ID:YSsKnSo0氏:こなたが来たりて嘘をつく

 
「ふわぁ~、朝早く目が覚めたのはいいけど……な~んか暇だなぁ」

 欠伸をしながらPCの電源を落とす。
 春休みに入って数日が経った。
 この数日間は、漫画・DVD・積ゲーの処理を寝る間も惜しんでやった。
 もちろん、合間合間にネトゲもやった。
 集中的に遊びすぎて、さすがにどれも飽きてきた感がある。

「今日はかがみ達と会って遊ぶかねぇ」

 現在時刻は朝の8時30分。
 今から誘いをかければ午後からたっぷり遊べるだろう。 
 もちろん、ただ遊ぶだけが目的ではないのだけれども。
 今年はこの短い休みにも宿題がきっちりと出されていた。
 できることなら、最終日までに余裕をもって写しておきたい。 
 宿題を写して憂いを絶つ、それもかがみを誘う目的のひとつだ。

 それはそうとして、だ。
 いったい今日は何月何日で、休みはあと何日残っているのだろうか。
 確認するためにカレンダーを見る。
 まあ、カレンダーは好きな絵師のところで止めてあり、ここ何ヶ月も捲っていないので見たところで無駄なのだが。

「あ。そういえば」

 ベッドを置いてある方の壁を見る。
 そこには日めくりカレンダーが掛かっていた。
『今日が何月何日かぐらい常に把握しろ』
 とか言って、お節介にもかがみが勝手に掛けていったものだ。
 まあ、自分が持て余してたのを持って来ただけなのかもしれない。

 ちなみにこのカレンダー、私はまだ一度も捲ったことがない。
 捲っているのはかがみだ。
 この部屋に遊びに来るたび、文句を言いながら4~5枚捲っている。
『私がせっかくプレゼントした意味がないじゃないの!』
 とかなんとか言いながら。
 今は、かがみが最後に家に遊びにきた日――3月25日――で止まったままだ。

「たまには、自分でめくってみようかネ」

 記憶をたどり、深夜アニメを見た回数分だけびりびりと捲る。
 今期は割と良作が揃っていて、毎日アニメを見ているから捲る枚数を間違えることは絶対にない。
 極めて私流ではあるが、このカウント方法に頼るのが1番確実だったりする。 
 捲ったカレンダーはくしゃくしゃにまるめて、ゴミ箱にポイだ。

「……ほほう」

 カレンダーが示している日付を見て、ニヤリと笑う。
 体のダルさが吹き飛び、頭の中が冴え渡ってくる。
 その日付表示は、私のエンジンに火をつけたのだ。

 4月1日。

 そう、今日はエイプリルフール。
 つまり、嘘をついていい日。
 なんだか、よくわからない使命感で み な ぎ っ て き た 。

 よし!毎日の勉強で疲れているだろう友人達に、最高のユーモアをプレゼントしてさしあげようじゃないか!
 かの有名な“ド○えもん”という作品において、源し○か氏はこのような事を言っていた。
『人を喜ばせておいて、がっかりさせるような嘘はよくない』
『だから、嘘とわかった時に喜べるような“親切な嘘”をつくべきだ』

 ここに高らかに宣言する!私はつこう、親切な嘘を!!

 ☆

 まずは、かがみからだ。
 携帯に電話をかける。
 休みだというのに既に起きて活動していたのであろう、数回のコールですぐに出た。

「もしもし、こなた?あんたにしては珍しく早起きね」
「……かがみ……」
「どうしたのよ、なんか元気ないわねー。休みボケかぁ?」
「はは……そんなとこ、かな」
「ちょ、ちょっと、ホントに大丈夫なの?」

 かがみの声色が心配を含んだものに変わる。
 ここまでは順調。

「う、うん。まあ、だいじょぶ」
「そう?ならいいけど。それで、用件は?」
「えっとね、実は、私……や、やっぱいいや!」
「はぁ?」
「うん、悪いけど今のナシ。忘れて!じゃあね!」
「あっ、待ちなさいよ!」

 ここで一方的に電話を切る。
 かがみの性格からしてすぐにでも電話が……よし、かかってきた!
 少し間を置いてから電話にでる。

「も、もしもし?」
「ちょっと、こなた!さっきの電話は何なのよ!?一方的に切ったりして!」
「なんでもないよ」
「とりあえず用件を最後までちゃんと言いなさいよ!気になるじゃない!」
「だから、なんでもないって」
「だから、なんでもないなら最後まで言えばいいって言ってんでしょ!?」
「しつこいよ!!なんでもないんだってば!!!!」

「……」

「……ごめん。怒鳴ったりして」
「……ううん。私もちょっと、大人気なかったわ。えっと、もう切るわね」
「あ、待って!……ねえ、かがみはさ……私の友達、だよね?」
「何?急にどうしたのよ?」
「いいから答えて!言っとくけど、私、真剣だよ?ネタとかじゃないよ?」
「……もちろん友達よ。親友って言ってもいいわ」

