ID:aexkhQA0氏:起きろっ!

「ふわぁ~……」
「眠そうだね、こなちゃん」
 また夜更かししたのかなぁ? あんまり身体に良くないのに……。
「うん、キリのいい所で終わろうとしてるんだけど……続きが気にな
 ってなかなか、ふわぁ~」
「次、黒井先生の授業だよ」
「そーいえばそーだね」
 あはは……、こなちゃんは呑気だなぁ。寝たらまた叱られちゃうの
に。
「そだ、つかさ」
「なぁに?」
 何か閃いたのかな? 眠たそうな顔なのに何処か冴えてる……あ、
目が電球になってるよ~。
「もし私が寝ちゃったら携帯に電話してよ」
「え、携帯に?」
 うーん、確かにそれで目は覚めるとは思うけど……そんな事したら
音が出て余計に怒られちゃうんじゃあ……。
「心配しなくても大丈夫だよ」
「え?」
「マナーモードでバイブにするから。つかさはちょっと電話掛けてく
 れれば良いからさ」
 あ、そっかー。それなら直ぐに分かるしバレないよね。
 こなちゃん頭良いなぁ~。
「うん、分かったよ。でもこなちゃんも寝ないようにしなきゃダメだ
 よ?」
「あはは、分かってるって。んじゃよろしくね」



「江戸時代後半、徳川の擬似太陽炉発明によって……」
 こなちゃん今の所は大丈夫そうだけど……目が半分寝てるよ~。
 後ニ十分だから頑張っ――。
「…………」
 あちゃ~、やっぱり寝ちゃったか~。しょうがないなぁ、こなちゃ
んは……。
 バレないように、ぴぽぱっと。こなちゃんが起きたら電源押せば良
いんだよね。

「……っ!? えあ、わんっあぁんっ」
 わ、わわわわ!? 何々!? とりあえず切らなきゃ!
 ポチッとな。
「はぁ……ふぅ……」
 うわぁ、皆の視線がこなちゃんに行ってるよぉ~。とゆーか、こな
ちゃん……。

 どこにしまってたの~!?

「泉……? どうした?」
「あの、えと……シャックリが……ひっく。ほら」
「そ、そうか。念のため保健室に行っとき」
「はい……」
 シャックリで保健室ってどんだけ~。でもあれシャックリじゃない
よね、確実に……。
「柊、一緒に行ってやれや」
「あ、はい」
 じゃあ、こなちゃん一緒に……!?
 泣いてるよ、泣いちゃってるよ~。可愛いよぉ~。はぅ、これから
保健室で二人きりだよ……理性保てるかなぁ?

 ん? 私、今変な事考えちゃったかな?
「ポケットに入れたはずなのに……いつの間にか」
 そ、そうなんだ。何でだろうね? 後でゆきちゃんに聞いてみよっ
と!


「ゆきちゃーん」
「ごめんなさい。それは分かりませんね」
「まだ何も言ってないのに、流石ゆきちゃんだね」



「へぇ、そんな事がね~」
「うん、なんとかごまかす事は出来たんだけどね……」
 そんな恥ずかしいこと教えなくてもいいのに……相手がお姉ちゃん
だからかな?
「んで? 今日は大丈夫なの?」
 今日は流石に大丈夫だよね? 昨日あれだけの事があったんだから
……。
「それが、昨日『みゆきさんスペシャル!ポロリもあるよ』っていう
 深夜番組がやっててね……ふわぁ~」
「おいおい……」
「こなちゃん、次の授業、また黒井先生だよ~」
「分かってふよぉ~ぁ」
 ダメだこりゃ。今度はどんな手段を使うのかな?
「つかさにまたお願いがあるんだけど……」
「またバイブ? こなちゃん昨日の事もう忘れちゃったの?」
「いやいや、前に黒井先生が言ってたんだけどね? 運転中、アニソ
 ンを聴いてれば事故に合ったとき恥ずかしいから運転に集中できる
 ~、みたいな事を言っててさ」
 あ、なるほど~。じゃあ今度は寝たらアニソンが流れるようにすれ
ば良いのかぁ。
「着信音をアニソンにしといたから、つかさは私が寝たら電話を掛け
 てね?」
「授業中にアニソンね、そりゃ確かに恥ずかしいわ」
 いや、それじゃダメだよ……。
「そそ、寝たら羞恥の目に合うって分かってるから授業に集中できる
 って訳だよ」
 ううん、それじゃ集中出来っこないよ……。もっと、もっと恥ずか
しい事じゃないと!
「そうだよ、それじゃダメだよこなちゃん」
「え?」
「こなちゃんがアニソン流したくらいで恥ずかしい訳がないよ」
「つかさ?」
「もっと、そうだね、こなちゃんの恥ずかしい声を着信音にしたらど
 うかな?」
「え、恥ずかしい声……?」
「なるほど、一理あるわね」
 流石お姉ちゃん。理解力の早さはぴか一だね。
「えー……」
「携帯貸して? 録音してあげるよ」
「……」
 そんな顔しないでよ。これも全てこなちゃんの為なんだよ?
 えーと、録音モードは……あ、これだね。
「はい、いーよ。喋って?」
「え、と……」
 すっかり赤くなっちゃって……こなちゃんも女の子なんだねぇ。
「いや~ん、エッチ~……ダメ?」
「……お姉ちゃん」
「しょうがないわね、手伝ってあげるわ」
「手伝うって、かがみ?」
 録音開始っと……。良い声で鳴いてね、こなちゃん。
「ま、待って、なんでかがみそんな物持って……や、やめ……」




「千九百九十九年、地面の底から突如現れた大きな火、ラ……」
 うわぁ、こなちゃん目がギンギンだよ。まぁ、あんなの流れたら嫌
だもんね~。眠そうなのに無理しちゃって……。

“実は先程、睡眠薬を投与しておきました”

 ゆきちゃんグッジョブ!
 ……え?
「はにゅうぅ~……はにゅうぅ~……」
 って、こなちゃん必死すぎ! でも眠気って少し耐えれば無くなる
んだよね。
 こなちゃんファイトっ。
「極楽浄土南無阿弥陀仏」
「ふぁ…………」
 こなちゃん撃ちーん! その前に、黒井先生、さっきからこれって
歴史の授業なのー?

“つかささん、泉さんが眠りましたよ”

 あ、そうだった。携帯電話をポチッとな。


『やぁ、どうも。ここでの泉さんの台詞があまりに激しい為、伏字役
 として呼ばれた小野大輔です。さて、彼女の恥ずかしい音声が鳴り
 響いている間、何かお話でもしましょうか。っと、もう時間なんで
 すか? 残念です。では、また……』


 あ、そういえば音量最大にしておいたんだった。これならすぐに目
が覚めるよね。あ、起きた。
「い、泉……? それはなんや?」
 未だ繰り返し鳴り響くこなちゃんの可愛い鳴き声。
 うーん、こなちゃんは目覚ましを止める習慣が無いのかなぁ?
 あっ、私が止めれば良いのか。ごめんごめん。
「う……うわぁぁぁぁぁん!」
「あ、おい泉っ!」
 あれぇ? まだ授業中なのにどこに行くんだろう?




 あれから、こなちゃんは学校に来なくなった。つまんないなぁ……
こなちゃんが居ないと寂しいよ。
 あ、メール。こなちゃんからだ。えーと……。
『げんこつ喰らった方がマシだった』
 あはは、そりゃそうだっと。


 完
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