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「ふ~、少し早く走りすぎたかな?」

こなたはあの後、図書館ま走ってきた
太陽の位置がまだ東の空にあることを確認し、図書館のドアを開ける

「いらっしゃい、こなたちゃん。今日は早いわね」

図書館の館長だ。人手不足により、カウンターで貸し出し業務も並行している

「うん、早く封書が読みたくてね~」
「急がなくても、封書は逃げないわよ」

そう言うこなたに笑いかけながら、一冊の本を取り出し、カウンターに置く
タイトルは現代の文字で書かれていないうえに中身まで同じ調子。故にこれまで封書とされてきた本だ

「よし、さっそく読もうかな」

こなたは図書館中央に位置する読書ルームに移動

「……おおお……」

本を開いてすぐ、こなたの目が輝きだした


 


どれくらい時間が経過しただろうか、窓の外はオレンジ色に染まっていた
本来ならお昼頃に本を読むのを一時中断、古武術の修行を行うはずだった
しかし、本に夢中になっていたこなたはそれを忘れていた

「ふ~、おもしろかった~」

パタンと本を閉じ、ふと窓の外を見る
この時初めて、こなたは時間の経過を悟った

「……マジ?」

こなたのこめかみから冷や汗が流れた

「ま、いっか。今日は休暇ということで」

気持ちを瞬時に切り替え、読書ルームを出てカウンターにいる館長に本を返す

「今日はずいぶん長くいたわね。そんなにおもしろかった?」
「うん。新しい事も知れたし」
「それはよかった。さ、早く帰ってお父さんを安心させなさい」
「う……ん?」

――お父さん? 何か忘れているような……?

「あ~~~~~~!!」

こなたは絶叫し、疾風の如く駆け出した

「このロケットペンダントを早く返さなきゃ!! 町を出てるかもしれない!!」

そう、あの女の子と出会ったのは朝方
腰に鞘を差していたということは旅の者、下手をしたら、彼女はもう……

「お父さん!!」

家に着いてすぐにそう叫んだ。全速力で走ってきただけに、肩で呼吸をしている

「おお、どうした? そんな急いで……」
「今朝、女の子が来なかった!?」
「ああ、来たな。薄紫色のツインテールっ子が……」
「その子、今どこにいるか知ってる!?」
「ええっと、今日は宿屋に泊まるって言ってたから、もう宿屋にいるんじゃないか?」
「宿屋……よかった……」

こなたは大きく息を吐き出した。その後すぐに深呼吸、呼吸の乱れを整える

「何かあったのか?」
「うん、朝ね……」

こなたは今朝の話をした。女の子とぶつかったことや、落としたロケットペンダントのこと……

「そういえば無くしたって言ってたな。友人との思い出の品だとか……見せてもらってもいいか?」
「いいよ」

そう言ってこなたは父――そうじろうにロケットペンダントを渡した
中身を見たそうじろうの顔は一瞬驚きに染まった

「……どしたの?」
「あぁ、いや、なんでもない」

そうじろうはロケットペンダントの蓋を閉じてこなたに返した

「もうすぐで夕飯ができるから、それを食べてから行きなさい」
「うん、わかった」
「そうそう、ちゃんと手は洗えよ」
「わかってるよ」

外にある井戸にこなたが走っていくのを見届けると、そうじろうは呟いた

「……どういうことだ? あの子は確かに人間だった。だが、両脇の二人は……」

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