ID:F59hGYSO氏:かがみの人生\(^o^)/劇場

こなた!こなた!こなた!こなたぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!こなたこなたこなたぁああぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!こなたんの蒼色サラサラストレートの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
コミック2巻のこなたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
OVA発売されて良かったねこなたん!あぁあああああ!かわいい!こなたん!かわいい!あっああぁああ!
小説2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!小説なんて現実じゃない!!!!あ…コミックもアニメもよく考えたら…
こ な た ち ゃ ん は 現 実 じ ゃ な い ?にゃあああああああああああああん!!うああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!泉家ぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のこなたちゃんが私を見てる?
表紙絵のこなたちゃんが私を見てるわ!こなたちゃんが私を見てるわ!!挿絵のこなたちゃんが私を見てるわ!!
アニメのこなたちゃんが私に話しかけてるわ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはこなたちゃんがいる!!やったよパティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのこなたちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんこなた様ぁあ!!こ、こなたー!!こなたぁああああああ!!!つかさァあああ!!
ううっうっうう!!私の想いよこなたへ届け!!泉家のこなたへ届け!


かがみ「……何やってるのかしらね、私」


ピッ

かがみ「あ! 間違えて送信押しちゃったわ!」

 送信中………………

かがみ「キャ、キャンセルキャンセル!」

 送信しました。

かがみ「何でこんな時だけ送信速度早いのよ!!」

 本当に送信されているか確認するため、送信フォルダを開くかがみ。

かがみ「や、やってしまったわ……しかも一括送信……orz」

 説明しよう。かがみは暇過ぎて携帯を色々いじっていたのだ。メールは何人まで送れるのか、文字は何文字まで入るのか、その他諸々。

かがみ「どどどど、どうしよう……これじゃあ私変態じゃないの! マジやヴぁいって!」

 どっかのピンクちび豚の如く、あわてふためく。そりゃあんなメール送ったら誰でもそうなるわな……。

かがみ「誰に送ったのかしら……?」

 送った相手も適当にアドレス帳から引っ張って来たので、更に慌てる。さっきから冷や汗が出っ放しだ。

かがみ「こなた、つかさ、みゆき……」

 ここまではまだ話せば分かるかもしれないだろう、普段から仲良くしている相手だから良かった……が。

かがみ「ゆたかちゃん……orz」

 かがみは真っ白に燃え尽きた。何故、何故にゆたかちゃんを入れてしまったのか……と、数分前の自分を悔やむばかりのかがみだった。

 

携帯 「かがみぃ~ん、メールだよぉ~♪」

 そうこうしているうちに一着目のメールが来た。ディスプレイには“私の嫁”と表示されている。これはかがみが設定した訳ではなく、かがみがこなたをアドレス帳に登録する際にこなたが、かがみにお願いして仕方なくこのような名前になった……らしい。

かがみ「らしい、じゃなくて本当の事よ」

 因みに、先程の着信音はというと……かがみがこなたにお願いして――

かがみ「ちょっと、そんな事ここで言わないでよ! それは私とこなたの秘密なんだからっ!」

 ……そして、肝心のメール内容はというと。

差出人:私の嫁
件名 :Re:
―――――――――
ちょwwwなに改造してるのさwww
メールで笑うなんて初めてだよ^^

――了


かがみ「良かった……こなたが話の分かる相手でホントに良かった」

 とりあえず、こなたには適当に返事を送る。これで一人目は終わった。と、少し安心した矢先だった。

携帯 「かがみ……私以外の女の子からメールだよ……」

 メール着信音を相手によって違う音にするのはよくあることだが……これは無い。

 


かがみ「来たわね、相手は……みゆきか」

 高良みゆき。かがみの友人の中で、一番まともな人間として認識されている。その友人からどんな返事が返って来たのか……かがみに緊張が走る。

かがみ(大丈夫、相手はみゆきよ? 私が間違えて送ったことぐらい分かるはずだわ!)

 淡い期待を胸に、今、かがみがメールを開く!! 果たして、その内容とは!!

差出人:みゆき
件名 :Re:
―――――――――
お幸せに


――了


かがみ「んなっ!?」

 “お幸せに”この短い一言は、みゆきがかがみを軽蔑したか、本当に祝っているか、どちらかに絞れるが……今のかがみにとっては恐らく前者だろう。
 かがみは直ぐさまみゆきに電話する。直接話した方が早いし、誤解も解きやすいからだ。

携帯 「ごめんね、今は電話に出ることが出来ないんだ……また後でかけ直してよ」

 既に電源を切ったか、着信拒否にしている催す。やはり軽蔑しているらしい。
 ところで、かがみの携帯はどこまでカスタマイズされているのだろうか? 非常に気になる。

かがみ「携帯がダメなら、家に電話よ!」

 三回の呼出しの後、相手が出た。かがみの言い訳は上手く行くのか!?