 さあ、盛り上がってまいりました。
 かがみの声は真剣そのもの。
 微塵も私が演技をしていると疑っていないことうけあい。
 いやあ、私もなかなかの演技派だネ。

「ありがと、本当に嬉しいよ……実はね、私、虐められてるんだ」
「イジメ?そんな……ウソ、でしょ?」
「かがみには隠してたけど、同じクラスのみんなから、私……私ッ!」
「何よソレ!!許せない!!いつから!?いったい誰が!?」
「去年の11月くらいから、カナ。始めたのは……その……つかさ、だよ」
「なっ……!!」

 さて、仕上げに移りますか。

「ね、かがみ。いろいろ相談したいからさ、できればウチに来てほしいんだ」
「……いいわ。いつ行けばいいの?」
「じゃあ、1時頃に来てくれる?もちろん、つかさとみゆきさんには内緒で」
「ええ。わかったわ」
「ねえ、かがみに電話したこと、2人には内緒にしといてもらえるよね?」
「大丈夫よ、安心して。何があっても、私はあんたの味方だから」
「ありがと。かがみ」
「お礼なんていらないわよ」
「ついでに、春休みの宿題を見せてくれると嬉しいんだけどなぁ」
「ふふっ、いつもの調子が戻ってきたじゃない。ま、考えとくわ。じゃあ1時にね」

 これでよし。
 ウチに来たら全てをばらして、その後は一緒に遊べばいい。
 完璧な計画だ。

 ☆

 さて、ターゲットは残り2人。
 次の狙いは当然つかさだ。
 早めに攻略しておかないと、かがみへの嘘がバレるかもしれないしね。

 携帯に電話をかける。
 3回も留守番電話センターに接続され、諦めようかなんて思い始めた頃にやっと出てくれた。

「もしもし、つかさ?」
「もしもし~、こなちゃん?……ふわぁ~、おはよ~」
「おはよ。ごめんね、朝早くに電話しちゃって」
「ううん、いいよ~。今日は早く起きるつもりだったし」
「そうなんだ」
「うん。今日から宿題をがんばろうかな~って。えへへ」

 つかさの声はまだ眠そうだ。
 この様子だと、少しばかり荒唐無稽な嘘でも信じてくれるだろう。

「ねえ、つかさに相談したい事があるんだけど」
「え?相談?」
「うん。いいかな?」
「うん。いいよ~。でも、私よりお姉ちゃんやゆきちゃんの方が――」
「つかさじゃなきゃダメなんだよ」
「えっ?」
「あの2人には、相談できないんだ」
「えっ?ど、どういうこと?」

 急に真剣みを帯びた私の声に、つかさが戸惑いをみせる。
 我、機を得たり。
 ここからは一気にたたみかけよう。

「実はね、私、みゆきさんのモルモットにされてるんだ」
「も、もるもっと?」
「うん。いわゆる実験動物。いろんな薬を飲まされたり、注射されたり……」
「へ、変な冗談はやめてよ、こなちゃん。ゆきちゃんは、そんなことするような――」
「かがみも被害者なんだよ?かがみは私よりずっと前からみゆきさんに遊ばれてたんだ」
「お、お姉ちゃんが?」
「私もかがみから同じように相談されてさ、その時は何かのネタだと思って信じなかった。でも、それが間違いだった」
「う、嘘!嘘だよね、こなちゃん!?ねえ――」
「私はかがみを救えなかったんだ……今のかがみはみゆきさんの命令に逆らえなくなってて、私を監視しているみたい」
「そんなの嘘だよ!こなちゃん、いくら私でもいいかげん怒るよ!?」
「お願いだから信じてよ、つかさ……ねえ、最近さ、かがみの様子に何か、その、違和感とか感じなかった?」
「あ……」

 つかさが黙り込む。
 なんたる幸運。
 何かしら思い当たる事でもあったのだろう。
 だとしたら、これ以上の演技は蛇足だ。
 そろそろ仕上げに移ってもいいだろう。

「ね、つかさ。いろいろ相談したいからさ、できればウチに来てほしいんだ」
「……うん。いつ行けばいいの?」
「じゃあ、1時半頃に来てくれるかな?わかってるとは思うけど、かがみとみゆきさんには内緒だよ」
「うん」
「もちろん、私がこんな電話をしたことも内緒だよ?つかさだって無事じゃいられないかもしれないし」
「う、うん。わかった。気をつけるよ」
「ありがと。つかさ」
「お礼なんていいよ。私もひとりじゃ心細いし」
「それと、出かける時だけどさ、かがみには図書館で宿題してくるとか言ってごまかせばいいと思うよ」
「うん。そうするよ。えっと、1時半だよね」

