ID:EGWb7YSO氏:嘘

かがみ「うーむ……」

こなた「かがみ何悩んでるの?」
つかさ「お姉ちゃん、最近推理ゲームにハマっちゃったらしくて……犯人が誰か考えてるんだよ」
こなた「ふぅーん……」


――柊家

みき 「かがみー、何か届いてるわよー」
かがみ「はーい、今行くー」


かがみ「贈り主は……書いてない……、なんだろ?」
ガサゴソ

かがみ「テープレコーダー? ご丁寧にイヤホンまで……それと、手紙?」

 このテープを聴かない場合、あなたの恥ずかしい写真をネットにばらまく

かがみ「写真って……な、何よこれ!? こんなのいつの間に……///」
かがみ「いったいこのテープに何が……」
装着

テープ「…………」
かがみ「……?」
テープ「犯人はヤス」




コンコン
つかさ「お姉ちゃーん、ご飯だってー」

つかさ「お姉ちゃん? (寝てるのかな?)」
ガチャ

つかさ「お姉ちゃん? ご飯だよ?」
かがみ「…………」

つかさ「お姉ちゃ――」
かがみ「ほっといて」
つかさ「でもご飯――」
かがみ「いらない」
つかさ「具合が悪いの……?」
かがみ「…………」

つかさ「あれ、この写真……」
かがみ「!? 見ないで!!」
つかさ「ひゃ!?」

かがみ「いいからほっといてよ!!」
つかさ「ご、ごめん」


 あれ以来、お姉ちゃんは一言も口にしてくれない。部屋からも出なくなった……。
 誰がお姉ちゃんをあんなにしたの? 大好きなお姉ちゃん、優しかったお姉ちゃん、私の目標だったお姉ちゃん……。
 もう勉強を教えてもらえない。もう一緒に遊ぶことも、料理をすることも出来ない。
 あの日、夕飯になる前までは元気なお姉ちゃんだったのに……。もうあのお姉ちゃんは戻ってこないの?
 許せない。お姉ちゃんをここまでしたやつを許せない。
 私たち双子の絆を引き裂いた奴が許せない!!
 なんて憎たらしい奴なの!? お姉ちゃんが何をしたっていうの!? 可哀相なお姉ちゃん……。絶対犯人は見つけるからね……。
 犯人は今もこっちの気も知らないで平然と過ごしているに違いないよ。憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…………。


こなた「つ、つかさ……」
つかさ「なに」
こなた「あの……その……」
つかさ「用がないなら話し掛けないでよ」

 つい言葉が荒くなってしまう。こなちゃんは何も悪くないのに……、最低だよ私……。
 全部アイツのせいだ……。

こなた「その……かがみは大丈夫?」
つかさ「……こなちゃん、少し考えれば分かるでしょ? 今の状況知ってるでしょ? あれが大丈夫なように見える?」
こなた「ご、ごめん……」

 こなちゃんの無神経な言葉にイライラする。そして親友にそんな態度を取ってしまう自分にもイライラする。
 ダメだ。今日はもう誰とも話さない方がいいね……。辛いよ……自分が保てなくなるのは……。

こなた「つかさ……ごめん」
つかさ「もういいよ、私も強く言い過ぎた、ごめんね」

 それだけ言うと、私は机に突っ伏した。早く昼休み終わらないかな……。

こなた「違うの、つかさ……その事じゃなくて……」

 こなちゃんって、こんなにハッキリしない子だったっけ? 何をそんなに言い淀んでいるんだろう?

