ID:vtqLC2YnO=ID:DaIr8zezO氏:タイトル不明

こなた「ごめんね。お父さんの着替えとかいろいろ運ぶの手伝ってもらっちゃって。」
つかさ「ううん。何も気にしなくてもいいよ~。」
かがみ「まぁ、困った時はお互い様ってヤツよ。」
こなた「まぁ、お父さんさんも入院しちゃって誰もいないからさ、あがって、あがって!」
つかさ「おじゃましま~す」
かがみ「おじゃましま…うっ!」



未来って予測できない物だよね。
でもね、私には一つだけ分かってる未来があるんだよ。

私がそれを知ったのは高校2年の時のよく晴れた何気ない週末だった。



かがみ「何よ!この散らかり様は!!あんたちゃんと掃除してんの?」
こなた「うっ…ち、違うよ。これはお父さんの入院の為の用品を用意する為に家ん中引っ掻き回してたらさ……。こうなっちゃって。アハハ…。ま、気にしないで。お茶でもいれるからさ」
かがみ「全く…。」
つかさ「じゃ…じゃあさ、この散らかった居間を片付けちゃってからゆっくりお茶飲む事にしない?」
かがみ「……そうだね。これはあまりに…、ちょっと…ね。まぁ3人でやればすぐ終わるだろうしね。」
こなた「あれ~。悪いね~。助かるよ~。お2人さん。」
かがみ「何よ!そのニヤついた顔は~!!」


ラッキーだった!そろそろ掃除しなけりゃ…と思ってたからね。

そうして程なく私とつかさとかがみは居間の掃除を始めた。


かがみ「こなた~、これ何処にしまうの~?」
こなた「ん~?あ、それそこの棚の右の上から2番目~。」
つかさ「こなちゃ~ん、これは~?」
こなた「ん?ん~適当にそこらに置いといて~」
つかさ「えっ!!適当に…。えっと…。えっと。」
かがみ「ちょっとあんた何1人で楽してんのよ!あんたもテキパキ動く!!」
こなた「あれぇ~バレた~ぁ。」
つかさ「そういえば、こなちゃんのお父さん、どうして足折っちゃったの?」
こなた「うっ!!………。」
かがみ「ど、どうしたのよ!!」
こなた「……その…。駅の階段上る時に女子高生のスカートが気になった挙句に足を踏み外しちゃって………。」
かがみ「………。」
つかさ「………。」

あ~いう父に育てられた私だ。父の行動は私には理解は出来るが、その行動を説明するときにはつくづく馬鹿らしくなる。



つかさ「……ま、まぁ一週間の入院ですんで良かったね。」
こなた「同じ理由で入院するのもう八回目だからね、もう心配すらしないよ。」
かがみ「あ…え……。」
つかさ「…うう……。」
こなた「あれあれ~2人とも手が止まってるぞ~」


いやはや、3人で掃除すると早いし楽だね。
それから20分ぐらいで居間は綺麗になった。

こなた「いや~、綺麗な居間でくつろいで飲むお茶もまた格別だね。」
かがみ「あんたはサボってばっかだったでしょう!」
こなた「ま~気にしない、気にしない。いちいちいろんな事気にしてると、早く老けちゃうよ~」
かがみ「何ぃ~!!!」つかさ「!!あっあのさ!さっき底の棚にね、沢山のビデオがあったの。それ、何だったのかな~って思って。」
かがみ「ちょっ、つかさ、ばっバカ……。」

こなた「あれあれぇ~。かがみさ~ん~。どしたのかなぁ~。焦っちゃって~。」
かがみ「な、何でもないわよ!!」
こなた「そこの棚?」
つかさ「うん。」
かがみ「ちょ、やめなさいよ。」
こなた「…………。ふーん、お父さんこんなとこに隠してたんだ~。」
かがみ「はぁ……。」
つかさ「??何?」
こなた「『返して!私のニーソックス!~汚された清純~』か……。あの人も好きだねぇ……。」
つかさ「………!!!!……お、ねぇちゃん…。」
かがみ「鈍いんだから…あんたは。」


こなた「それにしても沢山あるなぁ……。あれ、これだけ妙に大事に保管されてる。」

こなた「…ラベルに手書きで『20まで禁』って…。よっぽどのヤツなのかな?……ちょっと見てみよっか?」
かがみ「ば、バカやめなさいよ!見たくなんかないわよ!!!」
こなた「またまたぁ~。ちょっとだけ見るくらいいいじゃない~。本当は見たいんでしょ~~う?」
つかさ「私はちょっと遠慮しよっかな……。」
こなた「問答無用!!いいじゃない!減るもんじゃないし~。じゃいくよ~。」
かがみ「ちょちょちょちょちょっと、まままま待ちなさいよ!!!!」


かがみ「………砂嵐じゃん。」
こなた「あれ、期待外れ?残念だな。ね、かがみん。」
かがみ「ななな何よ!!」
つかさ「(よかった……。)」

そんな話をしてるうちに砂嵐が消えて、映像が映り音声が流れてきた。

「えっと…え~これは撮れてるのかな?」

「……えっと!うんと……よし!撮れてるみたいだ!」

聞き慣れた、でもちょっと若い声。
お父さんの声。
どうやらビデオを撮ってるのはお父さんみたいだ。
そして、映っているのは…。

「ね、ねぇ、そう君。だ、大丈夫なの?」

動いているお母さんだ。お母さんだ。


そうじろう「OK!OK!大丈夫だよ!」
かなた「ほんとに~?」そうじろう「ハハハ。本当だって。よし、それじゃ、行くよ。3、2、1…。」


かなた「こなた。二十歳の誕生日おめでとう。こなたも、もう大人の仲間入りだね。お母さんは本当に、本当に、ほんっっっとに嬉しく思います。」


かがみ「……これは…。」
つかさ「…(うわぁこなちゃんにそっくりだぁ…。)」
こなた「………………。」


かなた「まず最初に謝りたい事があります。………ごめんね。お母さんに似たばっかりに、きっと背が低くて悩んだりしてるんだろうな。ごめんね。ウフフ…。」
そうじろう「ハハハ。」
かなた「いや、もしかしたらどんどん成長して1m80cmいってるかもね。そうだったら羨ましいなぁ~。」

