ID:y5jj+ > FS0氏:泉家の休日

そうじろう「こなた、ゆーちゃん、これからみんなで、思いで作り、しないか?」
こなた「…」
ゆたか「思いで作り?」
こなた「もしもし?ゆい姉さん?お父さんから犯行予告でました…」
そうじろう「だー!こなた、違う、断じて違うぞ?俺は二人とだな、遊園地とか、動物園とかどうかな~、と、そう思っただけだ」
こなた「…何でまた?」
そうじろう「いやな、ゆーちゃん来てからあまり行ってないだろ?そういう所。だからさ、たまには、ってな」 
ゆたか「すいません…」
そうじろう「良いって。んで、ゆーちゃんはどこ行きたい?頭部動物公園?ネズミーランド?どこでもいいぞ♪」
ゆたか「あ、あの、それじゃあ…私、水族館に行きたいです」
そうじろう「…水族館…」
こなた「…?どったの?」
そうじろう「ああ、何でもない何でもない。よし、時はきたれり。準備ができたらいくぞ!」  


水族館到着
こなた「やほーい♪」
ゆたか「うわぁ♪」 
そうじろう「はしゃぎすぎて転ぶなよ~、お、そうだ!!お~い二人とも」パシャ
そうじろう「うんうん♪よく撮れてる♪」
こなた「お父さん、早く~。置いてっちゃうよ~」
そうじろう「ははははは。よっしゃ、そうじろう、光の速さでダーッシュ!」
切符売り場
店員「えーっと、大人1枚と子供2枚ですね…」
そうじろう「あ…2人は高校生なんで…」
こなた「…」ゆたか「…」
店員「…え?…あ、あら?…す、すいません!」
そうじろう「はは…ははは」
館内
ゆたか「うわぁ!すごい、すごいよ、こなたお姉ちゃん!」
こなた「ほぉ~綺麗だね~。ぷぅ」
ゆたか「あははは、ハリセンボンだ♪ぷぅ。あ、こっちには亀がいるよ!」
こなた「だだだだん♪だだだだん♪だだだだん♪だんだんだ♪」
ゆたか「何それ?」
こなた「ガメラ~」
ゆたか「ガメラ?あっ、あっちにはクリオネもいるよ?可愛いな~」
そうじろう「うんうん♪家族って良いな~、涙出そう」
「あの、すいません」
そうじろう「ん?俺?」
「あ、はい。あの、シャッター、押してもらえますか?」
そうじろう「ああ、良いですよ。えっと、これ、だよな」
「ほら、お前達前向いて」
そうじろう「じゃ、撮りますよ~。はい、チーズ」
「わざわざすいません」「ありがとうございます」「おじちゃんありがとー」
そうじろう「いえ。…家族…か」


十数年前・同所
そうじろう「そんなにはしゃぐと転ぶぞ~♪」
かなた「大丈夫だよ、そうくん。わ、まんぼうだ。面白~い」
そうじろう「はは、変な形してるよな~、お、蟹がいるぞ、蟹蟹~」
かなた「タラバガニ…おっきぃねぇ」
そうじろう「食欲そそるよな~♪」
かなた「もお、そうくんったら。こっちは…カブトガニだって」
そうじろう「スーパーXか。こいつもヘンテコな形してるよな。いや、むしろカッコイイ!」
かなた「ここの水族館だけでどれくらいお魚いるのかな」
そうじろう「あ、そいやどこかに貼ってあったな…こんなにいるんじゃ数えきれないよな」
かなた「途中で数え違えしそうだよね♪」
そうじろう「ははは、ついでにケタも間違えそうだ」
「あの、すいません」
そうじろう「?」
「写真を1枚、いいですか?」 
そうじろう「写真?あっ、はい。いいですよ。…それじゃあ撮りま~す。はいチーズ」パシャ
「ありがとうございます。あ、よろしかったらお2人も撮りますよ?」
そうじろう「えっ!?良いんですか?それじゃあ、お願いしちゃおっかな…。かなた」
かなた「うん♪」
「じゃ、撮ります。はい、チーズ」パシャ
そうじろう「わざわざすいません」
「いえいえ、こちらこそ」「ありがとうございました」
かなた「あっ、いえ。こちらこそ」
「それじゃあ」
そうじろう「どうも~」
かなた「…そうくん、さっきの女の人…」
そうじろう「あぁ、ぱんぱんだったな」
かなた「私も、そろそろ、なんだよね」
そうじろう「ああ。今度は3人で来たいな」
かなた「うん♪」  


再び現在
こなた「お父さん?」
そうじろう「あぁ、すまない。何だ?こなた」
こなた「(泣いてる?)…あ、そろそろお昼かな~って」
そうじろう「ああ、そうだな。館内に食事コーナーあるから、そこに行こうか」
こなた「うん♪」
喫茶コーナー
そうじろう「ほう…あまり変わってないんだな。…2人、好きなの頼んで良いぞ」
こなた「ん~、これも美味しそうだな、こっちもいいな…迷う…迷うよ」
ゆたか「えっと、どれにしよっかな…これかな…どっちにしよう…うーん…」
そうじろう「決まったか~?」
こなた「ちょっと待ってて…う~ん」
ゆたか「すいません…」
そうじろう「すいませ~ん、これと、これと、これとこれ。あとコーヒーとジュース2つ」
こなた・ゆたか「えっ!?」
そうじろう「はははは、3人で分けよう。な」
そうじろう「そういや、ゆーちゃん、体の調子はどう?悪くない?」
ゆたか「はい。来る前に薬飲んできましたので。調子良いです」
そうじろう「そっか。それは安心だ」
ゆたか「私、水族館、あまり来た事なくて、凄く楽しいです」
そうじろう「来たかいあったな。うんうん」
こなた「午後からイルカのショーがあるって。それも見に行こうよ!」
ゆたか「うん!」
「おまたせしました(ry」
そうじろう「はははは、その前に腹ごしらえだ。たんと食べて、戦に備えてくれ!」
こなた「うわ、美味しそう…」
ゆたか「すごい…量…」
そうじろう「敵は手強そうだな…んじゃま、いただこう!」

