ID:tOmeuh2o氏:峰岸あやのの憂鬱

 峰岸あやのの憂鬱 I

あやの「はあ……」
かがみ「どうしたのよ峰岸、ため息なんかついて」
あやの「……柊ちゃん。私の話聞いてくれる?」
かがみ「いいわよ。それで?」

あやの「私ね、自分の立ち位置が疑問なの」
かがみ「立ち位置?」
あやの「いつもみさちゃんと二人一組で出させてもらってたじゃない。
     でも最近、みさちゃんが一人で出番もらうことが増えてきて。
     ラジオのアシスタントに抜擢されるし、ピンでキャラクターソングも出したし。
     人気投票でもみさちゃんは上位に食い込むようになっちゃった。
     ゲームでもみさちゃんのシナリオってすごく気合い入れて作られてるわ。
     それにひきかえ私は全然。原作でもみさちゃんと比べて登場コマ数すごく少ないの」
かがみ「そ、そーかもね……」
あやの「でも勘違いしないでね? 私はみさちゃんを僻んでるわけじゃないわ。
     むしろ親友がどんどん進出してることはすごく嬉しい。本当よ。
     だけどね? さっきも言ったけど私たちって二人で一人みたいなところがあったはずなの。
     生意気な言い方に聞こえるかもしれないけど、スポットライトは二人同時に当ててもらいたかったなあって」
かがみ「う……うん」
あやの「柊ちゃん」
かがみ「……なに?」
あやの「こうして話聞いてもらってるけど、たぶん柊ちゃんにはわからないわよね。メイン四人のうちの一人だもんね。
     泉ちゃんとクラス違うはずなのに出番も人気もピカイチ。CDだっていっぱい出してる。
     そもそも柊ちゃんの名前って作者さんが思い入れを持ってるもの。活躍して当然なのよね。
     そういえば柊ちゃんもラジオに出てた時期あったわよね。放課後の机……だっけ。
     最近じゃ鷲宮町で住民票交付のイベントもあったかしら。妹ちゃんと二人で町おこしの中心」
かがみ「峰岸……落ち着いて峰岸。顔が怖いって」

あやの「柊ちゃん」
かがみ「……はい」
あやの「私、なんで人気ないのかな……」


 峰岸あやのの憂鬱 II

みさお「帰ろーぜー、あやのー」
あやの「うん。それじゃまた明日ね、柊ちゃん」
かがみ「あ、あぁうん。また明日……」
みさお「ん? 元気ねーぞ柊」
かがみ「いや、なんでもない……そんじゃ私隣行ってくるわ」

みさお「はー、相変わらずB組大好きだよな柊は」
あやの「……みさちゃん、寂しい?」
みさお「んぁ? 寂しいっつーかさぁ、扱い違いすぎだろって思わねー? こないだ殴られたし」
あやの「アレはみさちゃんが悪いわよ……柊ちゃんはきっと柊ちゃんなりに私たちのこと、大事に思ってくれてるわ」
みさお「なんでそんな自信満々なんだ?」
あやの「だてに五年間も友達やってないもの。みさちゃんもね」
みさお「そっかなぁ」


あやの「……ねえ、みさちゃん」
みさお「ん?」
あやの「たとえば。たとえばね? 私があきらちゃんのラジオのアシスタントやることになったらどう思う?」
みさお「え、それマジかっ!? やったじゃん!」
あやの「もう……たとえばの話だってば」
みさお「あり? なんだー、びっくりさせんなよなぁ」
あやの「でも、喜んでくれるんだ」
みさお「友達がそーゆーのに選ばれて嬉しくないわけねーじゃん!
     あやのだって私が新らっきーちゃんねるに出るって決まった時おめでとうって言ってくれたろー!」
あやの「そっか。……そうよね」

みさお「んじゃなー!」
あやの「みさちゃん、また明日」


あやの「……みさちゃんが抜擢された理由、なんとなくわかったかも。でも……やっぱり少しだけ悔しい、かな」


 峰岸あやのの憂鬱 III


???「お困りのようね」

あやの「誰……って、泉ちゃん? どうして私の家の前に――」
こなた?「ふふ。あなたが峰岸あやのちゃんね」
あやの「……? 泉ちゃんじゃ、ない?」
こなた?「ええ、私は泉こなたではないわよ」
あやの「とっ、飛んだ!?」

かなた「私は泉かなた。あなたがよく知っているこなたの母親よ」

あやの「な……なんで、浮いて……」
かなた「幽霊だと思ってくれていいわ。私はこなたを産んですぐに死んでしまったから」

あやの(……夢? きっと夢よね、これは)

