ID:PR3Bu7Li0氏:白らっきー☆ちゃんねる

「おはらっきー! 小神あきらです」
「どうも! アシスタントの白石みのるです」
「さて本日はお便りを紹介します。最初は……埼玉県の『じめじめ山葵』さん」

『司会交代の噂をネットで見かけたのですが本当でしょうか。メインの四人が交代でやるという話も……』
「心配してくれてありがとう。でも違いますよ~。次回からも司会はこの小神あきらです」
「はは、とんだ誤報ですね……つ、次に行きましょう。石川県の『昔は教師志望だった』さん」

『せっかくみのる君が良いキャラをしているのに、気遣いのないあきらのせいで台無しになってますね』
「あっ、あはは。やだなー、僕なんかよりあきら様のほうがずっと色んな事を考えてるんですよ」
「台無しに、してるのかな……ごめんね。みのるお兄さん」
「いやいや、僕が面白いって言ってもらえるのも、あきら様のおかげですから! ささ、次に行きましょう」
「うん。えっと最後は、埼玉県の『バル酢』さん……?」

『はじめまして。私は眠くなるのが早いのですが、毎週この時間だけは楽しみで興奮して眠れません』
『あきらさんの声を聞くと、私よりも小さな子が頑張っているんだなぁ、と勇気付けられます』
『実は私には、登校拒否をしている友達がいます。学校に行こうとは思っているのに、踏み出せないんです』
『このハガキを読んでもらえたら、それがきっかけになって、友達が学校に来る勇気が出るかもしれません』
『だから、これからもあきらさんの活躍に期待しています』

「ぐす……『バル酢』さんありがとう。あきら、これからも頑張るから。友達と一緒に登校できるといいね」
「そうですね。難しい問題ですが、うまくいくといいですね」
「と、ざーんねん、もうお別れの時間です。これからもお便り送ってください。あきら楽しみに待ってます」
「またお会いしましょう」
「それじゃっ、バイビー!」


「いやー今回は嬉しいお便りがありましたね、あきら様」
「うんうん。これからもファンは大切にしていこうって再認識させられたね。じゃあ、お先に失礼します」
「はい。お気をつけて。僕はちょっと用事があるんで残ります」
ごそごそ……。
「バル酢さんのハガキはこれか。おかげであきら様の機嫌を損ねずに済んだし、お守りにしようか――」
『あきらうぜえ。かがみんに司会交代マダー?』
「…………」
「……いや、きっと同じ名前の人がいただけだよな。うん。さて探すのも面倒だし僕も帰るかな」





「おはらっきー! 司会の小神あきらです」
「どうも! アシスタントの白石みのるです」
「さて今日はバレンタイン! あーんど、私の誕生日。ということで、特別企画~♪」
「えー。あきら様に言ってもらいたい台詞を送ってもらったわけですが、今回はそれを言うわけですね」
「あんまり恥ずかしい台詞だとあきら困っちゃうけど、頑張って感情を込めて言います☆」
「はい。では、まずは愛知県の『俺はポテトだ』さんから」
「まそっぷ! って、なんですか~これ。意味不明ですよー」
「ははは、まあ変な言葉っていうのも可愛らしくていいんじゃないでしょうか。次は……と、同じ人だ」
「ぱ、パンツだけは……許さない。うぅ……なんだか、顔が赤くなってきました」
「こういうのも新鮮でいいですね。次は岩手県の『いーはとぶ』さん」
「本当は性格暗いんだよ。日の光は嫌いだよ。自分が売れてないって自覚してるさ悪いかボケ! ……はあ」
「ら、ラスト一枚お願いします。えっと、埼玉県の『バル酢』さん!」
「ハッピーバレンタイン~! 恋する人たちの想いが、互いに通じ合いますように……」
「……と。最後は綺麗に決まりましたね。いやあ、変態台詞だけで終わるんじゃないかと不安でしたよ」
「あははー。それにしても今週はお便りがどっかーん、って多さだったね~。選ぶのが大変なくらい」
「そうですね。どっかーんでしたね。そうそう、どっかーんと言えば――」
「ざーんねん、もうお別れの時間です。来週は重大発表があるからお楽しみに。それじゃっ、バイビー!」
「ま、またお会いしましょう」