みゆき「はい、高良ですが」
かがみ「み、みゆき? あのね!」
みゆき「お幸せに」
かがみ「ま、待って! 誤解よ! あれは間違い!」
みゆき「間違えて送信したんですよね?」
かがみ「うん、そーなのよ! って、え――?」
みゆき「それは直ぐに分かりましたよ」
かがみ「え? ならなんで?」
みゆき「私に間違えて送信したとしても、あの文章は紛れも無くかがみさんが打ったものですよね?」
かがみ「いや、だからあれも間違いで……うわぁーん!」

 その後、かがみの必死の弁解でなんとか誤解を解かす事が出来た。

 


かがみ「ったく、直ぐに理解しなさいってーの」

 通話終了ボタンを押し、携帯を閉じる。これで二人目。残るはつかさとゆたかだが、果たして……。

かがみ「って、つかさは家に居るんだから直接話せば良いじゃないの」

 今更の様に、つかさの存在を知るかがみ。そうと決まれば直ぐ行動、かがみはつかさの部屋へ向かう。

かがみ「つかさ、入るわよ?」

 入るわよ、とか言いながら既にドアを開けている。せめてノックをしなさい。

かがみ「あれ? 居ない……」

 そこにつかさの姿はなかった。しかし、これはかがみにとってチャンスだ。何故なら、つかさが居ない間に携帯からメールを削除してしまえば良いのだから。例え既読でも、消してしまえば言い訳は幾らでも効く。

かがみ「携帯、携帯はどこ~」

 机、引きだし、服入れタンス、ベッドの下と、色々探したが見つからない。こんなに探しても見つからないのだ。ならば考えられる事は一つ……つかさが携帯を持ったままどこかに居るということだ。

かがみ「……どーせならつかさの部屋で説明したかったけど……仕方ないか」

 かがみは肩をがっくり落として、つかさを探しに行く。探すと言っても、家の中だが。

 

 

 二階には見当たらなかったので、階段を下り、一階へ。そして、居間へ向かう途中の事だった……。

つかさ「お母さん……かがみお姉ちゃんが……」

 その言葉にかがみはピンと来た。母親に会話、自分の名前……そして携帯を持っているということは!

かがみ「ま、まさか……」

 かがみは脱兎の如く、声のする方向へ駆け出した。だが時既に遅し。

みき 「これは……」
つかさ「お姉ちゃんが変態になっちゃったよぅ><」
かがみ「つかさぁぁぁっ!!」

 何で選りにも因って母親に話したのか!! かがみは、母親であるみきが持っているつかさの携帯を奪うべく、行動する……が。

まつり「どれどれ」
かがみ「んなっ!?」

 かがみの姉である、まつりが先に携帯をみきから奪った。

まつり「な、なにこれ……」
かがみ「やめて、読まないでぇ~///」

 まつりは携帯を奪われないよう、両手を上げて、携帯を見上げる形で見ている。かがみは顔を真っ赤にしながら、必死にジャンプして、携帯を奪おうとしている。
 すると、そこへ……。

いのり「何してるの?」
まつり「あ、姉さん」
かがみ「い、嫌な予感が……」

 柊家の長女、いのりが現れた。このさっきと似たパターン、激しく嫌な予感がするかがみ。

 

まつり「姉さん、パース」
いのり「おっと」
かがみ「いやあぁぁぁぁっ!!」

 まつりが携帯をいのりに放り投げたのだ。いのりはそれを見事にキャッチ。

いのり「……なにこれ」

 いのりもまつりと同じ姿勢で見てるため、かがみは携帯を取れない。

かがみ「いっそ殺して!」
ただお「何の騒ぎかな?」

 今度は柊一家の大黒柱、父ただおが現れた。
 かがみは思った。この人に見られたら色んな意味でおしまいだ……と。

かがみ「いのり姉さん、お願いだからやめて……」

 かがみはいのりを父の元へと行かせまいと背中に両腕を回し、ふん縛る。

いのり「まつり」
まつり「よしきた」

 その一言でまつりは、必死にいのりに抱き着いているかがみの脇をくすぐり、いのりから引き離し……

かがみ「や、はは……ちょwって、キャ!?」

 そしてそのまま羽織い締めにする。たった一言、名前を呼んだだけでここまでとは……まるで前から打ち合わせでもしていたかのようだ。

かがみ「や、やだやだ! 姉さん!」
まつり「つかさ、この暴れる足をお願い」
つかさ「は~い♪」

 つかさがかがみの足を掴み固定する。実際、そんなことされても、つかさが相手なら軽く蹴り飛ばせるだろうが、そこは姉。妹に優しいかがみがそんなこと出来るはずがない。勿論、まつりはその事を知っててつかさに頼んだのだ。


つかさ「ごめんね? これもお姉ちゃんのためだから……」
かがみ「つかさぁ……」

 かがみは諦めたようにガックリとうなだれる。

いのり「ほら、お父さん、見てこれ」
ただお「どれどれ………………なんじゃこりゃあっ!?」

 ただおの顔が激変する。それは般若と呼ぶに相応しい顔だった。僅かにオーラの様な蒸気も揚がっていた。……この表現は少し大袈裟か。

かがみ「ひっ……」

 そしてその顔でかがみを見る。かがみは、父の見た事もない顔に恐怖し、ガクガクと震えていた。
 そして……。

ただお「ではこれから、かがみについて考える会を始めます」

 変な家族会議が始まった。この会議は一時間続いた……。

 


