デュエルパート2

【デュエルパート2】

 ここまでの状況を説明しよう。
 こなたの手札は3枚、フィールドには『泉そうじろう』攻撃2200、『泉こなたLV6』攻撃2500、『田村ひより』守備1900。ライフは8000で、デッキは28枚。墓地は5枚で除外されたカードは『パトリシア・マーティン』1体だ。
 かがみの手札は3枚(内1枚はいのり)。フィールドには『柊みき(タダオカウンター1)』攻撃1500。ライフは7000で、デッキは26枚。墓地は9枚で除外されたカードは『柊つかさ』1体だ。
 そして今はかがみのターン。余程すごいカードを引いたらしいのだが、果たして……。

「魔法カード『幸せ未来日記』発動! デッキからモンスターを選択し、そのモンスターに必要な生贄をデッキ、または手札から墓地に捨てることで、次の私のスタンバイフェイズに選択したモンスターを特殊召喚できる」

 かがみはデュエルディスクからデッキを取り出し、モンスターを選ぶ。

「私は、私自身『柊かがみ』を選択」
「やっぱりかがみは上級モンスターだったか……」
「私のレベルは7つ、生贄に必要なモンスターは2体だけど……」
「……?」
「ここで手札のいのり姉さんの効果発動、光属性のモンスターを生贄召喚する場合、このモンスター1体で2体分の生贄とすることが出来る!!」
「そんな効果が……!」

 手札から『柊いのり』を墓地に捨てる。

「でも、このターン召喚出来る訳じゃないんでしょ? 次の私のターンで差を付けさせてもらうよ」
「そうね、でもまだ私のターンは終わりじゃないわ」

 かがみは最後の手札をこなたに見せ付ける。

「それは?」
「これがさっきドローしたカードよ」

 このデッキは、使用するプレイヤーに合ったデッキになる……。

「魔法カード――」

 故にこんなカードがあっても、不思議ではない。

「『同性愛』発動!!」
「同性愛……なんか嫌な予感が……」

 カードには、ツインテールの少女と長髪の少女が唇と唇を合わせている絵が描かれていた。それってつまり……。

「こなたぁ、キスしよっか(///)」
「…………はぁ!?」

 驚くのも無理はない。どこの世界にデュエル中キスする奴がいるというのか!?

「な、何言ってんのさ! 今はデュエル中だよ!」
「キスしてくれないの……?」
「だ、だって……」
「この際だから聞いておくわ、こなたって私の事……どう思ってるの?」

 今度はどこぞのカップルの別れ話か? かがみが何故こんな話をするのか……それはきっと確かめたいのかもしれない、こなたとの愛を……。

「どう思うって……」
「私ね、薄々は気付いてたの。こなたが私の事、迷惑に感じてるんじゃないかって……」
「いや……」

 まさにその通りなので、何も言えないこなた。

「こなたにどうアタックしても、いつも逃げられちゃうしね……」
「…………」
「だからね、もう諦めてこなたと一緒に死ぬつもりだった」
「え……!?」

 一緒に死ぬ、それはつまり、よく漫画とかであったりする「君を殺して僕も死ぬ!」と言うキチガイの台詞を意味するのか……。改めて『コナタニア症候郡』は恐ろしいと思うこなたであった。

「でも、そんな事を考えてたとき、調度良いタイミングでこのデュエルに会えたの」

 キッと、こなたに真剣な眼差しを見せ付ける。

「だから決めたの、これを最後の賭にしようって」
「かがみ……」

 ということは、こなたがデュエルを持ち掛けなければ、今日の夕方にでもかがみはこなたを殺して、自分も死ぬつもりだったということか。ホント恐ろしい病気である。

「でも、その前に確認したいの! こなたの気持ち……、こなたが私の事迷惑に思うならキスしなくて良い。でもこなたが私の事……、迷惑に思ってないなら……キスして……」

 かがみは泣いていた。こなたはそれを見てどうしようか迷っていると、

「こなた、これはかがみちゃんの為でもあるの。可哀相だけど、心を鬼にしなくちゃダメよ」
「う、うん……」

 こなたもまた、キッと真剣な眼差しでかがみを見る。

「ごめんかがみ」
「!?」
「かがみの気持ちは嬉しいよ。でもこういうことは、お互いの気持ちが重なり合って初めて出来ることだよね? 別にかがみが嫌いなんて言ってないよ? かがみは友達として好きなんだ。だから私はこのデュエルに勝って――」
「あっはははははは」
「かがみ?」