「お疲れ様でした~」
「あの……ちょっといいですか、あきら様」
「様なんて付けなくていいですよ。白石さんのほうが年上なんですから」
「何かあったんですか? 酷いことを言われても怒らないし、なんていうかその、らしくないですよ」
「だって。八つ当たりで暴力を振るわれたり、怒鳴られたりなんて嫌でしょう? それとも全然平気?」
「ええ、まあ平気ってわけじゃないですけど、大丈夫ですよ。仕事ですから」
「仕事……だよね。うん。仕事なんだから、嫌なことでも耐えられるよね……」
「あ、あきら様?」
「そうだー! あきらチョコレート作ってきたんですよ。妹と一緒に。みなさん是非貰ってください」
「って、ちょっと。まだ話の途中ですよ、誤魔化さないでください!」
「はい。白石さんにも。どーぞ」
「あ、どうも……」
「誕生日という事で、家族がお祝いするために待ってくれているので帰ります。それではお先にー」
「あ……ちょっとー、あきら様ー」

「はあ……先々週のハガキといい、明るいのが余計に怖いよ。と、なんだ。カードがついてる?」
『 頑張れ 』
「……あきら様?」





「おはらっきー! 小神あきらだよ」
「どうも。アシスタントの白石みのるです」
「さてさて早速ですが、今日は先週の予告通り、お知らせがあります」
「お、いきなりですか。そういえば、そんな事を仰っていましたね」
「では、そのニュースとは! なんと来週から、このらっきー☆ちゃんねるがリニューアル!!」
「パワーアップですかー。楽しみですね」
「次回からは、みのるお兄さんが私の代わりを務めてくれます。拍手ーぱちぱちぱち!」
「ええー!? あのっ! 僕は何も聞いてないんですけど。エイプリルフールネタとかじゃ……」
「やだなー、まだ二月ですよ? だいだい……と、ざーんねん、もうお別れの時間です」
「あれ、今週終わるの早くないですか?」
「気のせい気のせい。それじゃあみんな、またどこかで会おうね。バイビ~!」


「あの……あきら様は交代の話のこと……知っていたんですか?」
「まあね。ていうか、普通は私に黙って決めないでしょ。仮にも現司会なんだし」
「じゃあ、どうして黙ってたんですか! だいたい、司会の交代をする理由なんてないでしょう」
「あんたさ、一月末にハガキを漁って見てたでしょ。置き忘れたそれを取りに戻ったから、知ってるんだよ」
「えっ、それはその…………はい。見ました」
「あのハガキが初めてだったと思う? はずれ。今まで何度もアドリブで切り抜けてきてんのよ」
「アドリブで……って、それじゃあ、あんなハガキが何通も?」
「三桁いってるかな。んで、先週は随分ハガキが来てたわよね?」
「そうですね。バレンタインと誕生日という二つのイベントが重なって普段の倍以上の量が」
「イベントは関係ないわよ。あれは抗議のハガキ。担当がさぁ、面倒がって分別せずに混ぜて入れるから」
「……抗議って、いったい何の」
「だーかーら、アドリブについてよ。嘘の内容で読まれた……って、ネットで吹聴したらしくってさ」
「そんなバカな。ネット上の情報なんかを真に受けて抗議するなんて」
「んー、ここのスタッフにもそういう情報流しているのがいるみたいだしね。悪事千里を走るってやつ?」
「そんな。それにしたっていきなりですよ。たとえ無駄でも、僕に相談して欲しかったです」
「まあ私も高校に行っておきたいし、そうなると仕事は少ないほうが楽だからね。……だから、ごめん」
「どうして謝るんですか。決めたのは上の人間じゃ――」
「口裏を合わせておいて欲しいから言うけど、交代の話はあんたも了承してる、って私が言ったから」
「なっ!」
「頑張りな。せっかくのチャンスなんだからさ」





「WAWAWA、忘れちゃいけない、見逃せない。らっきー☆ちゃんねるWhite!」
「どうも白石みのるです。今週からメイン昇格ということで、特別に生放送でお送りしております」
「今回はナビゲーター変更についてコメントが大量に寄せられています。それをいくつかご紹介しましょう」
「まずは愛媛県の『蜜柑十字騎士団・我ら、蜜柑によりて世界を更新せん』さん。……すごい名前だな」
『進行役の交代おめでとうございます。同じ愛媛出身として嬉しいです!』