こなた「ふふふっ…。」

かなた「え~っと、どうですか、毎日楽しく過ごしていますか?立派に恋でもしていますか?お父さんが二十歳の頃はいっつもゲームとアニメばっかで……、そういう人になっていないことだけが心配です。」
そうじろう「おいおい、おい!」
かなた「ふふふっ…。」


そうじろう「『なっていないかどうかが心配です』だろ?」
かなた「あっ!そっちに突っ込むのね。アハハ。

……友達はいますか?
心許せて、くだらない事で笑いあえて、沈黙でいる事さえも苦にならない、そんな友達がいますか?
お母さんは友達はあんまり多い方ではなかったけど、そう呼べる友達が確かにいます。

どうか友達を何よりも大切にね。
約束だよ。

次に、多分、分かっていると思うけどお父さんはこーだから、その…見捨てないでね。アハハ。

普段はこんな人だけど、本当は凄くあなたの事を考えていて、いつもいつも陰からあなたを支えてくれるでしょう。何か悩んだら、相談するのもいいいと思うよ。

お父さんはこんな人だけど、お母さんはお父さんに出会えて本当に良かったと思ってる。
本当だよ。

こなたにもそういう人と一緒になってほしいな。この人とずっと一緒にいたい、離れたくない、でも例え、もう死んでしまうとしても出会えたことは後悔は無い、幸せだったといえる人。
そんな人を見つけてね。これも約束。

あ、ゲームやアニメ好きな人はなるべくやめた方がいいわよ。ろくな人がいないから。」

そうじろう「はぁ……。」
かなた「アハハハハ。

そして、きっと人生の道に迷う時もあるでしょう。

自分自身の無力さや性格や風貌を呪う時もあるでしょう。

そんな時、ちょっと自暴自棄になったり、全てが嫌になったり、殻に引き籠もったりしてしまう事もあるでしょう。

でもね、それでいいの。
人生はね、簡単にダメになってしまう程短くないの。
道を外れたように思ってても、それはまだ道の上なの。
簡単に踏み外せる程、人生は狭くはないの。


……いつか、こなたがお母さんに会いに来た時、胸を張って会いに来て欲しいの。

そして、あなたの周りの人が迷う時はあなたが支えになるの。

あなたは強い子よ。
そして優しい子よ。
だって、お母さんとお父さんの子供だから。

どんな行き方でもいい、必死に生きるの。
これもお母さんとの約束。」


かなた「それでね…」
「ふぎゃぁぁ、うぎぁぁ」
かなた「あらあら…」

画面の外からお母さんに抱き上げられてフェードインしてきたのは。
あやされて泣きやんだのは。
……私だ。

かなた「こなた…、この小さなあなたが、どんな風に育つのか……。

どうして私は見られないんだろう…って運命を憎んだりもしたけど、気付いたの。

あなたに会えてことが、一番の幸せ。

きっと生きるはずだった分の人生の幸せを全部掻き集めたって足りないくらいの幸せ。

だからあなたは絶対に幸せになってね。

絶対に…。絶対に…」

泣き声が聞こえる。
お母さんじゃない。
映っていないお父さんのすすり泣く声だ。

お母さんの目に涙が滲みだしているのが見える。
一粒、一筋、また一粒。


泣いてる。
お母さんさんが泣いてる。
初めて聴くお母さんの泣き声。

かなた「ごめんね…。あぁ…あ…本当にごめんね。ずっと、ずっ…と一緒に居たいの。…死にたくない…死にたくないの。傍に居たいのそう君とこなたの傍に。あぁ…あ…。………………。」

泣くお母さんの胸で私は穏やかに眠っている。


いったん画面は途切れて、ほんの僅かな間を空けて続きが映し出された。
笑っている。お母さんは笑っている。目と鼻の頭が真っ赤だ。しかし、お父さんの泣き声はまだ聞こえる。

どうやら泣きやんでから続きを撮ったのだろう

かなた「こなた。二十歳の誕生日おめでとう。ずっと、ずっと大好きだからね。
ずっと見てる。見守ってるからね。
さて、お母さんそろそろ、こっちのこなたにごはんをあげなきゃならないの。
こなた。

こなた。
…こなた。…じゃあね。」
そういった後、画面の中の私は強く抱き締められていた。

なんだか私はあの私が羨ましく思えた。


そして、砂嵐、ノイズ、砂嵐、静寂
かがみ「…………。」
こなた「………。」
つかさ「………。」

私を気遣ってくれた2人の優しさは沈黙というものだった。2人が何が言いたいのかはよく分かった。

だから、もう少しだけこのままで。



高校を卒業してからも、私達の中は相変わらずだ。普段は会えない分、誰かの誕生日やイベントには欠かさず集まっている。

かがみ「こなた~、もう目を開けていいよ~。」
こなた「いいの?開けるよ~」


未来を予測する事は出来ないけど。
一つだけ分かってる未来がある。


そうじろう「こなた、誕生日おめでとう!!!でな父さんからも一つプレゼントがあるだが…」

ほぉらきた!!

―終―
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