 これでよし。
 これで、つかさがかがみに接近する可能性はぐっと低くなった。
 かがみへの嘘もバレにくくなったという訳だ。
 それに、つかさは宿題の道具を持って移動することになるから、ばらした後に一緒に宿題をすることもできる。
 我ながら完璧な配慮だ。
 先に着いているかがみと一緒になってネタばらしをして楽しめば、かがみの怒りもいくらか収まることだろう。
 さてさて、ターゲットは残り1人。

 ☆

「それで、みゆきさんに相談したいことがあってさ。いいかな?」
「はい。私でよろしければ、遠慮なくどうぞ」

 ラストバッターは陵桜の誇る秀才、みゆきさんだ。
 かなり手ごわい相手といえるだろう。
 嘘を信じさせるためには、相手のバランスを崩しスキをつくらなければならない。
 かがみは、親友が虐められているという情報にカッとなりスキが生まれた。
 つかさは、まあ、いつものとおりスキだらけだった。寝起きだったしね。

「つかさにはまだ内緒にしててほしいんだけどさ、私ね、去年の冬休み初日にかがみに告白されたんだ」
「はあ。告白、ですか?」
「うん。愛の告白ってやつ」
「ええっ!?し、しかし、泉さんとかがみさんは、その……」
「うん。女の子同士、なんだよね。もちろん私はそういった趣味ないからさ、きっぱり断ったんだ」
「は、はあ」
「翌日からはいつもどおりの関係に戻ろうねって話で決着がついたから、みんなは気が付かなかったと思うけど」
「そうですね。少なくとも私は、まったく気がつきませんでした」
「だよね。だから私は、かがみもちゃんと諦めてくれたんだ、と思って安心してたんだけどね……でも、そうじゃなかったんだ」
「ということは、かがみさんと何かあったのですか?」

「……襲われちゃったんだ」
「え?襲われ?え?……ええっ!?」
「春休みの前日、いつものようにかがみが家に遊びに来たんだ。その日は家に私しかいなかったんだけど――」
「い、泉さん!悪質な冗談はやめてください!私には、かがみさんがそのような事をするお方に思えません!」
「私だって!!!!私だって、かがみがそんなことするなんて思ってなかった!!!!」
「あ……」
「私はその日、写真まで撮られた。その日からかがみはその写真をネタに、私のことを毎日のように――」
「そんな……嘘……嘘です。そんな、ひどいこと……」

 そこからは私の妄想を織り交ぜつつ、かがみが私を襲った状況を簡単に説明。
 みゆきさんを崩すには、みゆきさんの知識・経験が乏しい世界を舞台にする必要がある。
 つまり、18歳未満禁止かつアブノーマルな、とっても危ない世界。
 バーチャルとは言え、私の方は経験豊富なのだ。
 この土俵で闘えば、私が負ける要素はほとんどない。

「ね、みゆきさん。できれば会って相談したいんだ。ウチに来てくれないかな」
「……わかりました。いつ、お伺いすればよろしいのでしょうか?」
「急で悪いんだけど、今日の2時とかじゃダメかな?その時間、家は私ひとりになっちゃうし」
「わかりました。2時、ですね」
「それから、この話なんだけどさ」
「はい。誰にも話しませんので、安心してください」
「ありがと。みゆきさん」
「いえ。私でお力になれるかどうか」
「それと、かがみが感づいた時のために、表向きは今日は勉強会ってことにしてほしいんだ」
「わかりました。勉強会、ですね」

 みゆきさんは『恐れ入りますが、まだ泉さんの言い分を全て信じた訳ではありませんので』と言ってから電話を切った。
 ううむ。この辺りはさすがに手ごわい。
 まあ、とりあえずミッションコンプリートだ。
 これで、上手くいけば2時には4人が勉強道具持参で我が家に集うわけだ。
 それまで何をして待っていようかなぁ。
 
 あ、そうだ。
 一応、嘘をついたおわびとして手作りお菓子でも用意して待っていよう。
 そうと決まれば台所へ行きますかネ。
 よっこいしょういち、っと。


 ☆


 まさか、こなたがイジメをうけていただなんて。
 しかもつかさが、私の妹が、その犯人だなんて……

 一刻も早く事の詳細を知りたい。
 いてもたってもいられない。
 約束は1時だが、30分程度なら早めに行っても問題ないだろう。
 お昼はパンでも買って食べて、さっさとこなたの家に向かおう。

 手早くまとめた荷物をもって自分の部屋から出ると、つかさとばったり出会ってしまう。
 つかさも出かけるところなのか、私と同じように荷物を持っている。
 思わず睨みつけそうになるが、ぐっと我慢する。
 私がイジメの事を知っていると悟られたら、情報源のこなたに迷惑がかかるかもしれない。

「おはよう、つかさ。今日は早起きね」
「おおお、おはよう。お、お姉ちゃん。え、え~っと、何だか目が覚めちゃって」
「何をそんなに慌ててるのかしら?」
「えっ!?あ、慌ててなんかないよ?お、お姉ちゃんこそ、恐い顔してどうしたの?」