こなた「あの……ぁぅ……」

 いつまで起っても先の言葉が出てこないこなちゃんに、疲れた私は興味を持つこともなく机に突っ伏したままでいた……その言葉を聞くまでは……。

こなた「かがみの事なんだけど……」

 ハッと、顔を上げる。

つかさ「お姉ちゃんの事?」
こなた「う、うん……」
つかさ「お姉ちゃんの事で……どうしてこなちゃんが謝るのかな?」

 いつもの自分とは考えられないぐらい冷静な声で、そして少し強めな声を出していることに驚いた。そして、僅かに声が震えているのも分かる。
 何を期待してるんだ私は……。

こなた「だから……多分……私のせいだから……」

バンッと机を両手で叩き、立ち上がる。

つかさ「何が!? 何がこなちゃんのせいなのかな!?」

 私の声が大きかったのか、教室に居た生徒たちがざわめく。でも今はそんなこと気にしない。

こなた「だから……かがみが、あぁなっちゃった事……」
つかさ「何か……心当たりがあるのかな?」

こなた「ほんの悪戯心だったんだ……まさかこんな事になるとは――」
つかさ「だから何をしたって聞いてるでしょ!! 勿体振らないで早く言いなよ!! これが冗談で、ただ私をからかってるだけなら本気で怒るよ!?」

 いつの間にか胸倉を掴んでいた。私ってこんな事しちゃう子だったんだ……と、またしても自分が嫌になった。

みゆき「!? つかささん何してるんですか!」

 ゆきちゃんが私とこなちゃんを引き離す。

つかさ「ゆきちゃんには関係ないでしょ……」
みゆき「関係なくなんかありません。友人である貴女達が喧嘩をしていれば、それを止めるのが友達と言うのではないでしょうか?」
つかさ「…………」
みゆき「それとも、私達は友達ではなかったのですか?」
つかさ「……ごめん……頭に血が上ってたみたい……」

 あの状態の私を、たった二言で静めちゃうなんて……流石ゆきちゃんだなぁ……。敵わないよ。

つかさ「こなちゃん……」
こなた「……!」ビクッ
つかさ「怯えないでよ、ゴメンね。もうあんな事しないから……」
みゆき「一体、何があったのですか? 差し支えなければ私にも教えてくれませんか?」
こなた「…………実は……」



みゆき「そういうことだったのですか……」
こなた「…………」
つかさ「なんで……」

つかさ「なんでそんなことしたの!? お姉ちゃんがどれだけ楽しみにしてたか……こなちゃんならそういう気持ち分かるでしょ!?」
こなた「…………」

つかさ「バカ、バカ! こなちゃんのバカ! 返してお姉ちゃん……お姉ちゃんを返してよ……」
こなた「ごめん……ホントにごめん……っ……こんな事になるなんて……っく……思ってもみなかったんだ……」

みゆき「……泉さん、悪いという気持ちがあるなら、何故早くに謝らなかったのですか?」
こなた「だって……謝って許してもらえなかったらって思ったら……」

みゆき「……もし泉さんが早くに謝っていれば、今の状況にはなっていなかったのではないでしょうか?」

こなた「……ごめんなさい……ごめんなざぁぁい……うわぁぁぁぁぁぁん!」

 自分の罪深さに気付き、声を上げて泣いてしまうこなた。周りの生徒たちは、空気を読んで空気になりました。

つかさ「もういいよこなちゃん、私たちに謝るんじゃなくて、お姉ちゃんに謝ろ? きっとお姉ちゃんは許してくれるよ」
こなた「つかさは……私を許してくれるの?」
つかさ「うん、相手がこなちゃんだからね……さっきは取り乱してごめんね? あれは忘れてほしいなぁー、あはは」

こなた「つかさ……!」
つかさ「それに、理由はどうあれ、こんなに素敵な友達と仲が悪くなるなんて嫌だもん」
こなた「つかさぁぁぁぁっ!!」

 抱き着く二人。数分前の状況からは想像も付かない光景だった。

みゆき「後はかがみさんですか……」

こなた「私、今からかがみに謝ってくるよ!」
つかさ「私も行くよ。こなちゃんを一人で行かせたりしない……フォローぐらいなら出来るしね」
みゆき「勿論、私も行きますよ」

