ID:LngOb8M0:氏彼女は綺麗ににっぽり笑い

 ちょっとあんたといきなり不躾に声をかけられて、振り向いてみれば上級生が立っていた
 何ですか、と訊いたら私はかがみんっていう者だけど、ちょっと男手が必要なもんで、少しばかり
 手を貸してくれないかいという
 無下に断るのもあれなので、ほいさと了承したら、花壇の手入れを手伝って、と中庭にまで連れて行かれた
 何でも学校がボランティアで配布していたパンジーが余ってしまったので、廃棄するのももったいないと、
 学校の花壇に植えることになったのだとか
 真面目にえいさと土をいじくっていたら、あなたは私の立場に疑問をお持ちでしょう、とかがみんは言う
 ええまあ、と答えたら私は緑化委員なのよ、という。
 次いで、どうしてあなたに声をかけたか不思議に思うでしょう、と言うので、ええまあと答えたら
 あなたは下級生だからと悪戯っぽく笑った
 その出会い以来妙なことなのだけど、事あるごとにかがみんとの付き合いが多くなり、その大抵が使いっぱしり
 ではありますが、いつしか彼女に恋心なんてものを抱くようにまでなってしまった次第
 だけども経験皆無の自分のことなので、こっちからアプローチなんてできる訳なくまた度胸もなく、
 何やらやきもきした関係が続きに続き、ああもうこんな関係でもいいかもね、と半ば諦め満足していたのだよ
 しかしまぁ、果報は寝て待てなんて言う通り、その日かがみんとプリントの配布を手伝っていたら
 あなた次の日曜日は暇かしら、と訊かれたのである
 どぎまぎして、ええまあ暇ですよ、と答えたら、彼女綺麗な顔でにっぽり笑い、良ければ遊園地なんか行きません?
 と言うではないか
 はやる気持ちを抑えて勤めて冷静に、ええまあ構いませんよ、と格好つけてクールに返したら
 私の友達ばかりが来るけどいいかしら? と見事に玉砕
 何でも知人に貰ったチケットが、余りに余って持て余していたのだという
 ショックのためか、その後のことはよく覚えちゃいないけど、気づけば遊園地もそれなりに楽しめた
 しかしまぁ彼女との奇妙な縁は、それぎりぱたと途絶えてしまい、廊下ですれ違えば軽い会釈をする程度の仲になってしまった
 でもまぁ経験皆無の自分のことなので、そんなもんだろうと諦めていたら、
 卒業間際の春先に、ちょっとあんたと声をかけられた
 振り向いてみればかがみんが立っており、何ですかと訊いたら、あなた次の日曜暇ですか? などと言う
 最早夢見ることは馬鹿のことと学んだために、すっかり平静に、ええまあ暇ですよ、と返したら
 遊園地に行きません? と訪ねてくる
 ええまぁ構いません、どなたたちと出かけるのでしょう? と訊いたらば
 彼女綺麗な顔でにっぽり笑い、
 いえ二人でね
 と言ったのだ。


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