 突然、何かが吹っ切れたように渇いた笑いをするかがみ。

「もういい、もういい! これ以上こなたの口からそんな言葉聞きたくない!!」
「ちょ、かがみ……」

 両耳を塞ぎ、目を閉じ叫ぶ。

「聞かなきゃ良かった……聞かなきゃ良かった!! そうすればこんな思い……!!」

 かがみが目を開け、こなたの方を見たと思ったら、急に静かになった。そしてその顔は次第に険しくなる。

「何?」
「あんたね……あんたが邪魔してるのね……!!」
「え?」

 突然何を言い出すのかと思い、かがみと目を合わせようとするが、その視線はこなたに向けられたものではなかった。
 そう、かがみの視線の先にいたのは……。

「私が……見えてるの?」

 かなたであった。かなたはこなたにしか見えないはずなのに、何故……?

「どうしてお母さんが……」
「……恐らく、症状が悪化して、見えないものが見えるようになったのかも知れないわ」

 はて、こういう設定……どこかで見たことがあるぞ。という読者の方もいらっしゃるかも知れないが、ここは目をつむっておいてほしい。

「知ってるわよ、あんた……闇こなたね」

 闇こなたって……所謂『もう一人の僕』ってことだろう。かなたが持ってきた飴の効果には、そんな知識まで増えてしまうようだ。

「闇こなたって……かがみはお母さん見た事あるはずなんだけど……」

 以前、かがみが泉家に遊びに行ったとき、アルバムでこなたの母を確認している。どういうことだろうか?

「多分だけど、今のかがみちゃんには私が悪者にしか見えてないのよ。症状が悪化している証拠ね」
「かがみ……」

 かがみを救おうと、遥々天界からやってきたかなたが、かがみには悪者に……闇こなたに見えてしまうなんて……つくづく厄介な病気だ。

「こなたは騙されてるのよ、そんな悪魔の囁きに耳を貸しちゃダメ」
「……」
「あ、悪魔なんかじゃないよ!! かがみこそ、いい加減に自分の言ってることが――」
「もう心も支配されてるみたいね……、可哀相なこなた。今助けてあげるからね」
「かがみのバカ! なんでそうなるんだよ……」

 もはやこなたの言葉は、かがみには通じないようだ。

「こなた……」
「私、絶対負けない。勝ってかがみを取り戻してみせる」

 こなたの瞳には、かがみを救うという決意が見て取れた。

「魔法カード『同性愛』の効果。相手がキスに応じなかった場合、私は手札が5枚になるようデッキからドローする!」
「な……5枚ドロー!?」

 かがみの手札は現在0枚。よって、5枚ドローすることが出来るのだ。
 相手がキスに応じなかった場合って……なんという禁止カード!!

「因みに相手がキスに応じた場合は、私の手札を全て捨て、デッキの上から10枚カードを墓地に送るっていう効果だったのよ。キスすれば勝てたかも知れないのに、残念だったわね、闇こなたさん?」

 確かに、残りのデッキ枚数を見て10枚も墓地に送れば、キーカードが無くなり勝率は上がるかもしれない。しかし常識的に考えてデュエル中に握手なら未だしも、キスはないだろう。

