ID:f2qm5TkjO氏:夏の思い出

「ねぇお父さん」
「んー?」
「お母さんて背小さいし、幼なじみだし、なんかギャルゲーキャラみたいじゃん?」
「だろー?かなたは子供の時から可愛くてなーっ」
「お父さんがベタ惚れなのはわかるんだけど、お母さんは何で結婚したんだろ?」
「お前が振り向いてくれないからオレはギャルゲ好きになったんだと言ったら割りとすんなり・・・」
「あなたは最低だ。それって脅迫じゃないの?」
「何もそこまで言わなくてもいいじゃないか」
「いやいやいやいや」
「俺だってかなたに振り向いてもらおうと色々したんだぞー。」
「色々って?どんな事したの?」
「そうだなあ・・・じゃあかなたと行った夏祭りの話をしてやろうかな」


あれは二十年近く前の事だ。俺とかなたは夏祭りに来ていた。かなたは浴衣もかわいかったなぁ。
俺とかなたは祭りが始まってすぐに神社に向かった。まだセミがうるさかったなあ。
俺とかなたは始めに金魚すくいをやった。始めに金魚すくいもどうかと思ったがかなたが、
「そうくん、金魚すくいやってる!行ってみようよ!」
なんて言ったから金魚すくいをやることになったんだ。
俺はかなたに引っ張られ金魚すくい屋に来ていた。いつのまにかかなたは早速始めていた。

「逃げないでね・・・いい子だからね・・・えいっ!!」
かなたはゆっくりとアミを動かして金魚をすくおうとしたが、アミを動かすのが強すぎて破れてしまった。
水面から穴の開いたアミを上げ、その先を見つめる。水滴がポタリと落ちた。

「惜しかったなぁ」と俺が言うとかなたは、
「そうく~ん。あの金魚取って!!」
まだ一回しかやってないのにもう人頼みか。とか思いつつも俺は店の人にアミをもらい水槽を見た。
慎重にアミを動かして金魚を狙う。ちょうど金魚がアミの上に来た所でアミを動かす。
あっとなりの子かわいいなぁ~とか思って見ていたら金魚に逃げられた・・・。
「あー逃げられた。ダメだねこりゃ。諦めよう、かなた」

かなたの顔を見るとすごく怒ってた・・・。ごつんという音と共に頭を殴られた。
頭に微妙な痛みが走る。かなたは力がないからさほど痛くない。
「そうくん、まじめにやってよ!!他の子を見てないで金魚を見て!」
かなたはあきらかに怒ってたね。あれほど怒ったのは久しぶりだった。
「すまんすまん、今度はちゃんとやるよ」
さて、俺はまたアミを買い金魚すくいを始める。今度こそ取らないと後が恐いからな。
まずはアミを水にならして・・・金魚に合わせる。・・よしいける!!俺はアミを救いあげ、お椀(?)の上に素早く乗せた。
アミが破れお椀の中に落ちる金魚。やったね俺!!かなたはうれしそうな顔で、
「やったね!そうくん!」
と言ってぴょんぴょん飛んでた。金魚一匹がこんなにうれしいのかね。俺はガ〇プラの方がいいが・・。
金魚を店の人にもらってかなたは改めて
「そうくん、ありがとね!!大事にするよ、この金魚」
そこで店の人が「よかったねーお嬢ちゃん。お兄ちゃんに金魚とってもらって」
そう言われてかなたはすかさず「私はお嬢ちゃんじゃないです!!それに兄弟じゃないし!行こう、そうくん!」
かなたは顔を赤くし、俺の腕を掴み走ったー走ったー生まれてー始めてのー♪
まあそんな訳で射的屋でバルサミコ酢ブタのぬいぐるみを二千円かけて取ったり、わたあめを食べたり。

気が付けばまわりはカップルだらけの良い雰囲気だった。
ドーーーーーーーン
「あ、花火」
きれいな色の花火が空に打ち上げられていた。ある花火は丸く、ある花火は飛び散って。
「きれい・・・・」
よし・・・ここは俺が一言言っていい感じに・・・
「お前の方が、綺麗(ry」ドーーーーーン!!!!
「え?何か言った?・・」花火の音が大きくてかなたには聞こえてなかったみたいだ・・・。orz
・・まあそんなゲームみたいにはならないよな・・・。
毎年来ていた夏祭りもこの年が一番楽しかったな・・・。最後に大きな花火が上がり、拍手が起こる。
「きれいな花火だったね・・・。」
「ああ。さて・・・祭りも終わったし帰るか。」
「うん・・」

祭りが終わり、俺たちは帰った。ゆっくりと夜の道を。
セミの声もやみ、蛙の鳴き声や風の音。静かな夏の涼しい夜。足並そろえて歩いていく。
いろんな会話をしながら俺たちは別れ道の前で止まった。
「そうくん、今日はありがとね。楽しかったよ。それに、プレゼント。」金魚の袋を見て言った。
「いいって。それよりそんな物でよかったのか?」
「うん。それにね、物じゃなくて・・・そうくんと一緒にお祭りにいけてうれしかった・・・。」
かなたは少し恥ずかしげに言った。
「かなた・・・また、また来年も来ような。」
「うん・・・」

「じゃあ、また明日。」
「うん。また明日ね。」
俺はそういうとかなたに手を振り、家の方向へ歩きだした。

その時、後ろからかなたが、
「そうくん!!」
振りかえると同時に・・
俺にキスをした・・・。
「今日のお礼。バイバイ。」
かなたは走っていってしまった。少し顔が赤かった気がした。

柔らかい唇の感触がまだ残っていた。時が止まったようだった。
「かなたが・・・俺に・・・・・」
俺はおおはしゃぎしながら帰った。半分夢じゃないかと思った。



「まあ今話たのはほんの一部だがなー。いやーあの頃は若かったなー」
「へー、お父さんにもちゃんとしたお母さんとの思い出があるんだね。ところでさぁ、お父さん。」
「んー?なんだ?」
「それはなんてゲームの話なの?」
「いやいや!!本当の話だから!!嘘じゃないしゲームの話でもないって!」
「・・・(=ω=.)」
「いや本当だって!信じてくれよぉー!!!」

こうして夜は更けてゆく。空から一人の人が見守ってたりもして。

「みなみちゃん・・・・ハァハァハァハァ」
・・・・まあこんな終わり方もいいよね!!
     
お・わ・ん
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