「ここまで来れば問題ないやろ」
「ですねー」
「でも意外ですよ。黒井先生が俺を連れてどこかに遠出するなんて」
「気ィ許せる同僚がアンタしかおらんからな」
今俺は、黒井先生と京都に来ている。彼女曰く『最近日頃の鬱憤が溜まってな、ちょーっと学校サボりたいんねん』
で、偶然通り掛かった同僚の俺を捕まえて京都へ向かったのだ
「しっかし、良いんですか? 黒井先生。仕事サボっても」
「なぁーに、ひょっこり帰れば大丈夫やろ」
どこからそんな自信が出て来るんだか…
ま、折角京都に来たんだし、何処か適当にぶらつくかな
「黒井先生ー」
「どないしたん?」
「俺は適当に京都市内をぶらつきますけど、先生はどうしますー?」
「ウチもついてくさかい、待ってーな」
おっ、走って来る走って来る
「いやーすまんな。無理言うて京都まで」
「いえ、俺はこの日休みを取って暇でしたから」
じゃあ出発するか。目指すは…とりあえず清水寺方面へ向かうか
「え? 先生通勤とちゃうんと…」
「あれはたまたま用事が早く済んで戻る途中だっただけですよ」
えーと…清水寺まであと1km…
「それじゃあ折角の休みを…」
「はい。黒井先生に潰されたと言っても過言じゃないですね」
「そりゃあどういう意味でとったらええ?」
そりゃあ御自由に。そう言うと先生は笑顔に戻り、俺の手を引いて歩き出した
「先生、俺の手を引っ張ってどちらへ?」
「そりゃあもう、あそこしかあらへん」
わかってるけどね。多分だけど
恐らく目指す先は…地主神社
理由は、わかるよね?
最終更新:2007年11月05日 23:42