そうじろう「う~ん……」
『いくZE!!必殺、俺の必殺技…』
とある日曜日。泉家の茶の間では、娘「こなた」がゲームをプレイし、その傍らで父「そうじろう」が自分の仕事である小説を書いていた。
そうじろう「う~む……」
『すまない、後は頼んだ……』
ちなみに現在、どちらも進行状況は思わしくない。
簡単に言うと、こなたはゲームでGAMEOVER寸前という状況である。
対するそうじろうも負けず、主人公の女性が12年間果たせなかった告白を成功させて返事を聞くところまではこぎつけたのだが、そこから先でイメージがぷっつりと途切れてしまったところである。
『やれやれ、僕も敵にもてるな…』
そうじろう「はぁ~……」
こなたのゲームでは、さらに1機の味方機が破壊された。
プツンッ!!
こなたがテレビの電源を切った。
しかし、その顔にはゲームでCPUに負けた怒りや悔しさの感情は一切無く、なにも面白い事がない上やる気も無いといった表情一色になっていた。
それもそうだろう。今の季節は夏、それも今日の気温は特に例年より高い。この少女のやる気を無くす条件としては十分すぎる日だ。
こなたは無気力そうに何気なく辺りを見回すと、部屋の壁に掛けてある一枚の見慣れた写真に目が止まった。
最終更新:2007年10月05日 01:05