ID:R4dq.QDO氏:ガチンコバトルシティ外伝~夢幻の対戦~

ID:VV9p0O.o氏:ガチンコバトルシティ の別作者による外伝

そうじろう「ふう……」

準決勝が終わり、決勝前の休憩時間、そうじろうは廊下にいた。
何をするでもなく、ただ窓の向こうを眺めている。
と、その時……

???『そう君』
そうじろう「!?」

聞きなれた、しかし長い間聞くことのなかった声がして振り返ると、そこにはいるはずのない人物が立っていた。

そうじろう「かなた……?」
かなた『うふふ、楽しそうだったから来ちゃった♪』

二度と会うことはできないと思っていた……亡き妻、かなた。
その人が今、間違いなく目の前にいる。

そうじろう「かなた……会いたかったよ」
かなた『ええ、私もよ』

どうして帰ってこれたのか、そんなことはどうでもいい。互いに歩み寄り、相手の身体を抱き締めあう。
幽霊……なのだろうが、なぜか身体の感触は普通にあった。

かなた『そう君。さっきのデュエル、見たわよ』
そうじろう「あの場所にいたのか」
かなた『ええ。でも、いくらなんでもあのデッキはないわよね……?』

表情が一変、ジト目でそうじろうを睨み付けるかなた。
そんなかなたから離れ、たじろぎながらもそうじろうは弁解する。

そうじろう「い、いや、実は他にもデッキはあったんだけどさ……」
かなた『だけど?』
そうじろう「……娘相手に、本気を出せるわけないじゃないか」

しばしの沈黙。そしておもむろに、かなたが口を開いた。

かなた『……こなたが聞いたら、なんて言うかしらね』
そうじろう「え?」
かなた『あの子は、本気で相手してもらいたかったはずよ。手加減したって聞いたら、きっと怒るわよ?』
そうじろう「……ああ、そうだな……」

またも沈黙が続く。そしておもむろにかなたが言った。

かなた『ね、私ともデュエルしよ?』
そうじろう「………はい?」

思わぬセリフに、そうじろうは耳を疑った。

かなた『せっかくだから、みんなみたいにそう君と遊びたいなと思ってたの。……あ、大丈夫よ。ルールも知ってるし、デッキもあるから』

どこからか、デッキを出してみせるかなたに、そうじろうは戸惑いながらも尋ねた。

そうじろう「どこから仕入れたんだ……?」
かなた『うふ♪ 禁則事項よ♪』


そして……


そうじろう「さっきのと一緒のルールでいいよな?」
かなた『ええ。デッキ制限は40以上よね?』
そうじろう「ああ。禁止カードは入ってないよな?」
かなた『もちろんよ。じゃあ……』
二人「『デュエル!』」


※ ここからかなたのセリフを普通の「」にします


かなた「そう君、デッキが結構な数あるんだけど……」
そうじろう「名付けて『速攻融合デッキ』だ。こいつは強いぞ?」

・初期状態・
 そうじろう:LP4000、デッキ72枚、手札5枚
 かなた:LP4000、デッキ39枚、手札5枚

そうじろう「俺のターン、ドロー! フィールド魔法発動『フュージョン・ゲート』!」
かなた「いきなり!?」
そうじろう「手札の『ダークヒーロー・ゾンパイア』と『沼地の魔神王』を除外して『異星の最終戦士』を融合召喚!」
かなた「う……」
そうじろう「伏せカードを1枚セットし、ターンエンド!」

 そうじろう:LP4000、デッキ71枚、手札2枚
 かなた:LP4000、デッキ39枚、手札5枚

かなた「私のターン、ドロー。モンスターは出せないのよね?」
そうじろう「ああ、『異星の最終戦士』の効果でな。セットはできるけど」
かなた「厄介ね……仕方ないわ。モンスターを1枚、伏せカードを3枚セットして『次元の裂け目』を発動、ターンエンド」
そうじろう「次元帝デッキか……?」

 そうじろう:LP4000、デッキ71枚、手札2枚
 かなた:LP4000、デッキ38枚、手札1枚

そうじろう「俺のターン、ドロー!」
かなた「罠カード発動『マクロコスモス』!」
そうじろう「どうあっても除外する気か?」
かなた「それがこのデッキの特徴だからね」
そうじろう「ま、いいか。『異星の最終戦士』で裏守備モンスターに攻撃!」
かなた「カードは『異次元の女戦士』、『異星の最終戦士』ともども除外させてもらうわね」
そうじろう「く……『異星の最終戦士』の効果が仇となったか……」
かなた「ターンエンド?」
そうじろう「いや、罠カード発動『メタル・リフレクト・スライム』! 守備表示で特殊召喚してターンエンド!」

