※元ネタは何となくわかると思いますが、あえて明言しません。わかった人だけニヤニヤしてください。
最近、つかさは長袖ばかり着ている。
おかしいと思うきっかけは家での出来事だった。
いままでつかさは私が一緒にお風呂に入るのを拒まなかった。
でも、少し前から私と一緒にお風呂に入らなくなった。
最初、つかさは姉離れしていると思った。
そして2か月たった。今は夏。それでも、毎日長袖を着ている。
「つかさ、暑くないの?」
「・・・だ、大丈夫だよ。」
そういうつかさは尋常じゃない汗をかいている。
私の不安は膨れていく。
「つかさ、あんたの部屋に行くわよ!来なさい!」
私はむりやりつかさを部屋に入れ、鍵を閉めた。
「つかさ、あんたどうして半袖を着ないの?正直に言いなさい!」
「半袖はなんとなく・・・えへへ・・・」
つかさは笑ってごまかそうとするが、私は真顔のままで動じない。
そして、もう一度・・・。
「正直に言いなさい・・・。」
つかさの顔が真剣なものになっていく。
「・・・お姉ちゃん、これ、内緒にしてね・・・。」
そういうとつかさは上の服を脱いだ。
そして私は言葉を失った。
「・・・つかさ、あんたどうしたの!」
つかさの右腕には赤い手の形、それも人ではない手の形をした痣があった。
「・・・2か月前ぐらいから、現れたんだ・・・。」
つかさは普段ではありえないほど真面目に答えた。
「あんた、みんなには・・・。」
「・・・言えないよ・・・。」
「そうよね・・・。」
部屋は沈黙に包まれた。
その沈黙を切ったのはつかさだった。
「でも、まだ今だからよかったかも・・・。」
「・・・そうね。高校の頃だったらこなたが・・・。」
また沈黙に包まれた。
沈黙はつかさの嗚咽によって破られた。
「つか・・・!」
私はつかさに声をかけようとしたら、つかさに抱きつかれた。
「お姉ちゃん、怖いよ・・・。」
つかさの嗚咽は大きくなった。
私はつかさが甘えん坊であることを知っている。
あの高校の時の夏の時もすぐに私に泣きついた。
そのつかさが得体のしれないものを抱えて、
それも2か月も我慢して・・・。
私はつかさを抱きしめた。そして、
「つかさ、大丈夫。何があっても守ってあげるから。」
つかさの嗚咽は泣き声に変わった。
「おねぇちゃぁん!」
私はつかさが泣き止むまでつかさを抱きしめた。
つかさは泣き止んだあと、つかさは決心した。
「お姉ちゃん、私、このことみんなに言うよ。」
いきなりの宣言に私は
「え?」と聞きなおした。
「もう隠すのはいやだし、きっとお姉ちゃんみたいに受け止めてくれる。
なにかあってもお姉ちゃんが守ってくれるから。」
つかさの真顔に私は笑顔で返した。
「そうね。」
つかさはみんなに右腕の痣のことを話した。
茶化すこなたには私が鉄拳制裁をした。
ああ、きっとこなたの中の私凶暴伝説が増えたわね。
数日後、こなた、みゆき、つかさと私の4人で、遊びに行った。
といっても車に乗ってただドライブするだけだが。
当然つかさはやはり長袖だった。
その車中でのこと、つかさは右腕をめくり、痣をさらした。
「実はこの痣に少しだけ感謝してるんだ。」
みんな?顔だったが、つかさは続ける。
「みんな、高校出てから疎遠だったけど、この痣のおかげで
みんなと再び会えたから・・・その・・・この痣が『絆』を
取り持ってくれたって・・・。」
みんなの顔が笑顔に変わる。
「そうですね、つかささん。きっとそうですよ!」
「そうだね、つかさ、だから、腕を押えて『俺の邪気眼が』ってやって!」
私は高校時代みたいにこなたにつっこみをいれる。
「お前が勝手にやれ!」
この先、つかさにはきっと大きなことが待ち受けていると思う。
それが光か闇かはわからない。だけど、私はつかさを守っていきたいと思う。
だって、大事な妹だから・・・。