 いけない。怒りが顔に出てしまっていたようだ。

「な、なんでもないわ。宿題でわからない問題があって、少しイライラしてただけ」
「そ、そうなんだ」
「そういえば、つかさも出かけるところなの?」
「あ、うん。お姉ちゃんも?」
「そうだけど……ねえ、もしかして……つかさは、こなたの家に行くつもりだったりする?」
「え!?ううん、ち、違うよ!!……図書館!そう、私は図書館に宿題をしに行くんだよ!」

 ☆ 

 最近、お姉ちゃんの様子がおかしい。
 食事の量も減ったみたいだし、お菓子もあまり食べようとしない。
 些細な事ですぐイライラするようになったみたいで、私も何度か怒鳴られたりした。
 もちろん、その度に後から謝ってはくれるのだけど。
 机にふせっていることが増えたし、夜こっそりと出かける回数も増えていた。

 ――こなちゃんの言ってたことは、やっぱり本当なんだろうか。

 こなちゃんは1時半って言ってたけど、もう行ってしまおうかな。
 こんな状態でお姉ちゃんと同じ屋根の下にいたら、私の気持ちがまいっちゃうよ。
 とりあえず、早く相談して、早く解決しなきゃ。

 カモフラージュ用の勉強道具をバッグに詰めて部屋を出る。
 しかしそこで、タイミング悪くお姉ちゃんと会ってしまった。 

「――つかさは、こなたの家に行くつもりだったりする?」
「え!?ううん、ち、違うよ!!……図書館!そう、私は図書館に宿題をしに行くんだよ!」
「ふーん……珍しいわね」
「そ、そろそろ頑張ろうかな~って思って」
「それが本当なら、いいことなんだけどね」

 こなちゃんの言った事は、やっぱり本当だ。
 お姉ちゃんの様子はやっぱりおかしい。
 私のことをじっと睨みつけてきたかと思えば、品定めするようにジロジロと見てくる。
 それに何故か、私の行き先がこなちゃんの家かどうか、なんて質問を突然にしてきた。
 こなちゃんの家に私が行くと都合が悪いのだろうか?
 もしかして、こなちゃんの身に何かが……
 
 そうか!もしかしたら、まさに今、ゆきちゃんがこなちゃんのことを狙っているのかもしれない!
 だから、他の誰かがこなちゃん家に行ったら不都合なんだ。
 お姉ちゃんは、私がこなちゃん家に行かないよう監視しているんだ。
 そうだ!そうに違いない!
 私がこなちゃんを救わなきゃ!

「お姉ちゃん、私いそいでるから!もう行くから!」
「え?あ、うん。気をつけていってらっしゃい」

 私は家を飛び出し、全力で自転車をこぐ。

「待っててね、こなちゃん!」

 ☆

 窓から外を見ると、つかさの自転車が猛スピードで遠ざかっていくのが見えた。
 つかさってあんなに早く自転車をこげたんだ。
 それにしても、さっきからのつかさの慌てっぷりは異常だ。
 こなたの名前を出した瞬間、わずかに顔色が変わったのを私は見逃さなかった。
 つかさが犯人だなんて思いたくなかったけど、まさか本当に……

 そこまで考えてハッとする。
 何故、つかさはあんなに慌てていたのか。急いで出かけたのか。
 もしかして、つかさは私とこなたの電話でのやりとりを聞いてしまったのではないだろうか。
 あの時は私も興奮して大きな声を出していたから、その可能性は十分にある。
 だとしたら、今つかさが向かっている先は……
 マズイ。
 最悪の事態だ。
 私も急いでこなたの家に向かわなくては!

 私はすぐに家を飛び出し、妹を追いかけるように必死に自転車をこぐ。

「待ってなさいよ、こなた!」

 ☆

 4月1日。
 今日、私は友達に嘘をついた。
 後は至福のネタばらしが残るのみ、ときたもんだ。
 私はその瞬間を楽しみにしながら、お菓子作りに精を出していた。

「よっし。こんなもんかな」

 程なく手作りクッキーが完成する。
 つかさ程ではないにしろ、我ながらなかなかにいい出来だ。
 やはり、気分がノッている時は何をやっても上手くいくものだ。
 時計を確認。
 おっと、もう12時を過ぎている。
 かがみが来るまであと1時間もない。

 あまり時間が無いので、今日のお昼はカップ麺ですませることにする。
 お湯を注いで居間へと移動。
 あと3分♪
 特にやる事もないので、とりあえずTVをつける。
 お昼の時間ということで、どこも面白い番組はやっていない。
 適当にチャンネルを変え、リモコンを放置する。
 あと2分♪
 お気に入りのマグカップにお茶を淹れ、ささやかな昼食の準備が整う。
 いやぁ、日本茶は心が落ち着きますなぁ。
 
 その時、つけっぱなしのTVから信じられない言葉が聞こえた。

『――こんにちは。3月31日、お昼のニュースです。本日、○○内閣の――』

 なん……だと……!?
 重力に惹かれ、鈍い音と共に不時着を敢行するマグカップ。
 そして、景気よく床にぶちまけられる適温の緑茶。

 馬鹿なッ!!
 今日はエイプリルフールではなかったというのかッッ!!