かがみ「つ、疲れた……」

 会議が終わり、部屋に戻ったかがみは倒れるようにベッドにダイブする。

かがみ「もう今日は寝る。何もしたくないわ……」

 かなりお疲れの様子。しかし、新の恐怖はこれからである。そう、まだ三人目。後一人、メールを送った相手が居ることをかがみは忘れていた……。
 そして、携帯のサブディスプレイが光っていることに気付かず、かがみは深い眠りに付いた……。

 


 ――翌朝。

かがみ「……しゅーくりーむくりえーたーつかさ……」

 謎の寝言を吐きながら、とても幸せそうな寝顔で寝ているかがみ。すると間もなく。

携帯 「朝だよ~! 起きてー、か~がみん♪」
かがみ「んぁっ! こなた?」

 携帯の目覚ましで目を覚ました。携帯のアラームが鳴り続いているが、やがて「あやとじゅしたー」という効果音と共に静かになった。どうやら充電するのを忘れ、電池が失くなったらしい。

かがみ「やだ、私ったらこんな格好で寝てたの?」

 今のかがみの姿は部屋着。つまりパジャマに着替えず寝てしまったのだ。

かがみ「髪がボサボサね、シャワーでも浴びてさっぱりしよう」

 かがみは携帯を充電器に差し込むと、足早にお風呂場へと向かう。


みき 「あら、かがみおはよう」
かがみ「お、おはよう……ちょっとシャワー浴びてくる」

 かがみはそそくさとみきを通り抜ける。昨日の誤解は解けたものの、少し気まずい様子。無論、そんな事を感じているのはかがみだけだが。

かがみ「シャワーを浴びてリフレッシュよ。昨日の事は早めに忘れよう」

 着ている衣服を脱ぎ払い、開放感に満ち溢れたかがみが、今、風呂場への扉を開ける!
 するとそこには……。

 

☆☆☆

かがみ「え"……」
つかさ「ひゃっ、お姉ちゃん?」

 つかさが身体を洗っていた。姉の存在に気付いたつかさは、即座に手で秘部を覆い隠す。
 昨日の一件の事から、危険と感じたのだろうか……。

つかさ「やっぱり、お姉ちゃんは女の子が好きなんだね」
かがみ「いや、その……」

 もじもじしている妹の仕草が可愛いからか、かがみは否定を即答出来なかった。

つかさ「でも、いくらなんでも姉妹同士は良くないんじゃないかな……」
かがみ「違うの、つかさが入ってるなんて知ら――」
つかさ「良いよ」
かがみ「へ?」
つかさ「お姉ちゃんになら身体を預けても良いよ」

 つかさはそう言うと、隠していた部分を姉の前に晒け出す。顔もほのかに萌えていて、狼が見たら「ひゃっほー」と叫んで飛び込んでしまう勢いの可愛さがそこにあった。

かがみ「つかさ、良いの? 触るよ?」
つかさ「うん……///」

☆☆☆

かがみ「何だ今のビジョンは……」

 という事が今から起きるかもしれないと、かがみは思っていた。読者サービスも忘れないとは、流石である。

かがみ「ねぇよ! だいたい、つかさはまだ寝てるっつーの」

 ガラッ、と扉を開けるとそこには誰も居なかった。

 

かがみ「はぁー♪」

 シャワーを浴びて気分は最高潮。昨日の事など、どうでも良くなっていた。

かがみ(誤解は解けたし、今日はいつも通りにしてよう。いつまでも引っ張るのは良くないしね♪)
かがみ「ふんふんふーん♪」

 鼻歌まで歌って、かなりご機嫌の様子。この状態がいつまで続くか、見物である。

かがみ「ふんふんふー……」

 この状態がいつまで続くか、見物である。

かがみ「ふんふ……」

 この状態がいつまで続くか――

かがみ「あぁーっ……がぼがば」

 シャワーの水が口の中に入ったようだ。

かがみ「げふげふ……忘れてたわ……」

 そう、メールを送った相手はまだ居るのだ。かがみの様な物事をキッチリこなす性格なら、昨日の内に気付いてもおかしくないのだが……まぁ、無理もないだろう。

かがみ「こんなことしてる場合じゃないわ!」

 かがみは適当にシャワーを終わらすと、バスタオルを身体に巻いて駆け出した。

みき 「かがみ? ちゃんと着替えないとダメ――」

 廊下を歩いていたみきにバッタリと出会ってしまった。しかし……。

かがみ「ごめん、ちょって急いでるから!」

 と、母親であるみきの言葉を軽く受け流して二階へ駆け上がる。下から「ちゃんと拭かないと風邪引くわよー」と聞こえたが、それすらも行う時間が惜しい。何故なら、今は一刻も早く携帯にメールが来ているかどうかを確認するのが、かがみにとって最優先事項だからだ。

 

 自室に辿り着いたかがみは直ぐさま充電器から携帯を外し、電源を入れる。すると「やっふー」という可愛らしい効果音と共に画面が明るくなった。

かがみ「あんたのその余裕が羨ましいわ」

 携帯にツッコミを入れるほど余裕があるのか、それとも焦りで頭がパニック状態なのか、真相は分からない。
 携帯はやがてディスプレイモードになると、そこには『新着メール4件』という表示が出てきた。

かがみ「四件……」

 ゴクリ、と生唾を飲み込み、恐る恐るメール受信フォルダを開く。そこには……『ゆたかちゃん』と書かれた表示が四件、つまり全部ゆたかからのメールが着ていた。

かがみ「何でこんなに……」

 かがみは身体に巻いていたバスタオルを外すと、ベッドに座り、まだ濡れている髪を拭きながらメールを確認する。

かがみ「…………」

 一件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :Re:
―――――――――
えーと、先輩?
どういう意味ですか?

