ID:rWtI9QAO氏:~コラボと言うものは~

「いらっしゃいませ。マミーズへようこそ!」

…ファミレスに呼び出された私、永森やまとを待っていたのは、親友の八坂こうと原稿用紙だった。

「…帰る」
「待って!手伝ってとかじゃないから!感想訊きたいだけ!」
「これ、漫画でしょ?誰が書いたの」
「ひよりんの。ちょっと引っかかりがあってさ」

引っかかり。
こうの作品読むたびに何度か聞いたけど、よくわからない。
読み手と書き手の感覚の違いとか言っているけど、そんなに違うものなんだろうか。
まぁ…読んでみることにしよう。とりあえず注文してから。こうのおごりで。




うん、面白いとは思う。パロディ元の作品は私も知っている…けど…

「わからない部分があるんだけど」
「…やまと、ギャグの解説ほど寒いものはないんだけど」
「それはわかってる。でも根本的な話だから…これ、『ブリーチ』が元ネタよね?でもこんなキャラいなかったような」
「あ~やっぱりそうなるよね。マイナーすぎだし」
こうの引っかかりはそこだったらしい。
最初に言いなさいそういうのは。
「このキャラとかは他作品のだからね。クロスオーバー…じゃわかんないかな、コラボ漫画」
「なるほど、コラボしてたの。それならわからないはずね」
「やっぱわかんないかぁ。巻末に作品説明つける気だったけど、こりゃ冒頭にした方が親切かな」
「でもこれみたいな別のと合わせるのって、何を楽しむものなの?」
別作品同士を合わせるって、ただのごちゃまぜにならないのだろうか。

Tシャツとかセットメニューのおまけとかのコラボじゃあるまいし、どっちかが良くない扱いになりそうなのに。
「うーんそうだね、書き手としては両方に興味持って欲しいってのがあるかな。同人は両方好きじゃなきゃまずやんないし。」
「売れるからじゃないの?」
「…いやまぁ、好きなのがマイナーだと見てもらえないし、有名なの吊りにしてるっちゃしてるけど…ってそんな答えが聴きたい訳じゃないよね」
その通り。
「お待たせしました。カレーラーメンとプリンカレーになります」
「あ、プリンカレー私」
…今更だけど凄いメニューだと思う。カレーの上にプリンを乗せてるなんて。何を考えているんだろう。
まぁ、カレーラーメンなんて頼む私の言葉ではないだろう。
話の続きは食べてからにしよう。



プリンカレーは意外と美味しかったらしく、こうは満足そうな顔をしていた。薦められても食べたくないけど。

「で、なんだっけ」
「こういうコラボ作品って、何を楽しめばいいのかって話よ」
「読む方だよね?そうだな…やっぱ違う作品でのキャラの交流かな」
「つまり会話とかを楽しむの?」
「違う作品だからどんな風になるのか、喧嘩腰とか以外と仲良くなるのかとかあるし」
それは確かに面白いのかもしれないけど。コラボか。
「そういえば、なんでこのファミレスなの?前になんとかって漫画とコラボメニュー作った店行ってみようとか言ってたじゃない」
「え?あ~、『WORKING!!』のコラボだっけ。いやその、宮越チョコとか無関係って聞いて、なんかガッカリしちゃって」
ファミレスだからチョコは出せないと思う。駄菓子屋とのコラボじゃないのだから。
というより、何故だろう。
直感――なんとなく、実現しなくて良かった。
「いい感してるね」
「何が?」
「こっちの話。で、他に感想とかない?」

「まぁいいけど。そうね…主人公が最初から知り合いみたいになってるけど、初めて会うところとかはないの?」
「その辺は話の都合。初対面の話も良いけど、ある程度性格に対してのツッコミが描きたかったから」
「そう。ならしょうがないか」
「それにこの続きのBLで〇〇が△◆☆で…って何いきなり新聞広げてるの!」
へぇ、首位打者争いが流崎力哉でほぼ決まり。バンド『CROW』が武道館ライブかぁ。
「あら、『古四神マホロバン』と『コスモレンジャー』もコラボらしいわね」
「わかった自重するから!後ろの人に新聞返してあげて」
ふぅ、なんとかなった。
「どうもありがとうございました」
「急に『貸してくれ』なんて何ごとかと思えば…そういうことか。BLは我が愛すべき友人でもひくだろうし、自重したまえ」
「はぁ…あの、顔色悪いですけど、大丈夫ですか?」
「…気にしないでくれたまえ。視線恐怖症みたいなものでね…あの悪魔、ちょっと他人に話しただけでこんな罰ゲームは割があわないぞ。短編小説に出したのは笛吹だというのに。だいたい僕がこんなとこ来れるキャラじゃないの知ってて出す書き手も書き手だ。何も考えてないのバレバレだぞ。病院坂の名字は」
何を言っているんだこの人は。
「…そういう独り言は一番目立ちますよ」
「そのようだ、だいぶキツくなった。そろそろ友人が救出に来てくれそうだから、君達は知らん顔して会話を続けたまえ。余計な気遣いが悪化を招く状態なので切に願うよ」


数分後、ある男性が救出に来たのは言うまでもあるまい。あれが愛すべき友人さんだろう。




「とりあえず、もぅ出ようか。話も終わったし」
「そうね。さっきの人も無事帰れたみたいだし。参考になった?」
「うん。それにしても気のせいか、貴重な経験をしたような」
「気のせいね」

さっきの人との会話だとしたら失礼だもの。


……
けど、何故だろう。
なんとなく、滅多に起きない事が起きていたような。

……
………
そういえば流崎力哉なんて選手いたかしら?野球詳しくないけど。それにコスモレンジャーとマホロバンなんて番組あったかしら?CROWってバンドも知らないし…
まぁいいか。
「ところでこのガムなんだけど」
「IAIの塩シャケ味だけど。ご飯欲しくなった?」

…いらない。


コメント・感想フォーム

名前:
コメント:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。