「私はここでみゆきを攻撃表示で召喚!」
「みゆきさん?」

 フィールドに『高良みゆき』が「お恥ずかしながら」と笑いながら姿を表す。
 攻撃力1500、守備力1500。☆×4。

「みゆきの効果発動! 1ターンに1度、カードの種類を1つ宣言する。相手の手札を1枚選択し、宣言した種類のカードだった場合、そのカードを墓地に送り、相手ライフに1000ポイントのダメージを与える!」
「1000ポイント!?」
「私は魔法カードを宣言するわ」

 こなたの手札は3枚。その中に魔法カードがあったとしても、当たる確率は3分の1だが、果たして……。

「真ん中のカードよ」
「うっ……」
「どうしたの、見せなさい」
「くっ……」

 こなたは渋々とカードを見せる。そのカードは魔法カード『ごみ箱から元に戻す』、『泉こなた』を復活させることが出来る重要なカードだった。

「当たりね、しかもその厄介なカードだったなんて運が良いわ」
「くそぅ……流石みゆきさん、何でもお見通しか……」

 カードを墓地に捨てる。

「更に1000ポイントのダメージを受けてもらうわ!」
「うっ」

 ここでこなた初のダメージ、8000から7000へ。かがみのライフと並んだ。

「私はお母さんを守備表示に変更し、カードを2枚伏せてターンエンドよ」

 『柊みき』の守備力は2500、『泉こなたLV6』の攻撃力と同じ数値だ。更に攻撃を1回防ぐタダオカウンターが1つ乗っているので、倒すのは困難だ。そして『高良みゆき』は攻撃力1500の下級モンスターだが、伏せカードが2枚もあるので迂闊に攻撃できないだろう。
 除去カードがあれば別なのだが……。

「私のターン、ドロー」
「この瞬間、罠カード発動!」
「え!?」
「『背景放題やりほーだい』!!」
「ちょ……」

 カードには背景コンビ(主にみさお)がドンチャン騒ぎをしている絵が書かれていた。

「墓地の日下部と峰岸をゲームから除外することで、3つの効果の内1つ選択する」
「“やりほーだい”ってそーゆー事か」

 かがみの墓地から「みゅ~ん」と情けない声が聞こえた。除外された誰かさんの断末魔だろう。

「私は3つの効果から“相手の手札を1枚墓地に捨てる”を選択。右端のカードを捨てなさい」
「な、ちょ……えぇー……」

 顔を片手で抑え、あちゃーと仕種するこなた。

「あら、よっぽど大事なカードだったようね」

 墓地に捨てられたカードは魔法カード『授業中に何してんねん!!』というカード。効果は、相手の魔法・罠カードを1枚破壊でき、更に手札から1枚カードを捨てる事で、もう1枚破壊できる優れたカードだった。
 もし、このカードが捨てられなかったら、これを使い、罠を警戒せずに攻め込むことが出来たのだが。

「さぁ、どうするのかしら? こなたのモンスターならみゆきを倒すことは可能よ?」
「……」

 明らかに誘っている。この事から、かがみのもう1枚の伏せカードは罠だと確信するこなた。しかし今ここで『高良みゆき』を倒さなければ、次のかがみのターンで、またあの効果を使われてしまう。どうするこなた!?

「こなた、あれは罠と思い込ませる罠かも知れないわよ?」
「はったりって事でしょ? それに賭けてみよっかな……どっちみち、このままターンエンドするわけにはいかないしね」

 こなたは2枚の手札を見つめ、思考する。

「魔法カード『チョココロネ』を私、『泉こなたLV6』に装備。チョココロネを装備した私は、戦闘で破壊したモンスターの守備力分ライフを回復できる」

 フィールドの『泉こなたLV6』がチョココロネを包装袋から取り出し、剣の様に構える。

「ふぅん、ライフをいくら回復したところで私には勝てないけどね」
「そんなのわからないじゃん。バトルだよ!」

 勢いよく『泉こなたLV6』が攻撃! と見せ掛けて……。

「念のために、先ずはお父さんで攻撃! ごめんね」

 親で罠を確かめるなんて……なんて娘だ! といっても実物じゃないのでそれほど酷くはないがな。
 『泉そうじろう』が『高良みゆき』に突っ込む!

