こなたん達が3次元に来てしまったようです 第9話 交渉と合流

「アポとったん?wwwwwwこれ、勝手に入っちゃっていいん?wwwwwwww」
「さぁ~~wwwwwwどうなん?こなたんwwwwww」

「んー・・どうしよう・・・」

宣戦布告くらいした方がいいのだろうか?
いや、ていうかできれば話し合いで解決したいし・・・。
この数がいれば、向こうも降参してくれたり・・・しないかな?

「でも3階電気ついてるね。まだいるってことじゃない?」
「うん、そうだね・・・とりあえず、電話してみるよ」

私は携帯を取り出してかがみにかける。
しばらく呼び出し音の後、峰岸さんの声が聞こえて来た。

『誰?』

は?

「誰って・・・ふざけてんの?私だよ」
『!?・・・』

ん?なんか変だな。
私の携帯から呼び出しているんだから、私だってことくらい分かる筈だよね。
しかも何で驚いているんだろう?

『ギリギリ間に合わなかったみたいね・・・』
「? どういうこと?」
『まあ、どうでもいいわ・・・で?懲りずにまた来たってわけね』

ううん・・・なんだか気になるけど、今は2人の救出が先だ。

「うん。けどこっちだって今度は準備して来たからね」
『・・・?』

「「「こなたんは俺の嫁えええええ!!!」」」

(≡ω≡.;)

『あらあら、そういうこと』
「そうだよ。攻め込まれたくなければ降伏して、2人を返して」
『そう簡単に2人は返せないわ』
「っ!」

やっぱり、全面戦争になっちゃうのかな・・・?
できればそんなのやりたくないのに。

『あなたたち、さっきここから消えたわよね?』
「えっ」
『あれって・・・2次元に戻った、のよね?』
「そ、そうだよっ」

何が言いたいのだろう?

『どうやって戻ったのかしら?』

そうか。
峰岸さんはまだ知らないんだっけ。
単行本とフィギュアを使えば2次元に戻れることを。

「知ってどうするのさ」
『とっても重要なことなのよね』
「重要・・・?」
『そう、とっても』

どうやら峰岸さんは2次元に戻る方法が知りたいようだ。
重要とかなんとか言ってるけど・・・教えた方がいいのかな?
て、んなわけないよね。絶対悪いことするに決まってる。
それに峰岸さんの知らないことを知っているというのは後々有利になる筈だ。

「お、教えるわけないでしょ」
『やっぱり?でも教えてくれないと私結構困っちゃうんだけどなぁ』
「知らないよ、そんなの」
『教えてよ』
「教えないって言ってるでしょ!」

なんだかじれったくなってきたな。
私はオタクの人たちを見回してから、再び携帯に言った。

「それより2人を返してよね。今からビルの中入るよ?」
『ちょっと泉ちゃん、まだ話は終わってないわよ?』
「何・・・?」
『私はできるだけ穏便にいきたいのよ。話し合いで解決できたほうがいいでしょ?』

そりゃ、そうだけど・・・どの口が言ってるんだ。

『それに、今2人は私の手の内にあるってこと自覚した方がいいわよ?』
「え・・・?」
『あなたの返答次第で、どうにでもできるんだからね』
「ちょ、待ってよ!2人は関係ないでしょ!?」
『大アリよ。この2人も2次元に戻る方法を知っているみたいだしね』
「っ・・・!わ、分かった、待って・・・!」

どうしよう。
マズいことになってきた。

「こなちゃん・・・?」

電話が長引いているからか、横に居たつかさが心配そうに話しかけてきた。

「あ、だ、大丈夫・・・だから」

つかさに答えながら私は脳を回転させる。
今、最優先すべきことは2人の救出。
どんな条件がつきだされても、これが最優先事項だ。

『じゃあ、こうしましょう』
「?」
『あなたが2次元へ戻る方法を教えてくれれば、2人は無事に返す。これでどう?』
「えっ?」

2次元へ戻る方法。
何故だか峰岸さんはすごくこの方法が知りたいらしい。
何でだかは知らない・・・だから、あまり教えたくはない。
しかし、争い無しで、2人を無事に返してくれる。
そして再確認した通り、2人の奪還は最優先にすべきことだ。