――了


 なんだ、この程度なら直ぐにでも弁解は可能ね。一瞬、そう思ったが、まだ一件目ということを思い出す。

かがみ(次はどんな内容かしら……一件目に気付いていれば……!)


784 :かがみの人生\(^o^)/劇場 [saga]:2009/06/17(水) 20:16:36.48 ID:F59hGYSO
 一件目が送られて来た時間帯は例の『かがみについて考える会』が行われていた時であったため、気付くはずも無い。あの後、直ぐに寝なければ良かったのだが。
 着信はあっても、二件目以降のメールに気付かなかったのは疲れて熟睡していたからだろう。

かがみ「…………」

 二件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
何で何も言わないんですか?

――了


かがみ「いや、寝てたし……」

 メールというのは相手の都合が悪ければ、返したくても返せないものである。それは普通の手紙でも言えることだが、ゆたかは携帯初心者なのだろうか?

かがみ(ま、こーゆーメールが続いてるだけなら今からでも十分弁解は可能ね♪)

 緊張の糸が切れ、そのままベッドに仰向けに寝転ぶ。余裕があるなら下着くらい着てほしいものだが……。
 そして三件目のメールを表示する。


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
こなたお姉ちゃんには直ぐに返事をしたそうですね。
私に返事をしないのは何でですか?
今から30分以内に返事が来なければ私にも考えがありますよ。

――了

かがみ「な……、三十分って……私寝てるのに……。というか……」

 こなたから聞いたならそれで全て理解しているのでわ? と思うかがみ。かがみの意見は最もだ。こなたから事情を聴いたのならこのメール内容はおかしい。まるで自分にも謝罪の文をよこせと言っているようなものである。
 だが、このゆたかという人物はそんな小さな事を根に持つ性格ではない事は誰が見ても分かるぐらいの無垢で汚れを知らない光り輝かんばかりの笑顔を持つ天使とも呼べる存在なのだ。その天使がこのようなメールを送って来たのには何か特別な理由がない限り有り得ない。
 一体何があったというのか? ではここで、かがみを放置して昨晩のゆたかの様子を見ていただこう。

 

☆☆☆

 ここは泉家。夕食を食べ終えたここの住人は、各個、自分の部屋へ行くなり、お風呂へ入るなりする時間帯だ。
 問題のゆたかはというと、どうやらお風呂に入っているようである。では、少し失礼しよう。

ゆたか「♪♪♪」

 何やら物凄く幸せそうに湯舟に浸かっている。何だこの天使は。この映像を全世界に配信すれば、人々の心は癒され、争い事は無くなるに違いない。まさに平和の象徴だ! 敢えて言うなら彼女は“史上最強最終平和決戦兵器”!!
 そのゆたかが何故にあんなメールを? それでは、暫くゆたかを見ていただこうか。さすれば理由が分かるやも知れん。

ゆたか「こなたお姉ちゃん……」

 おっと、これは……?

ゆたか(何でだろう……いつからだろう……、一緒に暮らすようになってからかな? 気が付くと頭の中にはこなたお姉ちゃんがいっぱい……)

 水面下に映る自分の顔が、従姉であるこなたの顔になっていく。

ゆたか(お料理も出来て、スポーツも出来て、優しいお姉ちゃん……。今まで尊敬と憧れという感情と純粋に好きという感情しかなかったのに、いつの間にか“好き”という感情が大きくなっちゃった……)

 ゆたかは水面に口を近づけて息を吹いて、ぶくぶくと水面に映る像を崩す。そして顔を上げ、天井を見つめ「ふぅ」と息を吐く。

ゆたか「こなたお姉ちゃん……」
こなた「ん? 何? 呼んだ?」

 いつの間にか扉の向こうに居たこなたに「ひゃっ」と驚くゆたか。

 