「その選択は失敗ね! 罠カード発動『ツンデレ』!!」
「ツンデレ……?」
「ターン終了時までモンスター1体の攻撃力は、自分フィールド上・手札のカード×200ポイントアップするわ」

 かがみの手札・フィールドのカードはそれぞれ2枚で、合わせて4枚だ。よって『高良みゆき』の攻撃力は800ポイントアップして、2300。『泉そうじろう』を上回った。

「げ……」
「返り討ちにしてやりなさい! ウィキペディハリケーン!」

 『高良みゆき』の背後から、無数の文字列が『泉そうじろう』に向かって襲い掛かる。ポケモンを知らない人には申し訳ないが、これは『みwiki版アンノーン達の突進』と言っても良いだろう。

「あぁ、お父さんが……」
「そう君……」

 今の戦闘でこなたのライフは6900になってしまった。

「この効果を受けたモンスターが相手モンスターを破壊した場合、相手はカードを2枚ドローすることが出来る。早くドローしなさい」
「なるほど、それで『ツンデレ』か……」

 素早くカードをドローし、確認する。

「あんたが罠を警戒して、おじさんで攻撃してくれて助かったわ」
「くそぅ……」

 かがみの言う通り、最初から『泉こなたLV6』で攻撃していれば、貴重なモンスターを減らさずに済んだのである。

「でもまだ私がいるもんね! 行け、チョコレートブレイバー!!」

 『泉こなたLV6』が持っているチョココロネの中のチョコが溢れ出し、剣の様に形を作る。そして『高良みゆき』を切り付けた。
 切り付けられたと言っても、剣がチョコなのでグロ描写は無いが、『高良みゆき』の制服は血の代わりにチョコがびっしりと付いてベタベタになってしまった。

「うーん、チョコレートプレイ?」
「知るか!」

 やがて「ひっく……ひっく」と啜り泣く声が聞こえ、「着替えてきます」と共に自ら墓地に向かって行った。

「何だろう、この罪悪感は……」
「あんなにチョコが付いたら洗濯が大変そうね」
「いやいやお母さん、あれは立体映像だから……」

 この戦闘でかがみのライフは6800に。

「『チョココロネ』の効果により、みゆきさんの守備力分のライフを回復するよ!」

 『高良みゆき』の守備力は1500、つまりこなたの残りライフは8400だ。先程受けたダメージを、余裕で取り返している。

「せいぜい今のうちに回復しておけばいいわ。直ぐに削ってやるんだから」
「……私はモンスターを守備表示でセットし、カードを1枚伏せてターンエンド」

 このターン、なんとか厄介な能力を持つ『高良みゆき』を倒せた(撤退させた?)が、まだまだかがみの驚異は終わらない。

「私のターン、ドロー!」

 ここから、かがみの大進撃が始まる……。

「このスタンバイフェイズ『幸せ未来日記』の効果により、私自身『柊かがみ』をデッキから特殊召喚する! 出て来て、もう一人の私!」

 フィールドに日記帳が現れ、ページの真ん中ぐらいが開く。するとページが光だし、その中から『柊かがみ』が出てきた。日記帳はそこで消える。
 攻撃力2700、守備力2500。☆×7。

「これが……かがみ」

 『柊かがみ』の容姿は今までのモンスターは違い、特別な格好をしていた。見た目は巫女服なのだが……肌の露出が多く、上着はジャケットの様な物一枚で、胸は包帯で巻いて隠してある。へそも丸見えだっ! 袴の隙間から見える股からは「穿いてない」という言葉に相応しい美脚が見て取れる。しかも! 袴を穿いてる位置が超ギリギリというか、後少し下にずらしたら――。

「解説さん? 少し自重してください☆」

 ……とにかく、今までと明らかに違う容姿、もはやコスプレレベルだ。右手には剣……特大ポッキーを装備している。

「このカードは戦闘で破壊されない」
「攻撃力2700で戦闘で破壊されないモンスター!?」
「それだけじゃないわよ、このモンスターが攻撃する度、ダメージステップ終了時に攻撃力が300ポイントアップする」

