ID:6Jga50+0氏:冬

季節は真冬。外は、あたり一面雪景色。冬の香りがした。

「綺麗・・・」

窓越しから、外を眺める私。家の中でゲームもいいけとたまには外にいきたいな
ガチャ。部屋の扉が開く。ゆーちゃんだ。
「お姉ちゃん」
「ゆーちゃん?どうしたの?」
「うん。たまにはおねえちゃんと遊ぶのもいいと思って」
「はは、そうだね。じゃお外にいこうか」

玄関から出ると、全身が冷たい空気に晒された。思わず縮こまってしまう

「うう・・・・寒い・・よ・・」
「ゆーちゃん。無理しないにね。身体弱いんだから」
「あはは・・大丈夫だよ」

庭には、沢山の雪が積もっている。とても神秘的で綺麗・・・・
雪を踏むと、ここちの良い音がした。でも私は雪の日になると、あのことを思い出す
そう・・大切な・・思い出・・・


その日こなたの目にはこう映っただろう。銀色に染まる風景
そして、血で赤く染まった。友人の顔。こなたはその友人を救った。助けたーーー
しかし友人は、意識が戻らなくなっていた。

「お姉ちゃん・・・?」
ゆーちゃんが、私の顔を覗き込む。意識が飛んでいたんだろうか
いつのまにか、私は縁側に座っていた。ゆーちゃんの手袋が頬に触れる

「あ・・・」
「顔色はいいから大丈夫だね。でも・・・おねえちゃん。なんか様子が変だったよ?」
「あはは・・・少し考え事をね」
「らしくないなぁ。でも、お姉ちゃんの今の表情少し素敵だったよ」
「もう・・ゆーちゃん」
「かがみさんが見たらなんていうかなぁ」
「かがみのことはいいから」

私の頭には、未だに記憶が戻ってないのか。「友人ーーーー」いい響き
この言葉に私は思入れがあったのかも知れない



やがて、食事の時間になる。ゆーちゃんとも今日は沢山遊べた。
楽しかった。充実した休みだったと思う。ゆーちゃんの身体の調子もいいようで

「こなた。今日は出前でいいかな」
お父さんが、ノートパソコンに向かって仕事をしている。かなり、焦っているご様子
締め切りが近いのだろうか
「んー。私が作ってもいいけどね」
「それなら、私も作る!」
ゆーちゃんが妙に気合を入れていた。お姉ちゃんとして料理教えてあげなきゃね
「分かった。適当に作るね。ゆーちゃん手伝って」
「うん♪」

料理作るのがそんなに嬉しいのかな、ゆーちゃんの頑張ってる姿がとても可愛かった
やかて、食卓に料理が並ぶ。ゆーちゃんがかなり頑張ったおかげで、ほとんどゆーちゃんの料理になった。
軽く味見をする。

「ん・・・美味しいよ・・・ゆーちゃんもうまくなったね」
「えへへ・・・おねえちゃんありがとう・・」

ゆーちゃんの頭を撫でる。恥ずかしそうに、私に言葉を返してくれた。とてもかわいらしい
私はいい家族に恵まれているものだ。つくづくそう思う。

お母さんーーーー泉こなたはーーー幸せですーーー



夜になると、頭痛がする。記憶を失ってからだ。鎮痛剤が手放せなかった。
部屋に戻ると、ポケットからピルケースを取り出して、薬を服用する。これを続けて早一年
何時になったら薬を手放せるのだろうか。日常生活にはさほど影響は出ない
でも、自分が時々怖くなる。家族のことはずいぶん前に思い出した。
だけど・・・「友人」が・・・思い出せない・・



休みが明けた。今日から新学期だ。また。学校生活にもどるんだなと思うと、憂鬱になる。
でも、学校のみんなに逢えるのは嬉しかった。私は人と触れ合わなくてはいけない
そう医者に言われていた。

「おはようございます。こなたさん」
「みゆきさん。元気だった?」
「ええ、お正月は実家にかえっていました」
「みゆきさんらしいね。私は家でのんびりだったよ。ところでつかさは?」
「つかささんならまだ来てないようですが」
「そっか」

しばらくすると、つかさが息を切らして走ってくる。遅刻ギリギリ
つかさらしくなかった。

「はぁはぁ・・・こなちゃん・・ゆきちゃん・・・ごめん・・」
「間に合ってよかったね。ギリギリだったよ」
「エヘヘ・・・ちょっとお弁当作るのてまどっちゃって」
「すごい弁当だね。一人分なの?」
「ううん。これは3人で食べようかと思って・・・」
「それはいいですね。一緒に屋上でお食事しませんか」
「決定!みゆきさんのもつかさのもいただくよーー」
と私がいうとつかさが笑いながら
「こなちゃん食いしん坊」
「そうですね」
みゆきさんも笑っている。楽しい。とても楽しい。
友達と一緒に笑いあえる。こんなに安らかになる気持ちはなかった

昼休み。屋上に集まり弁当を広げる。屋上の鍵は何故か私が持ってる。こっそり拝借してきたのだ。
屋上の扉を開けると、空が開ける。雪が積もっていてすこし寒い。
でも、この開放感は格別だ。おまけに貸切。