「って、これはなんか違うだろ~。あきら様もそう思います――っと……。いないんだったな……」
「まあ。気を取り直して次に行きましょう! 東京都の『ひーちゃん』さん」
『みのるお兄さん、司会の座、獲得おめでとうございます。一人になってからも頑張ってください』

「はい、もちろん全力で頑張りますよー。ていうか、なんか気になるなコレ。なんとなくだけど……」
「時間も少なくなったので連続二枚!埼玉県の『マヨかき氷』さんと、同じく埼玉県の『永遠の17歳』さん」
『自称アイドルの子は消えたんだー。あはは。なら、これからは面白くなるって期待できるかな』
『可哀想ですが、あきらさんがナビゲーターを辞めさせられたのも、虚栄心が生んだ必然なのでしょうね』

「なんだよこれ……。いえ視聴者の方を否定するわけじゃないですが、ちょっと辛辣すぎるかなー、なんて」
「……ごほん。実はこうした投稿とは逆に、以前のナビゲーター復活を望む声も多数寄せられています!」
『あきらさんがいなくなって、寂しいです。復帰の話はないんですか?』
『ナビゲーターをあきらさんに戻してください。あの声を聞くと元気になれるんです』
『白石くん一人っていうのはどうなんだろうね。やっぱり、二人はセットでこそ輝くと思う』
『あきら様がいないんじゃ、らっきー☆ちゃんねるの面白さは半分以下になりますよ。復活希望!!』
『あきら様を是非とも――』


「…………お疲れ」
「あ、あきら様! どうしてここに」
「どうしてー、じゃないわよ。生放送でなに無茶苦茶なこと言ってんの。台本無視でしょ!?」
「ははは……怒られちゃいましたね、やっぱり。書かれてない事を読んでるのはバレてましたか」
「当たり前じゃない。まったく。仕事仲間だったからって、同情に振り回されてたら一生成功しないわよ」
「いや、同情じゃないですよ。あれは僕の願望で……。また、あきら様と一緒に仕事をしたいんです」
「はいはい。偽善もそこまで行くと美し過ぎて涙が出てくるわね」
「嘘じゃないですよ。僕はあきら様に憧れてこの業界に入ったんですから。その、ずっと昔からファンで」
「昔って、裏表の無い白キャラで通してた頃から?」
「はい。その頃は黒い部分なんてない、純真で無垢な子なんだと思ってました。でもそうじゃなくて」
「失望したでしょ。だけど、世の中の天然系アイドルなんて、みんな裏では――」
「いえ、純粋なだけの人じゃないって知って、もっと好きになりました」
「はあ? なんでよ」
「そりゃ、黒いあきら様を初めて見たときは吃驚しましたけど、でも、必死になって長い台本を覚えてたり」
「……真剣にやるのは当然じゃない。そんなのを凄いと感じるのは、あんたが業界慣れしてないからよ」
「そうかも知れないですけど、あきら様が努力していたのには変わりないじゃないですか」
「ま、そーだけど」
「だから、仕事に誇りを持ってるんだなって感動して。僕も完璧な仕事をする事で支えたいと思ったんです」
「頑張るのと不当な暴力に耐えるのは、違うけどね~」
「いいんですよ。ストレス解消でもなんでも。あきら様の役に立つと思えば、辛くなんてないです」
「……ふん。あーあ、人がせっかく仏心を出してメインを譲ったのにさ。台無しじゃない」
「すいません。でも僕は……」
「まあでも、ファンの気持ちは大切にしないとね。というわけで…………白石!」
「は、はい。なんでしょう、あきら様」