こなた「二人とも……ありがとう!!」

 廊下を出た三人の前に見つかってはいけない人物と遭遇してしまった。

ななこ「……」
こなた「黒井先生……私たちは、」
ななこ「ウチはなんも見てへんで」
こなた「へ?」

ななこ「ウチの目の前には教室の扉があるだけや、授業かったるいわー」
こなた「先生……」

「「「ありがとうございます!」」」
ななこ「だから聞こえてへんつーの」

 三人は軽く会釈をし、黒井の横を通り過ぎる。

ななこ「頑張れよ……ほーい、授業始めるでー」




柊家――

コンコン
つかさ「お姉ちゃん、入るね」

 そこにはベッドに半身を起こして、窓の外を見つめている変わり果てたかがみが居た……。

つかさ「お姉ちゃん……こなちゃんが謝りに来たよ」
こなた「かがみ……」
かがみ「……こなたが私に何を謝りに来たの?」

 ゆっくりとこなたの方を向くかがみ。その瞳に光は無かった。

こなた「あ……」
みゆき「泉さん……」
こなた「うん」

こなた「かがみごめん!」

 こなたは土下座をした!

こなた「今更謝っても許してもらえないかもしれない……でも謝る! 犯人をばらしてごめんなさい!」
かがみ「…………」
こなた「こんな事になるなんて思ってなかったんだ。次の日の学校で怒られた後、ネタバレする予定だったんだよ……」
かがみ「ネタバレ……?」

こなた「うん、犯人は……ヤスなんて嘘だもん……かがみにテープレコーダーが届いた日は……4月1日、つまりエイプリルフールだったんだよ……」

つかさ「そ、そういえばそうだよね」

こなた「だから、騙されたかがみの反応が見たくてやったことなんだ……でもまさか、こんな事に……なるなんて、ホントに思ってもみなくて……ごめん!」
かがみ「…………」

つかさ「お姉ちゃん、許してあげよ? 嘘だったんなら良いんじゃないかな?」
かがみ「……っく……」

つかさ「お姉ちゃん?」
かがみ「くっ……くっ……」

みゆき「……?」
こなた「かがみ……?」

かがみ「あーっはっはっはっはっはっ! もうだめ……」

 突然笑い出すかがみ。キョトンとする三人……何が起きた? 誰にもそれは分からなかった。そして……。

かがみ「d(^_^)b嘘です☆」

こなた「へ……?」
つかさ「嘘って……え?」
みゆき「……どういうことでしょうか?」

かがみ「だから、私が今まで鬱状態だった事よ」
つかさ「嘘……?」
かがみ「私がこの状態になった日はエイプリルフール……。犯人はヤス、なんてバレバレな嘘……、すぐにこなたの仕業って分かったけど、いつもやられっぱなしっていうのは嫌だからね。ちょっと仕返しのつもりで、いかにも元気がないフリをしてたのよ」
こなた「…………」

かがみ「そしたら皆が皆心配してくれちゃってさ~。もうホントに大成功よね!」
みゆき「はぁ……」

かがみ「あ、でもお母さんやお父さんには事情を言ってあるわよ。流石に親を騙すのはダメと思ってね☆」
「「「…………」」」

かがみ「どうしたの? 空気重いわね……そうだこれからどっか行かない? ずっと家に居て退屈だったのよね」

こなた「かがみの……」
かがみ「……?」
こなた「かがみの馬鹿!」ダッ

 こなた退場。

かがみ「へ? ちょ、こなた?」
みゆき「嘘を付くにも限度というものがあります! 失礼します」テクテク

 みゆき退場。

かがみ「何よ、そんなに私悪いことした?」
つかさ「お姉ちゃんなんかもう知らない! ずっと引きこもってなよ!」スタスタ

 つかさ退場。

かがみ「え、ちょ……おーい……」



 あれ以来、皆は一言も口にしてくれない……。
 ……なんでー?

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