 頭が真っ白になる。
 いままでかいたことのない類の嫌な汗が、体中からドッと噴き出す。
 天国から地獄。
 私の気分は真っ逆さまに光の世界から暗闇のどん底へと叩き落される。

 麺がのびのびになってカップから溢れ出た頃、私はようやく我に返った。

 ☆

「待っていてください、泉さん」

 泉さんのお宅まであと少し。
 泉さんは2時と言っていましたが、1時間以上も早めに来てしまいました。
 事の真偽を早く確かめたくて、どうしてもじっとしていられなかったのです。
 それに、もし泉さんの話が全て本当だった場合、かがみさんの行動を警戒する必要があります。
 かがみさんが休みに乗じて泉家に来る可能性は高いですから、ゆっくりしている暇はありません。
 泉さんとの約束の時間を違えてしまうのは失礼かとは思いますが、事態は急を要します。
 一応ですが、携帯の方には早めに伺う旨をメールで送っておきましたし――

「ゆ、ゆきちゃん!?」
「え?……あ、つかささん?」

 何やら慌てている様子のつかささんと出会いました。
 何故でしょうか、大変驚かれているようです。 
 それにしても、ここで会ったという事は……

「つかささんも、泉さんに会いに来たのですか?」
「え。えっとね、わたしは、その……」
「?」
「ぐ、偶然通りかかっただけだよ~」
「そうなのですか?」
「う、うん。そうそう、偶然なんだ」

 つかささんが嘘をつく理由は無いでしょうから、本当に偶然なのでしょう。
 何かとても不自然な気はしますが。

「ゆきちゃんは、こなちゃんの家に行くんだ?」
「はい。その、泉さんに勉強会をしようと誘われたものですから」
「そ、そっか」
「つかささんは、何をしていたのですか?」
「え。え~っとね……」

「2人とも、何の相談をしているのかしら?」

 つかささんと話していると、突然、背後から声を掛けられました。
 振り返ると、今は一番会いたくなかった人が腕を組んで立っていました。

 ☆

「お、お姉ちゃん!?」
「つかさ、あんた図書館に行ったんじゃなかったの?」

 まさか、つかさとみゆきが合流するとは。
 みゆきまでもがこなたイジメに参加していたとは思わなかった。
 いや、思いたくなかった。
 冷静に考えてみれば、みゆきが自分の身近で起きているイジメの兆候を見逃すはずなど無いのだ……自分がイジメる側でない限りは。
 私という邪魔者が現れたことに機嫌を悪くしたのか、みゆきがこちらを軽く睨んだように見えた。

「こんにちは、かがみさん。こちらへは何をしに来られたのですか?」
「こんにちは、みゆき。私はこなたの家に遊びに来たの。一緒に勉強もする予定よ」
「あら、奇遇ですね。私も泉さんと勉強会をする予定なんですよ?」
「へえ。そうなんだ」
「ええ。そうなんです」
「私は、こなたに誘われてきたんだけど?」
「もちろん私も、泉さんに誘われたから来たんです」

 心なしかみゆきの言動が余所余所しい、というか冷たい。
 それにしても、よくもまあ堂々と嘘をつくものだ。
 私には分かる。みゆきが言っている事は嘘だ。
 今のこなたが、加害者サイドのこの2人を自宅へ誘うはずが無い。
 
 そういえば、こなたが私に相談したことをみゆきは知っているのだろうか?
 つかさから既に情報を得ている可能性はあるが、まだ知らない可能性もある。
 それに仮に情報を得ていたとしても、みゆきならばつかさからの情報を100%信じることはないだろう。
 我が妹ながらつかさは少しばかりぬけているところがあるからだ。
 とりあえず、みゆきを油断させるためにも、今は事情を知らないフリをした方が良さそうだ。

「そう。じゃあ、こなたは4人で勉強会を開くつもりだったのかしらね」
「それなんですが、つかささんは誘われて無いみたいですよ?」

 そう言って、みゆきはつかさの方をチラリと見た。
 これは……つかさに別行動をとるように促しているのか?
 よくわからないが、みゆきの作戦か何かなのだろうか?
 だとしたら、阻止しておいた方がいいのかもしれない。

 最初の実行犯を逃がすわけにはいかないし、できれば4人が揃った状態でケリをつけたい。
 私の目的はこなたを救うことだけでは無いのだから。
 難しいかもしれないが、私はこの4人の間にあった友情を取り戻したいのだ。

