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「三年生になる前にさ、みんなで旅行とかに行こうよ!」

そう提案したのは泉こなただった。三年生になってからだと、受験勉強で忙しくなるだろうから、今のうちにということだった

「そうねぇ。でもこなたは来年も勉強しなさそう」
「うっ!!」
「でも、いいねぇ。行こうよ!」
「そうですね、時間は今しかありませんもんね」

満場一致で決定、加えて柊かがみのクラスの友人二人を誘い、かがみの妹、柊つかさの提案で山奥の片田舎までやってきた

……のだが

「もー!! なんだってこう嵐に会っちゃうワケ!?」
「せっかくの旅行が台無しだよ~!!」

山道を歩いている途中に嵐に遭遇、彼女達は雨宿りできる場所を求めて走っていた

「あ、あそこ!! 家みたいなのがあるよ!」

つかさの指差す方には、木造のロッジのような家が建っていた
明かりは見えないので誰も住んでいないと見え、これ幸いとばかりに建物に飛び込んだ

「うひゃ~、びしょ濡れだゼ~!」
「うう……気持ち悪いわ……お風呂あるかしら……」

そう洩らすのは柊かがみの親友、日下部みさおと峰岸あやのだ
二人の問には答えず、かがみは中を見渡す

「……誰かの所有する別荘かしら……」
「だろうね。場所が場所だけに避暑地か何かかな?」

続いてこなたが呟く。そしていつのまにか二階にあがっていた高良みゆきが、

「皆さん! 部屋はちょうど六部屋あるみたいです!」
「とりあえず、一人一部屋ずつ使えるわね」
「ちょ、ちょっと待ってよぉ! 本当にここに泊まるの!?」

つかさがそう声をあげる。怖い場所がキライなつかさは、得体の知れないこの家を恐がっているようだ

「その通りよ。イヤなら外で野宿してなさい」
「うう……そっちの方が怖いよ……」

つかさもしぶしぶ賛同し、とりあえず部屋決めとなった

入り口から見て左奥からみさお、あやの、こなた、つかさの順で、みさおの正面の部屋にかがみが、つかさの正面の部屋にみゆきが入ることとなった

「うっわ! 下着までびしょ濡れかよ……明日までゼッテー乾かないな……」

みさおは自室でそうぼやいていた。まあ、明日が晴れるかどうかもわからないのだが……
着替えるのはお風呂の後にして、自室のストーブを付ける。幸い電気はちゃんと通っている

「みさちゃん」

突然、あやのの声が聞こえた、びっくりして辺りを見回すと……

「こっちこっち」
「あらら、穴が開いてんじゃん」

隣の部屋との壁に小さな穴が開いていて、その穴からあやのが喋りかけてきたのだ

「よく見ると穴ばっかじゃん。覗かれたらまずいよなー」
「でも、今は女の子しかいないからいいじゃない」
「まあ、そうだけどさ」

『みんなー! お風呂沸いたよー!』

聞こえてきたこなたの声。二人は穴からお互いを見て、

「まずはお風呂の順番を決めないとね」
「ああ、みんなを呼ぼうぜ!」

二人は同時に部屋から飛び出した

 

 

(さあ……始めようか……)

その頃、部屋の一室で一人の少女が不気味な笑みを浮かべていた――

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