イルカコーナー・そうじろう「もうそろそろだな」
ゆたか「わくわく♪」
そうじろう「おお、来た!」
ゆたか「わぁ~、凄い、凄い、凄いよ!人が乗ってるよ!こなたお姉ちゃん!」
こなた「うわっ!?水がはねた!」
そうじろう「ははははは、相変わらずだな。うおわ、またきた!」
ゆたか「きゃっ!イルカさん可愛いな~、ジャンプ!まただ。パチパチパチ」
こなた「今度はイルカの餌やりだって。ゆーちゃん、立候補してみなよ」
ゆたか「えっ…で、でも…きゃ」 
そうじろう「はーいはーいはーい!」
こなた「ちょ、お父さん!?じゃ、あたしも。はーいはーい…あ…え、あたし?」
ゆたか「あはははは、こなたお姉ちゃん、頑張って♪」
こなた「は、ははは…、ゆーちゃん、ゆーちゃんいきなよ。ゆーちゃんイルカ好きでしょ?ね?」
そうじろう「…こなた…。そうだな、ここはゆーちゃんが行くべきだ。こなたが行っても餌横取りするに…痛たたたたた」
ゆたか「本当に…良いの?」
こなた「うん♪」
そうじろう「健闘を祈る!」
ゆたか「それじゃあ、行ってきます」
餌やり・「ようこそいらっしゃいました!お名前は」
ゆたか「小早川ゆたかです」
「ゆたかちゃん!それじゃ、よろしくネ」
ゆたか「あ…はい、よろしくお願いします」
観客席・そうじろう「こなた、お前、優しいな」
こなた「や、やめてよ。ゆーちゃんやりたがってたから、譲ってあげただけだよ」
そうじろう「そっか…っ」
こなた「ちょ、泣かないでよ、お父さん!あ、ゆーちゃんゆーちゃん!カメラ撮って、カメラ!」
そうじろう「お、おう!あはは、ゆーちゃんびくついちゃって。本当、シャッターチャンスの連続だな」
こなた「あ、ゆーちゃんかじられてる…」
そうじろう「本気で怖がってそうだな。ゆーちゃん…」
 
「小早川ゆたかちゃんでした。ありがとうございましたー」
ゆたか「ただいま~。ふわぁ、楽しかったぁ」
こなた「大丈夫だった?イルカに食べられてたみたいだったけど」
ゆたか「うん…。ちょっと怖かった。でも、全然痛くなかったよ?凄く楽しかった」
そうじろう「ゆーちゃんはイルカと友達になれそうだな」
ゆたか「えへへへへ♪」
そうじろう「よっし、まだ見てないの、まわるか」
こなた「うん」
ゆたか「は~い♪」
それから俺達は鮫、深海魚、熱帯魚…様々な魚を見て回った。
ゆーちゃんはどれを見ても大はしゃぎ。見た目もあって、周りからは100%小学生に見られていた事だろう。
家族連れを見る度にふとかなたを思いだす。
3人で来たかった水族館。3人で来られなかった水族館。でも、今はこうして3人で来ている。
たまにこなたがかなたなんじゃないか、そう思う時がある。いつもの空想癖だが、日増しにこなたはかなたに似てきている。
それは嬉しいと言うか切ないと言うか。
かなたがいなくなって十余年、俺は今でもかなたを追っている。まるでストーカー。
これが水族館じゃなければ少し違っていたのかもしれない。

今日はみんなで楽しむはずが、俺の心は少しずれていた。
ま、2人は楽しんでくれたみたいだから、万々歳だよな。
こなたの良いヤツっぷりも見れたし、ゆーちゃんも終始元気に楽しんでくれていた。
これでどうとか言ったらバチが当たっちまうよな。
かなた、今日も楽しく過ごせたよ。ありがとう。
ちなみにお土産にこなたは龍の落とし子の標本、
ゆーちゃんはイルカグッズをたらふく買いましたとさ。
さて、仕事でも始めますか。
こなた「お父さん、コーヒー煎れてきたよ」
こぉなぁたぁ~(泣)
そうじろう「おう、サンキュ。ゆーちゃんは?」
こなた「もう寝ちゃった」
そうじろう「そっか。…アチッ」
こなた「お父さんも疲れてるんだから、あんま無理しちゃダメだよ?」
こぉなぁたぁ~!!(大泣)
そうじろう「ふっ、鍛えてます!シュ」
こなた「ふん、どうだか…。そうだ!肩揉んであげるよ、肩♪」
こぉなぁたぁ~!!!!!(轟沈)
そうじろう「うぉ…上手いな…さすが…いかん、眠気が…」
こなた「揉み揉み~♪どう?気持ち良いでしょ?揉み揉み~♪」
そうじろう「あぁ…まるで、天国だ…」
こうして泉家は、今日も平和に、そして幸せに、暮れて…いくので…あ…zzzzz
~完~

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年09月17日 01:24
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。