ゆたか「お、お姉ちゃん!? うぅん、なんでもないよ!」
こなた「そう? 着替え忘れてたみたいだから、掛けとくね」
ゆたか「うん、ありがとう♪」

 扉越しに会話を済ませ、こなたの気配が無くなったのを確認すると、ゆたかは聞こえない程度に「大好きだよ」と付け足した。
 さて、勘の良い読者諸君は何故ゆたかがあのようなメールを送ったのか、もうお気付きではないだろうか。
 では、ゆたかが例のメールを見るシーンまで行ってみよう。尚、お風呂上がりの着替えのシーンは省略させていただく。もしもそんな描写をここで見せたらどうなるか分かっているだろう? そんな描写があったら……世界が、地球が、いや宇宙が! ビッグバンを引き起こし、新たな世界を創造してしまうに違いないのだ!
 いや、何を勘違いしているんだ……新たな世界よりもその前に! ゆたかの生着替えのシーンをリアルに伝えてしまったら……全世界の人という人が……萌え死んでしまうではないか!! 先程、ゆたかを敢えて言うなら“史上最強最終平和決戦兵器”と述べたが、あれは違う、間違いだ!
 では一体ゆたかは何なのか? 答えは簡単……改めてここに宣言する! 彼女こそ“史上最強最終萌死決戦兵器”であると!!
 実に危ないところだった……。確かに人類が滅べば争いも無くなり世界は平和になるだろう。しかし、独り取り残されたゆたかはどうなる!? 寂しがり屋の彼女の事だ、生きている人を探しさ迷い、やがて世界に自分しか居ないと知り、絶望し、泣き出してしまうだろう。
 そんなのめちゃくちゃ可愛そうじゃないかぁぁぁっ!! そしてその姿を見た別次元の住人が新たに萌え死んでしまう! それだけは絶対に絶対に阻止しなければ色々とマズイ! 何故なら――

かがみ「も~、限界! いい加減にしろ! 世界が皆ロリコンだと思うな! 早く話を進めなさいよ! いつまでも裸でいるこっちの身にもなれ!!」

 ……回想シーンくらいツッコミは控えておいてほしいものであるがそれは措いといて。


 さて、熱く語っているうちにゆたかは着替えを終え、自室に向かっているようだ。これから例のメールを見るみたいだ。

かがみ「何であんなメール打っちゃったんだろう?」

 ……いつの間にか回想にかがみ潜り込んでいるが、ここは無視しておこう。
 ゆたかは自室に行く前に、隣の部屋に向かっていた。ノックをして「お姉ちゃん」と呼び、返事を待つ。どうやらここはこなたの部屋らしい。「どうぞー♪」と機嫌の良い返事が返って来たのでドアを開ける。

ゆたか「お姉ちゃん」
こなた「ん? ゆーちゃん、何かな~?」

 部屋には入らず、ドアから顔だけ覗くように出している。その遠慮がちな姿に萌えてしまうのは別に恥じることじゃない。うん。

ゆたか「さっきは着替えを持って来てくれてありがとう♪」

 お礼なら先程お風呂で言ったはずだが……ちゃんと面と向かってわざわざ言い直しに来るなんて、なんて良い子なんだ!!

こなた「あぁ、それぐらい別に良いよ~♪」
ゆたか「えへへ///」

 ゆたかはそれだけ言って満足したのか、ドアを閉めようとするが、こなたに「ちょっと待って」と呼び止められてしまう。


ゆたか「え?」
こなた「ゆーちゃん顔が赤いよ? 逆上せちゃったの? 大丈夫?」

 こなたは心配そうにゆたかを見つめる。ゆたかはそんなこなたを見て、ますます顔が赤くなってしまう。

ゆたか「だ、大丈夫だよ。逆上せたとかじゃないから///」
こなた「そっか、なら良いけど」

 ゆたかは適当にごまかすと、ドアを閉め、テッテッテという足音を起てながら足早に自室に向かう。

かがみ「あぁ、なんかもう……全てを理解したっていうか……」

 いつ着替えたのだろうか……。いつの間にやらかがみは髪を縛って服を着ていた。まぁ回想シーンくらい、この格好でも別に良いだろう。
 さて、ゆたかは自室に入るとおもむろに服を脱ぎだしこなたを想いながら省略されました続きを読むにはジャンピング土下座をし、各自勝手に妄想してください。

かがみ「誰かこのナレーターどーにかして……」

 ゆたかは自室に入ると、ベッドにフラフラと吸い込まれるように倒れた。

ゆたか(さっきのお姉ちゃんの顔を見たらまた胸が熱くなっちゃった……限界なのかな、私……)

 どうやら、先程の逆上せた事(実際には逆上せていないが)を心配してくれたこなたを見て、ゆたかのこなたへの想いは爆発的に増加してしまったようである。

ゆたか(胸が苦しい……ダメ……何かで気を紛らわさなきゃ……)

 ゆたかは俯せになりながらキョロキョロと辺りを見回す。すると視界に入ってきたのは枕元に置いてあった携帯電話だった。
 さぁ、物語はここから一気に加速する!

かがみ「減速して……」

 そう思うなら見なければ良いと思うのだが……まぁ、無視しておこう。

 

ゆたか「あ、メールが来てる」

 誰からだろう? と思いながら携帯を操作していく。メールの相手については説明するまでもない。

ゆたか「かがみ先輩? 珍しいな、何だろう……」

 ピッ、とボタンを押し内容を表示する。ここから始まるマイレボリューション。

かがみ「意味わかって言ってるのか?」

 メールの内容。

差出人:かがみ先輩
件名 :
―――――――――
こなた!こなた!こなた!こなたぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁあああああ――