「あんたの望み……叶えるのに、どんな手を使っても構わないわよね?」





「らっきーちゃんねるWhite! どうも、ナビゲーターの白石みのるです。あー、今週はなんとですね」
「おはらっきー! 小神あきら、ふっかーつ!!」
「そうなんですよー。この一ヶ月の間、あきら様の復帰を望むハガキが、それはもう大量にありまして!」
「はい。どっかーん!でした」
「その結果、あきら様の復帰が決定しました! いやー、また一緒に仕事ができて嬉しいですね。あきら様」
「うん、うんっ。これも私の復活をリクエストしてくれたみんなのおかげだよ。みんな、だーい好き」
「…………あ、その。ほんと、ありがたいですね。はい。ありがとうございます」
「あれー、みのるお兄さん顔が赤いけど、どうかしたの? もしかして風邪?」
「え? いやいや、そんなことないですよ。んん、本番前に気合を入れようと、顔を叩いたからかな?」
「ふーん。まあそれはともかく。今日からはみのるお兄さんのアシスタントとして頑張りたいと思います」
「あらためてよろしくお願いします、あきら様」
「はーい。というわけで、次回はさっそく、小神あきらがメインの座を取り戻すのでご期待ください」
「あのー。たとえそれが決定済みの場合でも、普通は復帰直後は控えめにして、黙っているものなんじゃ」
「復帰さえしてしまえば、あとはどうにでもなるのです!」
「ぶっちゃけるなぁ……。まあしかし、あきら様がいると心強いですね。先週までの不安が嘘のようですよ」
「週替わりでゲストが出演していましたケド、そんなに不安だったんですか?」
「ええ。前回は高良みゆきさんで、二人でエイプリル・フールのネタをやったわけですが……」
「ですが?」
「うーん。……ネタをネタと見抜けない人とコンビを組むのは難しい、って感じですかね」
「つまり大失敗ですかー」
「悪く言うとそうなりますね。いや、他に言いようがないですけど。司会進行役として面目ないです」
「でもー、その失敗のおかげで元のペアに戻すという話が出たわけで、私にとっては怪我の……怪我の」
「功名」
「怪我のこうみょうでしたねー。っと、もうお別れの時間です」
「えー、次回からも僕たち二人でらっきー☆ちゃんねるWをお届けします。では、またお会いしましょう」
「「バイビ~」」


「そういや本番前に聞きぞびれた事なんだけど、手は大丈夫?」
「えっ、ああ、腱鞘炎とかの心配はないですよ。これからも続けていくのに、特に支障はないと思います」
「ならいいけど。一応、私も確認しておきたいから手を出しな。ほら」
「はあ……なんか、今日はやけに優しいですね。嬉しいですけど、少し怖いですよ」
「――――あのさ。高良みゆきに頼んで、わざとトークが噛み合わない様にしたって、本当の話?」
「うわ、なんで知ってるんですか。あの人、実は口が軽いタイプだったのか?」
「……あんたね。手を触られて緊張してるんだとしても、簡単に誘導尋問に引っ掛かりすぎ」
「あ、あれ。おかしいな。あきら様が戻ってきて、気が緩んでるのかな。久しぶりに一緒に出演できて……」
「ちょっと、なんで泣いてんのよ。これじゃまるで、私が指を痛めつけて、いじめてるみたいじゃない」
「涙を流すなって言うなら、あきら様のほうこそやめてくださいよ。僕が泣かせてるみたいじゃないですか」
「これは、演技よ。演技の練習。ほら、嬉し泣きをするシーンを演じられるようにね」
「僕も演技の練習ですよ……」
「うわっ、無理。そんな表情をしてたら絶対に人気落ちるし、涙声も聞き取りづらい。何より元の顔も悪い」
「酷いこと言われてるなぁ。うん、でも。毒舌を聞いても、傷つくより安心出来るようになったみたいです」
「……病んでるわねぇ。この指にもそのマゾっぷりが染み込んでるのかしら。てい!」
「いてて。いや、病んではないですよ。好きな人の声を聞いて安心するのは、変ではないと思うんですが」
「…………ねえ、白石」

「はい。どうかしました?」
「ご褒美あげようか」
「あの。手を指でいじり続けながらそんな声を出されると、おかしな勘違いをしそうなんですが」
「んー、どんな勘違いをするのかな? ささっ。この年下の女の子に話してみなさいよ。さぁ。さあ!」
「すいません。どうか忘れてください……」
「はーい。ご褒美の事と一緒にきれいさっぱり忘れます♪」
「………」
「あんた、ほんっとに、わかりやすいわね」
「う……仕方ないじゃないですか。健全な男子たるもの、想像してしまった事への期待は消せないんですよ」
「そっかー。じゃあ目を瞑って? あと、頭をもう少し低い位置に持ってくるように」
「え、は、はい。わかりました……」
「…………」

ぺろ

「ざーんねん。口づけには至りませんでした。やーい、ひっかかったー。それじゃまたね。バイビー」
「ちょっ、あきら様ー!?」

「まったく……頬を舐めるのは十分過ぎるほどにヤバイって、わかってないのかなー、あの人は」
ツールボックス

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