「……それなんだけど、こなたから電話があったのって、つかさが出かけた後だったのよ」

 ☆

「それでつかさも誘おうかと思ったんだけど、図書館に行くって言ってたから携帯にかけるのは遠慮したの」
「そ、そうだったんだ」
「あんたマナーモードにしないでしょ?だから、頃合を見計らってメールでもするつもりだったんだけどね」
「メール?」
「そ、メール。つかさもこなたの家で一緒に勉強しないか、ってね。」

 これは、どういう状況なんだろう。
 ゆきちゃんとお姉ちゃんの間に、なにかトゲトゲしい空気が流れている。
 お姉ちゃんはゆきちゃんに従わされているハズなのに。
 もしかして、今のお姉ちゃんは薬がきれたりとかで正気に戻っているのだろうか?

 お姉ちゃんはなんでここに来たのかな?
 なんで私を誘ってるのかな?
 えっと……今、お姉ちゃんはこなちゃんと合流してゆきちゃんを何とかしようとしているところか何かで――
 それで、私にも協力をしてほしがっている――
 そうか。そういう事だったのか。
 つまり、これは、千載一遇のチャンスなのだ。

「じゃ、じゃあさ、私も一緒に行っていいんだよね、お姉ちゃん?ほら、ちゃんと勉強道具も持ってるし」
「そうね。いいんじゃない?……ね、みゆき?」
「……そうですね。人数が多い方が、勉強会らしくていいのではないでしょうか?」
「じゃあ、決まりだね!」

 ほんの僅かだけど、ゆきちゃんの表情が陰るのがわかった。
 ゆきちゃんは、少し悲しそうな顔で私の方を見た。
 ……ごめんね、ゆきちゃん。
 でも、ゆきちゃんがやっていることは、良くない事なんだよ?
 大丈夫。きっと明日からは、また前までのように4人で仲良くできるよ。
 そうなれるように私が頑張るよ!

 私は決意を胸に秘め、こなちゃん家への一歩を踏み出した。

 ☆

 かがみさんは頭の良い方です。
 もしかしたら、私の態度から何か察するところがあったのかもしれません。
 つかささんを勉強会に誘ったのは、私に対する牽制でしょうか。
 つかささんがいれば、私はかがみさんのことを問い詰めにくくなります。

 しかし、かがみさんの行為が泉さんの話すとおりであるならば、それは許される事ではありません。
 こんな悲しい出来事は、一刻も早く、できれば今日の内にでも断ち切ってしまわなければなりません。
 例えつかささんがいようと、私はそれをやらなければならないのです。
 できれば、つかささんにはすべてが解決してからお話をしたかったのですが。

 ……いえ、実の姉と友人との話ですから、つかささんも立ち会うべきなのでしょう。
 つかささんには大変辛いお話になるかとは思いますが、これも運命なのでしょう。

 ふと、つかささんの方を見ると、その顔は心なしか頼もしく見えました。
 そして、つかささんは一歩一歩、泉さんのお宅へと歩んでいきます。
 まるで迷える私を導くかのように。

 ふふっ。いけませんね。私が弱気になっては。
 泉さんにつかささん、そしてかがみさんを救うという役割が私にはあるのですから。
 再びいつもの4人組として楽しく笑いあえるよう、私は頑張ります!

「では、参りましょうか。かがみさん」


 ☆


 私は今日、わりと洒落にならない嘘をついた。
 もし今日が4月1日なら、私にはまだ救いの道がある。
 もし今日が3月31日なら、私に残された道はひとつしかない。
 それは、間違いなく地獄に続く道。

 慌てて家中のあらゆるモノで日付を確認する。
 TV、ラジオ、携帯、パソコン……思いつく限りのモノで。
 何を見ても3月31日。そう、まぎれもなく3月31日。
 あの日めくりカレンダー以外の全てが、今日が最悪な1日になると告げていた。
 どうしよう。
 どうしたらいいんだろう。
 といっても、もう、なるようにしかならないのだけど。

 なんで、どうして、こんなことになったんだろう。
 日めくりを捨てたゴミ箱を漁ってみる。
 2枚重ねて捲る、などといった漫画のようなミスはしていない。
 捲るべき枚数も絶対に間違っていない。
 今朝の私の行動自体にミスは無かった筈だ。
 それならば、何故?

 ……??

 ……!?

 ……!!

 思い出した!!そういうことだったのか!!
 そう、今朝の時点で私のカレンダーには1日分の誤差が生じていたのだ。
 かがみが最後に遊びにきた日、こんなことがあった。

『ちょっと、こなた。またカレンダー捲ってないじゃないの』
『ん~、そだね~』
『そだねー、じゃないっての。もう、いい加減にしなさいよね』
『かがみの楽しみをとっておいてあげたのだよ』
『こんなのが楽しみなわけが無いっつーの!まったく!』

 びり、びりびり……びりりっ!