※メール送り主が全文載せるのは勘弁してください、とのことで省略されました。

かがみ「あんなメール二度と見たくないわ」

 自分で打っておいてよく言う。
 メールを見終わった、といっても殆ど意味が分からなくて読み飛ばしたゆたかは、チンプンカンプンといった顔をしていた。

ゆたか(なんだろう、間違いメールかな? 一応返信しとかなきゃ)
ゆたか「えーと、先輩? どういう意味ですか? っと」

 メールを送信し、仰向けに寝転がる。

ゆたか(間違いでもお姉ちゃんを馬鹿にするような内容だったし、それも含めて謝ってほしいな……)

 どうやらこの時点でかがみがメールを返していても、一波乱起きていたようだ。ここのかがみも頭を抱えている。
 ゆたかはメールが返ってくるまで本を読んだりして時間を潰していた。だが、いくら待ってもメールは返って来ず、少しの苛立ちを覚えたゆたかは再びメールを送ることにした。

 “何で何も言わないんですか?”

 このメールを送った時刻には、既にかがみは夢の中である。
 ここまでの回想を読んでいただければ――殆どあんたの暴走だけどなbyかがみ――ゆたかが何故このような追撃メールを送ったか、もうお分かりだろう。
 彼女にとってこなたは尊敬、憧れ、大好き、といった三拍子で出来ているのだ。それをけなすようなあのかがみのメール……そりゃあ怒るのも無理はない。

かがみ「だからあれは、気の迷いというか……。でも傷付けちゃったのは確かよね……」

 

 すっかりこなたへの熱が冷めてしまったゆたか。そういえばお風呂から上がって何も飲んでないな、と思い、喉の潤いを求め二階のリビングへと向かう。


こなた「あ~、喉渇いた」

 冷蔵庫から麦茶を取り出し、コップに注ごうとした矢先、そこへこなたがやって来た。

ゆたか「あ、お姉ちゃんも飲む?」
こなた「うん、お願い」

 ゆたかは麦茶をコップに注ぐと、それをこなたに差し出し、また新たなコップを食器入れから取り出した。
 相手優先というところが流石だね。

こなた「ぷは~! 生き返った!」
ゆたか「お姉ちゃん嬉しそうだね、何か面白いことでもあったのかな?」
こなた「分かる? いや~、それがさ、かがみから変なメールが来てね~」

 かがみから変なメール、その言葉を聞いたゆたかはピクッと麦茶を注ぐ手を止める。

ゆたか「メー……ル?」
こなた「うん、で、余りにも変なんで問い質してみたら間違いメールだったんだって♪」
ゆたか「へぇー……」

 チョロチョロと麦茶をコップに注ぐ。それを飲み干し、冷蔵庫に麦茶をしまうと、小さく「そっか」と呟いた。

こなた「かがみがあんなメール送ってくるなんて可笑しくてさ♪」
ゆたか「誰にでも間違いはあるってことだね♪」

 そういって会話を終了させると、こなたに「おやすみ」と一言告げ、足早に自室に向かった。

 


 ボフン……ベッドにダイブして置いてあった携帯を見る。メールは来てない。
 ゆたかは怒っていた。その証拠に頬を膨らませている。可愛すぎる。

ゆたか(何でこなたお姉ちゃんには直ぐに弁解したのに私にはしないのかな……)

 再びあのメールを見る。何度見ても許せない内容に、ゆたかは涙した。
 そして、ある一つの結論にたどり着いた。

ゆたか(そっか、これは警告なんだ……)

 ゆたかの考えはこうだ。
 かがみがどうやって知ったのか分からないけど、ゆたかがこなたに恋心を抱いている事を知り、こなたを取られない様に先手必勝を取ったのである。“私はこれだけこなたを愛しているのよ”と。そう考えれば、こなただけに間違いメールの弁解をした理由に頷ける。このメールは初めからゆたかに送るメールだという事が分かるからだ。
 ではゆたかにメールを返さないのは何故か? 答えは簡単。待っているのだ。ゆたかがこなたをどれだけ愛しているのか、というメールを。
 しかし、そんな勝負事に今気付いても、ゆたかにとっては、もはやどうでも良かった。こなたを侮辱した。それだけが許せないのだ。
 そんな奴がこなたを愛しているなどという資格は無い。ならばと、ゆたかは三度メールを打ち込むのであった。

かがみ「そこまで考えられるなら、どうして私が寝ているという考えは思い付かなかったのよ……」

“こなたお姉ちゃんには直ぐに返事をしたそうですね。
私に返事をしないのは何でですか?
今から30分以内に返事が来なければ私にも考えがありますよ。”

 

 このメールはゆたかの慈悲による最後の確認だ。これでもメールが返ってこなければ、先の考えが正しいと判断し、ゆたかは次のステップに移るだろう。

かがみ「ゆたかちゃんがこなたを愛しているのはよーく分かったから。あれは間違いメールなのよ~……」

 そして30分後、メールはもちろん返ってこなかった……。

ゆたか「やっぱり、そういうことなんだ……」

 ゆたかは更に追撃メールを送る。このメールははかがみからメールが来なかった場合に備え、予め30分後のメールを用意していた物だ。
 それからゆたかは部屋を出て、隣の姉の部屋に向かいノックもせずドアを開ける。