「こなちゃんーー!こっちこっち!」
つかさが私に向かって手を振っている。みゆきさんも来ていた

「さて、食べようか、あれ・・・3人分しかないけど」
「え?こなちゃん。いつも三人で食べてるじゃない」
「え・・・ああ・・・そう・・だったかな・・・」
「へんなこなちゃん♪それよりもいただきまーす」
「いただきます」

この日は特に何事もなく一日が終わった。でも、屋上のつかさのセリフ・・・よく分からないけど、何か違和感がした。
あまり気にしても、しょうがないか。深くは考えないことにする


いつもの様に夜にベッドへ。時刻は午後11時
薬を服用するようになってから規則正しい生活が身についた。いいことなんだろうね。
私には少し物足りないんだけど

ズキンーー

頭痛が始まった。今はまだ、薬は必要ない。我慢することにする。
しかし、次第に痛みが増してきた。

「うぅ・・・・」

唸り声をあげてしまう。よろよろと立ち上がりながらピルケースに手をかける
服用。30分もしたら効いてくるだろう。寝て待つことにする。

「うう・・なんで・・」

薬が効いてこない。頭が割れそうなくらい痛い。ゆーちゃんかお父さんに助けを求めるか

「・・・・!?」

声さえ出なくなっていた。痛い、痛い、痛い!!ベッドにうずくまる。だめだ・・・
このままじゃ気を・・・目の焦点が合わない、脳がガタガタ揺れている・・

限界。こなたのそのまま意識は薄れていった。




しばらく眠っていたのだろうか。ふい視界が開ける。目の前には、少女の姿があった。
見覚えがあるような気がする。だれだっけ・・・思い出せない

「おかえり」
少女は、私に手を差し伸べた。暖かい手・・・なんだかなつかしい・・・
「貴女は・・・」
「クスクス・・・私のこと覚えてないんだ?」
笑いながら話す少女。私はぽかーんと立ち尽くしてしまう
「まあ、無理もないわね。あんなことがあったんだもの」
あんな・・こと・・?
「でもね。いい加減現実を見つめなきゃいけないの、こなたは逃げてる。それは分かってるんでしょ」
逃げる・・・・?
「私からは手助けできないわ。せいぜいアドバイスくれてやることだけね」
「あの・・・貴女は一体・・」
「こなた。私は貴女を愛していた。無二の親友だった。それだけは忘れないでね」
少女の姿が薄らいでいく、

「待って!!」

何故だろう、目に涙があふれてくる。止めようとも思わない。私の顔は涙でグチャグチャになってしまった。

「うぅ・・・あうぅ・・・っっ」



覚醒する。頭痛がまだ残っていた。さっきのは・・・夢なんだろうか
もしかしてあの娘が「友人」
夢の中にまで、出てくる「友人」やっぱり本当のことが知りたい
今日、つかさ達に聞いてみよう。なにか分かるかもしれない

「え、こなたさんのお友達ですか?」
「うん。みんなの方にももう一人いたような気がするんだ。でも思い出せなくて」
「・・・・こなたさん。私たちはいつも3人でしたよ。みんな・・思い出してくれたじゃないですか」
「う・・ん。でもね。もう一人だけ・・・・大事な友人が居たような気がするの、居ると思うんだ・・」
「・・・・」
みゆきさんが、急にだまりこんでしまった。何かを恐れているような目


しばらくの沈黙。みゆきさんの腕ををつかむ。

「みゆきさん。私は全てが知りたい。逃げたくない」
「・・・・」

再度沈黙。みゆきさんは迷っている、それが手に取るように分かった。

「・・・かがみ」
「え・・?」
「かがみという言葉に、覚えはありませんか」

が・・がみ・・?突然心臓の鼓動が激しくなる。か・・が・・み・・・・


胸が苦しい。突然の頭痛。床にうずくまってしまった。
薬・・のまなきゃ・・・・

「ああ・・・こなたさん・・私は・・なんてことを・・」

みゆきさんも頭を抱えた。顔面蒼白。言うべきではなかった・・・
後悔の念だけが渦巻いていた。
ポケットからピルケースを出す。・・・!?薬が切れている。こんなときに限って・・

「こなちゃん!どうしたの!!」

つかさが教室に入ってくる。すぐさまこなたの傍に

「頭が・・痛い・・痛い・・・」
「みゆきさん!保健室連れて行くよ!」
「あ・・は・・はい!!」

二人に運ばれて、保健室に寝かされる

「こなちゃん・・・・・みゆきさん・・・もうしかして・・!」
「・・・ごめんなさい・・私が悪いんです・・・話しました・・・」
「なんでそんなことをした!!こなちゃんのこと心配してるんじゃなかったの!!」

怒声が保健室に響く。みゆきは、つかさが個々まで怒ったのを見るのは初めてだった。


みゆきさんのこんな仕草は始めてみた。
悲しい・・・そしてとても寂しい・・・この感情を抑えることはできなかった。


「なんで・・・なんで話したの・・・みゆきさん・・・うぅ・・ッ」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・」

