こなた「ふい~、さっぱりした。寝る前にネトゲにでもインしよっかな~」
ガチャ
こなた「あれ?お母さん、また来てたんだ」
かなた「ええ。やっぱり、こっちが気になるからね。それにしても……」
こなた「どしたの?」
かなた「いっつも思ってたんだけど……なんで同じ本が3つもあるの?」
こなた「ああ、それ?鑑賞・閲覧用、永久保存用、布教用の三種類なんだ」
かなた「こんなのにお金を注ぎ込んで……私が生きてたら、少しはまともに育ったのかしら……」
こなた「どうだろ?お父さんだしね」
かなた「う~ん……そう君と結婚した時点で、それは諦めるべきだったのかしら……」
こなた「最近、毎日のようにお母さんが来るんだよね。前はお盆とかだけだったのに」
かがみ「あんたの将来を心配して来てるんじゃないの?」
こなた「う……否定、出来ない……」
かがみ「卒業までもう一年ないんだからね?ちゃんと進路決めなさいよ」
こなた「頑張ってみるよー」
かがみ「まったく……ん……」
こなた「どしたの?」
かがみ「いやね?ここ最近、肩が凝っててさ」
つかさ「こなちゃんってさ、幽霊が見えるんだよね。お姉ちゃんの肩に狐とか憑いてないかな?」
かがみ「バカなこと言ってんじゃないの。最近、勉強しまくってたからだと思うけど……」
こなた「一応、見てみるね。じー……」
かがみ「あんまジロジロ見ないでよ」
こなた「……大丈夫。狐は憑いてないよ」
つかさ「なんだー」
かがみ「ほらね?そんなの憑いてるワケ……」
・・・
かがみ「狐『は』?」
こなた「狐『は』」
『ぎゃああああ!!』
つかさ「ひっ!」
かがみ「こ、ここ、だいぶ雰囲気でてるわね……」
みゆき「い、泉さんは平気なんですか?」
こなた「言ってるでしょ?私霊感あるって」
つかさ「あ、そ、そっか……いいなぁ……」
こなた「そんないいもんじゃないよ。今だって……」
かがみ「へ?」
『……引き返せ……』
みゆき「ひぃっ!」
つかさ「あ、後で話そうよ!」
かがみ「そ、そうね!早く出ましょ!」
・・・
つかさ「はぁ……怖かった……」
みゆき「も、もう二度と来たくありません……」
かがみ「ホントよね……。ところでこなた、あんた中で何を言おうとしてたわけ?」
こなた「ああ、あれね、『見えない方がいいものも見えちゃう』って言おうとしたの」
三人「え?」
こなた「中ね、本物の悪霊が何体かいたんだよ。オマケに最後の『引き返せ』だって人間のじゃないし。……あ、やっぱり鳥肌立ってる」
三人「……」
こなた「おーい、三人ともー。こんなところで気失わないでよー」
ななこ「なんや、ウチのチーム負けとるやんか」
かがみ「大丈夫ですって! うちのチームには運動が得意なやつが多いですから!」
ななこ「でもなぁ……次はアイツやろ?」
百m走、スタートラインの手前で待機してるつかさを指差す
かがみ「つかさか……」
ななこ「差はますます広がるやろな……」
こなた「まずいですね……」
ななこ「……そや! 泉、お前確か霊能力あったよな!?」
こなた「能力はないですが……霊と話したりはできますよ」
ななこ「それでええ! お前の力で……」
・・・
かがみ「つかさが百m走を一位!? すごいじゃない!!」
つかさ「えへへ」
かがみ「……ん?」
女子1「さっきの百m走、なんか身体が重くなかった?」
女子2「え、あんたもなの?」
かがみ「まさか……」
ななこ「ドーピングやないからオッケーやろ?」
こなた「多分、大丈夫ですよ。憑いただけですから」
かがみ「……敵じゃなくて本当に良かった……」