うん」
母「ごめんね、今日のこと黙ってて」
ひより「ううん。……ありがとう」


 田村ひよりの溜息 完
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