こなた「洗濯~お洗濯~」
こなた「おとーさんのは汚いから別々~」
こなた「私とゆーちゃんのはお天道様の下~」
こなた「おとーさんのは室内干し~」
こなた「おとーさん汚いから先に入って~」
こなた「でも私とゆーちゃんが入った後だと変な事考えそうだし」
こなた「やっぱりおとーさんは銭湯に行って~」
こなた「おとーさんのなんか臭いから自分で捨てて~」
こなた「お母さんいないから『かいて』るんだろうけど」
こなた「『かく』のは小説だけにして~」
こなた「…あ、またドアに挟んどいたシャーペンの芯が折れて床に~」
こなた「おとーさんは私達が学校に行ってる間何してるの~」
こなた「早く1人暮らししたいな、もう嫌だ~」
そうじろう「こなたの部屋…」
そうじろう「勝手に入るのは悪いが、こなたに出来るだけアイツの顔を見せてやりたくて、この部屋アルバムを置いたんだよな」
パラ
そうじろう「かなた…」
そうじろう「こんな情けない親父の姿、娘には見せられないな」
こなた「…またシャーペンの芯が落ちてるよ~」
こなた「もう嫌だ~……って、アルバムの位置が変わってる?」
こなた「………?」
こなた「今度はアルバムの入ってる棚と、机や箪笥にシャーペンを仕掛けてみたよ~」
こなた「数日後~数日後~」
こなた「棚以外、シャーペンの芯は床に落ちることはなかったのだ~」
こなた「おとーさんは、毎日のように私の部屋に入っては、アルバムを見ていた事」
こなた「お母さんや、私の小さい頃のページに濡れたような跡がある事」
こなた「私は気付いたのだよ~」
こなた「私も、私を生んでくれたおとーさんとお母さんが大好きだよ~」
こなた「私は、シャーペンの芯なんか仕掛けるのは止めた~」
こなた「おとーさんを、1人の家族を信じられないなんて、私はなんて馬鹿なんだろう~」
こなた「太陽の下、洋服も柔らかい香り~」
こなた「たまには背中でも流してあげようかな~」
こなた「ベタベタしないで、暑苦しいよ~」
こなた「でもこれからは、おおめに見てやるかな~」
こなた「おとーさんだけで、親2人分だっていうのは嘘じゃない~」
こなた「おとーさんの中には、お母さんがずっと一緒なんだから~」
こなた「おとーさん、お母さん、ごめんね~」
こなた「私はおとーさんが大好きだ~」
こなた「おしまい~」