こなた「ゆーちゃん?」

 パソコンに向かっていたこなたは、突然の小さな来訪者に驚く。だが、そんなことお構いなしにゆたかはズカズカとこなたに歩み寄る。こなたは何事かと席を立ち、近付いてくる従妹にどうしていいか分からず、立ち往生していると間もなくゆたかに抱き着かれた。

こなた「ゆ、ゆーちゃん?」
ゆたか「こなたお姉ちゃん……ぐすっ……うぅ……」

 さてと、大体事情も分かったことだし、回想はこのくらいにしておこう。

かがみ「えっ、終わり!? 続きが気になるんですけど」

 因みに、この回想シーンに存在する有り得ない人の記憶は消去させていただく。

かがみ「有り得ない存在って……私かよ! って、記憶は消さなくても良いでしょ!? せっかく良い案が浮かんで来た――」

 以上で回想は終わりだ。それでは本編を再開しよう。

かがみ「人の話を――」


☆☆☆


差出人:ゆたかちゃん
件名 :
―――――――――
お姉ちゃんをそんな目で見ていたんですね。正直先輩にはがっかりしました。
あなたがお姉ちゃんをどう愛していようと、私には不快で堪りません。
今後一切、お姉ちゃんには近付かないでください。
お姉ちゃんをそんな目でしか見れないあなたは最低です。

 

かがみ「…………なによこれ」

 四通目のメールを見たかがみは酷く困惑していた。友達の妹からの拒絶のメール……それもかがみにとって大好きなこなたに会うなという内容なのだ。冷静でいられるはずも無い。

かがみ「ゆたかちゃん……」

 まさかゆたかにこんな一面があるとは……普段の無垢で純粋な彼女からは想像できない。ん? 似たような文章が上にあるって? 細かいことは気にしちゃいけない。
 ともかく、なんとしても誤解を解かなくてはならない。彼女だって人間だ、ちゃんと誠意をもって話せば誤解も解けるはず。と、かがみは思った。

かがみ「まだまだ先は長いな……」

 メールを見たときこそ慌てていたが、所詮相手は二個下の後輩だ。それにこなたも事情を知っているし、なんとかなるだろう、と既に僅かな勝利を確信していた。この切り返しの早さがかがみらしい。
 かがみといえば、まだちゃんと紹介していなかったな。主役を差し置いてゆたかを紹介して申し訳ないと思う。では早速――

かがみ「い、良いわよ。恥ずかしいから」

 それは残念だ。まぁ、進展が遅いと良くないし、物語を進めよう。

かがみ「あ、うん……」

 

 さて、かがみがシャワーを浴びて、着替えず今に至る事には、かがみにとって最悪の結末になるとは思ってもみなっただろう。なぜなら部屋のドアが全開だったからである。そしてそこには一人の少女が顔を真っ赤にして突っ立っていた。

かがみ「え……つかさ……?」
つかさ「お姉ちゃん……裸で携帯見てゆたかちゃんって……まだ先は長いなって……恥ずかしいからって……何してたのー!?」

 そう叫んだ後、つかさは階段を全力で駆け降りて行った。

かがみ「ま、待ちなさいつかさっ///」

 

         おわり(^p^)アウー

 


 以上です。半分ゆーちゃんに対して固有結界を発動してしまいましたが許してください。かがみも――

かがみ「何勝手に終わらせようとしてるのよ! つかさを追い掛けないと!!」

 バスタオル片手にかがみもこりゃまた全力で階段を駆け降りていく。そして母親の居るであろう台所へ向かう途中のつかさを後ろから抱くように捕まえた。

つかさ「ひゃぅっ」
かがみ「ちょっと、そんなに怯えないでよ」
つかさ「だってお姉ちゃん当たってるよぅ」
かがみ「当ててんのよ」

 シーン、と静まり返る。

かがみ(な、何を口走ってるんだ私の口はぁぁっ!!)
つかさ「あぅあぅあぅ……」

 つかさがじたばたとかがみから逃れようとするが、かがみは「ここで逃がしたら昨日の二の舞よ」と思い、抱きしめる力を強める。

まつり「朝から何の騒――っ!!」
かがみ「えっ?」

 かがみが後ろを振り返ると、口をあんぐりと開けたまつりの姿がそこにあった。

かがみ「あ、の……」
まつり「あんた何朝っぱらから妹襲ってるのよー!!」
かがみ「ちがっ、って声大きいわよ!」

 かがみの気が動転している隙に、つかさはかがみから逃れる。

 