顔を伏せて泣き出すつかさ。みゆきはひたすら謝るしかなかった。
それしか・・・思いつかなかった・・・

「こなちゃん。起きないね・・・」
「・・はい・・」

保健室に寝かせてから、3時間程。こなたは一向に目を覚ます気配がない
つかさの気持ちもすっか落ち着いたようだ。軽く話す元気は出てきた。

「お腹すいたね・・・」
「食事・・・行きましょうか・・・後は先生にお任せして・・」
「・・うん・・ごめんね・・みゆきさん・・・とりみだしちゃって・・・」
「気にしないでください。私が悪いんですから」
「ううん・・・いつかは・・知らなきゃいけないことだから・・」



夢の中にいた。現実感のない空間。光の世界。
少女はこなたに話しかける。不思議な気持ちが心を支配する。
少女は何者だろうか。

「またあったね。こなた」
「うん・・・そうだね」

二度目の出会い。もうさほど驚かない。

「今日はこなたが大好きだったこと、そんなことを話したいな」
「え・・私の趣味といえば、漫画とかゲーム・・・」
「あはは!そうだったわね」

クスクスと笑う少女。無邪気な子供のようだった。

「映像写すね」

光の中にビジョンが浮かび上がる。私が写っている・・・
隣に居るのは目の前の少女。楽しげに笑っている。これは・・・つかさ家じゃ・・・

「どう?何か思い出さないかな」
「つかさの家に・・いるね・・」
「そうね。よくこの家に集まったわ」

ーーーズキン


なんということだ。頭痛が再発した。夢の中・・だというのに・・

「頭が・・・」
「・・現実を・・」

少女が何かを呟いた。聞こえない。

「受け入れるのよ。現実を」
「こなたは強い娘・・・私はそう思ってたわ。きっとこなたは私がいなくても生きていけるって・・」

いなくても・・?記憶をおく深くまで抽出する。映像はノイズがかかってて良く見えない

「受け入れるのよ・・こなた・・」

少女にやさしく抱きしめられた。暖かい・・・・とても暖かい・・・

「か・・」

不意に言葉が浮かぶ。何故だろう、記憶は・・・完全に抽出できていないのに・・

「かが・・・」
「そうよ。こなた。そのちょうし・・・」


ザーーーーー

「かがみーーーー」

ザーーーーー
「ん?何こなた?」

ザーーーーー
「あのさ・・・今日・・さ・・渡したいものがあって・・」

ザーーーー
「チョコレート・・・なんだけど・・・」

ザーーー
「受けとって・・・くれるかな・・・」

ザーーー
「ああ・・・かがみ・・・かがみぃぃ!!どうして!どうして!!」

ザーーー
「ぅぅ・・かがみぃぃ!!なんで・・・・なんでこんなことに・・・!!」

ザーーー
「救いたい・・・かがみを・・救いたい・・!!」

ザーーー
「絶対・・助ける!!助ける!!!」


目覚めは眩しい。光の中にいた。
柊かがみ。彼女は私の「友人」だった。ひそかにだけど淡い恋心も抱いていた。
彼女は私の前からいなくなった。受け入れたくなかった。彼女のいない世界など
考えられなかったからだ。四肢が重い。保健室は無人
喉が渇いていたので、水分補給すると、屋上にいくことにした。


屋上ーーー

風が心地よい。突き抜けるような風。ふと、空を見上げる。
かがみの顔が浮かんだような気がした。

「こなた」

聞き覚えのある声。振り向くと、彼女はニッコリとほほえんだ。

「かがみ・・・」
「思い出したみたいね」
「うん・・・かがみのことを忘れるなんて・・どうかしてたよ私」
「まあ、それだけ私を大事に思っててくれたんだね。嬉しいよ」
「あはは・・・かがみ・・キミがいなくても私生きていけるかな・・不安で・・」
「何いってるのよ。女の子は強くないと生きていけないわ。こなたは強い娘。私はそう思うよ」

かがみに再び逢えた。こんなにも嬉しいことなのに、うまくいいだせなかった。
好きーーーだということをーー



「こなた。もう時間みたい。お別れね。・・・楽しかったわ」
「かがみ・・一つだけ・・・いいかな・・」
「ん?」
「お願いを聞いてほしいんだ」
「いいわよ。これが最後になると思うから・・なんでも聞くわ」
「キス・・・してほしい・・・」

かがみの顔に少し動揺が見られた。が、すぐに表情が和らぐ
やさしい風が吹いている屋上で二人は口づけを交わした。
時間が止まる。二人だけの時間の共有。こなたは、かがみを好いていた。
心の底から満たされていく。そんな淡く切ない気持ちを感じていた。


「かがみ・・さようなら・・」

かがみの姿が薄らいでゆく、不思議と気持ちは温かい。やるべきこと、伝えたいことはすべてやった。
心残りはもうなかった。

「こなた・・ありがとう。また逢える日を楽しみにしてるね。それまでは・・お別れよ」
「うん・・・必ずまた逢えるよ」

突如強い風にさらされた。目をつぶるこなた。目を開けたときにはかがみの姿はなかった。

さようならーーーーかがみーーー
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