ID:DOWiznWr0氏:コナタグラ~ムシ狂イノ病~

ずる・・ずる・・ずる・・ずる・・
・・・ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・
嬉しい・・・このひと掘りが・・このひと掘りが・・・このひと掘りが・・・全てあなたに繋がっている。
・・・ザクッ・・・ザクッ・・・ザクッ・・・
・・微かに身をよじる女。その口からは甘い声が漏れている・・・。
息の根を、止めないと・・。
・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!・・・ガンッ!
ずる・・ずる・・ずる・・ずる・・
ガラガラガラ・・・ザク、ザク、ザク・・・ペタッ、ペタッ・・
・・・・大丈夫。顔は崩れていない。大丈夫よ。
「・・・あ」
ほろり、と体に落ちる粉雪。ああ、今日は――――。
「雪が降っているのね」

ガタン、ガタン・・・・・ガタン、ガタン・・・・・・
時は昭和。今は冬、夜中。
私、泉こなたは、楽しみにしていた劇の予約を返上して、ある村に向かっている。
「・・・・・・・・」
今の私は機嫌が悪い。
やりたくもない依頼を無理矢理押し付けられ、遊ぶ予定が潰れてしまったからだ。
「ち・・嫌だな。今から引き返して、サボろうかな・・・」
他人に押し付けられるということは、気分が悪い。自由を信条としている私にとって、それは喧嘩を売っているようなものだ。
気を紛らわそうと、新聞を広げる。・・・また、事件か。
―――昭和日本。時は流れ、戦後の混乱は収まりつつあった。・・・だがしかし、亜米利加に首を握られている日本にとって、それは仮の平和であり、国民の不満が、満ち満ちていた。
したがって、事件も多かった。・・・その代表が、終戦の混乱に紛れ、今は消えた、・・もしくは、戦後の今起こっている、猟奇殺人の数々。
例えば・・・被害者の遺体をバラバラに解体する殺害方法。これは怨恨によるものが最も多かったが、事件としては一番多いケースであった。
イカれている・・。だが、これは憎しみという感情が激烈に発展したものだから、まだ理解はできる。だが・・・。私が最も忌避する殺害方法。それは―――。
「・・すみません、隣、よろしいですかな?」
「・・・・え?あ、はい。どうぞ」
やめたやめた。
早く依頼を済ませて、ご飯食べて帰ろう。

隣に座った老紳士は大石蔵人と名乗った。もうそれなりの歳だろうに、全身からは快活さが滲み出ている。
「お嬢さん、行き先はどちらまで?」
「・・ええ、少し用事を済ませに、鹿骨市にある雛見沢という村まで」
私がそう言うと、大石氏は大仰に驚き、したり顔で頷いた。
「ほう・・・。ほうほう。そうですかぁ。んっふっふっふ」
・・・何が可笑しいのだろう。
答えを聞いた大石氏は、先程から顔をニヤつかせている。
いっそのこと聞いてみたかったが、説明のつかない、この男の不気味さが、質問を躊躇させた。
何とはなく、気分が悪くなった。大石氏の、その、人を舐めぬくような視線のせいかもしれない。

それから数刻。ようやっと、列車が鹿骨市に着いた。これで私はこの男から解放される。
大石氏は、また会いましょう、とよくわからない言葉を最後に、別れた。

ザク、ザク、ザク、ザク・・・
雪だ。
昨日はずっと雪を降っていたから、こんなに積もっている。ザクザクなる音が、私の心を浮かれさせる。
・・・しかしこの寒さは何とかして欲しいものだ。もう着物じゃ限界だよ・・・。

―――着いた。
数時間、バスに揺られて、雛見沢に、着いた。でも―――。
「すごいね・・。話には聞いていたけど」
そこには荒々しくペンキを塗られた立て看板。汚い言葉で見る者を罵っている。
デモ。
近々雛見沢に大きなダムが作られる。もちろん、作られれば村は沈められ、そこに住む人たちは場所を追いやられる。
「それにしても、これは凄いよ。ここまでやるんだね・・・」
看板の他にも、村の入り口を有刺鉄線でぐるぐる巻きにし、歩く道には家畜の肥えがまかれていた。
ツールボックス

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