 そうじろう:LP4000、デッキ70枚、手札2枚
 かなた:LP4000、デッキ38枚、手札1枚

かなた「カードをドロー。『おろかな埋葬』を発動してデッキから『異次元の偵察機』を墓地……じゃなくて除外するわね」
そうじろう「エンドフェイズ時にフィールド上に特殊召喚するカードだな」
かなた「攻撃表示っていうのがちょっと辛いけどね。『異次元の生還者』を召喚してターンエンド」
そうじろう「ここで『異次元の偵察機』がフィールド上に特殊召喚される、と」
かなた「速攻魔法発動『地獄の暴走召喚』!」
そうじろう「なにぃ!?」
かなた「デッキから『異次元の偵察機』を2体、フィールド上に特殊召喚! そう君の『メタル・リフレクト・スライム』はデッキでは罠だから効果は発動しない♪」
そうじろう「……意外にヒドイ戦法を使うじゃないか……」

 そうじろう:LP4000、デッキ70枚、手札2枚
 かなた:LP4000、デッキ34枚、手札1枚

そうじろう「……やるしかないか。カードをドローして魔法カード発動『古のルール』!」
かなた「!」
そうじろう「手札からレベル5以上の通常モンスターを1体特殊召喚! 出でよ! 『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』!!」
かなた「こ、攻撃力3000……」
そうじろう「さらに『未来融合―フューチャー・フュージョン』を発動してドラゴン族モンスター5体を除外!」
かなた「『F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)』を出す気ね……」
そうじろう「その前に決着は着きそうだな。『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』で『異次元の偵察機』に攻撃! 滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!!」
かなた「っ……このままだと負けちゃうわね……」
そうじろう「ターンエンドだ!」
かなた「除外された『異次元の偵察機』を特殊召喚ね」

 そうじろう:LP4000、デッキ64枚、手札0枚
 かなた:LP1800、デッキ34枚、手札1枚

かなた「私のターン、ドロー。……!!」
そうじろう「なにかいいカードでも来たのか?」
かなた「……そう君、言い忘れてたけど私のデッキは次元帝じゃなくて『次元スピリット』よ」
そうじろう「へ?」
かなた「『異次元の偵察機』をリリースして『砂塵の悪霊』をアドバンス召喚!」
そうじろう「攻撃力は2200のスピリットモンスター……効果は?」
かなた「このカードが召喚された時、フィールド上のこのカード以外の表側表示モンスターをすべて破壊」
そうじろう「んな!!」
かなた「と、いうわけで『砂塵の悪霊』でダイレクトアタック!」
そうじろう「ライフポイントは1800……同じライフか……」
かなた「ごめんね、そう君。これで終わりよ」
そうじろう「へ?」
かなた「罠カード発動『D.D.ダイナマイト』! そう君が除外したカードの数×300ポイントのダメージよ!」
そうじろう「……終わった……10枚だから3000ダメージ……」
かなた「うふふ♪そう君、楽しかったよ」
そうじろう「ああ、俺もだ……」

 

 

???「……と……さん……お……さんてば……きて……」
そうじろう「ん……」

よく聞き慣れた声がして、そうじろうは目を覚ました。

こなた「もー、やっと起きた。もうすぐ決勝戦、始まるよ?」

そこにいたのはかなた……ではなく、娘のこなただった。

そうじろう「あ、あれ……こなたか……?」
こなた「他に誰がいるっていうのさ? 早くいくよ」
そうじろう「あ、ああ……」

今までのは、全部夢だったのか?
そう思いながら立ち上がろうとした時、気が付いた。

そうじろう「ん……?」
こなた「どしたの? お父さん」

そうじろうの手には、一つのデッキが握られていた。それは、そうじろうが持つ二つのデッキではなく……

こなた「あれ? それお父さんのデッキ?」
そうじろう「いや……『俺の心が作り出した幻影』……ってな。ちょっとくさかったか?」
こなた「……カッコつけても、元が元だからねぇ」
そうじろう「ひどっ!」
こなた「結局のところ、誰のデッキ?」
そうじろう「あ、後で教えてやるから、とにかく行くぞっ!!」


かなた『……ふふ……』

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