なら、答えは決まっている。

しかし、本当にこれでいいのか?
私の中で何かが引きとめる。

「どうすれば・・・いいんだろう」

「どうしたwwこなたんwwww」

私の呟きに、オタクの人たちが反応する。
つかさも心配そうな面持ちだ。

「あ、あのさ、2人を返してくれるみたいなんだけど・・・」

つかさとオタクの人たちの方を向いて、伝える。

「その代り、2次元に戻る方法を教えてくれって・・・どう思う?」

オタクの人たちはニヤニヤしながら
「こなたんの思った通りでいいんじゃねwwwwwwww」
「そうそうwwww俺たちはこなたんについていくだけだからwwwwww」
とか言うだけであまり意味はなかった。

「うぅ~ん・・・私、そういうのってよく分からないよ・・・取引とか苦手だし・・・」

つかさは済まなそうに頭を垂れた。

「そっか・・・」
「でも、やっぱり1番はみんな無事でいることじゃないかな」

意見は一致した。

「よし、じゃあ決まりだね・・・」

峰岸さんが何考えてるかなんてこと分かるわけがない。
それを考察するにも私たちじゃたかが知れている気がする。
何も変わらない。初志貫徹だ。

『どう?』
「・・・決まったよ」
『へぇ』
「その条件には応じるよ。教えるから2人を返して」
『うふふ、流石泉ちゃんww話が分かるわねww』
「じゃあまず2人を返してくれる?」
『教えるのが先よ』
「・・・ちゃんと条件守るんだよね?」
『当たり前でしょ』
「うぅ・・・分かったよ」

それから私は2次元に戻る方法を話した。
らきすたの単行本が2次元への入り口であること。
フィギュアという2.5次元の存在を使って次元を行き来できること。
手をつなげば複数で同時に次元移動できる、なども。

『なるほど・・・ね』
「これでいいでしょ?」
『ええ、十分よ。ありがとね』
「お礼はいいから」
『はいはい。じゃあ約束通り、2人は返すわ』
「うん」
『うふふ、それじゃあ夜も遅いし一時休戦ね』
「へ?」

それを最後に電話は切れた。

      • 一時休戦、か。

しばらくして廃ビルから2人の人影が出て来た。

「かがみ、みゆきさん!!」

私は2人に手を振った。
つかさはすまなそうに2人を見ていた。

「こなた!あんたたち、無事だったのね」
「一時はどうなるものかと・・・」

2人がこちらに駆けて来た。
どちらも無事そうだ。

「あ、あの・・・お姉ちゃんにゆきちゃん、ごめんなさいっ」
「へ?」
「わ、私がしっかり手繋いでればこんなことには・・・」
「あ、ああ・・・そのことか。あれはあんたのせいじゃないわよ」
「え?」
「あれは私が手を離したから」
「えぇっ!?」
「ちょっ、そ、それどういうこと!?」

かがみは驚愕している私とつかさを一瞥してからみゆきさんの方を見た。

「実は、みゆきがね・・・」
「はい、あの・・・2次元へは戻るべきではないと思いまして・・」

そういえば私が2次元へ戻るとき、みゆきさんが何か言いかけていたっけ。
結局なんて言ってたんだか分からなかったんだけど。

「で、私もそう思ったわけ。つかさたちにも伝えようとしたけど、間に合わなくてね・・・。確かにあんたの2次元に一旦戻るっていう策も恐れ入ったけど・・・」
「え?え?何で?私、こなちゃんの案すっごく良いって思ったんだけど・・・」
「あんた・・・よく考えてみなさいよ?2次元は今、峰岸の世界そのものだってこと」
「そして、もしあそこで2次元に戻った、ということが悟られでもしたら・・・」
「え?それって・・・峰岸さんの思うつぼってこと?」
「そうよ。そして、あの時あんたたちが消えて、峰岸は気付いたのよ。2次元に戻る方法が存在するってね」

え?
あの時気付いた?
ってことは「2次元に戻る方法が存在する」という事実を、私が気付かせてしまったということだ。
そして、私たちが2次元に戻ったということにも気付いてしまった・・・。

「!!」

てことは・・・さっきの2次元での異変は・・・まさか・・・?