『あれ、かがみ。今日は確か24日だよ?捲りすぎじゃない?』
『あ、あんたが横からいろいろ言うから変に力がはいっちゃったのよ!』
『あ~あ、これじゃあせっかくのカレンダーが台無しだよ~』
『ど、どうせ捲らないんだから1日くらいいいじゃない!そう、これは明日の分よ、明日の分!』

 このことを忘れてきっちり捲ったせいで、日付を間違えてしまったということだ。

 日付を間違えた原因はわかったが、だからといって何の解決になるわけじゃない。
 覚悟を決めよう。
 ここは潔く、1人1人、来た順に謝るしかない。

 ☆

「こなちゃん、少し早いけど来ちゃったよ~」
「こんにちは、泉さん。すみません、早く来てしまいました。メールは送ったのですが……」
「おーす、こなた。ちょっと早いけど、いいわよね?」

 何 故 全 員 揃 っ て い る。

「いいいいいいい、いらっしゃいいいい、みみみみ、みんななな。ずずず、ずいぶん早かったたたネ」
「なに慌ててんのよ?……まあ、心配しなくても、大丈夫よ」
「そうですね。私がいますから何も心配しなくて大丈夫ですよ、泉さん」
「こ、こなちゃん、私がいるからね!」

 あれ?何この雰囲気?

 そうか、お互いがお互いを牽制しあっているんだ。
 主に私の嘘のせいで。
 これは、本当の事を言い辛いってレベルじゃないよ。
 何とかして1人ずつ相手をするようにしなきゃ。
 とりあえずは、みんなに私の部屋まであがってもらって……

「ええっと、ジュースでも持ってくるね。それで、誰か運ぶの手伝ってほしいんだけど」
「私が行くわ!」
「いえ。かがみさんはゆっくりしていてください。ここは私が」
「ゆきちゃんもお姉ちゃんとゆっくりしてなよ。私が行くから」
「2人とも、そんなに気を遣わなくていいわよ。ここは私が――」
「そうですね。かがみさんもつかささんも気を遣わないでください。やはり私が――」
「わ、私は気を遣ってないよ。ただ、こなちゃんを手伝いたいだけ。だから私が――」

「ちょ、みんな。落ち着いてよ。か、かがみ。かがみでいいよ」
「ほらね。こなたもこう言ってるし、私が行くわ」
「泉さん、遠慮なさらずにおっしゃっていただいてもいいんですよ?」
「こなちゃん、私じゃ頼りにならないかなぁ?」
「い、いや、そんな大したことじゃないし。それにすぐに戻ってくるから」
「じゃあ、早く行きましょ。こなた」

 台所で人数分のジュースとクッキーを用意する。
 とりあえず、この時間を利用してかがみに謝っておこう。

「あ、あのさ、かがみ」
「わかってる。ごめんね、こなた。びっくりしたでしょ?つかさとみゆきが一緒じゃやっぱり辛いよね」
「い、いや。そうじゃなくって――」
「でもね、こうなったら仕方ないわ。少し早いのかもしれないけど……私ね、今日決着をつけちゃおうと思ってるの」
「ちょ、かがみ、私の話を――」
「わかるわ、不安よね。でも大丈夫。私がついてるから。何があっても守ってあげるから。さあ、行きましょ!」
「あっ、待ってよ、かがみ――」
「いいから、ここは私に任せなさいって。とりあえず、2人に謝ってもらうところから始めなきゃね!」

 あんまり遅くなると怪しまれるわよ、と言ってかがみはクッキーの皿を手に部屋へと戻っていった。
 優しい笑顔を残して去るかがみを呆然と見送ることしかできない私。

 かがみに謝るどころか、謝られちゃったよ。てへ☆

 ……いや、そうでなくて。
 今のかがみの様子からすると、1人ずつ相手をしていくという私の計画は難しそうだ。
 何があったかのかは知らないが、かがみはテンションが上がりきっていた。
 さっきの部屋でのやり取りから察するに、おそらく他の2人も似たような感じだろう。
 私の話を聞いてくれる心の余裕がなさそうだ。
 それに、3人とも私が他の誰かと2人きりになるような状況はなかなか許してくれなさそうだ。
 ……こうなったらもう、みんながもめ始める前に土下座でも決めるしかない。

 どこか遠いところへ逃げたくなる気持ちを抑え、私は地獄へと続く廊下をゆっくりと進む。
 いつもの倍以上の時間をかけて自分の部屋の前までくると、既にヒートアップした3人の声が聞こえてきた。