 ダメージステップというのは、攻撃終了時と思ってくれれば良い。

「まだあるわよ、このカードが戦闘以外によって破壊され墓地に送られたとき、墓地の『柊』と名のつくカードをゲームから除外することで、このカードをフィールド上に特殊召喚することが出来るのよ! 私の墓地には『柊いのり』がいるわ、つまり私の分身を倒すには最低2回倒さないとならないのよ」
「…………」
「驚いて声も出ないかしら? もっとも、最後の効果はデュエル中、1回しか使えないのだけれど」

 例え1回でも、その驚異的な能力は恐ろしい。このモンスターを、こなたは攻略出来るのだろうか?

「私はこんな一方的なデュエル、本当はしたくないわ……だけどこれもこなたを救うため……私は心を鬼にする! 覚悟しなさい、闇こなた!!」

 こちらは勘違いして心を鬼にしていらっしゃる。こういう状態の奴には何を言っても通じないというのがお決まりである。

「随分と恨まれてるのね、私……」
「気にしちゃダメだよお母さん。絶対勝って見せるから」
「頑張ってね、こなた」

 果たして、本当に勝てるのだろうか? こなたのフィールドには『泉こなたLV6』と『田村ひより』と裏守備モンスター、それに伏せカードが1枚だ。『柊かがみ』の攻撃目標は『田村ひより』の厄介な能力を警戒して確実に『泉こなたLV6』を狙うだろう。そうすると多少のダメージは喰らうが、『田村ひより』の守備力を超えるモンスターは『柊かがみ』以外いないので、このターンを凌ぐ事が出来る。まだ勝つ希望はあるかもしれない。

「何その顔は? まだ勝機があるとか思ってるんじゃないでしょうね?」
「思ってるよ、私は最後まで諦めない」
「ふん、甘い、甘いわね。ポッキーみたいに!」
「な、何でさ!?」

 呆れたように溜息を吐くかがみ。

「じゃあ教えてあげるわ! 魔法カード『夜逃げでリセット』」
「!?」
「つかさがゲームから除外されてるとき、ライフを2000ポイント払って発動。ゲームから除外されたレベル4以下のモンスターを可能なかぎりフィールドに特殊召喚できる!」
「な、なんだってーっ!!?」

 『柊つかさ』は魔法カード『双子の絆』の効果によってゲームから除外されていたのである。
 かがみのライフは6800から4800へ。

「私は除外されているモンスター、つかさ・日下部・峰岸をフィールドに特殊召喚する」

 「あはは」「あいよー」「うふふ」とそれぞれの特徴ある声と共に、『柊つかさ』・『日下部みさお』・『峰岸あやの』が、かがみのフィールドに攻撃表示で再び姿を現す。

「更に峰岸の効果により、峰岸を日下部に装備!」

 これにより、『日下部みさお』の攻撃力は2200になった。

「あ……」

 攻撃力が2000を超えるモンスターが2体……、壁であった『田村ひより』が倒されてしまう。

「まだ終わりじゃないわよ。私はこのターン、通常召喚をしていない……」
「うぐ……」
「私は、まつり姉さんを召喚!」

 『柊まつり』の召喚で、かがみのフィールドには5体のモンスター。物凄い迫力だ。
 攻撃力1700、守備力1100。☆×4。

「そんな……」

 絶望……、これを防ぐ手段はないといった、そんな顔をしていた。

「私はカードを1枚伏せ、バトルよ!」
「っ!!」
「その伏せカードが気になるけど……何かしらね?」
「さぁね、教えるわけな――」
「はったりね」
「!!」

 確信を突かれたのか、一瞬顔に出てしまった。まるで最初から分かっていたかのように断言するかがみには驚ざるをえない。

「図星みたいね、行け! 私でこなたに攻撃、一直切断猪口零刀!!」

 なにやら凄い技名である。『柊かがみ』が一直線に『泉こなたLV6』に向かいジャンプする。「イヤァーッ!」と掛け声をし、切り掛かる。『泉こなたLV6』はチョココロネで防ごうとするが、やはりそこは攻撃力の差。腹に思い切り叩き込まれ(ポッキーなので切れない)「ぐふっ」と悲鳴を上げ、その場に倒れ消えてしまった。
 こなたのライフは8200に。