つかさ「まつりお姉ちゃぁん」
まつり「よしよし、もう大丈夫だから。何があったか話してごらん」
かがみ「言わせるかぁー!」

 凄い勢いで二人の元へ近づくかがみ。しかも全裸で……どうみても変態です。本当にありがとうございました。

つかさ「かくかくしかじか」
かがみ「ちょ、掟破りの反則技!」
まつり「なっ……」

 つかさから事情を聞いたまつりは驚きのあまり声を失う。そして……

まつり「かがみが全裸で携帯の友達の従姉妹の画像を見ながら名前を連呼してときめいてたぁぁーっ!!?」
かがみ「ちっがーう!!」

 その叫びは柊家中に響き渡った。無論、騒ぎを聞き付けた連中がぞろぞろと現れる。

かがみ「連中言うな。私の家族だ」

 現れたのはただお・みき・いのり、これで家族全員が廊下に居ることになる。かがみは持っていたバスタオルで身体を隠す。

みき 「まだそんな恰好してたの?」
ただお「一体なんの騒ぎかな?」
いのり「朝から騒々しいわね……」
まつり「姉さん、かがみがまた……」

 まつりが放った言葉で、一同の視線はかがみに移る。かがみは顔がトマトの様に真っ赤になり、自分の両肩を抱き寄せ、縮こまってしまう。

かがみ「やだぁ……見ないでぇ……」

 ぺたん、と、俗に言う女の子座りをしてしまうかがみ。何か反則的な存在になってしまったような……。だがそんなことはお構いなしだ。今朝の一件が次女から長女、長女から父へ伝えられてしまった。

 

ただお「なん……だと……?」

 ナニをするとき誰を思うのは勝手の筈だが――だから何もしてないってば!――流石に友達の、しかも従姉妹となれば家族会議物だろう。

ただお「かがみ」
かがみ「は、はい」

 普段のかがみと違って、とてもしおらしく、何かやばい。弾けそうだ。
 それにしてもこのただお、にこにこである。逆に怖い。

ただお「まず服を着てきなさい」
かがみ「はい……」

 かがみは立ち上がると自室に行き着替える。今日は学校ということもあるので制服にだ。
 まず湿っている髪をタオルで適度に拭き――本当はドライヤーも使いたいみたいだが、今はそれどころじゃないようす――引き出しから下着を取り出し、身につける。今日は縞模様の――

かがみ「ちょっと、何解説してるのよ! 飛ばしなさいよ!」

 とまぁ、着替え終え、一階の居間へ行くと既に家族はテーブルを囲って座っていた。かがみは「あぁ、またなんだ……」と心の中で歎き、渋々とテーブルの上に置いてある座布団に座る。って、なんだこの光景は。

ただお「ではこれより第二回、かがみについて考える会を始める」

 その会議は長引くことはなく、かがみの豪熱マシンガン説明によって数分で終わったそうだ。
 平日の朝からやる事じゃないだろ、これ。

かがみ「まったくよ!」


 会議も無事に終わったことで、ようやく柊家にいつもの朝が訪れた。とは言っても、既に家を出ないと遅刻ぎりぎりの時間帯だったため、かがみとつかさは口にパンを加えて学校へ行く事になった。
 学校に最後の難関が待ち構えているのを知らずに……。

かがみ「ひっへるわよ!」
つかさ「わはひをへふはうっ!」

 よくもまぁパンを落とさずに喋れるものだ。てか、食べながら喋るな。
 つかさという、役に立つかどうかは分からない仲間を――ひ、ひどいよぉー byつかさ――手に入れ、物語はいよいよ終盤。学校編へと向かった。

 

かがみ「でもね、つかさ。もうあまり時間が無いの」
つかさ「お姉ちゃん、まさか」
かがみ「あれをやるわよ!」
つかさ「……わかった!」

かがみ「柊家に代々伝わる」
つかさ「究極おうぎ!」

かがみ&つかさ「夢オチの舞!」

 セーラー服を脱ぎ捨て、光の速さで巫女服に着替えた二人は、お互いに背中を合わせ、すぅっと息を吸いこんだ。何事かと朝の通勤ラッシュで歩いていた人達が足を止め、やがて人だかりが出来た。
 そしてそれは始まった。

 何処からか流れてくる神妙な曲に合わせ、二人は舞う。扇子を両手に用いて舞う二人の姿は神々しく、人々を、動物を、そこに居る全てのものを魅了させた。
 夢オチの舞。
 その名の通り、夢オチにするための踊り。これを実行することで、今までの物語は全て夢ということで終わらせることが出来るのだ。また、夢オチと確定したことで、この先どんなに有り得ない事が起きても、全ては“夢だから”で片付けられてしまう究極の技なのだ。

 やがて曲も終盤に近づき、かがみ達姉妹の動きもラストスパートに向かって、激しいものへと移り変わっていった。
 二人は背中を合わせ、円を描くように舞う。汗一つ掻いていないその顔に、誰もが心を奪われ涙した。
 そして曲が止み、円舞を終えた二人に盛大な拍手喝采が送られた。そんな拍手の中、一人の少女が前へ出た。

ゆたか「美しい、踊りでした……」
かがみ「ゆたかちゃん……」
ゆたか「こんなに美しい心の持ち主が、あんなメールを打つわけが無いですよね。どうして直ぐに気付かなかったんだろう、あれが間違いメールで、先輩は寝ていたんだって……」

かがみ「ゆたかちゃん。分かってくれたならもう良いわよ。自分を責めないで」
ゆたか「かがみ、先輩……ごめんなさい」

 二人が抱き着くと、またしても盛大な拍手が送られた。

つかさ「お姉ちゃん。良い感じで終わろうとしてるけど、これ夢オチだからね」
かがみ「あ――」

 


☆☆☆☆

かがみ「……んん」
かがみ「…………」

かがみ「変な夢……」


        完!!

 

 

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