私は異変の正体が、分かった気がした。

峰岸さんは原作者の力で、2次元内ならば自由に改変できる。
そして、あの時峰岸さんは私たちが2次元に戻ったということを知っていた。
で、2次元に戻った私は突然倒れ、意識がなくなった。
つかさが私の事を一瞬思い出せなかったと言ったこと。
先ほどの電話での言葉峰岸さんの台詞『ギリギリ間に合わなかったみたいね・・・』

身体が震えた。

「泉さん?どうかしましたか?」

「・・・消されかけてたんだ」

「こなちゃん?」

「・・・あの時」

「え・・・?」

「・・・存在を」

あの時、一歩でも遅ければ、もしかしたら私は・・・
パソコンの前に居たこと、フィギュアを取り出していたこと、つかさが傍に居て、機転を利かしてくれたこと。
偶然が重なって、私は幸運にも3次元へと生還することができたわけだ。
本当に、運が良かった。それしか言えない。

「存在を・・・消され?え?あ、あのとき・・・!?」

つかさは若干混乱しながらあの時の異変を思い出した。

「じゃ、じゃあ・・・あの時私がこなちゃんを一瞬認識できなかったのも・・・!?」
「ちょっと・・・!それ詳しく話しなさいよ」

つかさはあわあわしながらかがみとみゆきさんに2次元であったことを話した。

「そ、それは・・・事実なのですか?」
「うん・・・」
「ちょっと待て、それ本当だったらシャレんならないぞ?」
「やはり、2次元に戻るという選択肢は危険だったわけですね・・・」

深刻な雰囲気になる3人。

「け、けどさ・・・結果オーライじゃん?あのまま3次元に居てもみんな捕まってたわけだし・・・」
「結果オーライ?ふざけてんのか?存在が消えるって・・・どういうことだか分かってるわけ!?」
「あ・・う、わ、分かってるよ・・・!!」
「少しは慎重になれ!!!」
「う、うるさいな・・・!!私だってあの時は必死だったんだよ!!」

「2人ともやめてぇ!ケンカしてる場合じゃ・・・!!」

私とかがみの間につかさが介入してくるが、構わず続いた。

「あんたはそうやって後先考えずに行動するからそうなるのよ!!」
「なっ・・・わ、私だってちゃんと考えてるよ!!」
「存在消されそうになって考えてるって言えるわけ?!」

私はかがみを睨みつけた。
いつの間にか拳をにぎりしめていた。

「そ、それはそこまで頭が回らなかったっていうか・・で、でもっ!」
「ほらね。やっぱり考えてないじゃない。こういうことになったのも全部あんたの不用心な行動のせいかもな」
「っ・・・!!」

かがみの発言に私の中の何かがはずれた気がした。
口先だけでは収まらず、手までが出そうになった時、

「お二人とも、落ち着いて下さいっ!!」

みゆきさんがつかさ同様私たちの間に割り込んだ。
珍しいみゆきさんの大声に、両者とも思わず静止した。

「つかささんの言う通り、今は争いなどしてる場合ではありません。分かりますよね?」

「・・・うん」
「・・・悪かったわ」

それでも私たちはお互い目を合わさなかった。
せっかくの再会のはずなのに、雰囲気は最悪だ。

「とりあえず、寝る場所などを探しましょう」

みゆきさんがこう発言し、歩き始めるときも、私たちは終始無言だった。



「・・・ちょっと空気読んで割り込まなかったけど、なんかすごいことになってんなwwww」
「つーか俺たち結局役に立ってなくね?wwww」
「怒ってるこなたん萌えwwwwww」


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