かなた「夢じゃないのよ」
あやの「え!? あ、あの……まさか私が考えてることを読んだ……とか?」
かなた「ごめんなさい。勝手に頭の中に流れ込んでくるの。幽霊の特性のようなものなのかしら」
あやの「は、はぁ……そうなんですか……」


 峰岸あやのの憂鬱 IV


あやの「それなら……私が今考えていることもわかりますか?」
かなた「……ええ。人気のこと――かしら」
あやの「はい。どうして私はみさちゃんと違って人気が出ないのか……」
かなた「そうね……」

かなた「恋人がいるから、なのかしらね」
あやの「それは――確かに、いますけど」
かなた「人気っていうのはすべからくフリーであった方が高まるものだと思うわ」
あやの「で……でも、かなたさんだって既婚者なのに、人気がありそう……な気がします」
かなた「私は――私の人気の原因はたぶん『声』だから」
あやの「声、ですか」

かなた「それに……話を戻すけど」
あやの「はい」
かなた「実はあなたの知らないところで実際に男の子を一人振っていたりもするのよ」
あやの「え!?」
かなた「説明しにくいんだけど……うん、パラレルワールドのようなものだと思って」
あやの「はぁ……」
かなた「その子はあなたに彼氏がいることを知って告白を諦めたの。
     男でも女でも、恋人がいるっていうのはそれだけで人気のプラスにならないんだと思うわ」

あやの「じゃあ……どうしたらいいんでしょうか。
     あの人のことは本当に大好きだから。人気が欲しいから別れるとか、そんなこと私にはできません」
かなた「そうだと思うわ。それくらいで恋人と別れられる人が人気を得られるわけもないしね」
あやの「そうですよね……」

かなた「でもね? 主演女優賞はもちろんだけど、助演女優賞だってとても大切なものなのよ」
あやの「助演……」
かなた「主演だけじゃ映画は作れない。あやのちゃんのお友達にも当てはまるんじゃないかしら」
あやの「そう……なんでしょうか」
かなた「ゆっくり考えてみて。私でよければいつでも相談に乗るわ」
あやの「……なんだか、すみません」
かなた「ふふ。それじゃあね」


あやの「って、幽霊みたいなものだって言ってたけど……成仏とかしなくても平気なのかしら……」


 峰岸あやのの憂鬱 V


あやの「……うん、これでいいかな」

みさお「あやのおはー……ヘアバンドなくしたのかぁ?」
あやの「ううん。イメチェンってところかな」
みさお「ふだん前髪が目に入るの嫌だって言ってるくせに?」
あやの「それはいいの。……助演ももちろんだけど、自分からアプローチ。がんばらなきゃ」
みさお「なんかブツブツ言ってるし。変なあやのだー」


あやの「おはよう、4人とも」
かがみ「ん、おは……どうしたのその前髪」
あやの「うん、ちょっとね」
つかさ「すごーい、峰岸さんかわいい!」
みゆき「本当ですね。とてもお似合いです」
あやの「ふふっ、ありがと」

みさお「あやの、いきなり大人気だなー。私だけますます影薄くなってる気がするぜ……」
あやの「そんなことないよ。みさちゃんも今度髪型ちょっと変えてみる?」
みさお「んー……やってみっかなぁ。うまく髪結んだりする自信ねーけど」
あやの「私も手伝うから大丈夫。あ、泉ちゃん」

こなた「おぉ、峰岸さんイメチェン?」
あやの「そんなとこかな。ね、今日学校終わったら泉ちゃんの家に遊びに行ってもいい?」
こなた「へ? いいけど、急だね?」
あやの「ちょっと泉ちゃんのお母さんにご挨拶したいの」
こなた「うちの? うちお母さんいないよ?」
あやの「口ではうまく説明できないんだけど……お礼が言いたくて」
こなた「……?」

かがみ「ところで日下部、あんた宿題やったの?」
みさお「んげ、やってねー! 写させちくり!」
かがみ「やなこった」
あやの「まあまあ柊ちゃん。ほらみさちゃん、ノート貸してあげるから」
みさお「お、サンキュー! やっぱあやのは柊と違ってこういうトコ優しいよなー!」
かがみ「峰岸……あんまこいつ甘やかすな」
あやの「うーん……それもそうかな?」
みさお「い!? お、女に二言はねーんだってヴぁ!」
かがみ「男に、でしょーが。勝手に変えるな」
みさお「あやのー、柊がひでえよ……」
あやの「ま、まあまあ……」


 峰岸あやのの溜息 に続……かない

 

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