「何度やっても、こなたを倒すなんて嫌な気分ね。もう復活しないでよ?」
「……そういうわけにも行かないよ」
「今の攻撃で私の攻撃力は上がったわ」

 『柊かがみ』、攻撃力が2700から3000に。

「続いて日下部で田村さんを攻撃、ヴぁーストボイス!」

 強烈な電波ボイスにより、『田村ひより』は跡形も無く消し飛んでしまった。

「くっ……、でもひよりんの効果でみさきちは2ターン攻撃出来ないよ!」
「分かってるわよ、続いてまつり姉さんで裏守備モンスターを攻撃! 祭だわっしょい!」

 フィールドで『柊まつり』が「変な技名付けるな!」と悪態をつきながらも、こなたのモンスターを攻撃する。すると「オーノー!」と叫びが聞こえ、そのまま破壊されてしまった。裏守備モンスターの正体は『パトリシア・マーティン』(2枚目)だったようだ。

「まつり姉さんの効果、まつり姉さんがモンスターを破壊したとき、デッキから魔法カードを1枚選択して手札に加える」

 かがみはデッキからカードを選び、手札に加える。

「私は『狂気のバルサミコ酢』を手札に加えるわ。もっともこの効果で手札に加えた魔法を使用する場合、500ポイントのライフを払わなければならないから使わないかもしれないけどね」
「…………」

 こなたは自分が窮地に立っている事を自覚し、かがみの説明に相槌を打つ余裕すら失くなっているのだろうか……。

「とにかく、これで壁はいなくなったわね」
「やばっ……」
「つかさでプレイヤーこなたに直接攻撃(ダイレクトアタック)よ! マヨネーズアタック!」

 『柊つかさ』がこなたの目の前に立ち、ニコっと笑う。

「何……?」

 すると、セーラー服の中からマヨネーズを取り出し「こなちゃん、マヨネーズかけるよ?」と言い放ち、こなたの返事も待たずにマヨネーズをぶっかけた。

「うわあぁぁぁぁ!!」
「こ、こなた!?」

 どうやらプレイヤーの直接攻撃は文字通り本人に直接降り懸かるようだ。かなたもそれは知らなかったようで慌ててハンカチを取り出す。現実の人間に被害を齎す立体映像……天界の技術は素晴らしく発達しているようだ。

「お、おいしそう……」

 この呟きは誰の者かは言わなくても分かるだろう……。この戦闘でこなたのライフは7000に。

「ありがと、お母さん。まだベタベタするけど……」
「さぁこなた、この状況をひっくり返せるかしら?」
「…………」

 やはり黙り込んでしまう。手札は1枚、フィールドにははったりとバレた使い道の無い(?)罠が1枚……。さっきも言ったが絶望的だ。

「降参しちゃいなさいよ? これ以上こなたを苦しめたくないわ」
「…………嫌だよ」
「へ?」
「まだライフは残ってるんだ、諦めるもんか!!」

 先程の状態からは考えられない、力強い声でかがみに返す。そう、こなたにはまだ、友を救うという強い意思があるのだ。その意思が砕かれない限り、こなたは沈むことは無い!!

「こなた……」
「ふぅん? なら手加減はしないわ、私もこなたを救い出すために必死なんだから」

 こちらは勘違いなのだが、こなたと同じぐらい強い意思を感じる……。半分は邪(よこし)まな意思も感じるが……。

「私はこれでターンエンドよ」
「私のターン、ドロー!」

 こなたはここから逆転できるのだろうか!?

 

 デュエルパート3

 

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