「まだわかんないの!?まず、こなたに謝れって言ってんのよ!!あんた達、こなたが苦しんでるのがわからないの!?」
「ですから!何度も言うようですが、人のせいにしないでください!!かがみさんが泉さんを苦しめているのでしょう!?」
「やめなよ、ゆきちゃん!隠さなくても、もうみんなわかってるんだよ!?」
「そうよ!つかさの言うとおり、私はみんなわかってるのよ!?みゆき、あんた少しは反省したらどうなの!?」
「あくまで人のせいにすると言うのですか!?つかささんだって、苦しんでいるのですよ!?」
「はぁ!?だからなんだってのよ!つかさは自業自得じゃない!!元はと言えば、つかさのせいなんだから!」
「ひどい!相談もしてくれずにそんな言い方ってないよ!ねえ、なんで最初がこなちゃんだったの!?なんで、私じゃなかったの!?」
「何よ!?私があんたのことを一番にかまわなかったのが原因だとでも言いたいの!?甘ったれんじゃないわよっ!!」
「つかささんにまで当たらないで下さい!!かがみさん、見損ないました!……あなたは間違っていますッ!!」
「っ!?……みゆきぃっ!よくもっ!よくも、ぶったわねっ!!このっ!!」
「きゃあっ!?」
「や、やめなよ、お姉ちゃん!ゆきちゃんも!暴力はよくないよ!!……ひゃあっ!?」

 うん。わかっているとも。
 今すぐ部屋に飛び込んで土下座、それ以外に選択肢はないよね。

 ☆

「ごめんなさい」
「おまっ……謝って許されるとでも……!!」
「泉さん。いくらなんでも、これは……!!」
「ひどいよ。私、本気で信じたのに……!!」

 事情はひととおり説明したが、当然笑って許してくれる筈もなく。
 三者三様の絶句の後は、ただただ、重苦しい沈黙が場を支配する。

 私は土下座したままの姿勢で固まることしかできない。
 穴が開くのではないかと思えるほどに、じっと床の一点を見つめ続ける。
 申し訳なさ過ぎて、みんなにあわせる顔なんてない。
 あんなに仲の良いみんなが、勘違いとは言え私のせいで喧嘩までしたのだ。
 みゆきさんはかがみの頬を平手で打ち、かがみはみゆきさんに掴みかかった。
 あと一歩間違えれば、私達の友情は消えてなくなっていたかもしれない。

 床にシミがひとつ、ふたつ……あれ?私、泣いてる?
 床のシミはみるみるうちに数を増やしていく。

「……泉さんに悪意が無かったという事は、わかりました」
「……そうだね。もともと、こなちゃんは私達と遊びたかっただけなんだよね」
「……こなたらしいいたずら、ってとこね。あまりにも度が過ぎてたけど」

 優しい言葉。
 勇気を振り絞って顔をあげると、みんな少し呆れたように笑っていた。
 私は胸がいっぱいになる。

「ごめん、本当にごめんなさい、ごめんね、みんな。うあ、うわああああああん」
「ほら、泣かないの」
「ぐすっ。だって、こんな私を笑って許してくれるなんて、なんだか嬉しくって」
「あら、誰が許すって言ったかしら?」

「ふぇ?」

「もちろん、それなりのお礼はさせてもらうわよ?」
「そうですね。1回は1回ですよ、泉さん」
「あはは、こなちゃん。これで終わりだと思ってるだなんて、どんだけ~」
「ちょっ、みんな、目がこわいデスヨ?……いったい何を……」
「そうね、私達もこれからひとつずつ嘘をつかせてもらうわ」
「う、嘘を?……あれ?それだけ?」
「はい。それだけです」
「なぁんだ。びっくりさせないでよ。そんな簡単なことなら――」

「ねえ、こなた。あんた今日は、とっ~ても平和に過ごすわ。嫌と言うほどね」
「泉さん。泉さんは今日という日を、驚くほど簡単に忘れてしまえるでしょう」
「こなちゃん。こなちゃんにとって、今日がいっちばん幸せな日になるんだよ」

「え?……も、もしかして、それが嘘?……ってことは……あ……やめっ――!!!!」


 ☆


 今日は正真正銘の4月1日、エイプリルフールだ。
 せっかくだから、嘘をついてみようと思う。

『昨日はとても楽しかった。
 突然遊びに来たかがみとつかさとみゆきさんが、私に素敵なプレゼントをくれたのだ。
 昨日という日は、私にとって今までで一番幸せな日だったんじゃないかと思う。
 でも、きっとそれもすぐに忘れてしまうことになるんだろう。
 とても平和だったという点においては、いつもとなんら変わらないただの1日だったから。

 そしてまた、素敵な1日が始まろうとしている。
 私はかがみから呼び出しなんかされていないし、つかさも一緒に待ち構えていないし、集合場所はみゆきさんの家ではない。
 まあ、偶然にもみんなと会うことがあれば、たぶん昨日の事について幸せな気分で笑いながら語り合うことになるだろうね。
 ああ、できることなら、誰も私の事を助けないでほしい。神様が本当にいるのなら、どうか私の事を救わないでほしい』

 うん。我ながら上出来だ。
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