ID:txv1PLU0氏:サイバー☆ゆーちゃん~姉妹ゲンカのその後は~

今日は長期取材明けでひさびさの休み。
私、泉こなたは小早川家に遊びにきたのでありました。
でもまさか、こんなことが起きるとは、誰が想像しただろうか。
「やふー、ゆーちゃんにゆい姉さん、遊びにきたよー」
と、私がドアノブに手をかけた、まさにその時であった!

――ドガーン!
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『私は小早川家のドアを開けたと思ったらいつのまにか爆風に巻き込まれていた』
な… 何を言ってるのか わからねーと思うが おれも何をされたのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…

いや、どうにかなっちゃってるんだけどね実際。真っ黒焦げだし。
まぁ、こんだけの爆発に巻き込まれて死なないって、私も結構タフなもんだよね。
アハ、つか私って本当に人間なんだろうか…もしや新手のUMAだったりする?
…なんて言っている場合じゃない。
何でこんなことになったのか、と考えながらドアのほうをじっと見てると、やがて煙が晴れていった。

…そこにいたのは、いつもと違う二人の姿だった…。

「…ゆたかの馬鹿ー!」(←全砲門解放)
「…お姉ちゃんのわからず屋ー!!」(←ビームサーベル二刀流)
「ちょ、二人とも落ち着ギャー!!」
…泉こなた、本日2回目の大爆発でございますゲホゲホ。

「「あっ…」」
「うぉー!こなた、一体誰にやられたんだー!!」
「…いや、アンタだよアンタ…」
「こなたお姉ちゃん、大丈夫!?しっかりして!」
「と…とりあえず……詳しく話訊こうか……」

数十分後。
「いや、だからさっきから謝ってるじゃない、それなのに聞かなくってさー」
と、何やら必死なゆい姉さん。どーやら、机の上にあったクッキーをうっかり食べてしまったらしい。
そのことでゆーちゃんとゆい姉さんはケンカになったというわけなんだけど…。
「でも、お姉ちゃんがクッキー食べちゃったんだよ?あのクッキー、私のなのに!」
「だから、ね?ごめんってば、この通り!…ほら、クッキーなんてまた買ってきてあげるから…」
――ゴゴゴゴゴゴ…
はっ!ゆーちゃんの後ろの空気が歪んでいるっ!…なんという悪寒。
ゆーちゃんは目に大粒の涙をためて、ゆい姉さんの方をじっと睨んでいた。
「や、あの、だからさ、食べちゃったことはしょうがないとしてだよ?」
「お姉ちゃんの馬鹿ー!!!」
――ドカーン!
「な、何を…」
ゆーちゃんの怒りがこもった一撃が、三度炸裂した…。
……や、ゆーちゃん?お怒りはごもっともだけど、私もいるってこと忘れないで欲しいんだよね…。
「ゆいお姉ちゃんのわからず屋!もう知らないもん!!」
そう言ってゆーちゃんは自分の部屋に帰ってしまった。
真っ黒焦げになったゆい姉さんと私。
ゆい姉さんはサイボーグだから何ともないと思うけど、なんで生身の私が3回も爆風喰らって平気なんだろう…。

それから更に十分後。
「…ゆたか…一体どうしちゃったのさ…」
ガックリとうなだれるゆい姉さん。いつになく弱気だ。
どーやらさっきのことで相当落ち込んでるらしい。
ゆーちゃんがあんなに怒ってたのって、きっと何か理由があるんじゃなかろうか。

「ゆーちゃん?」
「こなたお姉ちゃん…?」
ゆーちゃんは目に涙をためたまま、膨れっ面で窓のほうを向いていた。
…私は単刀直入に訊いてみた。
「いきなり入ってきちゃってごめんね…相当怒ってたみたいだけど、あのクッキーのことで…何かあったの?」
ゆーちゃんは暫く黙り込んでいたが、すぐにこう答えた…。
「…お姉ちゃん、今日が何の日だか知ってる?」
「今日?……あぁ、ゆーちゃんが死の淵から帰ってきた日だったよね…」
「そう、今日は私の、もうひとつの誕生日…。実はね、あのクッキー…私のためにってみなみちゃんが一生懸命作ってくれたものだったんだ」
…そうか、そういうことか。
あのクッキー、ゆい姉さんにとってはタダのクッキーに見えていたかもしれない。
でも、ゆーちゃんにとっては、とても大切な、みなみちゃんの手作りの贈り物……。
それだけに、ゆーちゃんはひどく落ち込んでたのかもしれない…。

よし、ここは二人の仲直りのため、私がひと肌脱いであげようではないかー。
「あ、ちょっとゴメン、急に仕事が入っちゃったからー」
「え、ちょ…お姉ちゃん?」
…さて、行動開始だ。私は急いで車を走らせ都内某所へと向かった。

「……そうだったんですか……ゆたかの家で、そんなことが……」
私は、みなみちゃんに事のあらましを説明した。
その話を聞いたみなみちゃんは、最初は驚いていたようだけど、すぐに理解してくれた。
「とにかく…私も手伝うから、みなみちゃん!協力頼んだよ!」
「はい、それでゆたかとお姉さんが助かるなら…」
さぁ、気合入れていくか!…すべてはゆーちゃんとゆい姉さんの仲直りのために。

……その日の夜。
「…ゆい姉さん、今日は見せたいものがあるんだけどリビングに来てくれないかな?」
「え?…でも……」
「大丈夫だって。ゆい姉さんは心配しないで、黙って私について来ればいいのだよ」
私はゆい姉さんを呼び出す。状況がよく理解できていない様子のゆい姉さんをよそ目に、私はある指示を出した。
「…と、そのままリビングに行ってもつまんないだろうから、いいと言うまで視力センサーはOFFにしてて。その間、私の手を放さないようにね」
「…?」
そうして、リビングへゆい姉さんを連れ込む。やっぱり、何がなんだか理解できていない様子。
いっぽうのゆーちゃんはというと、同じような指示を受けてみなみちゃんにつれてこられていたのだった。私たちはゆい姉さんとゆーちゃんを、同じテーブルの席に座らせた。
「…みなみちゃん、準備はいい?」
「…大丈夫」
「それじゃ二人とも、これからケーキを目隠して食べてもらおうー」
「…ケーキ…?」
「……私たちの、手作りなの……」
「そだよ、食べてみてー」
『目隠し』の状態でケーキを食べるゆい姉さんとゆーちゃん。
さすがに上手く食べられないのか、顔中クリームだらけ。
でも、本人たちは目が見えていない状態だから、気にせずに食べ続けていた。

「そろそろいいかな…それじゃ二人とも、もう『目隠し』取ってもいいよー」
そう言われるがままに『目隠し』を解除した二人は、次の瞬間とても驚いた。
「ゆた…か…?」
「ゆい…お姉ちゃん…?」

お互い、クリームまみれになった顔を見てきょとんとする二人。しかし、次の瞬間…。
「あっはははは!何その顔、ゆたか…クリームまみれだー」
「お、お姉ちゃんこそ…うっくく…変な顔だよ…フフ…」
お互いクリームまみれになった顔を見て、同時に笑い出す二人。
その後、私たちは奇跡の瞬間を目の当たりにするのだった。
「ゆいお姉ちゃん…こんな時になんだけど…さ、さっきはゴメンね…」
「ゆたか…お姉さんも、ごめんね…ゆたかがあんなに傷ついてたなんて…」
「ううん、もういいの、もう…いいんだよ。ゆいお姉ちゃんは、私の大切な家族だから…」
…こうして二人は、私とみなみちゃんの手作りケーキによって仲直りを果たしたのでした。
めでたし、めでたし。

……と、サッパリ締めたいところなんですけどね?
「…ゆたかの馬鹿!そんなことする子だなんて、お姉さん思わなかったよ!?」
「…違うもん!お姉ちゃんがしっかりしないから…」
…はぁ、またケンカの仲裁役を買って出ることになるのか…。
勘弁してくださいよ、姉妹ケンカはソレスタルビーイングの介入対象外だよ…。

                                 <gdgdですから>
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